【若紫138-2】☆国公立大学古文の記述対策☆
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を賜り、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬、物の怪による夕顔の急死…。光源氏の恋は成就することなく、尽きせぬ恋慕を重ねていくのでした。
ただ今、第五帖「若紫の巻」です。夕顔が亡くなった翌年、光源氏18歳の3月(春)に、瘧病にかかって、その加持祈祷のために、北山に訪れ、そこである僧都の屋敷を垣間見、泣いているかわいい少女若紫を目にしました。その後すぐに僧都が光源氏を訪ね、自分の僧坊に招きました。光源氏は若紫のことを詳しく聞き出します。その夜、僧都宅で、眠れずにいた光源氏は、僧都家の女房に手引きを頼み、尼君と対面して若紫の後見を願い出ますが、あえなく断られてしまいます。
【今回の源氏物語】
「さしぐみに袖ぬらしける山水に
澄める心は騒ぎやはする
耳馴れはべりにけりや」と聞こえたまふ。
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☆ 国公二次対策~オリジナル問題~ ☆
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B「さしぐみに袖ぬらしける山水に
澄める心は騒ぎやはする
耳馴れはべりにけりや」と聞こえたまふ。
問 Bの和歌を、修辞に注意して口語訳せよ。
☆国公立大学の和歌の解釈問題☆
ある程度のレベルの国公立大学では
上記のような和歌の全訳が出題されます。
【現代語訳の基本】
⑴ 一語一語に分解し、重要古語と文法事項を確認
⑵ まずは直訳し、主語や目的語を文脈に応じて補う
⑶ 不自然な箇所は、自然な日本語になるよう意訳する
基本的には
現代語訳の場合と同じなんですが――
和歌には和歌特有の
訳し方のきまりがあります!
特に、今回の設問にもある
和歌修辞には要注意!!
もし、「修辞をふまえて現代語訳せよ」とあったら
必ず次の修辞技巧が和歌中に入っていると思ってください。
■本歌取り
まずは、箇条書きでもいいので、自力で書いてみましょう。
そして、模範解答を見て
どんな書き方で説明すればよかったのか、
論理的な流れはズレていなかったか、
自分の答案と照らし合わせてチェックしていきましょう。
B「さしぐみに袖ぬらしける山水に
澄める心は騒ぎやはする
今回の和歌のポイントは
「さしぐみに」です。
知らなかったら、どうしようもありませんがね。
でも、「涙ぐむ」は、現在でも使うし
「さしぐむ」も古文ではよく出てくるので
こういう練習問題を通じて
古文特有語を、積み重ねていきましょう。
B「さしぐみに袖ぬらしける山水に
この和歌の文脈では
「山水で袖を濡らす」という意味ですが――
古文で「袖を濡らす」と出てきたら
古文常識では
「涙で袖が濡れる=泣く」の意味ですよね!
このように
不自然な文脈や、不自然なひらがな表記の箇所は
掛詞になることが多いんです。
澄める心は騒ぎやはする
また、和歌解釈の場合
この「やは」に注目!
係助詞「やは」は、反語になることが多いです。
特に、和歌中などの主張部分には
反語で用いられていることがほとんどです。
それこそ、国公立大学によって
字数が指定されたり、スペースが様々だったりするので
赤本を買って、各志望校の設問意図に合わせて
書けるように練習しておく必要があると思います。
いいですか?
明治大学は、基本重視☆
しっかり基本を押さえていくことが、
合格の要です!!
【答え】