入笠山登山

パラグライダーが真っ青な空に浮かんでゐる。気持ちよさそうですね。太タイヤのマウンテンバイクが林間の急斜面を蛇行してゆく。カラフルなヘルメット、若者たちの筋力。富士見パノラマリゾートは子どもの日の大にぎわい。ぼくたちは入笠山登山です。

/田植え時季燕も泥を落とすかな

/ウグイスの声 遠鳴きに囲い込む

/入笠山スズランは無く歩くだけ

/木道や水の流れる水芭蕉

/水芭蕉座禅法師の形容して

/唐松の芽吹きに衣装サルウォガセ

/パノラマや入笠山に登り来て四囲の雪山春の風吹く

/半熟の卵唐揚げ定番で山に登りて乾杯をする

/富士を背に夫婦でポーズとりました無病息災仲良しこよし

山は富士山、八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳、北岳、

北アルプス、乗鞍、御嶽、中央アルプスが遠望。

 

倉石智證

美しい花がある───

罪障のある者も無き者も/ずらっと雁首を並べて/そして待っているのです/奇跡は起こるべくもない/ただ美しいものは美しいままで/花は、蜜蜂の翅音ばかりです/調べは調子をとってはいけない/出来たら喋らない方が゛いい/そして時が来たら解放される/美しいが自然のままに来て/約束が果たされる/これ以上にない穏やかな時間が両肩に下りて来て/わたしはやっと家居に入る/それで思い出した。美しい花がある。花の美しさといふ様なものはない。

昭和17,4「文学界」小林秀雄

林檎の摘果、了。

朝はいつものやうに小菊、露草を見る。芍薬一号は花殻になって来た。ぼんやりしているといつの間にか農事が詰まって来る。午前中も遅くなって林檎の木に取り掛かる。昨日のうちに半分、あと半分をけふの内に仕上げないと、夜半からは雨の予報になる。それをかーさんは枝豆の畝も作ってねと、苦土石灰、鶏糞を撒いて管理機でよく混ぜ込み、ついでに少し離れた別の畑も雑草が息んで来たので転がした。午後になるといつものやうに風が出て来る。紅スモモの下枝もアバレテ来る。剪定鋏でよい加減剪って上げたが、この勢いじゃ来年が心配だね。なんとか夕刻までに雑枝を一輪車で運んでようやく畑をきれいにした。茉莉花(まつりか)の仄かないい匂ひ。白躑躅が花片を落とし、萎れた花柄を指で扱(しご)いて落としてあげた。6時、早くも予報通り窓外を雨が濡らしてくる。

 

倉石智證