初夏の風となりたや───

/捩花やトリコロールの想ひとは

/草曳いて草の気持ちを半分こ

/けふからはモア様と呼ぶ刈り払い乗れば尻から初夏の風

/君が代蘭荊棘となり梅雨の寒む

/梅雨空やスモモの尻をつくづくと

/うれしがる娘の会社に宅配便スモモ届いた真っ赤なスモモ

/Iran War ヒジャブのひとも街に出て瓦礫の中の旗の群れ為し

/ノンアルの夫婦に上げるスモモかな

/百日草七日を過ぎて芽芽を出し

/でで虫を探して午後の樒(しきみ)かな

/間を置かずトマトの赤を畑まで

/傘落ちたしとどの梅雨の仕打ちかな

/サッカーの引き分け朝ドラの続く

/アスパラの採り残されてそんなこと

/摘心の今か未だかとダリアかな

/新じゃがや妻の朝からトルティーヤ スペイン料理腕を奮ゐぬ

 

倉石智證

憲法改正───

憲法改正の発議は衆参3分の2以上、「憲法をやらさせてください」、発議まではゆくんじゃないのかな。そして国民投票で2分の1以上。「このままじゃあ自衛隊のみなさんが日陰者のままだ」可哀そうだ(?)と云ふことで、「自衛隊は国を守るわが国固有の実力組織であり、憲法にこれを明記する」多分そんな内容になるのではないか。しかしこれを「国防軍」と書かれたらアウトだ。

「戦争放棄」「戦力不保持」

憲法九条───「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」

「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」

「前項の目的を達するため」───云わずと知れた芦田修正案である。これによって日本国は主権国家の自然な権能の一部として自衛権である専守防衛を確保維持して来たとも云える。「前項の目的以外なら」のレトリック、眉唾、云い逃れめいているとしてもこの際「武力」と「戦力」はしっかり定義し直した方がいい。

例えば武道など、己の身体を鍛えるためとか、防御、危険回避のために日々鍛錬することなどが考えられる。自身とか集団に組織立って安全確保のために経済的にも政治的にも運用されることもあろう。いわゆる“寄らば斬るゾ”のごとく、安全保障を担保するためが目的になる。ぼくの定義としては武力を伴う実力組織が自衛隊であって、他を傷つけたり、威嚇したり、侵攻することなどは戦力、つまり軍隊と云うことになる。

国家は軽軽と国防を云ふ。国家存亡を云い募り、海の外へと実力組織を導き出そうとする。いつのまにやら人間を毀傷する武器弾薬(防衛装備)などまで輸出可能になった。防衛産業が海の外でタックルを組むようになった。武力が戦力へと転換されつつあるのだ。

巨峰に傘掛け。

トマトに病変、斑点病か。

ダコニール1000。

雲を見れば大いに胸筋を開くものだ。多少の埒外があっても、それはにわかには仕方が無いものと首肯する。今しがたの紫陽花はまだ見ぬ紫の小径へと私を誘ふ。捩花はこんなことにも自己主張してその姿形は小さく可愛らし気でもある。

けふはジャガイモ掘り、地の賜物を掘り出す。眉に滴る汗を払ふ。眼鏡に滴る汗の向かうに妻が笑ふ。ポンムデテール───、どんな経緯で遠いアンデスから日本にまでやって来たのだらう。腰を伸ばして空に雲を見やる。

スモモばかりでなく、今度はトマトにも病変が現れた。柿、林檎、李、そしてトマトへと、虫に媒介されるものもあり、胞子に乗って飛んで来たり、あるいは土の中から湧いて来るものさへゐる。災厄は隣り合わせで万事人間の都合のいいことばかりにはいかない。雲を見ればおおいに胸襟が披きゆく。薬剤ダコニール1000。トマトの病変はどうも糸状菌による斑点病ではないか。薬剤を1000倍に希釈して噴霧した。

 

倉石智證