東京国立博物館の本館、常設展にある国宝室
毎月、作品の陳列替えがあるのですが
現在は、奈良時代の聖武天皇の筆と伝えられている名品が展示中
●《愚賢経残巻(大聖武)》
仏教の賢人と愚人の、善悪の行いに対しての報いを説く寓話集
この筆者は聖武天皇と伝えられていて
そのため、通称を「大聖武」と呼ばれています
おおらかな、太く重厚な文字
キャプションによると、顔真卿に代表される、中国の唐時代の書風に似ているそうです
元々、東大寺の戒壇院にあったと言われています、明治時代までは加賀の前田家が所蔵していました
実は、手鏡と呼ばれる、書道の名作品を集めた図鑑のような折帖があるのですが、
その飾る順番にも作法があって、巻頭を飾るのがこの大聖武とされています
そのため、多くのところに分かれて所蔵
この大聖武は、他にも
前田育徳会、東大寺、兵庫県の白鶴美術館が所蔵しているものが国宝と指定されています
この東京国立博物館の所有しているものは
その中の、前田育徳会本の抜けている所にあたっているとのこと
亡くなっている聖武天皇も自分の書いたものが、こんなにバラバラにされてしまっているなんて思いもしないでしょうね
こちらは、5月12日(日)まで展示中です