【夕顔271-2】「けれ」の識別☆偏差値52☆
古典文法の入試頻出ポイントは、識別問題☆
とくに、「けれ」はよく出る文法事項です。
こちらの記事も参考に、力をつけていきましょう!
源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は急死してしまいます。部下の惟光(これみつ)に後始末をさせ、光源氏は茫然自失のまま二条院へ戻ります。宮中からの使者などが見舞いにやって来るなか、光源氏は頭中将を簾越しに呼び、参内できない理由を伝えます。
【今回の源氏物語】
心のうちには、言ふかひなく悲しきことを思すに、御心地も悩ましければ、人に目も見合せたまはず。
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☆ 古文オリジナル問題~偏差値レベル52 ☆
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心のうちには、言ふかひなく悲しきことを思すに、御心地も悩ましければ、人に目も見合せたまはず。
問)傍線部の「けれ」と同じ用法のものを、次の中から1つ選べ。
1.花は咲けれども、見るしるしなし。
2.今一声こそ聞かまほしけれ。
3.月見ればちぢに物こそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど
4.かかる人こそは、世におはしましけれ。
5.世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
6.冬枯れのけしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。
「けれ」の識別問題は、
こんなふうにして出題されることがよくあります。
1.過去(詠嘆)の助動詞「けり」の已然形
2.形容詞の已然形活用語尾
3.カ行四段動詞已然形語尾+完了(存続)の助動詞「り」已然形
4.形容詞型活用の助動詞(べし・まほし・まじ・たし)已然形の一部
識別ポイントは、こちらの記事にも載せています。
出てきた古文のなかで、
きっちり見分けられるよう、常に確認していきましょうね。
【悩まし(なやまし)】
【形容詞:シク活用】
…難儀だ。(病気などで)気分が悪い
※『全訳古語例解辞典』(小学館)より
傍線部直前の「悩まし」の品詞が分かっていると
すぐに見分けられると思いますが、
なんとなく、見分けようとすると、
選択肢2の「まほしけれ」や選択肢4の「おはしましけれ」とも
混乱しちゃいますよね~;;
文法識別は、しっかり品詞を確認する
また、形容詞已然形の語尾で注意してほしいのは、
ク活用か、シク活用かの確認です。
(σ・∀・)σ
今回の傍線部は、「悩ましけれ」なので、
シク活用のほうです。
1.花は咲けれども、見るしるしなし。
⇒四段の已然形語尾+存続の助動詞「り」已然形
2.今一声こそ聞かまほしけれ。
⇒願望の助動詞「まほし」已然形の一部
3.月見ればちぢに物こそ悲しけれわが身一つの秋にはあらねど
⇒シク活用形容詞「悲し」已然形活用語尾の一部
4.かかる人こそは、世におはしましけれ。
⇒詠嘆の助動詞「けり」の已然形
5.世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる
⇒ク活用形容詞「なし」已然形の活用語尾
6.冬枯れのけしきこそ、秋にはをさをさ劣るまじけれ。
⇒打消推量の助動詞「まじ」已然形の一部
選択肢3と5が形容詞ですが、
シク活用は、3のほうですね!
(σ・∀・)σ
【正解】…3