上野の東京国立博物館で開催中
特別展 法然と極楽浄土
へ行ってきました
■フライヤー表紙
今年は浄土宗が始まって850年
それを記念して総本山の京都知恩院をはじめとして、全国の浄土宗寺院の名品が揃った展覧会です
■法然(1133−1212)とは
美作国、今の岡山県の生まれ
比叡山で修行し、
念仏をによって誰もが極楽往生できることをといた浄土宗の開祖
そのため浄土宗とは、
「南無阿弥陀仏」を唱えることにより極楽往生することを求める宗派です
源平の戦いが起こった、平安時代から鎌倉時代にかけて
人々は内乱、疫病などで疲れきっていました。そんな時、阿弥陀仏を信じて「南無阿弥陀仏」と唱えれば、だれでも極楽浄土に行けるという教えをといたのが法然というわけですね、
法然は43歳のときに浄土宗を開き、庶民から貴族に到るまで多くの支持者をえます
しかし、出る杭は打たれるの例え通り、既存の仏教の世界から妬まれ、75歳のときには讃岐国(今の香川県)に流される羽目に
その後、京都に戻り1212年、80歳で亡くなりますが、その教えは弟子たちに受け継がれていきます
■展覧会エントランスバナー
会場内は撮影禁止なので、画像はフライヤーからスキャニングしてあります
■作品紹介
●国宝 《綴織當麻曼荼羅》 中国・唐時代、もしくは奈良時代 8世紀
奈良、當麻寺蔵
この説明文にあるように
縦横4メートルの大きな綴織の《當麻曼荼羅》
通常は秘仏として見られませんが、それが5月6日(月・祝)まで展示されています
見たいと思ってましたが、初めてみる国宝
蓮糸織られたという伝説を持つ曼荼羅
実はどういう経緯で當麻寺へおさめられたか不明
これを収納する厨子も国宝に指定されているのですが
これが8世紀から9世紀の初め頃のものらしいので
その頃までには當麻寺にあったとされています
かなり破損が激しいのですが、鎌倉時代に板張りにされ、江戸時代初期にはそれを剥がして、軸装して、さらに補筆をしたことがわかっています
実は奈良県以外で公開されるのは初めてらしいですよ
●国宝 《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)》 鎌倉時代 14世紀 部分
京都知恩院蔵
フライヤーの表紙から
浄土宗の総本山、知恩院所蔵の名品です
最近数年に及ぶ修理が終了したとのこと
死者に向かって、迎えに来る仏たちのスピード感が対角線の構図で見事に表されています
それで「早来迎」とも呼ばれているのですね
また、周辺の風景の描写もきちんとされていて、その現実感も、このスピード感に結びついているようです
●国宝 《法然上人絵伝》鎌倉時代 14世紀 京都知恩院蔵
全部で48巻もある、鎌倉時代に作られた高僧絵の中でももっとも大規模な作品
綺麗に残っていて、美しいですね
法然がなくなったのが1212年、13世紀初頭。
その次の世紀には、48巻にも及ぶ、法然の生涯を綴った作品が作られています
浄土宗の広がりを実感しますね
●狩野一信 《五百羅漢図》江戸時代 19世紀 東京・増上寺蔵
実際に見たのは左側の 六道地獄の図
(右側は5月14日からの展示です)
幕末の絵師、狩野一信の《五百羅漢図》
晩年の10年をかけて描いた全100幅の超大作です
西洋の技法も取り入れていて、迫力十分
展覧会で、これが実は一番心に残った作品です
●《仏涅槃群像》香川県・法然院蔵
この作品だけ撮影可能でした
香川県の法然寺に伝わる《仏涅槃群像》
釈迦入滅の場面は、通常は《釈迦涅槃図》という形で絵画で表現されることが多いそうですが
これは、82体の像で立体的に表している作品
2メートルを超える大きな、横になった釈迦像
羅漢、動物など26体が展示されています
高松藩初代藩主で、水戸光圀の兄にあたる松平頼重(1622ー1695)は藩内の各所で大規模な造像活動をしたそうですが、これもその一つ
寝ている釈迦は2メートル超え
NBAは無理でも、Bリーグならスカウトされるかも、、、
映像作品もあって
この香川県の法然寺はとても綺麗な場所のようです
一度行ってみたいところですね
展覧会の会期は東京では6月9日(日)までですが、、
《当麻曼荼羅》が展示されているのは5月6日(月・祝)までなので、その間に行かれた方がいいかなって思っています
よかったら、ゴールデンウィーク中にどうでしょう
最後までお付き合いいただきありがとうございました