帰郷へ───雪山の回廊。

湯沢、津南、千曲川沿、

長野道、中央道。

/飯山や雪捨て場にはダンプカー

/花の駅仕舞い林檎の売られけり

/赤い橋青い橋あり笹濁り

/雪解水王滝を過ぎ栄村

/雪まつり津南の人の雪造り

/雪洞を道連れにして栄村

/淡雪やスキーの先を濡らしゆき

/蕗の薹みなかくれんぼ歩くたび

/携帯を部屋に忘れて引き返す雪踏み抜くや雪折れ桜

/雪山の回廊長野中央道

/北アルプス豆島なども懐かしき

/姥捨てやあれに見ゆるは千曲じゃないか善光寺平北信五岳

/婆なくて何の姨捨(をばすて)春の風

/真実への愛姨捨に春の風

/千曲川柳青める刷毛翠

/往還は富士見て帰る雪の山

/雪の鎧着けて甲斐駒見得を切り

 

倉石智證