毎週月・木曜日配信
《外為コサックダンスレポート》I will dance cossack
when winning a great VICTORY.
2009年11月23日
(某ディーラーの独り言)
オバマ米大統領の訪中で「人民元切り上げ問題」がクローズアップされた。米国の貿易不均衡は昔は日本、今は中国であることは先刻承知の話。そこで、米国にとっては高成長継続中の中国での米国製品の消費を拡大させるため、今1ドル6.8元前後にペッグされている人民元の「切り上げが不可欠」ということになる。中国にとっても「切り上げ」をしなくてはならない事情がでてきた。中国はドル・ペッグ維持のために「人民元売り・ドル買い」を継続してきたが、そのためインフレ懸念がでてきた。インフレ退治には自国通貨の切り上げがもっとも有効であるからここで中国にとって「人民元切り上げの大義名分がかなう」ことになるわけだ。要するに外圧に負けて「切り上げ」したのではなく「インフレ対策として切り上げる」のだと→連れ高で超円高の恐怖。
いずれにしても、中国は独自のペースで変動制に移行していくことになるのだろう。
ドル安を背景に18日に金が史上最高値1トロイオンス1151ドルをつけた。「投機筋や個人投資家の金投資が増えている」ことと新興国の中央銀行が外貨準備として「ドルの代替として金保有を増やしている」ことが要因だ。ただ、金価格の高騰は経験則的にはそんなに長続きしないのではないかと思う。一時避難的な要素が強いのでは?ちなみに、トロイオンスは金属類の重さを表す単位で1トロイオンス31.1035g。
某銀行の「仕組み預金」のパンフレットをみて呆れた。オセアニア通貨の仕組み預金であったが《2年もの、年率4.5%(税引き後)、為替交換手数料は往復で2円、満期日に特約設定レートより円高になった場合、豪ドルもしくはNZドル(顧客にとって不利な方)に交換のうえ当該外貨預金に入金される》というものであった。まず為替交換手数料往復2円(10万豪ドルで20万円)は取り過ぎだ。取っても往復1円くらいだろう。我々の取引では実質往復6銭程度(スプレッド)だ。また、オセアニア地域に1年のうち何ヶ月か生活している人ならともかく日本で主な生活している人は豪ドルやNZドルに交換されてしまったらいつそのお金が使えるのか。お金は使いたい時に使えなければ意味がないし、円安を待っていたのでは時間のロスだ。「少しくらいの金利なんてリスクに相当しない」。
Uとのへ
素通りしたのはオバマさんだけではなかった。
マネーが日本を素通りし始めた。
普通国債発行=140兆円超に。
普通国債は借換え債(=100兆円規模)と
新規国債(=44兆円規模)を合わせたもの。
どんなに借金を重ねても、返済できる資産(正常)さえあれば正常債権ということができるが・・・。
さて、その資産さへあやしくなってきた。
鳩山政権では何でも「一律」が好きである。
一律とは一見公平にみえる、格差なしの社会主義経済のことであるらしい。
①子供一人につき月=2万6000円を全国一律に配る(所得制限は)
②郵便局サービスを全国あまねく公平に(「ユニバーサル」・サービス)再構築する
③「農家の戸別所得補償」農畜産物の売値と生産費の差額を一律に補償する
④時給=800円を想定して全国一律の最低賃金とする。
⑤保険料でつくった病院チェーン(社会保険病院、船員保険病院、厚生年金病院など)を
全国一律温存する方針のようである。
■ところで、4月に休院に追い込まれた社会保険浜松病院(浜松市)は
地元の民間病院に買い取られ、
2012年に高齢者向けの療養病床中心とする新しい病院に生まれ変わる。
「リハビリテーション病棟や一般病床も備えた=300床規模の病院として再出発する」
(買い手の医療法人・弘達会・竹下力理事長)
例えばユニバーサルサービスを目指す郵貯は――
有利な郵便貯金は戦時経済を支え、
戦後は財政システムを通じて復興から高度経済成長を担った。
しかし肥大化した公的金融が日本経済を非効率にしたのは間違いない。
■グローバル経済の下で金融社会主義が復活する国に投資家は魅力を感じなくなる。
東京市場はシンガポール、香港などアジア各市場に比べても遅れを取るだろう。
細胞においても、成長するには外にあるものを取り入れて、
中のものを外へ運び出す代謝によって分裂と成長が促される。
成長のための原理原則である。
国際コンテナ港湾――
①シンガポール②上海③香港④深圳⑤釜山⑥ドバイ・・・
(24)東京
(29)横浜。
東京港はシンガポールの取扱量の=7分の1に過ぎない。
飛行場でも――
仁川が日本のハブ空港。乗り継ぎ便利で低価格。
着陸料が成田の=3分の1。
首都圏からも韓国経て各国へ。
仁川ハブ空港の一体化地域建設。
面積の規模もさることながら、基本コンセプトはビジネスと生活空間の一体化開発計画と、
税なども含めての特区建設計画の並存である。
最終的には=50万人規模の人口を目指す。
■韓国はEUとFTA協定を結んだばかり。6年間に=7ヵ国と(ASEANは一つとして)。
輸出入を含め=70%の貿易依存の韓国は外交通商省が中心に強力にFTA政策を推し進める。EUでは液晶TVで=14%の関税撤廃など、
自動車の関税撤廃も実現(対日本などに価格競争力で優位に)。
自国の農業の分野に関しては段階的に撤廃のプロセスを考える。
補償と質的転換への両様作戦である。
思い切りのいいこうした韓国のFTA政策はGDPを=1-3%引き上げるとみられるほか、
産業構造の効率化が進められることで、資本流入、外国の投資も呼び込めるとする。
ASEAN首脳会議(09,10/24)
■韓国とASEANは09,6月に両地域の投資協定(FTA)に署名した。
「08年に=約900億㌦(8兆2000億円)の貿易規模を
15年までに=1500億㌦(13兆8000億円)に増加するようにめざす」ことで一致した。
韓国の李明博大統領とASEAN10ヵ国は首脳会議をタイのファヒン(タイ中部)で開いた。
パナソニックは過半が国内シェアなのに対し、
サムスンの国内依存度はわずか=2割。
特に「中国」「アジア・アフリカ」が全体の=3分の1を占め、
新興国市場(ボリュームゾーン)での活躍が目を引く。
韓国の人口は=4900万人と日本の=4割。
国内市場に閉じこもっていては成長は望めない。
■シェア/ロシアでエアコンは=1位。冷蔵庫と洗濯機が=2位。
インドで洗濯機が=2位、冷蔵庫が=3位に食い込む。
■盧武鉉政権の分配中心路線から成長戦略へと舵を切っている。
投信マネー、ブラジルレアル建て急増➚。通貨別=4位に。
高金利と成長期待。
ブラジル政府は10月に海外からの投資資金に金融取引税を導入。
11月にはブラジルの債券や株式に投資するファンドの新規設定が複数予定されている。
海外株式市場がこぞって上昇基調にあるなかで、日本の株式市場の出遅れ感。
年初からの日経平均株価の上昇率は=7%。
8割前後の中国やブラジルなどの新興国はもちろん、
=2割近い米独仏などの先進国と比べても見劣りする。
日本株はバブル崩壊のときよりも環境が厳しいとされる。
企業はベンチャーも含めて成長資金、長期マネーを市場から調達しにくくなっている。
かてて加えて政府は借換え債も含めて=140兆円の普通国債の発行を余儀なくされる。
政府と民間でマネーを市場で奪い合う“クラウディングアウト”も懸念される。
年初は成長期待で上昇した金利も、
国債への需給悪化で今では悪い金利の上昇パターンになってきた。
マネーが日本を素通りし始めた。
成長シナリオが描けない鳩山政権に対して、海外勢のみならず国内勢も素通り。
民間年金で国内最大の=約9兆円を運用する企業年金連合会。
連合会は日本株の比率を下げ資金の大半を新興国などの海外株に振り向ける。
日本株購入の大半を占める外国人投資家も日本株を手放し始めた。
官製の不況始る仕分けても己が仕分けの遅々と進まず
自分を仕分けても空中分解してもらっても困るしなぁ。
智笑