力を入れた時に網膜周辺の血管が切れて出血する場合、以下のような病気が考えられます。
1. 高血圧性網膜症
高血圧が原因で、網膜の細い血管に負担がかかり、血管が破れて出血することがあります。特に、力を入れたときに血圧が一時的に上昇し、血管が破れるリスクが高まります。高血圧性網膜症は放置すると視力の低下や失明の原因となることもあります。
2. 糖尿病性網膜症
糖尿病が長期間にわたって血糖値を高く保つと、網膜の血管がもろくなり、出血しやすくなります。特に重い物を持ち上げたり、力を入れる動作で血圧が一時的に上がることで、出血が起こることがあります。糖尿病性網膜症は進行すると、視力障害を引き起こすため、定期的な検査と管理が重要です。
3. 硝子体出血
硝子体出血は、眼の内部にある硝子体という透明なゼリー状の物質に血液が流れ込むことを指します。これは網膜の血管が破れることによって引き起こされることが多く、力を入れた際の一時的な圧力で出血が促進されることがあります。原因としては、糖尿病や高血圧、外傷などが考えられます。
4. 網膜裂孔・網膜剥離
力を入れたときに網膜に強い圧力がかかると、網膜に亀裂が入り、そこから出血することがあります。網膜剥離は、裂けた網膜が剥がれ落ちる状態で、放置すると失明に至る可能性があるため、早期の治療が必要です。目の前に黒い点や光が見える症状がある場合、緊急を要します。
5. Valsalva網膜症
強い咳、嘔吐、重い物を持つといった行為によって、胸腔内圧が急上昇することがあります。この圧力の急上昇により、網膜周辺の血管が破れ、網膜出血が生じることがあります。これをValsalva網膜症と言います。比較的若い健康な人でも起こり得る症状です。
6. 動脈硬化
動脈硬化によって血管が硬くなり、柔軟性が低下すると、力を入れた際に血管が破裂することがあります。特に目の周りの細い血管は脆いため、破れやすい傾向があります。これも高血圧や糖尿病などの生活習慣病と関連することが多いです。
これらの症状は視力に重大な影響を与えることがあるため、早急に眼科を受診することが重要です。また、生活習慣や全身の健康状態がこれらの症状と密接に関連するため、全身的な健康管理も必要です。