akki-artのブログ

akki-artのブログ

アートや建築、ファッションなどなど。美術館やギャラリー、街の風景など、キレイと思うものをあれこれと。

先日、ギンザシックスの蔦屋書店で見た個展

 

 

中原亜梨沙 個展  あの日どこかで

 

 

 

 

ギンザシックスの蔦屋書店で開催していた個展です

 

 

誰にでもある、大切な記憶を作品化されています

 

 

4月19日(金)まででしたが

 

 

とても気に入ったので、紹介を

 

 

■展示風景

 

 

 

 

 

 

■中原亜梨沙さんとは

 

(美術手帖などのホームページを参考に)

 

 

中原亜梨沙さんは、1984年沖縄生まれ、

 

 

東京藝術大学で日本画の学士号と修士号を所得されたそうです

 

 

最近は、ご自身の記憶やイメージにある、象徴的な女性像を描いているそうです

 

 

一発勝負の日本画を描く、その前のラフスケッチをそのまま作品にしているような感覚

 

 

作者としては新鮮な感覚なんでしょうね

 

 

彼女は

 

結局、私が描きたいものは技法や画材に関係なく一貫しているのだと思えた」と語ります。”

 

 

ということですね

 

 

 

■作品紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可憐な女性像

 

 

作者の記憶だとすれば、この絵の背景は意味深いですね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中原さんの描く女性像は、彼女の記憶の中のイメージ

 

 

 

画家にとっての記憶の中の女性像

 

 

 

自分を形作っている一部を描いているわけですね

 

 

 

 

これらの絵のモデルは一体誰なのでしょう

 

 

 

幼い頃や、学生時代の彼女自身かもしれませんね

 

 

 

個展のタイトルは「あの日どこかで」

 

 

きっと普段の暮らしの中にあった、大切な記憶を絵にしているのでしょうね

 

 

 

 

 

上野の東京国立博物館で開催中

 

 

 

 

特別展 法然と極楽浄土 

 

へ行ってきました

 

 

 

■フライヤー表紙

 

 

今年は浄土宗が始まって850年

 

 

それを記念して総本山の京都知恩院をはじめとして、全国の浄土宗寺院の名品が揃った展覧会です

 

 

 

 

 

 

■法然(1133−1212)とは

 

美作国、今の岡山県の生まれ

 

比叡山で修行し、

念仏をによって誰もが極楽往生できることをといた浄土宗の開祖

 

 

そのため浄土宗とは、

 

 

「南無阿弥陀仏」を唱えることにより極楽往生することを求める宗派です

 

 

 

源平の戦いが起こった、平安時代から鎌倉時代にかけて

 

 

人々は内乱、疫病などで疲れきっていました。そんな時、阿弥陀仏を信じて「南無阿弥陀仏」と唱えれば、だれでも極楽浄土に行けるという教えをといたのが法然というわけですね、

 

 

法然は43歳のときに浄土宗を開き、庶民から貴族に到るまで多くの支持者をえます

 

 

しかし、出る杭は打たれるの例え通り、既存の仏教の世界から妬まれ、75歳のときには讃岐国(今の香川県)に流される羽目に

 

 

 

その後、京都に戻り1212年、80歳で亡くなりますが、その教えは弟子たちに受け継がれていきます

 

 

 

 

■展覧会エントランスバナー

 

 

 

 

 

 

会場内は撮影禁止なので、画像はフライヤーからスキャニングしてあります

 

 

 

■作品紹介

 

 

●国宝 《綴織當麻曼荼羅》 中国・唐時代、もしくは奈良時代 8世紀

奈良、當麻寺蔵

 

 

 

この説明文にあるように

 

 

縦横4メートルの大きな綴織の《當麻曼荼羅》

 

 

通常は秘仏として見られませんが、それが5月6日(月・祝)まで展示されています

 

 

 

見たいと思ってましたが、初めてみる国宝

 

 

 

 

 

 

蓮糸織られたという伝説を持つ曼荼羅

 

 

実はどういう経緯で當麻寺へおさめられたか不明

 

 

 

これを収納する厨子も国宝に指定されているのですが

 

 

これが8世紀から9世紀の初め頃のものらしいので

 

 

 

その頃までには當麻寺にあったとされています

 

 

 

かなり破損が激しいのですが、鎌倉時代に板張りにされ、江戸時代初期にはそれを剥がして、軸装して、さらに補筆をしたことがわかっています

 

 

 

実は奈良県以外で公開されるのは初めてらしいですよ

 

 

 

●国宝 《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)》 鎌倉時代 14世紀 部分

京都知恩院蔵

 

 

 

 

フライヤーの表紙から

 

浄土宗の総本山、知恩院所蔵の名品です

 

 

最近数年に及ぶ修理が終了したとのこと

 

 

死者に向かって、迎えに来る仏たちのスピード感が対角線の構図で見事に表されています

 

 

 

それで「早来迎」とも呼ばれているのですね

 

 

 

また、周辺の風景の描写もきちんとされていて、その現実感も、このスピード感に結びついているようです

 

 

 

 

 

 

 

●国宝 《法然上人絵伝》鎌倉時代 14世紀 京都知恩院蔵

 

 

 

全部で48巻もある、鎌倉時代に作られた高僧絵の中でももっとも大規模な作品

 

 

綺麗に残っていて、美しいですね

 

 

法然がなくなったのが1212年、13世紀初頭。

 

 

その次の世紀には、48巻にも及ぶ、法然の生涯を綴った作品が作られています

 

 

 

浄土宗の広がりを実感しますね

 

 

 

 

 

 

 

●狩野一信 《五百羅漢図》江戸時代 19世紀 東京・増上寺蔵

 

 

 

実際に見たのは左側の 六道地獄の図

(右側は5月14日からの展示です)

 

 

 

幕末の絵師、狩野一信の《五百羅漢図》

 

 

晩年の10年をかけて描いた全100幅の超大作です

 

 

西洋の技法も取り入れていて、迫力十分

 

 

展覧会で、これが実は一番心に残った作品です

 

 

 

 

 

●《仏涅槃群像》香川県・法然院蔵

 

この作品だけ撮影可能でした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香川県の法然寺に伝わる《仏涅槃群像》

 

 

 

釈迦入滅の場面は、通常は《釈迦涅槃図》という形で絵画で表現されることが多いそうですが

 

 

これは、82体の像で立体的に表している作品

 

 

2メートルを超える大きな、横になった釈迦像

 

 

 

羅漢、動物など26体が展示されています

 

 

 

高松藩初代藩主で、水戸光圀の兄にあたる松平頼重(1622ー1695)は藩内の各所で大規模な造像活動をしたそうですが、これもその一つ

 

 

寝ている釈迦は2メートル超え

 

 

NBAは無理でも、Bリーグならスカウトされるかも、、、

 

 

映像作品もあって

 

 

この香川県の法然寺はとても綺麗な場所のようです

 

 

 

一度行ってみたいところですね

 

 

 

 

展覧会の会期は東京では6月9日(日)までですが、、

 

 

 

《当麻曼荼羅》が展示されているのは5月6日(月・祝)までなので、その間に行かれた方がいいかなって思っています

 

 

 

よかったら、ゴールデンウィーク中にどうでしょう

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)

 

 

 

 

 

 

●ピーダ・イルステズ 《イーダの肖像》

 

 

 

東京国立西洋美術館の常設展

 

 

 

 

縦23.2 x 横18.5 センチという小さな絵画

 

 

 
 

でもそこに描かれた少女の姿はとても心に残りました

 


 

 

 

 

 

 

●部分

 

 

 

上から光が当たり、少女の目の当たりは影に

 

 

 

その影の中からの、少女の眼差しがとても素敵

 

 

 

そして、首回りのレースの飾りが、光を浴びて

 

 

 

とても印象的な構図となっています

 

 

 

このモデルのイーダは作者の妹だと思うのですが、、、

 

 

 

作家の妹への愛情が伝わって来る作品ですよね

 

 

 

■ピーダ・イルステズ(1861−1933)とは

 

デンマークの画家、版画家

 

 

1878年から83年にかけて、コペンハーゲンの美術学校でお勉強を

 

 

 

卒業後、パリ万博やイタリアやパリへ奨学金を得て赴いた経験があるそうです

 

 

 

画家としてより版画家としての特徴が際立っているらしいですが、、

 

 

 

実はデンマークの有名作家のハンマースホイは、彼の妹のイーダと

 

 

この作品が描かれた数年後、1891年に結婚することに

 

 

 

きっと大きな影響を作家は受けたことだと思います

 

 

(参考 東京国立西洋美術館ホームページ)

 

 

 

 

 

 

 

 

■ハンマースホイの作品

その義弟のハンマースホイの上野の西美が所蔵する作品

 

 

 

 

《ピアノを弾く妻イーダのいる室内》東京国立西洋美術館蔵

 

 

 

 

 

 

 

 

▼この作品に関しての記事です

よかたら読んでください

 

 

 

 

 

ハンマースホイの静かな画面もいいですが

 

 

 

イルステズの愛情のこもった作品もいいですよね

 

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

 

 

 

 

先日から、ギンザシックスの吹き抜けの展示作品が変わりました

 

 

今回は、日本を代表する現代彫刻家のヤベノケンジさんの作品です

 

 

 

●ヤノべケンジ《BIG CAT BANG》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼柱周りの装飾

 

 

 

《BIG CAT BANG》の表示

 

 

宇宙誕生の際のビッグバンにも掛けているのでしょうね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■ヤノべケンジさんとは

 

 

1965年大阪府のお生まれ

 

 

 

京都市立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業して、同大大学院美術研究科を修了されています

 

 

 

97年に、ウクライナの原発事故があったチェルノブイリで

 

 

ヒト型放射線感知スーツを着て乗り込む「アトムスーツ・プロジェクト・チェルノブイリ」を行なったことでも知られています

 

 

またインパクトがあるキャラクターの巨大彫刻を作ってきた作家さん

 

 

 

その創作の原点は、大阪万博の跡地にそびえ立つ岡本太郎さんの《太陽の塔》ともおしゃっているそうです

 

 

 

▼《太陽の塔》50分の1の模型

 

 

岡本太郎の《太陽の塔》の模型もあります

 

 

 

 

 

 

この《BIG CAT BANG》は、

 

 

2017年に九州の福岡から始まった

 

 

旅をしながら福を運ぶ猫「SHIP’S CAT」シリーズのひとつ出そうです

 

 

 

 

日本や世界中で展示されてきたシリーズ

 

 

大阪の中之島美術館にもあるそうですが、、、

 

 

 

行ったことがないので、今度行ったらぜひ見たいですね

 

 

 

 

■シップスキャットとは

 

昔の船乗りは、ネズミ退治を目的の一つとして、船に猫を乗せていたそうです

 

 

 

それが「シップス・キャット」

 

 

 

ネズミが運ぶ疫病を防ぐとともに、船乗りたちの心を癒してきたんでしょうね

 

 

 

GINZA SIX中央部にはとても大きな吹き抜け空間があって、そこを宇宙と見立てた舞台にしているそうです

 

 

そこに小さいけれども無数の宇宙猫が本体の宇宙船の周りを飛んでいます

 

 

 

真ん中の宇宙船は、岡本太郎《太陽の塔》へのオマージュでしょうね

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと見にくいけど

 

たくさんの猫が空に舞っています

 

 

来年の夏ごろまでの展示だそうです

 

 

しばらくはギンザシックスに来ると、これを見ることになるのですね

 

 

 

悪くないね

 

 

 

■ギンザシックスの吹き抜けの記事です

よかったら読んでください

 

 

 

 

■岡本太郎さんの展覧会の記事です

 

よかったら読んでくださいね

 

 

 

 

今日の1枚のアート

 

 

東京国立博物館に先日まで展示してありました作品、

 

 

池大雅の書です

 

 

 

●《一行書 花開万国春》(はなひらくばんこくのはる)江戸時代 18世紀

 

 

 

 

池大雅は江戸時代中頃の、京都で大活躍した画家です、

 

 

 

絵だけでなく書も定評がありました

 

 

この前、有楽町の出光美術館で回顧展を見たばかり

 

 

 

このおおらかな書の作品を見て

 

 

自由な感じが、文人画を描いた人らしく、

 

 

大雅は面白い人だったのではないかと思った次第

 

 

というわけで終わってしまった、トーハクの展示作品ですが、、

 

 

ご紹介したいと思います

 

 

 

 

 

▼もっと近くで

 

 

 

「花開く万国の春」

 

 

春にふさわしい言葉ですよね、よく聞く言葉でもあります

 

 

唐時代の禅僧・臨済義玄の『臨済録』の一節らしいです

 

 

花と春、どちらも切っては切れない関係

 

 

花が咲くから春なのか、春だから花が咲くのか

 

 

なんか禅問答みたいです

 

 

さすが禅宗の一つ臨済宗を始めた僧侶の言葉らしいです

 

 

 

素人ながらも、感想としては

 

 

 

2文字目の「開」の文字の形から、実際に何かが開いたり、始まるイメージを感じます

 

 

それから3文字目の「万」と4文字目の「国」について

 

 

ひと続きにした筆使いで、廻るく文字を書くことで、柔らかな印象を受けます

 

 

これを楷書の「万」「国」と直線の組み合わせで書くと、

 

 

それはそれでありとは思いますが、

 

 

穏やかな春の感じとは違ってくるかもしれませんね

 

 

失礼ながら、

 

 

漢字を読めるとは思えない、欧米から来たらしい観光客の方々が

 

 

 

この作品の前で、写真を撮っているの多数見受けました

 

 

 

英語での解説キャプションはありましたが

 

 

この池大雅の書のもつ自由さと、春の雰囲気が

 

 

彼らにも伝わったのでしょうね

 

 

 

そういえば、1文字目の「花」も最後の「春」も美しく流れるような線で

 

 

文字が書いてあります

 

 

私だけでしょうか、春ってどこか、のんびりしている印象があるのは、、、

 

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました

 

 

 

▪️池大雅の記事

よかったら読んでください