東京国立西洋美術館の常設展で展示してある小さな企画。
ブルーニング美術館・国立西洋美術館所蔵
フランドル聖人伝板絵
100年越しの”再会” 展
をみてきました。
現在、国立西洋美術館ではリトアニアの国民画家のチュルリョーニスと葛飾北斎の富嶽三十六景の企画展が開催中ですが、、、
そんな中、常設展でも見逃せない企画がありました。
🔳展示案内

ベルギーのブルーニング美術館所蔵の作品と、先般、東京国立西洋美術館が購入した作品が実は元々は同じ祭壇を飾っていたものだということ。
今回は、100年ぶりの再会とのことで、ただ並べるだけでなく、両方の作品の赤外線写真なども展示してあって、力が入っている企画展示になっています。
歴史的には両作品は1909年にロンドンのファー画廊にあったことが確認されているようですが、その後は別々になったみたいですね。
ベルギーのブリュージュの方の作品は、ロンドンの画廊からパリの画廊へ、そしてブリュージュのフルーニング美術館へと移りました。
東京の作品は、20世紀の初め松方幸次郎によって買い取られ、日本へ。その後国内の個人所有へ、それから2017年に国立西洋美術館のものになりました。
そしてその際の調査によって、この二つの作品が元々は同じ祭壇を飾る作品だとわかり、このように約100年ぶりに同じ空間に飾られることになったというお話。
🔳作品紹介
まずはベルギーのブリュージュにある作品から↓
●作者不詳 《聖ヤコブおよび聖ヨハネ伝の諸場面》1525年 フルーニング美術館蔵 ブリュージュ

▼部分

こっちがブリュージュの作品。
左は漁師の大ヤコブが弟の福音書記ヨハネと共に、キリストの弟子に選ばれる場面。
右は二人の母が、キリストに兄弟の特別待遇を申し出た際に、その不見識に対してキリストが諌める場面です。
▼赤外線写真

よく見ると、人物像の顔の向きなどが下絵と変わっているところがありますね。
こちらは東京国立西洋美術館蔵の作品↓
●作者不詳 《聖ヤコブ伝》国立西洋美術館蔵 松方コレクション

▼部分

左も右も大ヤコブによる、魔術師のヘルモゲネスを改宗する場面。
左は大ヤコブの前にヘルモゲネスが縛られさあ連行されてくる場面、その後ヘルモゲネスは解放されてキリストの教えへ従うことになります、
右は改宗したヘルモゲネスにお守りとして杖を渡す場面。そして上には同時異図法でヘルモゲネスが魔術の本を湖へ捨てるところが描かれています。
▼赤外線写真

赤外線の写真って面白いですね、
人の顔の方向とか、位置とか微妙に違っているみたいですね。
こんな研究成果も展示してある作品です。
この二つの作品は、祭壇画の一部分だと考えられていて、この他にも大ヤコブの聖書のストーリーが描かれてていたと考えるのが自然だそうです。
文字の読めない人々に聖書の物語を解くのはこのようなビジュアルな祭壇画を使うのが一番ですよね。
いくつもの画面が祭壇画には用意されていて、絵が描かれた扉が閉まるような構造になっています。
平日には扉は閉められていて、そこには地味な感じの絵が描かれています。
日曜日や祝日にはその扉が開かれ、中にあるキリスト教にまつわる美しい絵が見れられるという仕掛けになっているのが普通の祭壇画だそうです。
これも綺麗な扉の内側にある絵だったのでしょうね。
🔳赤外線反射画像と可視反射画像との比較
この二つの比較の映像資料が流れていました。
これが個人的にはとっても面白かったですね。
動画撮影は禁止なので、静止画像を少し投稿。


この映像資料はとても面白かったですが、、
全部見られなかったのは残念だったですね。
またいつか見ることができれば良いんですが、、
100年ぶりの二つの絵の再会。
それにともなう研究成果の展示もあって、、
めでたしめでたしの企画ですが、、
それも今度の5月10日(日)までです。
興味のある方は国立西洋美術館の常設展まで。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。