家飲み。

/うな垂れし雪の衣やヒヤシンス

/寒中や目は口ほどに鰯の目

鰯は眼を見て買います。

/かーさんの握りのわたし家族かな

/愉しみは家族そろってうちそろひ

やいのやいのとものを喰ふ時

/厚岸の牡蠣は剥き身のお江戸かな

厚岸の生牡蠣は剥き身で上野に運ばれます。

/ラムチョップ、硝子戸の外虎落笛

/赤ワインチーズで飾る夜十時

/山茶花の越境もある垣根かな

/中央道を飛ばして帰る国境峠越えれば北に甲斐駒

そして翌日帰郷です。

 

倉石智證

「去年はぼくらの仲間内で

2名のご逝去を報告します」───

/参集やむかしの人も今の人生きててよかった乾杯をする

/青春の尻尾をたしか踏んづけた横浜からは遠く2時間

■前回は帰りに乗り越した。

/メス入れる人もちらほら死んで逝く人もちらほらだから何

/傘寿とや景色とまどふ五七五たたらを踏んで六根清浄

/もんじゃ焼き奉行鉄板誰がする湯気の向かうの箆の捌きや

/ブリカマや脂滴るお代わりス

/南天を活けてこの時季花少なし

/蠟梅に紙の薄さの寒さかな

/端座して春待ちわびる梅ほころぶ

/ローズマリーにむらさき匂ふ温かさ

 

倉石智證

新年会に献杯す。

大震災とは。

/かうやって人も過ぎゆく

かうやって時も過ぎゆく

客人(まろうど)のこと

/ひっそりと「1.17イチイチナナ」を口にせり

/免震の話一月十七日

■大震災とはなにか。

/歳とらず遺影のままや献杯す

/肉を喰へアミノ酸だよ冬談議

/会へばまたいろはにほへと散りぢりに

/めでたさや福茶いただく年初め

/雹害に遭へり林檎のあかあかや

 

倉石智證