上京です。

大月辺り、山肌を白い煙が覆ってます。

中央道までなにか烟臭き感じが。

/古里の山初めとし北を差す

/釈迦堂や白根三山峰白し

/豁然(かつねん)と釈迦堂に来て四壁かな

/葉ボタンの色めき立ちて春立ちぬ

/大月や黄砂ばかりか火の烟

/中央道烟臭きや談合坂

/山茶花の道汚しゆく紅さかな

/冬青や多摩モノレール横断す

/春めきぬ玻璃に映れるビルジング

/葱持たせ青信号を渡るかな

/石垣に拾へりつんつん椿かな

/紙位牌東京に来て賑ひぬ

/免震の話一月十七日

/肉を喰へアミノ酸だよ冬談議

/凍て空に残りし月の冴え返る

/篩雪(しせつ)また猿が落とせり木の枝に

白山。TVで。

/玉原にひとり上手のスキーかな

漢ありて浦和から。

 

倉石智證

芋工房。

松青々。

/かーさんの愛燦燦と芋工房

/鳥鳥の舞い降りて来て冬の朝

/賑ひや剪枝に降りし冬禽の

/電線に静まり返るふくらかな

/霾(つちふる)や洗車を了へて空を見る

/小正月過ぎて庭なる松青々

/芋穴の室藁づとをそっと退け

/尿(いば)をして葡萄樹の下冬の翳

/ばけばけに三寒四温の気配かな

/鳥帰るわたしは何処へ帰りませう

/冬の山塵をはらひし屋根瓦

/葱喰ふておらがネギだと褒めそやす

/只事無し夜間頻尿冬の刑

 

倉石智證

冬こもごも───

寒さかな。

/冬こもごも襟そばだてる寒さかな

/洗車して風力3を告げられし

/駐車場の満杯マルシェの大安売り財布のひもの緩くなるかな

/エクアドルのバナナ安売り寒の内

/かーさんの春は未だかとボンゴーレ

/もつ焼きや二人であればフライパン

/畑中に棒一つ立て冬ざるる

/田舎家の障子に染みる寒さかな

/鮟鱇の髯にまつはる寒さかな

/雪催い髪切りに行くかーさんの

/カーナビに雪降る模様ゆきちらちら

/櫛形山に雪雲懸かる雪ちらちら

/悴んで郵便物の手間取りし

/裏起毛寒さ厳しき折に触れ

/冬晴やバイク一発朝の内

息子は昼に高島平の欣三ラーメンに。

/澁取れてよか爺ィさんになりにけり

/三成に説ひたき冬の熟柿かな

 

倉石智證