池大雅 展 生誕300年記念 ー陽光の山水 @出光美術館 東京・有楽町 | akki-artのブログ

akki-artのブログ

アートや建築、ファッションなどなど。美術館やギャラリー、街の風景など、キレイと思うものをあれこれと。

伊藤若冲、円山応挙などの個性あふれる、江戸時代の京都で、若冲や応挙よりも画家として人気があった作家がいます。

 

 

その池大雅(1723ー1776)の展覧会が東京・有楽町の出光美術館で開かれています。

 

 

生誕300年記念 池大雅 ー陽光の山水

 

 

会期は3月24日(日)までです。

 

 

 

■入り口

 

 

 

 

 

■フライヤー 表紙

 

 

 

この展覧会ほフライヤーは全部で6ページもある大作です。

 

 

 

■池大雅とは

 

京都に生まれ、幼い頃から神童と呼ばれるほどの絵と書の才能の持ち主。

文人画の中国への憧れを持ちつつも、それから離れて日本的な文人画を作り出した画家の1人です。

 

 

旅や登山を好んだ池大雅は、実際に見た風景を元にして、大きな空間を持つ、明るい光に満ちた風景画を作り出しましたね。

 

 

見たままを描いたわけではないでしょうけれども、、、

 

 

とっても明るい、そして現実感のある空間を作っていると思うのですね。

 

 

また筆でなく、指先を使って描く、指頭画という技法を使ったことでも有名です。

 

 

ちなみにこの時期に、日本的な文人画を作り出した、もう1人の画家が与謝蕪村(1716ー1783)と言われています。

 

 

 

■作品紹介

 
 
 
 

 

会場内は撮影禁止なので、フライヤーから作品の画像をスキャンさせていただきました。

 

 

●《十二ヶ月離合山水図屏風》重要文化財 明和6年(1769) 出光美術館 

 

 

中国の風景ですね。

とても大きな空間をつくっているんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●《餘抗幽勝図屏風》

 

 

▲右隻

 

 

 

 

 

 

▲左隻

 

 

大きな空間を作っている、中国の風景画。

 

絵も良いのですが、その書が独特で、絵とのバランスが池大雅の美的感覚なんですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●《東山清音帖》重要文化財

 

▲左側 山市晴嵐

 右側 洞庭秋月

 

 

これがとっても新しさを感んじる作品。

フライヤーには載っていませんが、この絵の下に書があってこの取合わせがとっても良い

のですね。

この書とのバランスというのが、池大雅なのかなって思った作品。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●上 《五君吟図》

 下 《浅間山真景図》

 

 

 

力の抜けたこんな絵がとても味わい深いと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●《寿老四季山水図》 宝暦11年(1761) 出光美術館

 

 

真ん中に寿老人。左右に四季の絵が描かれています。

 

春夏が右、秋冬が左だと思いますが、、、

 

 

墨の色だけで四季を描きわけています。

 

見比べていると時間がとっても経ってしまいました。

 

 

尚、真ん中の寿老人の絵については東京国立博物館の記事を参考にして貰えばと思います。

一番下にリンクを貼っておきました。

 

 

 

とっても似ているんですよ。

 

 

 

 

■国宝《十便十宜図》 池大雅、与謝蕪村 明和8年(1771)

 

画像も何もないけど、、、

 

これは見ないと、、、

 

 

中国の明末から清初の詩人、李漁の田舎暮らしの素晴らしさを書いた「十便十二宜詩」を下敷きに描かれました。

 

 

十便とは田舎暮らしの10の便利なことで池大雅が、十宜とは10の宜しく(よろしく)な風景を与謝蕪村が描きました。

 

 

左右に並べて展示。大雅と蕪村の共作。当時の尾張国(今の愛知県)鳴海の裕福な趣味人の下郷学海が発注したのという説が有力。

 

 

同じ京都に住む2人ですが、交流はあまりなかった様で、これはプライドのぶつかりですね。

 

 

おかげて約250年後の21世紀にもこんな比較ができるわけで、そう考えるとなんとも贅沢な空間です。

 

 

 

 

空間の画家と呼ばれる大雅は、伸び伸びとした空間で、釣りをする便利さや、畑の耕作の便利さを描いています。

 

 

 

対して、一説には時間の画家と呼ばれる蕪村は、春夏秋冬の風景や、暁や晩の景色を描いています。

 

 

 

雨や腫れの風景など、俳人としても著名な蕪村の興味の対象は、一瞬の時の移ろいや、風景を切り取ったことなどに関心を寄せていたのでしょうね。絵のモチーフも俳句と同じものなのでしょう。

 

 

ちなみにこの作品を戦後に手に入れたノーベル賞作家の川端康成は、この絵のために家の購入を諦めたそうです。

 

尚、3日ごとに展示作品は変わりますので、実際に見られるのはそれぞれ1点づつです。

 

 

 

 

■国宝 《楼閣山水図屏風》

 

この展覧会の前期(2月25日まで)には、国宝《楼閣山水図屏風》が出品されていました。

 

 

画像は昨年、東京国立博物館の常設展で撮影したものです。

 

 

 

▼右隻(部分)

 

 

 

 

 

▼左隻 部分

 

 

 

 

前期には見に行っていないので、とりあえず昨年の記事を下に貼っておきます。

 

 

 

 

 

 

■皇居前広場の風景

 

出光美術館にくると、いつも最後に見る。皇居の風景。

 

 

 

 

 

 

 

 

■関連記事の投稿

良かったら読んでください。

 

 

 

▼国宝《楼閣山水図屏風》東京国立博物館蔵の記事です

 

 

 

 

 

▼寿老人の記事です

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。