【夕顔312-2】共通テスト☆こんな問題?!
このイラスト解釈では、毎回1問ずつ、
古文の問題を載せています。チャレンジしてみてねっ!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)に命じて夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意のまま二条院へと戻ります。
【今回の源氏物語】
惟光心地惑ひて、「我がはかばかしくは、さのたまふとも、かかる道に率て出でたてまつるべきかは」と思ふに、
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☆ 古文オリジナル問題~共通テストプレテスト版~ ☆
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惟光心地惑ひて、「我がはかばかしくは、さのたまふとも、かかる道に率て出でたてまつるべきかは」と思ふに、
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選びなさい。
1.こんな所に源氏の君を連れて参るべきではなかった。
2.こんな所で源氏の君と路頭に迷うのではないだろうか。
3.こんな所で源氏の君をどうやって連れて帰ればよいのか。
4.こんな所で源氏の君に足止めを食うことになろとは。
5.こんな所に源氏の君を置いておくことはできない。
先週の土・日に、大学入試共通テストプレテストがありました。
従来のセンター試験に、記述問題がつく程度かなと思ってたのですが、
現代文・古文・漢文ともに、今までとはまったく異なる形になっててビックリ!
特に、古文は、【文章Ⅰ】(定家本)と、【文章Ⅱ】(河内本)の、
『源氏物語』「桐壺」の巻の写本を読み比べて、
【文章Ⅱ】の書かれたエピソードとして【文章Ⅲ】を読む、
という、今までになかった形式☆
しかも、従来のセンター試験であった、
■問1 古語の意味
■問2 文法識別
の問題もなくなってる……;;
今までの知識偏重の勉強では、
なかなか得点できないのではないでしょうか…?
このイラスト訳の「源氏物語」は、
渋谷栄一氏校訂の、ネット公開されている「大島本」を
参考にさせていただいておりますので、
多少違いがありますが、よかったら参考までに…
さて。
今回の共通テストプレテスト古文の【問1】は、反実仮想の省略部分。
【問2】は、和歌の一般的な問題。
【問3】が、上のような、反語の意味識別問題でした。
今回の傍線部は、
「―かは。」という係助詞の文末用法です。
【かは】
【係助詞「か」に係助詞「は」がついて一語化したもの】
(文中で)
①【反語】~か(いや~ではない)。~ものか
②【疑問】~か。~のか。~だろうか。
(文末で)
…【反語】~か(いや~ではない)。~ものか
※『全訳古語例解辞典(小学館)』より
辞書を見てもお分かりのように、
基本的に、「かは」が文末にあると、反語の意味となります。
共通テストプレテストもそうですが、
国公二次や私大入試でも、
反語は、「いや~ない」の部分のみが選択肢になっていることが多いんです。
「たてまつる(謙譲の補助動詞)」や、「べき(当然・義務の助動詞)」も
丁寧に見ていって、文脈に合う選択肢を選んでいきましょう!
かかる道に率て出でたてまつるべきかは
訳)このような道に連れ出し申し上げるべきであったか、いやそうすべきではなかった。
【解答】 1