インプロヴィゼーションは「即興」を意味している。


goo辞書で調べるとこんなふうに出ている。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?kind=jn&mode=0&MT=%91%A6%8B%BB&IE=sjis&type=sleipnir

(1)その場の情景・出来事などに感じて起こった興味。
(2)興にのって、即座に詩歌・楽曲などを作ること。三省堂提供「大辞林 第二版」より

その場を「授業の場」に、出来事を「子どもたちの反応」に置きかえて考えてみる。


**エピソード*****

5年社会科の授業の場で、子どもたちが日本の食糧不足について「自給を増やすべき」か「輸入を増やすべき」かを話し合っている。

すると何の前触れも無く、輸入推進派の子どもが実際に輸入かぼちゃを教室に持ち込んで値段の安さをアピールした。

この時自給推進派がたじろいだ。

******

・まずは自給推進派が切り返すことができるのか?興味津々だ。


この時私は即興で何かすべきか、じっと成り行きを見守るべきか。

・もし、切り返せなかったらかわりに教師が切り込むのか。それとも今日のところは輸入推進派の優勢のままで終えるのか判断する必要がある。

・で、もし教師が切り込むとすればどのような手を使うか。


①黙って黒板に「輸入派花丸」と書く。

②黙って黒板に「自給派 参りました?」と書く。

③黙って板書。 「安い◎、おいしい?、安全?」

④輸入派に質問する。「国産のかぼちゃと比べてそのかぼちゃは安全なのか?」

⑤輸入派に質問する。「国産のかぼちゃと比べてそのかぼちゃはおいしいのか?」

⑥全員に提案する。「せっかくだから、そのかぼちゃ先生が買い取るから、今からみんなで食べてみないか。」

⑦自給派の安全性にこだわっている子の持っている「カビの生えない果物」の写真の提示を求める。

⑧自給派の安全性にこだわっている子に質問する。「安いんだから、絶対輸入品のほうがいいよね。」

⑨自給派に「まいりましたと潔く言いなさい」と言って怒らせる。

⑨輸入派に「さすが君たちは熱心に調査しただけのことはある。」と褒め称える。

⑩子どもに委ねる。「先生はもうわからないから、みんなで勝手にやって」と教室の後ろに行ってそうじをし始める。


インプロヴィゼーションとは単なる行き当たりばったりでは無く、10ほどの選択肢から今の流れに乗って、最善と判断できるものを瞬間的に選ぶということだと考えている。

バックに流れるコードに乗って、反射的に浮かんだメロディーを重ねるのだ。

アドリブに似たものに「フェイク」というものがある。


意味は偽物とかまがいものということだ。 音楽用語としては、原曲のメロディをかろうじて形を留めるまでの範囲でくずして演奏することらしい。譜面に忠実なクラシック音楽の分野ではほとんど使われない。
主にジャズ、ポピュラー音楽に特徴的な要素である。


考えてみれば授業にもフェイクのようなくずしを使うことがある。

あまりにも淡々としてしまった雰囲気を変える必要があるときに効果的だ。


授業中に切羽詰った状況に陥ることがある。

心の中で一人問答する。

「やや。これはいかに。」

「子どもたちの意欲曲線は下降線を辿っているではないか。」

「あくびをしている子が3人いる。」

「いかん。いかん。」

「授業の導入時のつかみが不足していたのは明白であるのだが、授業が始まってしまったらそれはもうどうしようもない。」

「このまま進めるか、何か手を打つか?」

「次の瞬間に打ついい手はあるのか。」

「お前の引き出しに何かいいものがあるか」


このような時に譜面(指導案)のメロディー(展開)を残しながらも意図的に何かをくずす技がある。


たとえば算数の文章題で、「ゆきこさんが1m120円のリボンを3.2m買いました。・・・」というものがあったとする。これをいじる。意図があればいじくっていいのだ。


フェイク例

・「ドラえもんが1メートル120円のガムを3.2m買いました。」

・「○○さん(クラスの子の名)が1メートル120円・・・」

・「ゆめこさんは1m120円のリボンを買いませんでした。でもゆきこさんは1m120円のリボンを・・・」

・「ゆきこさんが1m□□0円のリボンを3.2m買いました。・・・」


これもアドリブ授業のかけらか。

つまらない授業よりはいい。


教師になってからずっと紙芝居をしてきた。


teasobi

紙芝居を始めたきっかけは長野県の教育センターの研修会で右手(うて)和子先生の紙芝居実演を見てからである。「ごきげんななめのコックさん」などのいくつかの定番の作品を演じながら、演者の心得を細かに話して下さった。たたき上げた本物の言葉には迫力があった。
早速右手先生の本を買って来て、何度も読み込んだのがそもそもの始まりだ。

教師になりたての頃は、紙芝居は「読む」と思っていた。
裏に書いてある文を大きな声で読めばそこそこ上手に子どもたちに聞かせられると勘違いしていたのだ。とんでもない。そんなの紙芝居じゃありません。テレビの方がおもしろい。
どシロウトの私には紙芝居を「演ずる」たくさんのポイントが一つも見えていなかったのである。

初めて出会った子どもたちと60秒で友だちになり、細かな技を畳みかけるように駆使していつの間にか紙芝居の場に引き込むことがスタート時点の押さえどころである。
意図された細かな伏線や集中を誘うテクニック、身のこなし、視線の振り方、声色、間など驚くほど綿密に組織され、かつ聞き手の反応に合わせて柔軟に場の流れを作っていくこと。
「これはすごい。」と感激してから、のめり込んだ。

素晴らしき紙芝居屋に憧れ、密かに修行。
場所は教員住宅。
立会人はこのころで部屋の中で飼っていた犬。

まずは技術とそれを使う意図をノートに書きうつすこと。
犬相手に手遊びや指遊びの反復練習。
紙芝居の絵だけを見てアドリブで話をする練習。
身振りだけで話を伝える練習。
観客の中に割り入って突っ込み、話す練習。
下読みを10回して、絵だけで演ずる練習。
20数種類の声色を出す練習。
(おじいさん、おばあさん、鬼、こびと、熊、象、蟻、狐、狸、犬、猫、お姫様、お后様、王子様、王様、大臣、幽霊、化け物、殿様、家来、侍、坊様、小僧、子ども・・・・)

こんなことをしていたおかげで私は変てこな教師になってしまった。
私の引き出しにはへんながらくたがいっぱいあります。

私は保健体育が専門である。

かつて・・・?

ここ数年、学校の校務分掌の関係で「情報教育研究」をしているが決してパソコン操作などが堪能なわけではない。

一番ひどいのはキーボード入力である。

上手な5年生程度のスピードである。

情けないがいつまでたってもタッチタイピングができない。

挑戦したタイピングソフトは5つほどあるがすべて挫折。

意志が弱いのだろう。

タバコもやめられないし。


ところで情報教育は本当に勉強になる。

ここ5年で学んだことは今までのつまみ食い実践をつなげて、自分の中心点を明らかにするのに役立っている。


次の課題はぜひ「体育科とメディア活用」にしたいと思っている。

しかし、前途多難は必須。

社会や理科は資料としていろいろな工夫が考えやすい。

国語や算数においては学力向上に効果があることもわかってきた。

Dプロジェクトに見られるように図画工作科も進んでいるし、音楽もデスクトップミュージックなどでよく実践を目にする。

ところが体育でのメディア活用の実践はまれであるし、概して貧弱だ。

そもそも体育館やグランドにメディアはなじまない。必要ない。という意識が根強いことはよくわかっている。

この壁をどうクリアできるか。

助成研究費などでプラズマディスプレイやノートパソコンを体育館に置くのは特別な例で現実の学校にはそんなことめんどうだし、「全く必要ない」というこの壁を破ることが本当にできるのか?

自信はないがやってみる価値はあると思う。

問題点と説得力のある実践アイデアを捻らなければいけない。

ノーマルではだめだ。

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コンペイトウ

指示を出すのは難しい。

指示の明確さと指導力は比例すると思う。


一番よくないのは、多すぎる指示である。

確実に混乱する。

まず何をしていいのかよくわからなくなるのだ。

悪いのはこういうのだ。

「かけざんの問題を1問作って解いて、友だち2人にサインしてもらってからセロテープで重ねないようにまどにはりなさい。」

このように指示を出していたら、クラスは1週間で崩れる。

指示が通らない原因のほとんどは、指示のまずさにある。

最低以下のように分解する必要がある。


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①かけざんの問題を1問作りなさい。

②作った問題を自分でときなさい。

③解いたら友だち2人に見せてサインをもらいなさい。

④最後にセロテープで重ねないようにまどにはりなさい。

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次にまずいのは、曖昧な指示・説明である。

断片的で様々な解釈ができる指示・説明は混乱を招く。

目的や注意点、最後の確認までの一連の流れを区切って明快に示すべきである。


「自分が気に入った小さい石を5つほど拾って先生に見せに来なさい。」

これはダメである。

こう分解すると子どもたちは活動に専念できる。


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①今度、かざりを作りますからきれいな石を拾いなさい。(目的の明示と「きれい」の限定)

②5つ拾います。(数の明示)

③大きさは自分の親指のつめよりも小さいものにしなさい。(大きさの明示)

④5つ拾ったら、先生のところに見せに来ます。(行動の転換点の明示)

⑤合格の人にはつめにシールを貼ります。(確認法の明示)

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指示が的確に分解できるということは、なぜ・何を・どんなふうにして、どんなゴールをめざしているかを教師が明確に持っているという証である。明確に指示を出す人は「未来イメージ」を見て話しているのだ。

思いつきで話しているようでは「バラバラ指示」に終わり、子どもたちの行動もバラバラになる。