アドリブに似たものに「フェイク」というものがある。
意味は偽物とかまがいものということだ。 音楽用語としては、原曲のメロディをかろうじて形を留めるまでの範囲でくずして演奏することらしい。譜面に忠実なクラシック音楽の分野ではほとんど使われない。
主にジャズ、ポピュラー音楽に特徴的な要素である。
考えてみれば授業にもフェイクのようなくずしを使うことがある。
あまりにも淡々としてしまった雰囲気を変える必要があるときに効果的だ。
授業中に切羽詰った状況に陥ることがある。
心の中で一人問答する。
「やや。これはいかに。」
「子どもたちの意欲曲線は下降線を辿っているではないか。」
「あくびをしている子が3人いる。」
「いかん。いかん。」
「授業の導入時のつかみが不足していたのは明白であるのだが、授業が始まってしまったらそれはもうどうしようもない。」
「このまま進めるか、何か手を打つか?」
「次の瞬間に打ついい手はあるのか。」
「お前の引き出しに何かいいものがあるか」
このような時に譜面(指導案)のメロディー(展開)を残しながらも意図的に何かをくずす技がある。
たとえば算数の文章題で、「ゆきこさんが1m120円のリボンを3.2m買いました。・・・」というものがあったとする。これをいじる。意図があればいじくっていいのだ。
フェイク例
・「ドラえもんが1メートル120円のガムを3.2m買いました。」
・「○○さん(クラスの子の名)が1メートル120円・・・」
・「ゆめこさんは1m120円のリボンを買いませんでした。でもゆきこさんは1m120円のリボンを・・・」
・「ゆきこさんが1m□□0円のリボンを3.2m買いました。・・・」
これもアドリブ授業のかけらか。
つまらない授業よりはいい。