<もう一つの目玉>
動力ユニットの組み込みが終わったところで、次はこの戦車のもう一つの課題である「砲塔旋回ギミック」に取り組みます。
今回、砲塔旋回用に2つの部品を用意しました。
今回初めて「デジタルサーボ」なる物を使います。・・・まるでラジコンの玄人みたいですね(笑)。
「サーボ」とは、ラジコン受信機から信号及び電源供給を受けてアームを左右に動かすパーツです。
自動車のラジコンでは、ステアリング操作に、飛行機ではフラップやラダー、尾翼方向陀の操作に利用されます。
残念ながらアームの左右の動きを直接的に、戦車の砲塔旋回に利用することは難しいので、砲塔旋回用動力はユニバーサルギアボックスを利用します。サーボはこのギアボックスへの電源供給を切り替えるスイッチ代わりに使います。
電気信号をサーボで一旦運動エネルギーに置き換えているのに、それをまた電気の流れに置き換えてギアボックスで再び動力エネルギーに変換する・・・という非常に非効率な仕組みです。
サーボの動力を直接砲塔旋回用に利用できれば、グッと省力化できるのですけれど・・・・永久回転サーボ(笑)なんて部品があればこれが可能です。
さらに言うなら、「ギアボックスモーターの電線を直接受信機に繋いでもコントロールできない」という飛行機用ラジコンの仕組み自体が非効率の根源なのですけど・・・・(トイラジコンなら可能なのですヨ)
<2つの砲塔回転方法>
①ラック&ピニオン方式?
砲塔の回転方法は、砲塔側のターレットリング内側にギザギザのギアを付け、そこへ小径のギアを当てて回転させる方法が一般的らしいのです。↓こんな感じの方法です。
でも、・・・部品が無いのですヨ。どこを探しても売ってません。既製品ラジコンを壊して調達するしかなさそうですが・・・私としてはそれはご法度です。
それに、この方法だとシャーシとボディーを分離する際、いちいちターレットリング内径のギアとモーターに付いている小計ギアの噛み合わせを外さなければなりません。再結合の際、どうやって嚙合わせるのかアイデアが浮かびません。モーターをシャーシに固定せず、バネのような物でターレットリング内径へ押し付ける仕組みが必要では?
②中心軸直接回転方式
もう一つの方法は、砲塔回転中心軸を直接回転させる方法です。超低速ギアボックスの動力軸を砲塔回転中心軸とするのです。
この方法なら、特別なギアも不要ですし、シャーシとボディー及び砲塔の分離も自由が効きます。
ただし、中心軸の回転速度を抑える必要があるので、利用するギアボックスは超低速ギアボックスが必要です。また、ターレットリングの中心軸とギアボックスの駆動軸をピタリと一致させる必要があります。いびつだとスムーズに回転しないか、引っかかって止まってしまいます。
今回は②の方法を採用します。それ故このギアボックスを使うのです。
市販の模型工作用ギアボックスでは最も低速で、ギアの回転比は、719:1です。
<ユニバーサルギアボックスの取り付け>
案ずるより産むが易し・・・ということで、作業を進めます。1/35の戦車へ搭載することを考えると、極力省スペース化を図りたいので、普通はこんなバカでかいギアボックスを使ったりしません。
この辺が「初級者のドン臭さ」ですが・・・まぁ、今回はエイブラムスの大きなボディーに甘えさせてもらいましょう。車体の小さいwwⅡ戦車ではこんな打算は許されませんケドね。
先ずはユニバーサルギアをシャーシへ固定。この時点で回転軸をターレットリングの円の中心点に合わせなければなりません。
あれっ?気を付けたつもりだったのですが・・・左上へ軸1本分くらい、中心点からズレてしまいましたネ。(泣)
実はこれは想定していた事です。私の技術力で、真円の中心点にピタリと回転軸を取り付けるなんて芸当は無理なのです。(シャーシのネジ穴を「キリ」で開けているのですもの・・・そりゃぁズレますよ)
大丈夫、ギアボックスの軸がターレットリングの中心点からズレてもきちんと回転させる仕組みを用意しています。・・・その方法は・・・長くなるので次回にしますね。
<サーボ&スイッチ用端子の取り付け>
そして、右回転・左回転・静止の切り替えスイッチ代わりを務めるサーボを取り付けます。
サーボの向こう側、シャーシ壁面にコイル状に見える物体が、サーボ腕に取り付けた+-端子との接点の受止側の端子となります。薄い銅板を使いたかったのですが、ホームセンターで見つけられなかった(どれも厚かったのです)ので、銅線を巻き付けて端子の代わりにしました。サーボの動きを柔軟に受け止めるため、端子のベースは厚手のセロファン(超薄手のプラ板?)を使っています。
さて、これにてギミック用動力の取り付けは全て終わりました。次回は配線&ハンダ付けです。
<地味な機能でも作業は大変なんです(泣)>
たかが「砲塔を左右に回す」だけで、大騒ぎをしてしまいましたネ、お恥ずかしい。
これまで、動く戦車模型を作っていながら、砲塔旋回に着手しなかったのは、こうなる事が分かっていたからです。「たったそれだけ」の機能のために随分と面倒な工作が必要になります。今後作る戦車に全てこの処理を施すのかと考えると・・・二の足を踏んでしまいます。
えっ?この上まだ・・・・、サスペンション可動?金属履帯?砲身上下と発砲ギミック? ですか?
・・・・やりませんョ! 終末(←笑)週末モデラーの作業キャパシティーを大幅に超えています。
そういうのに興味がある方は、既製品のラジコン戦車を買いましょう(笑)。
(つづく)