フランク・ラビオGKコー チ研修 1日目 指導実践1
1日目の指導実践は10~12歳GKを対象としたトレーニング。
トレーニング参加GKはU14GK 3名でした。
まず、下記のような「ゾーン」を設定。
「ゾーン」を設定することにも意味があります。
トレーニングの「ルール」として、設定されたゾーンを出ない。
これによって
・GKには手が使えるゾーンがあることを意識させる
・トレーニングへの集中力を高める
設定されたゾーンを出てしまうと、ラビオ先生は全員のトレーニングをスト
ップさせます。
そして「なぜ出た?」GKに尋ねます。
指摘されたGKは「ちょっと出ただけ」という表情でしたし、観ている僕も
「エッ!?そこまで?!」って感じでした。
しかし、決められたルールを守ることは当たり前のことですし、もしこれが
ゲームだったら相手FK、状況によってはGKにレッドカードが出されます。
このような点での集中力・注意力は些細な事ですが、トレーニングへの入り
方として大切なことだと思います。
実際、これ以降GK達のゾーンに対する集中力が変わりました。
そして、
テーマ:ボールとカラダの関係を高める
に入ります。
以下の映像はその一部をAGK U14GKを使って再現したモノです。
※もっとたくさんのトレーニングがありますが、映像にノイズが
入って いて編集できませんでした。
また、日を改めて他トレーニングの映像を撮り直します。
観ていただいてわかると思いますが、すべての動作にルールがあり、キーフ
ァクターがあります。
このようなトレーニングは日本でもウォーミングアップとして取り入れられ
ると思いますが、実際にGKテクニックの一環として100%の確実性・正
確性・無意識を求めている現場はわずかではないでしょうか。
これらのトレーニングは100%を求めると非常に体力・集中力を使いま
す。
そして、コーディネーションが変化してきます。
この映像は寒い日の早朝です。
この日、僕は徹底的に確実性にこだわりました。
ルール・キーファクターのあるトレーニングは、他のトレーニングと同じ
ような達成感があります。
U14GK達はこれだけでトレーニングを楽しみ、汗だく、ヘロヘロにな
りました。(^0^)
このような要求を日本の8歳GKから始めたらどうなるのか・・
GKはカラダの使い方がチームで最も器用である
ラビオ先生が述べたGK育成のキーファクターがここにもひとつ。
ちなみに僕はこの研修後から、左手で箸を持って飯を食ってます。(*^^*ゞ
to be continued
フランク・ラビオGKコーチ1日目座学補足
今回はラビオ先生の1日目指導実践について御報告する予定でしたが、
座学1日目をアップしてから、多くの方からE-Mailをいただいたので
ご返信内容の補足も兼ねて、座学の補足をさせていただきます。
E-Mailをいただいた方々、ありがとうございます。m(..)m
いろいろなお問い合わせをみせていただいて共通に感じることがありま
した。
御問い合わせいただいた皆さんの
8~12歳GKへ求めるGK像が異なっている。
だから、8歳からのGKトレーニングに違和感をおぼえているんじゃ
ないか・・・
ただし、誤解しないでください。
今から書くことは僕がラビオ先生の座学を受けていて感じたことであって
それがラビオ先生のいう「確信」かどうかはわからないです。
育成GKをお持ちの親御さんの意識下にある「GK像」は、以前の日本に
みられた下図のようなイメージではないかと思われます。
現在、GKとしてプレーされている育成年代GKの意識下にある「GK像」
は、GKプロジェクトが目指す下図のようなイメージではないでしょうか。
あくまで僕が感じたことですが、ラビオ先生が8~12歳GKに求める
GK像は下図のような感じじゃないかと。
ラビオ先生は1日目の座学・指導実践(8~12歳のGK育成)の中で
・GKはチーム内で最もカラダの動きが器用である
・GKは両手が利き手
・全体トレーニングとは全く別にGKの特別トレーニングが必要
・8~12歳は、本当のGKを理解することは難しい年齢
といわれていました。
8~12歳では、GKとFPとのポジション選択権を選手側に残しつつ
GKとしての特別スキルをプラスしていくといった感じ。
特別スキルとは、両利き手・FPでは全く必要がない技術(ダイビング)
などをさします。
1日目、ラビオ先生のボールを使ったハンドリングは音楽に合わせてボール
と共に踊る新体操選手のようでした。
また、ステッピングはフィギアスケーターのように本当に芝の上を滑って
いるように見えました。
GKというより「アスリートダンサー」
さきのブログで
「育成年代に求めるGKテクニックの大枠は日本のGKプロジェクトに
似ているようだ」
と書きました。
「大枠は似ている」
この表現は間違ってはいないと思います。
ラビオ先生なのか、フランスなのかは判りませんが、8~12歳の育成GK
に求めている「質」が違うように、この時の僕は感じました。
GKとしてのクオリティが高いとか、低いとかではないですよ。
GKという人間にするための道筋が違うと言ったらいいでしょうか。
「GKをやるんなら、
GKをやるために必要な準備がある」
そんな感じ。
こういうと「GKをやるための準備」=「FPとしての技術」と考えがち
ですが、そうじゃない。
まさしく「GKをやるための準備」
上の図でいうと、GKの円内にあるFPの円をハミ出た部分を獲得
するための準備
だから、GKの特別トレーニングが8歳から必要、8歳からが最も大事と
言われているんじゃないかと思います。
アスリートがダンサーになったのか、ダンサーがアスリートになったのか
と思うようなアートフルな動きも指導実践の中で求めていました。
もちろん、キャッチングとかプレー方向、基本姿勢といったGK技術にも
フォーカスしながらです。
※ラビオ先生ご自身は「自分のGKプレーは猿だ」と表現していました。
実際にこの動きは文字で表現できないので、AGKのU14GKを使って映像
にしようと試みました。
やはり、ラビオ先生のそれとは全く異質なモノになってしまいました。
本当は近々映像編集してブログアップする予定でしたが、DVテープが
悪かったのか、ノイズだらけでどうにもなりません。(T_T)
それでも、ノイズの無いいくつかのハンドリングだけでも映像でご紹介で
きればと思います。
明日はAGKもあり、仕事にも追われ・・・(^^;
しばらくお待ちください。
フランク・ラビオGKコーチ 座学1日目
皆さんがそうであるように、
私にも経験と結果から導かれた育成の確信があります。
私は、その「確信」を伝えるために日本にやってきました。
しかし、それがGK育成の真実かどうかは判らない。
真実とはなんなのか・・・それは誰にも判らない。
ラビオ先生のフランス人らしい哲学的な言葉で始まった座学。
※通訳:樋渡先生@JFAアカデミー
◆フランク・ラビオ(Franck Raviot)先生の略歴
GKコーチとして10年間のキャリア
INFにて16~19歳女子GK 13~15歳男子GKを育成
現U21フランス代表GKコーチ
一日目の座学は、
8~9歳(プッサン)
10歳~12歳(バンジャマン)
でのGK育成についてでした。
※( )括弧内はフランスでのカテゴリー名称
日本のGK育成では導入期:10~12歳とされていますが、
フランスでは8歳~9歳
そして、8~9歳はGKを専門的に育成する上で最も大切な時期という
ことでした。
技術的なコーチングの大枠は日本のGK-プロジェクトとほぼ同じよう
な感じ。
この時期に取り組むテーマとして挙げられていたのは
・ポジショニング
・ステッピング
・基本姿勢
・キャッチング
・ローリングダウン・ダイビング
※足元へのフロントダイビングを含む
・配球
大枠は同じでも、細部は非常に細かいコーチングが必要と考えられて
います。
たとえば、キャッチング
ゲームからキャッチングをみると
ポジショニング→ステッピング→基本姿勢→キャッチング→配球
となりますが、
8~9歳(キャッチング)では
1:まず、キャッチング(一度でつかむ)を切り取る。
2:その中でオーバーハンドキャッチの完成を切り取る。
3:オーバーハンドキャッチを完成させるために
「自由に使える両手」を切り取る。
4:「自由に使える両手」を完成させるために「両利き手」を作る
5:両利き手を完成させるためにコーチを行う。
アンダーハンドキャッチやグラウンダーボールのキャッチも同様に細かな
段階を追います。
ステッピングの場合は、移動する場所や距離によって異なるステップがある
事を細かく学びます。
ここでは、スピード・パワーは全く求めていません。
限りなく正確に、オートマチックに、無意識に行える「GKの動作」を
追究するコーチング。
次のカテゴリー:10~12歳のキャッチングでは
より両利き手を高めながら、キャッチングを成功させる。
さらに8~9歳で細かくトレーニングしてきたステッピングを加えて
プレーの連続性をコーチング。
たとえば、状況にあわせたステッピング→キャッチング
8~9歳では「キャッチングして直後に配球」という一連の動作を無駄なく
確実に行うことが難しい。
しかし、神経系の発達がピークをむかえる10~12歳であれば、この一連
の動作が無駄なく確実に行えるようになるということなんですね。
8~9歳で重要なのは、細かく段階をおって正確な技術を身に付けさせる
ようにコーチしていくということ。
そして、神経系がピークをむかえる10~12歳では、8~9歳で身に付け
た確実な技術にアジリティとコーディネーションを加えて、スムーズな連続
性を身に付けさせるということ。
どちらの年代のトレーニングにもコーチに求められるのは
オーガナイズは可能な限り選択肢を削ぎ、シンプルにすること。
「選択肢を削ぎ、シンプルにする」とは
「キーファクターを絞り、シンプルにする」
ということじゃないかと1日目の指導実践を観て感じました。
1日目の指導実践は10~12歳のトレーニングということでした。
参加したGKはU14。
現場では、テーマ以外の修正ポイントがどのGKにもいくつかありましたが
ラビオ先生は見事なまでに全くその部分には触れませんでした。
まるで観ていないかのように・・・(^^;
GKコーチライセンスの指導実践なら「なぜ、あの修正に触れなかったか」
と試験官に訊かれていたんじゃないかな。
●コーチに求められる資質
フランスではコーチ=教育者という位置づけ
コーチがサッカーの師であり、人生の師であり、愛情を注いでくれ
る大人である
ラビオ先生から、成熟した大人・寛容で賢明な教育者という印象を受けまし
た。
「指導者とはこうありたい」 そういう思想に向かっているコーチだと思い
ます。
僕はラビオ先生へのそれと同じ印象を加藤先生@A代表にもっています。
お話させていただいたのは数度ですが、まるで自分が仏様の掌の上に
いるような気持ちになります。
自分がものすごくちっぽけな猿のように思えるぐらい大きな方です。
1日目の座学のお話はここまでです。
ここからは1日目の座学の中で僕が興味があったお話。
座学の中でフランスの子供達の多くは、GKを華々しいポジションと考えて
やりたがるというお話がありました。
その理由は
みんなと違って、手でプレーできる
みんなと違ったユニフォームを着れる
みんなと違ったプレー(ダイビング)がある
ということ。
キーワードは「みんなと違う」
日本とは全く逆ですよね。
日本の子供は「みんなと同じ」ことを好むと思います。
「GKはみんなと違う、だからヤダ!」という日本人の子供と
「GKはみんなと違う、だからやりたい!」というフランスの子供。
多くの異なる国、民族を受け入れるフランスは、自分が誰かと違うことを
誇りに思える文化が育っているんじゃないかと思います。(^0^)
もうひとつの違い。
フランスではFP・GKのどちらも子供達のヒーローになっているよう
です。
代表のクペ、ランドローはアイドル的存在だそうです。
やはり、マネをしたいヒーローGKがいるという文化は羨ましい。
この文化を現す有名なお話があります。
1998W杯、フランスは優勝までの全7ゲームをすべてバルデスGKで戦い
ました。
バルデスGKがフランス国民の誇りになったのはもちろんです。
でも、フランス国民は第3GK:シャルボニエGKを讃えることも忘れな
かったそうです。
シャルボニエGKがいかに大会中のチームを陰で盛り上げていたかをメディ
アが伝えていたそうです。
ゲームに出場する可能性が限りなくゼロに近い第3GKを讃えるサッカー
文化がフランスにはあるんですよね。
フランスのGK育成のキーファクターのひとつじゃないのかな。(^0^)
日本のメディアには、もっとGKの素晴らしさを表現して欲しいと思い
ます。
次は1日目のラビオ先生の指導実践(10~12歳対象)に触れたいと
思います。
Je ne comprends pas le Francais
私はフランス語を理解できない
掲題のフランス語の意味です。
「ジュヌコンプランパルフランセ」ってな感じの発音だそうです。
※PCの関係で「Francais」の「c」の綴りが表現されてません。(^^;
U21フランス代表GKコーチ:フランク・ラビオ(Franck Raviot)先生の
指導者研修を受けてきました。
正直に言います。
僕はラビオ先生が伝えたい事をどれほど理解できているか、感じられている
か、自分でもわからない。
人の言葉には「力」があると思います。
いろんな現場にGKを勉強に行かせていただいて、先生方のトレーニングの
中の言葉、会話の中での言葉に、僕はいつも「力」を感じます。
発せられる言葉の力に、必ず心が動くんです。
自分のコーチングや人としての観念が確かに変わる力を感じるんです。
今回も観念が変わった部分があります。
心も動きました。
でも、もっと大きく変われたハズだったと思う。
もっと激しく心が動くハズだったと思うんです。
ラビオ先生が感じて欲しいと思う言葉の真意と、僕が感じようとする言葉の
真意に大きな差があるような気がしています。
いや、間違いなく大きな差がある!
僕のような立場のフランス人GKコーチが今回の現場にいたなら、もっと
もっと多くのなにかを得ていたんじゃないでしょうか。
こうなった原因は、今回の研修にのぞむ僕自身の勉強不足がすべてだと
思います。
言葉のバックグラウンド(倫理、思想、実態社会など)を全く勉強していな
かったから。
モンテーニュ、デカルト、サルトル、ストロール・・・、数々の異なる思想・
哲学を生み、受け入れたフランス。
※大学の一般教養で勉強した思想家達です。
ルモンドとフィガロはそれぞれの信条の違いがそのまま紙面に表現され
るフランスの新聞。
某国のように横並びな内容の新聞はありえない。
イタリア人デザイナー:ピエール・カルダン、スペイン人画家:ピカソ
ロシア人画家:シャガール・・・異国の優れたポテンシャルを育て、開花
させたフランス。
さまざまな人種・民族が主張するフランスにあって、98W杯のフランス
代表の優勝は、自由・博愛・平等を唱えるフランス文化だからこそ成し
えた奇跡じゃなかったかと思います。
僕が知るフランスはたったこれだけ。
これでは、ラビオ先生の真意は学べないですよね。
幾人かの方とお約束したとおり、ゆっくりとではありますが、本ブログで今回
の研修を御報告します。
でも、フランク・ラビオ先生が伝えたかったフランスサッカー・フランス
GK育成の真意は伝わらないし、伝えられないと思います。
浮かれて行った僕が馬鹿だったから。
本当に残念です。
学びに行ったハズの僕も悔しい・・・
Jステップへ
しばらくしたら、Jステップ@静岡に出発します。
それまでの間、仕事を片づけます。(^0^)
ここ数年間はGK関連の遠征ばかりなので、スーツケースは常に臨戦
状態。(^^;
最近は準備が15分で終わります。
よくよく考えるとGK関連以外で旅に出ることがないです。
昨夜はフランス代表のゲームを3つ観戦。(^^;
フランク・ラビオ先生へのちょっとした質問も考えました。
帰宅は3月2日夜になります。
E-Mail・メッセージ・コメントへの御返信は3月3日以降になります。
ご了承ください。m(..)m