今日の1枚のアート(←勝手に名付けた9

 

一枚でもないけど、、

 

JRの北浦駅からすぐの公園内にある埼玉近代美術館。

そこの常設展でいつも飾られている作品をご紹介。

 

 

●ジャコモ・マンズー 《枢機卿》1979年

 

マンズー《枢機卿》彫刻、埼玉近代美術館

 

高さ220センチの高さの人体より少し大きめの作品です。

 

二等辺三角形の立体表現がなんとも印象的。

その平な凹凸のない衣服と、垂直方向へ伸びる線が鮮やかに感じられます。

 

高い帽子と厳かな顔貌表現と相まって、厳粛な宗教観が作品から伝わってきます。

 

イタリアの職人の家に生まれた、マンズーの作品だから、敬虔なカトリックの教えの中で幼いころ生きてきたのでしょうかね、、、

知らんけど。

 

キャプションによると

この《枢機卿》は石彫のこの作品の他にもブロンズや木材などでも作られていて、作家が生涯を通じて制作にあったモチーフだそうです。

 

 

🔳ジャコモ・マンズー(1908ー1991)

20世紀のイタリアを代表する彫刻家。

靴職人の家に生まれ、ベルガモで木彫職人の弟子として働きながら、装飾美術学校の夜間コースに通った苦労人でも有ります。

 

第二次大戦頃から戦後にかけて活躍を始め、世界的に評価が高まったそうです。その情緒的な世界観は日本人にもあっていたようで、国内でも個展が開かれるなど人気の作家だったそうです。



 

 

あと、

この作品の置かれている環境もご紹介。

 

マンズー作《枢機卿》と舟越保武作《ダミアン神父像》

 

自然光が差し込む空間に3点のキリスト教にまつわる作品が飾られています

 

左に見えるのは舟越保武さんの《ダミアン神父像》

あとここには見えないけど

ヴェナンツォ・クロチェッティの《マグダラのマリア》の像があって

厳かな空間が作られています。

その中心に位置するのがこの《枢機卿》。

 

 

一度訪ねてみれば、、、

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

先日、銀座シックスの蔦屋書店へ行ってきました。

定点観測的に訪れていたのですが、、、

ちょっとご無沙汰してしまってましたね。

 

今回はフォーラム・コンテンポラリーで開催していた粂原愛さんの個展。

「誰が袖を見遣るか」をご紹介。

 

 

 

🔳展覧会入り口

 

粂原愛 展覧会「誰が袖を見遣る」看板

 

 

 

 

🔳展覧会風景

 

粂原愛 個展「誰が袖を見遣るか」の作品

 

 

 

 

 

 

 

粂原愛個展「誰が袖を見遣るか」の展示風景

 

 

🔳粂原愛さん

 

2015年に多摩美術大学大学院(日本画)を修了。

その後国内のにならず海外での滞在制作を行いました。

現在は長野を拠点に活動されています。

 

ギャラリーのホームページによると、

透過性の高い絵具で下図を描き、その上に和紙を幾重にも重ね、さらに岩絵具で彩色する日本画の技法に、粂原独自の感性を重ねた表現が特徴です。層が折り重なる画面には、光や空気の気配が宿り、静かな奥行きをまとった像として立ち上がります。”

 

日本画の技法はよくわからないけど、、

立体感が出てくるのは作品をみると感じられる点ですね。

 

 

この展覧会の特色は、ルーシー・リー、黒田辰秋らの工芸作品とのコラボレーションによって作品が展示されていることですね。

 

(どの工芸作品が誰のものかよくわからなくなってしまったのですが、、それが残念。)

 

 

粂原さんはこの展覧会で「梅の花」をテーマに作品を描かれています。

それは古今和歌集の歌に着想を得ているとのこと、タイトルの

「誰が袖を見遣る」から、「古今和歌集 梅 袖」などで何回かググってみると

 

 

「色よりも香こそあはれと 思ほゆれ 誰が袖ふれし 宿の梅ぞも」

 

「折つれば袖こそにほへ梅の花 有りとやここにうぐひすのなく」

 

こんな歌が出てきたので、たぶん、上の歌を参考にされたのかと思いますが、、

どちらにせよ、「梅の花」というより「梅の香り」がポイントだというのでしょね。

 

そうだとすると一緒に並べられている工芸品が花入が多いのは納得の選択ですね。

 

その花入に梅が飾られていて、梅の香りが漂うことを想像させているのかもしれません。

なんてな。

 

 

🔳作品紹介

 

●《紅梅匂(赤)》

 

粂原愛 紅梅匂(赤・白)作品

 

 

 

●《紅梅匂(白)》

 

粂原愛 個展「誰が袖を見遣るか」の梅の花の絵

 

 

この二つの連作が並んでいて、展覧会のテーマが花だとすぐわかる後世になっています。

タイトルに「匂」が使われているので、歌の世界に着想を得ているのが想像できます。

 

 

 

粂原愛 個展《紅梅匂》と竹編み花入

 

竹の編み上げの花入が効いていますね

 

 

 

 

粂原愛 個展「誰が袖を見遣るか」作品

 

 

 

粂原愛「紅梅匂(白)」と赤のオブジェ

 

工芸作品は誰の作品かよくわからなかったのですが、、

これは黒田辰秋さんでしょうね。

 

 

こうやってみると工芸作品にインスパイアされて作った絵画作品ようですね。

 

工芸の立体の持つ、作品というより、モノとして力がとても感じられた展覧会。

平面と立体作品が組み合わさって、ひとつの空間ができていて、感じ入った次第です。

 

桜のいさぎよさもいいけど、、

梅の香りも、いいですよね。

 

これは、もっと花のバージョンを増やして、色々な立体作品とコラボレーションしたものが作れるかもしれませんね。

 

会期は5月20日まで。

だから終わってしまったけど、、、

いいものを見させていただきました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 



 

先日、上野の東京国立博物館へ訪問。

現在開催中の「前田育徳会創立百周年記念 特別展 百万石!加賀前田家」をみてきました。

 

前田利家を初代として、江戸時代を通して金沢を中心に百万石の領地を誇った前田家。

その歴代の君主が所蔵した逸品がこれでもかと並んでいます。

 

さらに明治維新後、16代目の当主、前田利為が現在の前田育徳会の前身である育徳財団を作りました。そんな明治以降のコレクションも展示。

 

設立以来100年。

今回の特別展はその100周年を記念して行われている展覧会です。

 

 

🔳東京国立博物館 平成館入り口

 

加賀前田家展 100周年記念特別展

 

 

🔳作品紹介(画像がないけど)

 

展覧会場内は撮影禁止の部分がほとんどです。

最初に歴代の君主の甲冑や陣羽織などが並んでいて壮観な展示で始まります。

 

上の看板に使われていた甲冑が今回のメインビジュアルの作品

●重要文化財 《金小札白糸素懸威胴丸具足》安土桃山時代 16世紀 前田育徳会所蔵

 

利家が所蔵していたものらしいですよ。

戦国大名みたいにアバンギャルドですよね。

 

 

それから見どころとして、国宝の書の数々(画像はないけど)

 

国宝の《金沢本万葉集》、《古今和歌集》、《十五番歌合》などなど、、

また天皇の書としても3人の天皇の書《三朝宸翰》伏見・花園・後醍醐天皇筆も忘れてならないんじゃないんでしょうか。

 

先日、大阪市美術館で「妙心寺展」を見てきたため、ゆかりの花園天皇が出てきたので興味津々でしたね。

 

その中でも一番気になったのは、

 

●国宝 藤原定家筆《土佐日記》鎌倉時代 文歴2年(1235) 前田育徳会

会期中に展示する箇所が変わるそうですが、、

 

個人的に推しの藤原定家の書で(悪筆として有名ですが、私は人間らしくて大好きです)

会期の最初の頃に見に行けたため、

をとこもすなる日記といふ物を”

 

で始まる有名な巻頭の部分を見ることができました。(定家は普通の文とはちょっと違って書いてあるような気もするのですが、、、素人だしわからないので、まあいいや、と満足)

 

 

そしてなんといっても最大の見どころと思うのは、

 

●重要文化財 《百工比照》 江戸時代 17ー18世紀 前田育徳会

前田家の5代当主の前田綱紀が作らせた、当時の工芸技術の見本集みたいなもの。

紙、漆工、染織、金属、組紐、皮革、木材、建築の部材などの見本が集まっています。

 

その質と量には素人ながら圧倒されてしまいました。

もちろん見ている人も沢山で、会場内で一番混んでいた場所でしたね。

 

今度夜間開館の時でも行って、ここだけゆっくり見てやろうと思った次第。

でも本当にできるでしょうか?

 

 

他にも忘れていけないのは

 

 

●国宝《太刀 銘 光世作》(名物 大典太)平安時代 12世紀

有名な刀剣。

ゆっくり見させていただきました。

 

●重要文化財 大名物《曜変天目》中国南宋時代 12ー13世紀 MIHO美術館蔵

これも前田家にあった物らしいです、、、

初めて見た。

もう一度見たい、必見かも。

 

 

🔳作品紹介(画像あり)

展覧会の最後のところは撮影可能。

 

ちょっと紹介しますね。

 

●会場風景


東京国立博物館、加賀前田家展の会場風景

 

ここには前田育徳会の創始者、16代の利為がコレクションしたヨーロッパの資料などが展示してあります。

 

またこのスペースは東京駒場の前田家本邸の洋館・大客室をイメージした展観となっているそうです。

 

 

●壁紙

 

前田家本邸の洋館をイメージした壁紙

 

 

 

 

●《ルイ14世 書簡》1684年

 

ルイ14世書簡 東京国立博物館

 

 

 

 

 

●《ナイチンゲール書簡》フローレンス・ナイチンゲール著 1856年

 

ナイチンゲール書簡 1856年

 

 

なんとも読めないけど、、、

重要な資料なことはわかりますね。

 

会期中展示替えがあって、会期後半にはハイドンの書簡やバッハ、モーツァルト、シューベルト、ラフマニエフの楽譜なども展示されるようですよ。

 

 

前田家の歴史と伝統が十分に拝見できる展観会。

 

武家としての甲冑や刀剣。

文化面での絵画、工芸、書籍、茶道具などなど。

それから明治以降のヨーロッパ関連の資料。

だから色々な方の興味に応えられる展覧会でもあります。

 

伝統というのは、あらゆることにストックがあるということが本当にわかる展覧会です。

 

前田家恐るべし。

 

 

 

 

 

最後に。文部大臣からの前田財団の設立許可書をご紹介。

 

●公益財団法人育徳会設立許可書 大正15年(1926年) 2月26日

 

育徳会設立許可書 大正15年2月26日

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

 

先日の5月10日(日)で終了してしまいましたが、、

 

東京の府中市美術館で大変人気だった、春の江戸絵画まつり 長澤蘆雪展を見てきました。

 

とても人気の展覧会でチケットの購入する人の列が、美術館の外まで並んでいる状態だったとのこと。

 

私が見に行った日にはそうでもなかったので、、

どうしたものだと思ったのですが、、、

 

和歌山県の串本市の無量寺の本堂を飾る、重要文化財の《龍虎図襖》を特に見たいため、後期の展示に行ってきました。

 

🔳美術館入り口 看板

 

長沢蘆雪展「かわいい」子犬と虎の絵

 

展覧会場内は写真撮影が禁止なので、テキストでの紹介になりますが、よろしくご承知ください。

 

 

 

ずっと府中市美術館が春に行ってきた、「春の江戸絵画まつり」も今回で最終回とのこと。

それに合わせて、長澤蘆雪が満を持しての登場というわけですね。

 

🔳長澤蘆雪(1754ー1799)とは

 

京都四条派の円山応挙の高弟。

また伊藤若冲、曾我蕭白と一緒に奇想派の一員として語られる画家でもあります。

 

彼の画業を振り返ってみると、特に、1786年の暮れから翌年にかけて、師匠の円山応挙の代理として南紀州に出かけて、数多くの作品を残しています。

この中に、今回の展覧会の目玉。重要文化財《龍虎図襖》無量寺・応挙蘆雪館所蔵、があります。

 

また他にも、円山応挙やその門弟たちと兵庫県の大乗寺の一連の作画にも参加しているらしいです。

 

大乗寺の作品についての記事です↓

よかったら読んでみてくださいね。

 

 

 

 

また彼は若くして亡くなってしまったのですが、それも大阪に出かけて旅先での突然死。

一説には死因は毒殺とも自殺とも言われている画家。

本当かどうかは定かではありませんが、、、

 

そんな伝説が生まれているのですから、もしかするとチョー変わった性格の方だったかもしれませんね。

 

 

🔳作品紹介

画像はないので、テキストだけですが、気になった作品をご紹介。

 

●重要文化財《龍虎図襖》和歌山県 無量寺・応挙蘆雪館所蔵

 

虎の襖絵はちょっと可愛いところもあるけれど迫力十分の個性豊かな、大きな虎が描かれています。

 

気に入ったのが龍の方。

龍がもたらした、まるで墨が流れるように描かれている雨の描写が他にはない感じて必見だと思いましたね。

墨が流れ落ちていくのも構わず、サクサク描いているようで、すっかり気に入ってしまいました。

 

ところで他にも気になった作品があって↓

 

●《唐子図屏風》個人蔵

蘆雪は子供を描くと独特の面白さがあると思います。

 

 

●《寒山拾得図》和歌山県高山寺所蔵

大画面でトリミングした寒山と拾得の図像。

その大きさと描写の線が規格外の大迫力。

 

 

この展覧会で、すっかり長澤蘆雪の推しになってしまった私。

 

この《龍虎図襖》があるのは、和歌山県の串本市、応挙蘆雪館。

ここには他にも、南紀にある応挙や蘆雪のたくさんの作品があるらしいそうですよ。

 

和歌山県の本州最南端の串本市の、無量寺(高精密の模本があるみたい)と原作が保存されている応挙蘆雪館へ行ってみたいものですね。

 

でもね、お金と時間がない私には、いつになることやら。

 

 

ちょっと前のゴールデンウィーク中。

世田谷区の上野毛の五島美術館へ行ってきました。

 

上野毛の駅から歩いて5分くらいでしょうか

相変わらずの大木が迎えてくれます。

 

五島美術館の大木と建物

 

この木をみると、五島美術館に来たなって思うのですね。

 

この春五島美術館では「春の優品展 名品を彩るアンティーク・テキスタイル」展を開催中でした。

 

でも本当の目的は、4月29日から5月6日までの間に公開される、国宝の《源氏物語絵巻》をみること。

 

毎年、ゴールデンウィークに公開されている恒例の展示ですね。

ひさしぶりに見に行ってきました。

 

とっても混んでいると思ったのですが、、、

そうでもなかったですね。

だからゆっくり見れてよかったですね。

 

 

🔳展覧会案内

 

五島美術館 春の優品展 アンティーク・テキスタイル

 

 

🔳五島美術館入り口

 

五島美術館の入り口

 

会場内は撮影不可なのでテキストだけの案内になりますが、、、

 

まずは展示室1のアンティーク・テキスタイルから

 

気になった作品

 

●《霊昭女像》伝顔輝 室町時代 16世紀

中国の作家、伝顔輝となっていますが、室町時代の作品となっているように日本で描かれたものらしいです。

静かな佇まいが印象的。

 

●重要美術品 《唐物文琳茶入 銘本能寺》 南宋時代 13世紀

仕覆がいくつもあって、大切にされてきたのがわかります。

 

 

それらをゆっくりみて、展示室2へ移動して国宝の《源氏物語絵巻》

 

ここでは、五島美術館が所蔵する《源氏物語絵巻》

の「鈴虫一」「鈴虫二」「夕霧」「御法」の4点が全部公開されています。

 

さらに加藤純子さんの復元模写も並べて展示。

制作された当時の作品を想像できてとても貴重なものですね。

 

 

色々とあるのですが、、、

まずは

 

●《源氏物語絵巻 鈴虫二》

この絵画の構図がなんと言っても意味深。

自分と藤壺との間の不義の子である冷泉院と向かい合って座る光源氏。

光源氏の背後には笛を吹いている、光源氏の長男夕霧。

 

三者が一直線に並んでいて、夕霧が二人に背を向けている構図は、3人の人間関係を暗示しているようで、なかなか意味深。

 

 

●《源氏物語絵巻 夕霧》

光源氏の長男、夕霧が読んでいる文を、彼が思う落葉宮からのものだと勘違いして、後ろから忍び寄る妻の雲居雁。その手は強い意思を持っているようです。

このあと、雲居雁はその手紙を奪い取り走り去っていきます。

その情景を影から見守る、二人の女房。

 

物語の中でこの画面を作品化することにした、画家のチョイスの妙ですよね。

 

 

●《源氏物語絵巻 御法》

光源氏が明石中宮を伴って、病に伏せっている最愛の紫の上を見舞う場面。

3人は歌を読み交わすのですが、庭の秋草のもの悲しさがその心情を表しているようです。

 

と思ったのですが、、、

加藤純子さんの復元作品をみると、その庭の秋草は月のあかりに照らされて、煌びやかに光輝いているのですね。

完成した状態がそうであったなら、その秋草の意味することは死期を近づいた紫の上や光源氏の気持ちを表すのではなくて、死に近づいてもなお美しい紫の上の容姿と、その心の持ちようなのではないでしょうか?

 

なんてな

 

 

『源物語』をまだ読んでいない私として、来年の公開までには、『源氏物語』を現代語訳でも読んでみたいと思った次第。

 

そして、他の国宝《源氏物語絵巻》を所蔵する、名古屋の徳川美術館へも、公開予定を確認して行ってみたいと思いました。

 

そういえば昨年末に徳川美術館で《源氏物語絵巻》の全巻公開という展覧会がありましたね。

行けなかったけど、、、

 

少しずつ見ていかないと、お腹いっぱいになっちゃって、とっても見切れないと思ったのでいかなかったのですが、、、

 

少しずつ行くことにしましょうね。

全部見られるのはいつになることやら、

死ぬまでにはね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。