ガクモシナルナクンバ。

花腐し。

母の日。

/茉莉花(まつりか)や祭り神輿の遠ざかる

/アカサタナ字面は何処へテーブルへはみ出してゆく蟻の行列

「学若無成死不還」ガクモシナルナクンバシストモカエラズ

「人間到處有青山」ジンカンイタルトコロニセイザンアリ

を不意に憶い出した。

ば様は字を書くことに夢中だ。

ありったけの知性は何処へ行っちまったのか。

ぼくなんかもうまるっきり間に合わんなぁ。

/花殻摘み頭を垂れて西を向く

花は熱心だ。

あんなに色鮮やかに光の粒子を盛んに集めていたものを、

蕊を残して、腐してゆく。

花柄を摘む。

花の宇宙は不思議だ。

植栽の下に落とされた花片も、やはらかくやがて色を喪ひ、

土の一部へと還ってゆくのだらう。

花の美しいはない、と云ふけれど、

花はただそこに在るに過ぎないけれど、有情である。

人間の場合も少し複雑で、わたしは今朝花柄を足元に落とし、

少し頭を垂れる。

/母の日や娘から来るラブレター

/とーさんは道にはみ出す梅が枝、

梯子に上りチョキンチョキンす

 

倉石智證