先日、東京国立博物館の本館常設展の国宝室で、《一遍聖絵》を観てきたました。

 

今日の1枚のアート(←勝手になづけた)

 

 

●国宝《一遍聖絵 巻第七》法眼円伊筆 鎌倉時代 正安元年(1299)

 

▼部分

 

国宝一遍聖絵 鎌倉時代の遊行風景

 

 

 

 

一遍聖絵(国宝): 巻第七の場面

 

 

 

 

 

一遍聖絵 鎌倉時代の賑わい

 

時宗の開祖、一遍上人(1239ー1289)の生涯を描いた絵伝。

東京国立博物館にあるのは第七巻ですが、

元は神奈川県の清浄光寺(遊行寺)が所有する12巻のうちの一つ。

 

 

一遍上人の没後、10年たった正安元年(1299)の8月23日にに完成したことが、この絵巻の最後の12巻の巻末に書かれているとのこと。さらに描いた画家や文字をしたためた方も書いてあるので、はっきりしたことがわかるらしいです。

 

 

▼部分

 

 

一遍聖絵の風景と人々の描写

 

 

 

一遍聖絵:人々の暮らしと自然の風景

 

 

 

 

一遍聖絵、古の風景と人々

 

 

北は奥州江刺(現在の岩手県)から南は大隈(現在の鹿児島県の東部)に至るまで遊行して歩いた一遍上人の姿を表しているのですが、、

 

それぞれの場面は、ストーリーがあって、絵ときもできるのでしょうけれども、、

それをするのもいいけれど、、、

いつかはしたいと思いますが、、、

 

 

素人の私としては、

それよりもとっても心を惹かれたのは、当時の自然の風景や、神社や街に集う人々の姿ですね。

 

その躍動感溢れる姿は、13世紀の人々の姿が今そこにあるような気がしました。

 

この作品の展示は5月10日まで、つまり明日までです。

 

東京国立博物館で前田家の企画展が開催中ですが、、、

こちらもよかったらぜひ。

 

 

東京・竹橋の東京国立近代美術館の常設展、MOMATコレクションに展示中。

 

現在「下村観山」の特別展が開催中ですが、常設展でもたくさんの興味深い作品が展示してあります。

 

その中でも異様なリアル感を放っていた作品をご紹介。

 

今日の1枚のアート(←勝手に名付けた)

 

 

●五姓田芳柳 《静舞》1889年

 

五姓田芳柳《静舞》:リアルな男性の静御前像

 

直線的なちから強い静御前の踊る姿を描いたものですね。

リアル感が半端ない作品ですね。

 

 

▼部分

 

五姓田芳柳《静舞》:リアルな顔と装束

 

リアリティを出すために、金箔を使っているらしいです。


 

静御前の舞ということであれば、源義経の愛妾であった静御前が幕府に捕まり、鎌倉へ送られて源頼朝などの前で白拍子を踊ったことを由来にしたもの。

 

その後、義経の子の男の子を出産しましたが、女の子であれば許したが、男の子であれば命を取るという頼朝の命により、その男の子は海に沈められたという話です。

 

 

🔳五姓田芳柳(1827ー1892)とは

キャプションなどを参考に

 

江戸から明治にかけて活躍した画家であり浮世絵師。

書物などを参考に見よう見まねで遠近法などを使用して、西洋画を受容した幕末から明治にかけての画家たちがいました。

 

彼も日本画の技法と西洋の技法を併せて作品を制作。

 

そして外国人向けの日本のお土産として絵を作る工房を横浜で経営して、大繁盛。

「横浜絵」として名を馳せたそうです。

 

彼は肖像画家として有名になり、ついには明治天皇の肖像まで描いたそうですよ。

 

そのリアルさを持ったこの作品は、会場内でもひときは異彩を放っていて、目に飛び込んできた作品でしたね。

 

竹橋の近代美術館の常設展は本当にバラエティに富む作品が並んでいますので、特別展を見る前にこちらを先に見るようにしているんですよ。

 

下村観山も素晴らしかったけどね。

 

 

🔳下村観山展の記事です

 

 

 

 

🔳同じ常設展で展示されていたアンリ・ルソーの作品の記事です

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

先日、地下鉄の明治神宮前、またはJRの原宿の駅からも近くの太田記念美術館で開催中の「歌川広重 名所江戸百景 最後の挑戦」を見てきました。

 

🔳太田記念美術館入り口

 

太田記念美術館 入口と看板

 

 

 

 

 

🔳展覧会について

 

歌川広重(1797-1858)の最晩年に描かれ、人生の最大の作品数のシリーズ《名所江戸百景》が前後期に分かれ、全120点が展示されます。

 

広重が60歳から62歳で没するまでの3年間に作られたこのシリーズは、その一部は彼の死後に出版されることになったという本当に絶筆。

 

彼が手がけたのは118図。その後2代広重が描いた1図と、目録を加えた全120図が公開されるとのこと。

 

 

新しい視点による江戸の名所の表現。

 

そしてなんといっても大胆な構図が特徴のシリーズです。さ

 

この《名所江戸百景》を約8年ぶりに一挙に公開する展覧会。・

 

平日の昼過ぎに伺いましたが、本当に混んでいましたね。

またインバンドの方の姿もとても多く、その熱心に見入る姿を見ると、外国での浮世絵の人気のほどが肌身でわかる展覧会です。

 

展覧会の会期は、

 

前期は5月10日(日)まで。

後期は5月15日(金)から6月14日(日)まで。

 

今回見に行ったのは前期の展示。

これは後期にも見に行かないとね。

 

 

🔳展覧会ポスター

 

歌川広重 名所江戸百景ポスター

 

《名所江戸百景 水道橋駿河台》1857年

がメインビジュアル。

納得の1点ですね。

ちなみにこの作品は後期の展示予定です。

 

 

展覧会場内は一切撮影は禁止なので、画像はありませんが、、

 

フライヤーを参考に、個人的に特に気になる作品を前期後期で分けてみました。

 


🔳前期

 

●《亀戸梅屋敷》

●《深川洲崎十万坪》

●《日本橋江戸ばし》

●《浅草金龍山》

●《浅草田甫酉の町詣》

など

 

🔳後期

 

●《大はしあたけの夕立》

●《猿わか町よるの景》

●《水道橋駿河台》

など

 

 

美術館のホームページによると、この《名所江戸百景》のシリーズは国内でも指折りの、保存状態と美しい彫摺とのこと。

 

これは見に行くしかないですよね。

 

 

 

🔳参考記事

江戸名所百景に関しての投稿記事です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京国立西洋美術館の常設展で展示してある小さな企画。

 

ブルーニング美術館・国立西洋美術館所蔵

フランドル聖人伝板絵

100年越しの”再会” 展

 

をみてきました。

 

現在、国立西洋美術館ではリトアニアの国民画家のチュルリョーニスと葛飾北斎の富嶽三十六景の企画展が開催中ですが、、、

 

そんな中、常設展でも見逃せない企画がありました。

 

🔳展示案内

 

フランドル聖人伝板絵 国立西洋美術館企画展

 

 

ベルギーのブルーニング美術館所蔵の作品と、先般、東京国立西洋美術館が購入した作品が実は元々は同じ祭壇を飾っていたものだということ。

 

今回は、100年ぶりの再会とのことで、ただ並べるだけでなく、両方の作品の赤外線写真なども展示してあって、力が入っている企画展示になっています。

 

 

歴史的には両作品は1909年にロンドンのファー画廊にあったことが確認されているようですが、その後は別々になったみたいですね。

 

ベルギーのブリュージュの方の作品は、ロンドンの画廊からパリの画廊へ、そしてブリュージュのフルーニング美術館へと移りました。

 

東京の作品は、20世紀の初め松方幸次郎によって買い取られ、日本へ。その後国内の個人所有へ、それから2017年に国立西洋美術館のものになりました。

 

そしてその際の調査によって、この二つの作品が元々は同じ祭壇を飾る作品だとわかり、このように約100年ぶりに同じ空間に飾られることになったというお話。

 

 

🔳作品紹介

 

まずはベルギーのブリュージュにある作品から↓

 

 

●作者不詳 《聖ヤコブおよび聖ヨハネ伝の諸場面》1525年 フルーニング美術館蔵 ブリュージュ

 

国立西洋美術館の祭壇画、聖ヤコブ伝

 

 

▼部分

 

西洋美術館:聖ヤコブ伝板絵

 

 

 

こっちがブリュージュの作品。

左は漁師の大ヤコブが弟の福音書記ヨハネと共に、キリストの弟子に選ばれる場面。

右は二人の母が、キリストに兄弟の特別待遇を申し出た際に、その不見識に対してキリストが諌める場面です。

 

▼赤外線写真

 

西洋美術館所蔵:聖ヤコブ伝板絵

 

よく見ると、人物像の顔の向きなどが下絵と変わっているところがありますね。

 

 

 

 

 

こちらは東京国立西洋美術館蔵の作品↓

 

●作者不詳 《聖ヤコブ伝》国立西洋美術館蔵 松方コレクション

 

フランドル星人伝板絵 国立西洋美術館 常設展

 

 

 

▼部分

 

西洋美術館、フランドル星人伝板絵

 

 

 

左も右も大ヤコブによる、魔術師のヘルモゲネスを改宗する場面。

左は大ヤコブの前にヘルモゲネスが縛られさあ連行されてくる場面、その後ヘルモゲネスは解放されてキリストの教えへ従うことになります、

右は改宗したヘルモゲネスにお守りとして杖を渡す場面。そして上には同時異図法でヘルモゲネスが魔術の本を湖へ捨てるところが描かれています。

 

 

▼赤外線写真

 

ブルーニング美術館作品、祭壇画の一部

 

赤外線の写真って面白いですね、

人の顔の方向とか、位置とか微妙に違っているみたいですね。

 

こんな研究成果も展示してある作品です。

 

 

この二つの作品は、祭壇画の一部分だと考えられていて、この他にも大ヤコブの聖書のストーリーが描かれてていたと考えるのが自然だそうです。

 

文字の読めない人々に聖書の物語を解くのはこのようなビジュアルな祭壇画を使うのが一番ですよね。

 

いくつもの画面が祭壇画には用意されていて、絵が描かれた扉が閉まるような構造になっています。

 

平日には扉は閉められていて、そこには地味な感じの絵が描かれています。

日曜日や祝日にはその扉が開かれ、中にあるキリスト教にまつわる美しい絵が見れられるという仕掛けになっているのが普通の祭壇画だそうです。

 

これも綺麗な扉の内側にある絵だったのでしょうね。

 

 

 

 

🔳赤外線反射画像と可視反射画像との比較

 

この二つの比較の映像資料が流れていました。

これが個人的にはとっても面白かったですね。

 

動画撮影は禁止なので、静止画像を少し投稿。

 

 

 

国立西洋美術館の祭壇画、約100年ぶりの再会

 

 

フランドル星人伝板絵「聖ヤコブ伝」

 

この映像資料はとても面白かったですが、、

全部見られなかったのは残念だったですね。

 

またいつか見ることができれば良いんですが、、

 

 

100年ぶりの二つの絵の再会。

それにともなう研究成果の展示もあって、、

めでたしめでたしの企画ですが、、

 

それも今度の5月10日(日)までです。

 

興味のある方は国立西洋美術館の常設展まで。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

 

JRの北浦和駅の近くにある、埼玉近代美術館で開催中の、「コレクションの舞台裏 ー光を当てる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試みー」展を見てきました。

 

 

🔳美術館エントランス

 

埼玉近代美術館 エントランス

 

 

 

🔳展覧会ポスター

 

埼玉近代美術館「コレクションの舞台裏」展ポスター

 

 

美術館の収蔵品について、その調査等の裏側に光を当てる展覧会とのこと。

 

 

今回は名前を知られてはいないけれど、埼玉県立の美術館らしく、埼玉県内で地道に活動をしてきた女流画家を取り上げて展示されていました。

 

とても気に入ったのでご紹介したいと思います。

 

 

●細田竹《窓辺》1933年

 

細田竹「窓辺」:着物の女性と庭

 

 

 

向かって右側の窓の外を見ている女性を描いています。

着物の描写が美しいです、特に帯の描き方がポイント、女性の顔を共に画面のアイキャッチになっています。

 

 

🔳細田竹さんとは

 

キャプションによると、

 

細田竹(1905ー1989)は埼玉女子師範学校を卒業後、小学校の教員をしながら日常の女性の姿を描いていたそうです。

 

彼女の師匠は鏑木清方の弟子の中でも高弟の柿内青葉(1890ー1982)だそうで、その二人の作品に加え、鏑木清方、と伊東深水の作品が展示されていました。

 

ここでは無名の、細田さんの作品がとっても気に入ったのでご紹介します。

 

もう一つ

 

●《あかり》1933年

 

細田竹《あかり》:埼玉の女性画家、着物と帯の描写

 

これも女性の日常を描いた作品です。

夜に向けて、蝋燭が画面右側にあるのがわかります。

 

左手の外の風景が夕方の雰囲気を醸し出しています。

 

それより気になるのが、モデルの着物の姿。

この作品も帯の結び目の描写が、赤の色の配色も含めて画面の中心となっているのがわかります。

 

▼部分

 

細田竹《窓辺》細密な着物描写

 

細かいところまで丁寧に描いてあるとても良い美人画ですよね。

この作家はもっと知られてもいいのにって思いますが、、、

 

他の作品も見てみたいですが、見つかるといいですね。

 

 

 

 

この二つの作品が生まれたのが1933年。

この年、作家の細田竹が師事する柿内青葉が療養のため、静岡県の沼津へ去ってしまいます。

そのため、これらの作品は柿内に教わった最後の作品かもしれないとのこと。

そのためこの二つの作品は細田が死ぬまで手元に置いておいたそうです。

 

それほど大切な作品だったのでしょうね。

 

柿内青葉さんも、沼津へ移った後はほとんど表だった芸術活動はせず、体調維持に努めたそうですし。

 

細田さんも、名前を挙げることより、大切なことがあったんでしょうね。

それは師との大切な思い出だったのかもしれませんね。

 

 

 

🔳この展覧会の「コレクションの舞台裏」でみたキスリングの作品の投稿です

よかったら読んでください

 

 

 

 

最後まで読んでくださりありがとうございました。