『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(2019)
2020/1/14 イオンシネマ浦和美園 スクリーン9 C−7
オリジナル版『この世界の片隅に』(2016年11月12日公開)との巡り合わせは悪く、
まずは作品の存在を知ったのがずいぶん遅く、
とにかくこの気運に乗り遅れ、すっかり出遅れた。
存在を知ってからは極力見るように心がけたが、
シネコン公開中も上映時間が合わず、
↑MOVIX三郷
↓新宿ピカデリー
鑑賞はやっと3年後の2019年8月に、
まで実施中だったので、
思えばオリジナル作『この世界の片隅に』の視聴環境は最悪だった。
当時の再生母体のノートパソコンが、
音割れ防止で蚊の鳴くような音量しか出なかったため、
セリフもほとんど聞き取れず。
なんとなく雰囲気で鑑賞してたら、
ずっと盛りあがる箇所もないまま淡々と物語が進み、
「えっ、もうおわり?」でビックリ。
それでも最後の1エピソードが強烈で、
一挙に評価がアップした。
ここでこの前の『太陽の家』のテーマを種明かしすると、
にも通ずるテーマとは、
「血のつながりのない親子」のことで、
これこそが人々の感動を誘う。
さてさてこのたび、
なぜか
「モデルグラフィックス」や、
↑2019年4月号
「映画秘宝」が、
↑2020年1月号
この映画を再び取りあげ、
「これは何か動きがあるぞ」と思っていたら、
(さらにいくつもの)が題名に足された長尺版が、
『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』
と同日の、2019/12/20に公開。
今度こそ見逃すまいとは思いつつ、
結局いつの間にか時は過ぎ、
気がつけば、2020年の1月14日になっていた。
『ヒックとドラゴン』上映前の時間合わせに観たのだが、
劇場が表示している上映時間はなんと180分(3時間)!
先日、上映時間の半分を寝て過ごした
『地獄の黙示録 ファイナル・カット』と同じじゃないか!
上映時間182分
『(さらにいくつもの)』の本編上映時間は168分で、
あやうく2度ほどウトウトしかけたが、
結局は寝落ちせず、それほど長さを感じずに鑑賞を終えた。
貧弱な音響で鑑賞したオリジナル版からひるがえって
『(さらにいくつもの)』は映画館の充実の音響だったが、
キャラの絵柄の描き分けが乏しいため、
イマイチ誰が誰か判別がつきにくく、
追加シーンにはそれなりの衝撃を受けはしたが、
印象はオリジナルとさほど変わらなかった。
思えば『この世界の片隅に』の独自性や魅力とは、
「外しの美学」ではないか。
あたりまえに物語も進まず、
この時代をこの舞台で描くのであれば、
観客に「来るぞ、来るぞ」と当然期待されるシチュエーションは決して到来しないが、
パターン化に堕さずに、
ルーティンを見直して再構築された物語は古びれず新しい。
上映時間もあるので、
『(さらにいくつもの)』の方は、テレビ放映やビデオ配信ではなく、
映画館での鑑賞こそがオススメです。
もう終映なシネコンも多いみたいですけど…。