【7月7日に7回目のテスト!!】 意外性が生む美味しさ。 | 至高のソースを創る!! 千日前はつせ 三代目 長谷川明男

【7月7日に7回目のテスト!!】 意外性が生む美味しさ。

こんにちは。お好み焼・焼きそばをより美味しく食べるための「至高のソース」の完成まであと一歩!! 千日前はつせの長谷川明男です。


世界中が熱狂するサッカーワールドカップもいよいよ大詰めです。ひと波乱もあった中、果たしてどの国が優勝するのでしょうか? 日本代表は残念ながらベスト8はなりませんでしたが、堂々とした戦いに感動し、とても励まされました。 なかなか良くならない景気の中ですが、私も頑張らねばと思いました。


さて、「至高のソース創り」ですが、新たな試作品が届いたのが7月6日。果たしてこの7回目の試作品は見事合格となって「至高のソース」を名乗る事になるのでしょうか? いつもならその日の予定を変更してでも鉄板に直行するのですが、今回は1日だけ待ってみる事にしました。7回目のテストを7月7日にしようと思ったからです。



ゲン担ぎは無意味なのか!?


私は風習やしきたりは大事にしますが、いわゆるゲン担ぎやジンクスを信じない人間です。性格上、因果関係がない事は無意味だと思うからです。でも今回ばかりは至高のソース完成を願って「ラッキーセブン」を狙ってみたわけです。因果関係どころかふざけていると思われても仕方ない様な試みですが、ギャンブルを全くしない私としては、たまにはいいかなと思いました。


因果関係というと「風が吹いたら桶屋が儲かる」ということわざを思い出します。日本人なら馴染みのある言葉ですが、なかなか面白いことわざです。


1.風が吹いたら土ぼこりが立つ

2.土ぼこりが目に入って、目が見えなくなる

3.目が見えなくなった人が三味線を買う

4.三味線が売れれば猫が少なくなる

5.猫が減ったらネズミが増える

6.ネズミが増えて桶をかじる

7.桶の重要が増えて桶屋が儲かる


というジョークに近いことわざですが、この言葉の真意は「どこにどんな因果関係があるか分からない」ではなく、「どんなに小さな現象でも、要素が組み合わさって未来へ影響する以上は正確な予測が不可能だ」という意味だそうです。 これを言った人が本当にそこまで考えていたかは謎ですが、なかなか興味深い言葉のひとつです。



試作品テストの特別ゲスト


話は脱線しましたが、試作品のテストはふざけてするわけにはいきません。今までの試作テストは店長や店舗主任を交えて行ってきましたが、今回は姉妹店であるmilkhallのバーマネージャーにも意見を聞きながら味わってみる事にしました。私もバーテンダーの経験はあるのですが、お酒の中でも特にカクテルの味を作る時は、甘み・酸味・アルコールの3点のバランスを大事にします。ソースにはアルコールはありませんが、液体の味のバランスの達人であるバーテンダーなら、何か良いヒントを教えてくれるかも知れないと思ったのです。


早速過去の試作品と現在のソース、今回の試作品の味を順番に見ると、私の理想とするソースに達成するバランスと味になっていました。でも、何かがまだ違うような気がします。それが何かは分からないのですが、このソースを「至高のソース」と胸を張って呼べるかと言われれば疑問に思うのです。そこでmilkhallのバーマネージャーに意見を聞いてみると、「甘みの中にある甘みの種類とバランスが改善できる」との事でした。なるほど、明確な言葉で指摘されると非常に納得できます。私が疑問に思っていた事もこの部分であったと確信できました。


ここで意外に思ったのは、バーテンダーが「甘みの質」に対して敏感だった事です。一昔前はカクテルは「甘さが贅沢」という考えが多くありました。甘いもの=栄養源(裕福層の需要が高い)という事と、欧米のフレッシュフルーツが手に入りにくかった事が原因だったのですが、現在のカクテルはドライ志向化が顕著で、バーテンダーの見る甘みのバランスとは、ドライさのバランスとほぼイコールになっています。こういった事情の中で「甘さの質」を見極めた事が意外で、さすがプロフェッショナルだと思いました。




意外性を無視すると、ありきたりにしかならない


その後、メーカーさんに使用原料とその配分を教えてもらい、微調整・微修正を加えた試作品を作ってもらう事になりました。こちらの要望通りのバランスとなると、次のテストが恐らく最後となり、長い期間試作を重ねた「至高のソース」が完成するでしょう。


残念ながらラッキーセブンにあやかる事はできませんでしたが、今回のテストでは大きな収穫がありました。もし今回milkhallのバーマネージャーに意見を聞かなかったら、至高のソースは未完成のまま迷走する事になっていたかもしれませんし、納得のできていないまま世に出されていたかもしれません。奇をてらう事はあまり好きではありませんが、自分の中で凝り固まっている事を突き詰める事がこだわりではなく、自分が変わる自信を持って広く意見を募る事が本当のこだわりだと思った次第です。




至高のソースを創るためのヒント その9

思い込みは厳禁!! あらゆる意見を取り入れる事が「美味しさ」へつながるんや!!




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