【日本酒を楽しもう!!】個室もつ鍋屋 ぎんなべの「利き酒師が選ぶ日本酒メニュー」
こんにちは。お好み焼や焼きそば等の粉モンをより美味しく味わうための「至高のソース創り」に挑戦する、千日前はつせの長谷川明男です。
いつもはソースの事ばかり書いているのですが、たまには他のお店の事も書いてみようと思います。先日、系列店である「個室もつ鍋屋 ぎんなべ」の日本酒メニュー改定のため、利き酒師であるUさんをご招待し、勉強をさせて頂きました。
お酒と料理の相性
お酒(日本酒)というものは、その特性や飲み手の好みもありますが色々な飲み方で楽しめます。寒い時には燗で、暑い時には冷やして飲んだりもしますが、暑い時期でも食事に合わせて燗で飲む場合もあり、面白いものだと思います。しかし、少し前はポップなデザインのワンカップ酒が流行になりましたが、日本人の日本酒離れは進んでいるのが現状で、少し悲しくなります。
そこでプロにお越しいただき、料理との相性などの意見を伺う事にしました。食中酒は料理との相性で味わいも大きく変わるので、お客様に日本酒の良さを再発見して頂ける提案をしようと思いました。Uさんと食事をしながらの勉強が始まり、まずは
・刺身などの料理→クセのないお酒
・タレなどの濃い料理→クセが少なめの山廃など
・発酵食品→古酒のぬる燗
などの組み合わせを教わりました。しかしこの公式が全てに当てはまる事はなく、その中でもそれぞれのお酒の特性を見極める必要があります。一番早くそれがわかる方法は、やはり「飲んでみる」事です。個人の好みももちろん大きく影響しますので、極めるには深すぎる道です。ただ、相性がバッチリ決まると、お酒も食事も信じられないほど美味しく、よく進みます。私自身も恥ずかしながら日本酒には詳しくありませんでしたので、大変勉強になりました。
利き酒師が選ぶ日本酒メニューの誕生
様々な組み合わせを試した結果、当店のもつ鍋には「さらっとした純米吟醸」がさほど温度も問わず、非常によく合う事が分かりました。ダシとのマリアージュには、本当に目を見張るものがありました。新たな、そして大きな発見をさせて頂きました。
そして今回の勉強を元に
・火入れした純米酒や純米吟醸は数種類選定する。
・つくりにこだわったものに限定する。
・季節別でのスポット商品を提案し、楽しんでいただく。
・防腐剤の多く入ったお酒は取り扱わない(悪酔いの原因となるため)
をベースにメニュー構成をする事となりました。そして奈良県にある美吉野醸造株式会社さん の「花巴(はなともえ)」というブランドの
花巴 弓弦葉(ゆずりは) 純米吟醸 生貯蔵酒
花巴 山廃特別 純米酒 無ろ過生原酒
花巴 弓弦葉 純米無ろ過生原酒
花巴 熟成純米酒 平成12年度醸造酒
が選ばれました。さらにメニューにはどんな料理に合うかを表記し、料理のセレクトに合わせた楽しみ方ができるようにしました。これらの日本酒は本当に美味しく、製法も安心・安全ですので日本酒の味と味わう事の楽しさを再発見して頂きたいと思います。
個室もつ鍋屋 ぎんなべの「利き酒師が選ぶ日本酒」メニューはこうして作られ、今月よりスタートしています。ご興味のある方は、ぜひ一度ご来店下さい。

【食事は旅の命!!】ご当地飲食店の鉄則とは!?
こんにちは。お好み焼・焼きそばなどの「粉モン」をより美味しく味わうための「至高のソース創りプロジェクト」に日々奮闘する、千日前はつせの長谷川明男です。
先日、久しぶりに家族で旅行に行ってきました。天橋立・京丹後・城崎へ、海あり山あり川あり温泉ありの4泊5日の旅でした。緑に囲まれた大自然に触れ、身も心もリフレッシュしてきました。
旅行に出かけると、やはりご当地料理が食べたくなります。今回の旅行では、日本海の海の幸に期待を寄せて店を選びました。その時ふと思ったのですが、お店にとって旅行者の来店頻度というものはとても少ない中、そのお客様に満足していただく為にはどの様な事が重要なのでしょうか?
旅行先での食事の大切さ
旅行先で飲食店に行く場合、どんなものが味わえるか期待を膨らませて行きます。しかしその店で満足できない結果となると、食事だけでなく、その旅行自体が良い記憶になりかねません。それほど旅先での食事は大切であり、店側は重要な役割を担うと思います。もしかしたらその旅行先へは一生に一度しか行けないかも知れません。3泊での旅行で自分の決めた店に入る事は全9食の内の4回だとすると、そのお店での食事は「旅先での食事部門」で4分の1である25%を占めます。そこへ旅行へ行った総合的な感想に大きな影響があると言えます。
例えば大阪に旅行で来られた方が食事には満足できずに帰ってしまうと、大阪での感想を求めた人にも当然お勧めしません。するとその店の評価はおろか、観光産業にも影響する可能性があります。少し大げさですが、チリも積もれば・・・と考えると無視する事はできません。
求められているイメージを具現化させる
もうひとつ旅行で求めるものは「その土地らしさ」です。大阪では、面白い・気さく・美味しいなどのキーワードがありますが、それらを旅行で体験できないと期待外れになります。お客様が持つイメージや予想を実現しなければ良い記憶になりません。
大阪に来て、思った通りの面白さや美味しさを楽しむ事ができて、その感想を帰った後で伝えて頂く事が観光に来られたお客様が来られる飲食店にとっては重要です。当店でもお客様の約半数ほどが旅行で来られたお客様ですが、そのお客様の再来店頻度はゼロに等しくても、周りに伝えて頂く事でお店は繁盛を続ける事だできるのだと思いました。
語られる事を目指す
自分自身が旅行に行って改めて思ったのですが、私どもはお客様の旅の記憶に貢献できるサービスができているでしょうか?具体的には「面白い、美味しい」の両方を100%演出し、大阪らしさを味わって頂けているでしょうか?考えた結果、100%までは達していないと思いました。でも100%じゃないなら、まだまだ店を良くできる。せっかくの旅行で当店を選んで下さったお客様に対してどんな事ができるかをこれからじっくりと考えていきたいと思いました。
大阪のここにしかない「千日前はつせ」のお好み焼を、そして「至高のソース」をどのように味わっていただけるか。一生に何度かしか、もしかすると一度しか来ないかもしれない大阪で、どんな思い出を持って帰っていただくか。またその為には何が必要なのか。自問自答は尽きませんが、それを悩み続けて解決していく事が私の持つ定めだと思って努力を続けていこうと思います。
至高のソースを創るためのヒント その10
常にお客様のニーズを考えろ!! 人に語られる「旅するソース」を目指すんや!!
【7月7日に7回目のテスト!!】 意外性が生む美味しさ。
こんにちは。お好み焼・焼きそばをより美味しく食べるための「至高のソース」の完成まであと一歩!! 千日前はつせの長谷川明男です。
世界中が熱狂するサッカーワールドカップもいよいよ大詰めです。ひと波乱もあった中、果たしてどの国が優勝するのでしょうか? 日本代表は残念ながらベスト8はなりませんでしたが、堂々とした戦いに感動し、とても励まされました。 なかなか良くならない景気の中ですが、私も頑張らねばと思いました。
さて、「至高のソース創り」ですが、新たな試作品が届いたのが7月6日。果たしてこの7回目の試作品は見事合格となって「至高のソース」を名乗る事になるのでしょうか? いつもならその日の予定を変更してでも鉄板に直行するのですが、今回は1日だけ待ってみる事にしました。7回目のテストを7月7日にしようと思ったからです。
ゲン担ぎは無意味なのか!?
私は風習やしきたりは大事にしますが、いわゆるゲン担ぎやジンクスを信じない人間です。性格上、因果関係がない事は無意味だと思うからです。でも今回ばかりは至高のソース完成を願って「ラッキーセブン」を狙ってみたわけです。因果関係どころかふざけていると思われても仕方ない様な試みですが、ギャンブルを全くしない私としては、たまにはいいかなと思いました。
因果関係というと「風が吹いたら桶屋が儲かる」ということわざを思い出します。日本人なら馴染みのある言葉ですが、なかなか面白いことわざです。
1.風が吹いたら土ぼこりが立つ
2.土ぼこりが目に入って、目が見えなくなる
3.目が見えなくなった人が三味線を買う
4.三味線が売れれば猫が少なくなる
5.猫が減ったらネズミが増える
6.ネズミが増えて桶をかじる
7.桶の重要が増えて桶屋が儲かる
というジョークに近いことわざですが、この言葉の真意は「どこにどんな因果関係があるか分からない」ではなく、「どんなに小さな現象でも、要素が組み合わさって未来へ影響する以上は正確な予測が不可能だ」という意味だそうです。 これを言った人が本当にそこまで考えていたかは謎ですが、なかなか興味深い言葉のひとつです。
試作品テストの特別ゲスト
話は脱線しましたが、試作品のテストはふざけてするわけにはいきません。今までの試作テストは店長や店舗主任を交えて行ってきましたが、今回は姉妹店であるmilkhallのバーマネージャーにも意見を聞きながら味わってみる事にしました。私もバーテンダーの経験はあるのですが、お酒の中でも特にカクテルの味を作る時は、甘み・酸味・アルコールの3点のバランスを大事にします。ソースにはアルコールはありませんが、液体の味のバランスの達人であるバーテンダーなら、何か良いヒントを教えてくれるかも知れないと思ったのです。
早速過去の試作品と現在のソース、今回の試作品の味を順番に見ると、私の理想とするソースに達成するバランスと味になっていました。でも、何かがまだ違うような気がします。それが何かは分からないのですが、このソースを「至高のソース」と胸を張って呼べるかと言われれば疑問に思うのです。そこでmilkhallのバーマネージャーに意見を聞いてみると、「甘みの中にある甘みの種類とバランスが改善できる」との事でした。なるほど、明確な言葉で指摘されると非常に納得できます。私が疑問に思っていた事もこの部分であったと確信できました。
ここで意外に思ったのは、バーテンダーが「甘みの質」に対して敏感だった事です。一昔前はカクテルは「甘さが贅沢」という考えが多くありました。甘いもの=栄養源(裕福層の需要が高い)という事と、欧米のフレッシュフルーツが手に入りにくかった事が原因だったのですが、現在のカクテルはドライ志向化が顕著で、バーテンダーの見る甘みのバランスとは、ドライさのバランスとほぼイコールになっています。こういった事情の中で「甘さの質」を見極めた事が意外で、さすがプロフェッショナルだと思いました。
意外性を無視すると、ありきたりにしかならない
その後、メーカーさんに使用原料とその配分を教えてもらい、微調整・微修正を加えた試作品を作ってもらう事になりました。こちらの要望通りのバランスとなると、次のテストが恐らく最後となり、長い期間試作を重ねた「至高のソース」が完成するでしょう。
残念ながらラッキーセブンにあやかる事はできませんでしたが、今回のテストでは大きな収穫がありました。もし今回milkhallのバーマネージャーに意見を聞かなかったら、至高のソースは未完成のまま迷走する事になっていたかもしれませんし、納得のできていないまま世に出されていたかもしれません。奇をてらう事はあまり好きではありませんが、自分の中で凝り固まっている事を突き詰める事がこだわりではなく、自分が変わる自信を持って広く意見を募る事が本当のこだわりだと思った次第です。
至高のソースを創るためのヒント その9
思い込みは厳禁!! あらゆる意見を取り入れる事が「美味しさ」へつながるんや!!
