フランク・ラビオGKコーチ 座学1日目 | ゴールキーパープロジェクト~GKコーチになりたい

フランク・ラビオGKコーチ 座学1日目

皆さんがそうであるように、
 私にも経験と結果から導かれた育成の確信があります。
私は、その「確信」を伝えるために日本にやってきました。
しかし、それがGK育成の真実かどうかは判らない。
真実とはなんなのか・・・それは誰にも判らない。


ラビオ先生のフランス人らしい哲学的な言葉で始まった座学。
   ※通訳:樋渡先生@JFAアカデミー

◆フランク・ラビオ(Franck Raviot)先生の略歴
  GKコーチとして10年間のキャリア
  INFにて16~19歳女子GK 13~15歳男子GKを育成
  現U21フランス代表GKコーチ



一日目の座学は、


8~9歳(プッサン)
10歳~12歳(バンジャマン)
でのGK育成についてでした。
 ※( )括弧内はフランスでのカテゴリー名称

日本のGK育成では導入期:10~12歳とされていますが、
フランスでは8歳~9歳

そして、8~9歳はGKを専門的に育成する上で最も大切な時期という
ことでした。

技術的なコーチングの大枠は日本のGK-プロジェクトとほぼ同じよう
な感じ。
この時期に取り組むテーマとして挙げられていたのは

・ポジショニング
・ステッピング
・基本姿勢
・キャッチング
・ローリングダウン・ダイビング
  
※足元へのフロントダイビングを含む
・配球


大枠は同じでも、細部は非常に細かいコーチングが必要と考えられて
います。

たとえば、キャッチング

ゲームからキャッチングをみると
ポジショニング→ステッピング→基本姿勢→キャッチング→配球
となりますが、

8~9歳(キャッチング)では
1:まず、キャッチング(一度でつかむ)を切り取る。
2:その中でオーバーハンドキャッチの完成を切り取る。
3:オーバーハンドキャッチを完成させるために
  「自由に使える両手」を切り取る。
4:「自由に使える両手」を完成させるために「両利き手」を作る
5:両利き手を完成させるためにコーチを行う。

アンダーハンドキャッチやグラウンダーボールのキャッチも同様に細かな
段階を追います。
ステッピングの場合は、移動する場所や距離によって異なるステップがある
事を細かく学びます。
ここでは、スピード・パワーは全く求めていません。
限りなく正確に、オートマチックに、無意識に行える「GKの動作」を
追究するコーチング。


次のカテゴリー:10~12歳のキャッチングでは
より両利き手を高めながら、キャッチングを成功させる。
さらに8~9歳で細かくトレーニングしてきたステッピングを加えて
プレーの連続性をコーチング。
たとえば、状況にあわせたステッピング→キャッチング

8~9歳では「キャッチングして直後に配球」という一連の動作を無駄なく

確実に行うことが難しい。
しかし、神経系の発達がピークをむかえる10~12歳であれば、この一連
の動作が無駄なく確実に行えるようになるということなんですね。

8~9歳で重要なのは、細かく段階をおって正確な技術を身に付けさせる
ようにコーチしていくということ。

そして、神経系がピークをむかえる10~12歳では、8~9歳で身に付け
た確実な技術にアジリティとコーディネーションを加えて、スムーズな連続
性を身に付けさせる
ということ。

どちらの年代のトレーニングにもコーチに求められるのは
オーガナイズは可能な限り選択肢を削ぎ、シンプルにすること。

「選択肢を削ぎ、シンプルにする」とは
「キーファクターを絞り、シンプルにする」

ということじゃないかと1日目の指導実践を観て感じました。

1日目の指導実践は10~12歳のトレーニングということでした。
参加したGKはU14。
現場では、テーマ以外の修正ポイントがどのGKにもいくつかありましたが
ラビオ先生は見事なまでに全くその部分には触れませんでした。
まるで観ていないかのように・・・(^^;

GKコーチライセンスの指導実践なら「なぜ、あの修正に触れなかったか」
と試験官に訊かれていたんじゃないかな。

●コーチに求められる資質
 フランスではコーチ=教育者という位置づけ
 コーチがサッカーの師であり、人生の師であり、愛情を注いでくれ
 る大人である
 
ラビオ先生から、成熟した大人・寛容で賢明な教育者という印象を受けまし
た。

「指導者とはこうありたい」 そういう思想に向かっているコーチだと思い

ます。

僕はラビオ先生へのそれと同じ印象を加藤先生@A代表にもっています。
お話させていただいたのは数度ですが、まるで自分が仏様の掌の上に

いるような気持ちになります。
自分がものすごくちっぽけな猿のように思えるぐらい大きな方です。


1日目の座学のお話はここまでです。

ここからは1日目の座学の中で僕が興味があったお話。

座学の中でフランスの子供達の多くは、GKを華々しいポジションと考えて
やりたがる
というお話がありました。

その理由は
みんなと違って、手でプレーできる
みんなと違ったユニフォームを着れる
みんなと違ったプレー(ダイビング)がある
ということ。
キーワードは「みんなと違う」

日本とは全く逆ですよね。
日本の子供は「みんなと同じ」ことを好むと思います。

「GKはみんなと違う、だからヤダ!」という日本人の子供と
「GKはみんなと違う、だからやりたい!」というフランスの子供。

多くの異なる国、民族を受け入れるフランスは、自分が誰かと違うことを
誇りに思える文化が育っているんじゃないかと思います。(^0^)

もうひとつの違い。
フランスではFP・GKのどちらも子供達のヒーローになっているよう
です。
代表のクペ、ランドローはアイドル的存在だそうです。
やはり、マネをしたいヒーローGKがいるという文化は羨ましい。

この文化を現す有名なお話があります。
1998W杯、フランスは優勝までの全7ゲームをすべてバルデスGKで戦い
ました。
バルデスGKがフランス国民の誇りになったのはもちろんです。
でも、フランス国民は第3GK:シャルボニエGKを讃えることも忘れな
かったそうです。
シャルボニエGKがいかに大会中のチームを陰で盛り上げていたかをメディ
アが伝えていたそうです。
ゲームに出場する可能性が限りなくゼロに近い第3GKを讃えるサッカー
文化がフランスにはあるんですよね。

フランスのGK育成のキーファクターのひとつじゃないのかな。(^0^)


日本のメディアには、もっとGKの素晴らしさを表現して欲しいと思い

ます。

次は1日目のラビオ先生の指導実践(10~12歳対象)に触れたいと
思います。