「コナンがお手本」カリ城〈その5〉/ルパン三世展40+α〈その10〉 | アディクトリポート

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これの続きで、
『カリ城』キャラ若返りの理由〈その2〉
は、簡潔に述べれば、
未来少年コナン」が下敷きになっているから
に尽きる。

絵柄的には、8年前のTV 1stなどまるで参考にされず、同じスタッフ(作画監督:大塚康生 演出:宮崎駿)による最近作(最新作)こそが、あらゆる点で『カリ城』の下敷きになっている。

まずは
↓ラナ(右)がクラリス(左)、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-rana4
↓レプカ(左)がカリオストロ伯爵(右)と、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-444
↑伯爵の声には、当初レプカの家弓家正(かゆみ・いえまさ)が予定されていたが、スケジュールが合わず、石田太郎に。
家弓は『風の谷のナウシカ』(1984)のクロトワで、宮崎アニメの悪役に復帰。


新キャラに「コナン」の2キャラが割り振られてから、主要キャラの各人、

モンスリー(右)が峰不二子(左)

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-garaet

ダイス船長が銭形、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-zeni4
↑銭形(左)の体格や四角い顔の輪郭が、パイロット版にもTV 1stにも映画1作目にもTV 2ndにも通じていないのは、コナンのダイス船長(右)をなぞらえているため。

コナンとジムシーが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-mama
↑ほぼ同じ体格と顔つきのはずのルパンと次元なのに、『カリ城』では次元の顔つきが面長から四角に、体型がなんとなくズングリしているのは、ジムシーの影響。

ルパンと次元にあてはめられた。

↓ルパンと次元の腕と脚が短くなったのは、アクションが伝わりやすく、手足のひょろ長さに目が移りがちなのを避けるためであり、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-400-1
同時にこれまた、「コナン」のアクションの再現でもあるためだ。
↓めったに見られない次元の目も、ルパンワールドでは見覚えない表情だが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-jigejimu
↑コナンワールドなら既視感あり。
↓TV 1stの次元の素顔は、ルパンの相似形(基本的に同じ顔)だった。

$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-hanarani

そして石川五ェ門だけは、「コナン」のどのキャラにも該当せず、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-jajann
それもあってか、『カリ城』にはほとんど出番がなく、添え物扱い。

もっと言えば、「コナン」の作画監督も大塚康生ではあるけれど、キャラの資質は、大塚氏のものでなく、宮崎駿のそれである。

というのも、大塚康生が、いつもの自分流を「侍ジャイアンツ」(1973年10月7日~1974年9月29日)で貫いていた頃、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-侍ルパン
高畑勲と宮崎駿は、その演出を東京ムービーに請われながらもこれを辞し、
裏番組でズイヨー映像製作の「アルプスの少女ハイジ」の演出に移行しており、
作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ハイジ
↑「ハイジ」(左)放映は、1974年1月6日~12月29日の、きっかり1年間。
次回作「フランダースの犬」(右・1975年1月5日~12月28日/※高畑、宮崎は不参加)の途中から、製作がズイヨーから日本アニメーションに切り換わる。


↓男の子(ペーター)は、大塚の寄り目キャラを引き継ぎながら、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-3さくひn
↑女の子キャラは新たな描き方に移行しており、それがラナの原型にもなっている。

実際、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ふぃじょこ
女性でも平気で寄り目キャラに描いていた大塚氏が、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-りめ2
「コナン」1話で描いた
↓「視線の定まらない」ラナが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-ちっかわ
ちっともカワイクないことに宮崎駿が激怒し、以後はラナの作画監督は宮崎駿自身が行うようになった。

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-yoko
↑ラナ(右)の直接の原型は、「ハイジ」翌々年の事実上の後継作(高畑勲と宮崎駿が続投)、「母をたずねて三千里」(1976年1月4日~12月26日)のフィオリーナ(左)。
↓そのため声も、同じ信沢三恵子

作家集団Addictoe オフィシャルブログ-tate
つまり「コナン」の作画監督は、大塚康生が単名でクレジットされているが、事実上、宮崎駿と大塚のダブル体制だった。

そんなこんなで、『カリ城』のクラリスも、作画監督は実質上、大塚康生ではなく宮崎駿で、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-こんて
↑アメブロの表示形式が変更したので、あえてはみ出し承知で原寸表示の、宮崎駿のレイアウト。
Macなら、つかんでデスクトップに移動すれば、オリジナルサイズでゲットできる…はず。
クラリスの表情に、パヤオの女の子のカワイさへの執念が見て取れる。


彼はひたすらクラリスを可憐に描き抜くことに全力を注いだため、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-rari

宮崎のチェックをすり抜けた、“大塚寄り目”の不二子だけが、
$作家集団Addictoe オフィシャルブログ-めいさい
何カットかに痕跡をとどめるだけだった。

もっと書くことはあるが、長くなったので今日はここまで。