映画 ルパン三世(1978)
後年のビデオ化時より、『ルパンVS複製人間』という副題がついた。
↑予告編のため、一部本編映像と異なります。
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製作、公開の経緯は、上記リンクのWikiで参照していただくとして、本ブログ得意のビジュアルに的を絞って解説すれば、
↓次元大介と、
↓石川「五ェ門」、
↓パイロットフィルム(左)の「五右ヱ門」と、TV 1st(右)の石川「五ヱ門」。
↓銭形警部は、
TV 1stに準じ、
ルパンは顔の輪郭がパイロット風だが、
瞳はほぼ小さな黒点状で、本作独自の表情。
(作画監督は、椛島義夫=キャラデザ担当と青木悠三)
ところが不二子だけは、
従来モデルにあてはまらない、
本作独自の画風で、
しかもカットごとに、
描き手のタッチでコロコロ絵柄が変わって、
安定しない。
この時点では、類似、共通の不二子像はなかったが、本作の作監、青木悠三の続投したTV第3シリーズ『ルパン三世 PartIII』(1984年3月3日~1985年12月25日)や、
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その放送中の1985年7月に公開された、同じ青木悠三が作監の劇場映画第3作『ルパン三世 バビロンの黄金伝説』に、(かなり崩されているとは言え)かすかにその片鱗が見て取れる。
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さて、顔はともかく、この映画が目指した「大人向けルパン」が如実に示されているのは、
その体格、プロポーションだと思われる。
もちろん、ルパン三世キャラに特長的な、細身の身体に棒のような手脚という、
↑TV 2nd時に、ポピーから発売されたクネクネ人形。
クネクネ人形みたいなプロポーションは変わらないが、
これだけ見ると、TV 1st(下)と映画1作目(上)に頭身の違いは見られない。
本作の主要キャラは肩幅が広く、
頭身が小さい、
↓アジトを破壊された腹いせに、次元が「キチガ○!」と叫ぶくだりは、テレビ放送ではカットされる。
(でも差別用語に配慮するようになってからも、そのまま放送された時もありましたよ)
完全な成人体型である。
↓ほぼ八頭身。
このように、映画『ルパン三世』は、
↑公開当時の鑑賞券や
↓現行のDVDに使用されている代表ビジュアルは、
↓モンキー・パンチの原作の単行本5巻の
↓表紙を模している。
モンキー・パンチの原作と、
その精神に忠実だった、TV 1stおよび、
その下敷きのパイロットフィルムの復活を目指し、
興行的にも内容的にも成功だった。
↑晩年の山口美江さんによく似たマモーは、ウッチャンナンチャンの内村が、そのまま「マモー」というキャラを引き継いでたよね。
「どんだけの人がわかるんだ?」と当時は思ったけど。
ところが本作のポスター、チラシのメインビジュアルは、原作者のモンキー・パンチ氏のイラストで、
この頃までには、パンチ氏自身の初期の絵柄とは異なる、四角いアゴで幅広顔のルパン像に変化してしまったことが、当時の混沌を象徴しているように思われる。
『ルパンVS複製人間』については、
これでおしまい。
次回はいよいよ、アレについて?
おまけ
↑こ…これは、隠れ「ヒーロー共演の軌跡」ではないか!