至高のソースを創る!! 千日前はつせ 三代目 長谷川明男 -4ページ目

【美味しいだけじゃまだ足りない!!】五感プラス1が大切です。

こんにちは。お好み焼・焼きそばをより美味しく味わうための「至高のソース創りプロジェクト」に挑み続ける、千日前はつせの長谷川明男です。


早くも一年の半分が過ぎました。毎年思いますが、時間はあっという間に過ぎてしまいますね。この時期は、4月に新しく入ったスタッフが仕事に慣れてくる頃でもあります。しかしどれだけ慣れたとしても、私が当店の従業員に対して口を酸っぱくして言い続けている事が二つあります。弊社では「千日前はつせ」「個室もつ鍋屋 ぎんなべ・ぎんなべ離宮」「milkhall」を経営していますが、すべての業態に共通し、料理人もホールスタッフも店長も決して忘れてはいけない事だと信じています。今回はそれを紹介したいと思います。



「おいしい」の中身は味だけではない


ご来店されたお客様が料理を食べて「おいしい」言って下さる。この言葉のために我々が努力するのは当たり前の事ですが、この時の「おいしい」は料理の味が美味しい事です。では、その「おいしい」はどこから来るのでしょうか?人が料理を味わう時は「五感で味わう」と言います。その五感とは


・目で味わう

料理の盛り付け(色の配置や盛り方)はもちろんの事、店の照明や雰囲気、スタッフの立ち振る舞いもこの中に含まれると考えています。  


・耳で味わう

例えば鉄板焼きなら、運ばれてきた時に「ジュージュー」と音が鳴っていれば、これは「おいしさ」の一部となります。また、店のBGMが雰囲気にマッチしていれば「おいしそう」という期待感に変わります。


・鼻で味わう

これは「料理の香り」です。ただ香りが出るの良いのではなく、香りを最大限に引き出す工夫も大切です。お好み焼も、仕上げにかけたソースが焼ける香りが食欲をよりそそり、「おいしい」につながります。


・舌で味わう

メインとなる料理の味です。食べ合わせやお出しする料理の順番などにも影響されるので、単品の味だけを考えては成り立ちません。例えば、コース料理では必ず初めにサラダや刺身が出てきますね。


・温度で味わう

これが「五感」の最後のピースとなります。熱い料理は熱いうちに、冷たい料理は冷たいうちに食べる事がおいしく食べるためには欠かせない事であり、店側はそれに対する努力を怠ってはいけません。ちなみに食べ物だけではく、カクテルやワインに使われるグラスの大きさも、飲み終わるまでの時間が関係しています。


このように、お客様が料理を食べて「おいしい」と言って下さる言葉には、色々な要素が含まれています。料理・サービスの提供側として、五感全てで言っていただく「おいしい」を目指しています。しかし「おいしい」という言葉には違うメッセージが含まれる事もあります。



「おいしい」と「おいしかったね」は違う


先に説明した「おいしい」と、食事を終えてお会計を済まして、店から出る時にお連れ様との会話に出る「おいしかったね」は、また違う内容のものだと考えています。この時の「おいしかったね」は、料理の味だけではなく、


・ご来店時のお客様の迎え方、予約時の対応

・客席へのスムーズなご案内

・オーダーを受け、ドリンクや料理を提供するスピードと確実性

・料理の味(五感に訴えることができたか)

・お会計時にストレスを感じないようにできたか

・ハキハキとした応対や店内の活気、適切な言葉遣い

・お客様とスタッフとのコミュニケーション

・お帰りの際のお客様のお送り

・お客様のニーズに対応した柔軟性が持てたか


この他にも挙げればもっと出てきますが、要するにご来店(ご予約)からお客様がお帰りになるまでの全ての要素が満たされて、はじめて「おいしかったね」という会話がお客様同士で生まれるのだと思うのです。この「おいしかったね」が出た時に、初めてお客様の記憶に残るお店となれるのです。



常に初心を大切にする


以上の事は、仕事の慣れや働いている期間に関わらず、常に全スタッフが意識するように心がけています。もちろん私もその中に含まれます。私が挑戦する「至高のソース創り」も、お客様へ提供する素材の一つでありサービスの一環です。本当に「おいしい」や「おいしかったね」と言っていただくためには、私自身も基本に立ち返り、何が大切な事かをじっくりと考え直す必要があると再認識しました。


そしてソースの味だけではなく、ご来店いただいたお客様を大事にし、満足していただけるように、スタッフと一丸となってより良い店作りに取り組んでいきたいと思います。どんな時もそれを常に最優先とし、結果的に「長く続く良いお店」になれば、私にとってこれ以上の幸せはないと感じた次第です。




至高のソースを創るためのヒント その8

お客様を常にイメージしたソースを!! 全ての「おいしい」をクリアするんや!!



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【梅雨はサイコー!?】ソース創りの「光と影」

こんにちは。じめじめとした天気が続く中、雨が止んだ一瞬の隙をついて仕入れに出かける毎日を過ごす、千日前はつせの長谷川です。至高のソース創りも着々と進み、完成が近付いているという実感が少しずつ出てきました。


先日、社内での会話の中で「梅雨っていつまで続くの?」という会話になりました。1週間や10日というせっかちな声もありましたが、長い予想でも1ヶ月でした。そこで調べてみると、近畿地方の梅雨の平均期間はなんと44日もありました。今年は6月13日に梅雨入りしたばっかりなので、まだまだ先は長い・・・。ちょっとブルーになってしまいます。でも改めて考えてみると、梅雨って結構長いものですね。



梅雨に関する豆知識


wikipediaを使って調べてみると、梅雨に関して色々と知らない事が出てきました。個人的に興味があったものを以下に挙げていきたいと思います。


・梅雨はいつ終わる?

近畿地方の梅雨明けの平均は7月19日です。しかし今年の梅雨入りが平年より7日も遅かったので、もしかすると7月26日ぐらいまで伸びるかも!? 夏好きとしては、早く梅雨明けが来てほしい気持ちです。梅雨入りが遅れた年は冷夏になる事が多く、作物の収穫量にも大きな影響を及ぼすそうです。


・梅雨明け十日

梅雨が終わった直後から10日ほどは、天気が安定する傾向にあるようで、いわゆる猛暑日が多いそうです。その後にまた雨が続く「戻り梅雨」いう言葉もあります。また、梅雨末期は雷雨が多く「送り梅雨」と呼ばれます。


・梅雨の中休み

梅雨の半ば辺りに、天気が回復する時期を「梅雨の中休み」と言います。この時期は湿度、温度共に高いため、熱中症に気を付ける必要があるようです。逆に長雨が続く時期は肌寒くなるので、風邪に気を付けましょう。


・「陰性の梅雨と」「陽性の梅雨」

強い雨ではないが長く続く梅雨は「陰性の梅雨」と呼ばれ、降る時は集中するが、降らない時は晴れ間が広がる梅雨を「陽性の梅雨」と呼ぶそうです。私の仕事上では陽性の方が都合は良いですが、あまり短期間で豪雨になる洪水などの災害が心配です。今年は陽性っぽいですね。


・梅雨時期以外の梅雨

春の終わりの「菜種梅雨」、秋の長雨とも呼ばれる「すすき梅雨」、本梅雨の前に起こる「走り梅雨」、11月終わり頃の「さざんか梅雨」など、色々な種類の梅雨があります。



梅雨入り宣言はこんなに重要!!


以上、興味深く感じた情報を独断で羅列しましたが、私が梅雨と言って毎年心配するのが「冷害」「カラ梅雨」「災害」の三つです。これらがニュースに出る時は「梅雨はジメジメするから嫌だ」なんて言ってる場合ではありません。冷害による米や野菜の生産量は、自店の仕入価格にも直結しますし、カラ梅雨では水不足が心配され、土砂崩れや洪水などの災害は、人命に関わる事も多くあります。これらは地球温暖化から引き起こされる異常気象の影響もあると言われており、現代人としては率先して環境保全に努める必要があると思います。


そもそも梅雨入りを「報道機関へのお知らせ」として公表され始めたのが1955年頃で、気象情報として一般公開されたのが1986年からです。理由は通勤・通学路や排水路などの点検を促し、洪水などの災害をできるだけ防いでほしいからでだそうです。気症情報に興味を持ち、身の回りの安全をチェックするキッカケとなれるように、梅雨入り宣言は始まったのです。


それから24年が経ちました。私達はその情報を有益に役立てる事ができているでしょうか?その情報を元にして災害を回避できているでしょうか?私なりの答えは「YES」です。私はここ5年ほどミナミの防災委員を務めており、研修や訓練を続けています。地震や洪水の災害が起こった時に避難所を設営し、トランシーバーで警察や消防と連絡を取り合うのは私の役目でもあります。今回は防災の話がメインではないので割愛させて頂きますが、梅雨入り・梅雨明け宣言は暫定的なものではあるものの、こういった気象庁からの情報を元に様々な決断が下されているのは事実です。これからもっと情報技術が進歩し、さらに多くの被害を食い止められる可能性があると期待しています。



「影」があってこその「光」


「梅雨がなければもっと快適なのに」という考えは、この時期になればより強く思ってしまいがちになりますが、そんな事が実際に起こってしまうと、私達は生きていく事ができません。今の時期に雨が多く降るからこそ、渇水を回避する事ができ、一年を通して問題なく過ごす事ができるのです。梅雨というものは「種蒔き」と似ていると思います。今は何の生産性もないように見え、ひどい時には損になる事もあるけれども、これがあるからこそ将来何かが実る。まさに「光と影」の「影」の部分ですね。


ソース創りに関しても「なぜそこまでこだわる必要がある?」という意見や「そこそこの商品で手を打てば?」という声も、たまにですが耳にする事があります。しかし私が近い未来に創るであろう「至高のソース」は、店が続く限りずっとに残るものであり、店の看板であり続けるものです。正直、手を抜こうと思えばすぐにでも完成するものですが、私の中にそんな気は毛頭ありません。今でなくてもいつか光を手にする、自分でなくても将来的において店舗が高く評価されるソースを創りたいと思った次第です。





至高のソースを創るためのヒント その7

今は自らが「影」を担え!! きっちり種を蒔いて「語り継がれるソース」を創るんや!!



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【牛肉文化はウソ!?ホント!?】至高のソースのコンセプトが決定!!

こんにちは。「至高のソース」を創るための精進を日々怠らない、千日前はつせの長谷川明男です。


先日、某テレビ局からお問い合わせのお電話を頂きました。内容は「大阪の牛肉文化について」です。関東では「肉といえば豚肉」なのですが、関西では肉は牛肉の事を指します。電話では担当者の方との話もつい盛り上がってしまいました。日本の中でも地域によって文化の違いがあり、これは一つのエンターテイメント的な知識となります。例えば「歩く歩道」です。関西では歩く歩道というものは「歩く速度をスピードアップさせる装置」ですが、関東では「歩かないで済む装置」という認識らしいです。エスカレーターの立ち位置も関西と関東では左右が逆ですね。中間地点のあやふやな地域では、どちらに立つかという「足跡マーク」あります。「これはあなたの地元ではどっち? これって何て言うの?」という情報交換は非常に楽しいですし、勉強になります。



関西は牛肉文化なのに、なぜ豚玉がメイン?


当店でも豚肉のお好み焼は「豚玉」ですが、牛肉のお好み焼は「肉玉」です。「牛肉玉」ではありません。野菜炒めの牛肉版も「肉炒め」という名前です。でも、牛肉文化なのになぜ一番有名なのが「豚玉」なのかとよく聞かれます。答えは「文化」にあるのではなく、「時代」にありました。


昔から庶民的な食べ物であったお好み焼は、具材も安価なものが好まれてきました。牛肉文化といっても、豚肉の方が値段も手ごろだったので、また粉モンには牛肉よりも豚肉の脂の方がよく合う事もあり、豚肉がお好み焼きのメイン具材となったのです。他にもイカなどは庶民的なお好み焼の具材として知られています。



豚肉へのこだわり


牛肉文化である関西には珍しく、お好み焼ではメイン具材となる豚肉ですが、当店にももちろん豚肉に対するこだわりがあります。よく家庭で作るお好み焼には豚バラ肉を使いますが、当店の豚玉には肩ロースを使います。この肩ロースの脂の旨みをお好み焼の中に閉じ込めるたものが当店の豚玉の特徴とも言えます。豚バラのカリッとした食感(クリスピーさ)も魅力的ですが、当店では生地でクリスピーさ出すようにしています。具材によってクリスピーさがなくなる事は避けたいと思っているからです。さらに肩ロースに対してのこだわりもあります。それは、冷凍肉ではなく必ず捌かれたばかりの「生肉」を使う事です。もちろん国産限定で、毎日細かく仕入れます。どうせ焼くのに、なぜそこにこだわりが?と思う方もおられるかもしれませんが、冷凍肉と生肉とでは大きな違いがあります。


最近は冷凍技術が大きく発展しています。新鮮なままの食材を瞬時に冷凍する技術は目を見張るものがあります。しかし、冷凍とは「凍結させる事」である事には違いはなく、解凍するのは使用者です。しかも完璧に解凍する事は容易ではありません。専門的なデータを提示するほどの知識はありませんが、冷凍肉と生肉とでは旨さというものが断然違います。前述の通り、豚肉の脂とお好み焼の生地の相性は抜群に良いのですから、それを最大限に引き出さない手はありません。このこだわりは創業時から変わらず守られているものです。



こだわりを守るために前に進む


私も何気なく食べていた豚玉ですが、創業当時から守り続けられた味で、それが定番になっている事には時代背景があった事を知ると、少し懐かしい気分になります。懐かしんでいる私にはその記憶が無いにもかかわらず

こんな気分でなれるのは、もしかするとDNAにある潜在意識が働いているからなのかもしれません。創業からのこだわりを守るため、大阪の食文化の背景を伝えるための「温故知新」をテーマにした「至高のソース」を創る事が私の使命だと感じた次第です。




至高のソースを創るためのヒント その6

ソースのテーマは温故知新!! お客様への想いが伝わるソースを目指すんや!!


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