カボチャの結実。

スミチオンとアメリカシロヒトリの大量発生。

毬、出来たよ。南瓜の結実だね。それを知らせたくて、かたわら凌霄花やヒルザキツキミソウも未だそれぞれの企みは止めないが、なんにしてもこの南瓜の黄いろい花は祝祭だ。大人たちは葡萄棚の下に入って農談議をしてゐる。大石早生はほおって置くと過熟してぽとぽと畑地に落ちてくる。

それと云ふわけでもないが、いいことばかりでなくスモモ畑には大きな災厄の如、アメリカシロヒトリが大量発生していた。巣網を破って、成虫の毛虫が盛んに葉叢に蠢いてゐるる。スミチオンを買ったよ。薬剤液は1000倍にして噴霧する。ゴム手袋をしてマスクして、一応劇薬なんだね。だから平和なのかどうか見上げる空ばかりを見ていても分からない。アトラスは地球を支え続け、だれも異議を唱えない。このままではついに押し切られて仕舞ふなぁ。ひとりのために祈ってはならないとする。スミチオンを掛けた。毛虫は身をよじってぽたぽた落ちた。大量虐殺だ。早生のスモモは真っ赤に熟して来た。

 

倉石智證

 

 

思召すまゝに───。

蔓もので御座い。抜け目なく、しのびやかに。葡萄の蔓は棚を伝って奔り、ぼくの襟足を掠めた。あれは何処へゆこうとしてゐるんだらうね。

毛蕊花に盛んに蜂さんが飛び交っている。蕊の奥に潜り込まんと、翅が大気を振動させている。勢い余り、花片が落下する。

ジャガイモの試し掘りを続行する。東京の子どもたちにスモモの早生の大石と一緒に送るのサ。よろこぶ笑顔にかーさんも笑ふ。

さびしいからって百日草の種を買ってきて播いたよ。土には苦土石灰と有機肥料を混ぜ込んだ。種は一か所に四粒。篩で土を掛け回しておよそ5ミリに。水遣りもやったよ。

オクラの苗を買ってきて植えた。あの次と咲くオクラの黄の花が好き。

庭には紫陽花の花が咲き続けてゐる。花を付けさせるにはどんな剪定がいいのだらうと考えてゐる。

リンゴに病変が発症。およそカイガラムシめ。

 

倉石智證

片時と云へど───。

片時といへど日に休まないものはない。蜂は毛蕊花の花粉を、南瓜の蔓は未開の宙へとその蔓をアンテナする。雑草は伸びて苦土石灰を撒いて管理機を転がせば、また新たな微生物との混交が行われるのだらう。畑にも日ごとに育ち、準備するものがある。そして植栽にも。梅木は頑なで、それはぼくのやうに肯じない。それが庭の奥に生い茂って、枝枝を見ればアブラムシが黒いゴマ粒の如くびっしりとたかってゐる。まずは道路にはみ出してゐる枝枝を剪定した。そしてなにしろ樹木も風通しを良くしなければならない。ぼくらもあと何年もここに栖とするわけにもいかず、とーさんは梅木に脚立で上り、樹木の中空を風の通りがいいように強剪定を施した。

風が出て来たなぁ。かーさんの呼ぶ声だ。三時のおやつに剪定した梅木を見上げれば、木の枝枝に透けて青空が気持ちがいい。鋏を研ぐ。夕暮れ時、オシロイバナもいつの間にかひそと咲いて亭主の目を愉します。片時と云へど日に休まないものはない。妻は朝から烏賊と大根の煮物を、転がり出た試し掘りの新じゃがフライと、これも自家のナス、ピーマンのニンニク生姜炒め。朝採りの胡瓜味噌である。けふも美味しく頂いて感謝です。

 

倉石智證