アクティブエイジング アンチエイジング -17ページ目

[覚えたければいったん寝よう!?
        深い睡眠は遠回りのようで早道、ある一つの仕組みを特定]

(Medエッジ  2015年6月28日)


<「記憶」と「忘却」は背中合わせ>
眠ると記憶が定着すると言われることがあるが、そのメカニズムの背景にある
重要な仕組みが確認されたようだ。

世界トップクラスの科学誌でこのたび報告されたものだ。



<スイッチのオンとオフ>
米国有力研究所スクリプス研究所のロン・デイビス氏らの研究グループが、
有力医学誌であるセル誌において2015年6月11日に報告している。

ある重要な仕組みとして浮上したのは、脳内麻薬と呼ばれる「ドーパミン」の
働きだ。
記憶とも関係すると知られていた。
忘却との関わりも知られているようだ。


研究グループのこのたびの検証によると、このドーパミンに関係して、
ドーパミンの働きの強弱が記憶や忘却に関係していると分かった。
例えば、ドーパミンの働きのスイッチのオフにすると、記憶がうまく定着
されるようなのだ。



<記憶を保つ仕組み>
より具体的には、ドーパミンと記憶と忘却との関係を調べるために、まず、
睡眠薬や神経の睡眠に関係した遺伝子を活発にして睡眠時間を増やしている。この場合に、ドーパミンによる信号伝達の働きが低くなった。
働きが低下することで、記憶が保たれると分かった。

逆に、覚せいした状態になると、ドーパミンの信号伝達が刺激されて働きが
高まった。
この場合はむしろ物事を忘れるような働きが加速していた。



<覚えるときには神経細胞の反応が弱く>
さらに、睡眠がより深いレベルになると、刺激に対するドーパミンの神経
細胞の反応が低くなっていき、記憶がより安定するとも分かった。
いったん神経細胞の反応を弱めることが、新しい物事を記憶していくのは
重要というわけだ。

「睡眠が新しい記憶を守る方法は、記憶を忘れさせる働きがあるドーパミンの
神経細胞の働きを抑えること」と研究グループは指摘する。


今回の報告でなくとも、人は物事を記憶すると同時に忘れているという報告も
出ている。
記憶と忘却は背中合わせで働いていると見られる。
つなぐものは脳内麻薬ドーパミンなのかもしれない。

何かを覚えようとするときには、いったん寝るというのが遠回りのようで
早道なのかもしれない。





http://www.mededge.jp/b/heal/15081



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[「ショ糖」が尿酸値を高める、毎日1Lのコーラで代謝障害に?]

(Medエッジ  2015年6月29日)


<糖尿病ではないBMI25超える人で検証>
「ショ糖」という甘味成分は健康に良くない影響を及ぼすようだ。

ショ糖入りソフトドリンクを日常的に飲んでいると、尿酸値が上がって
代謝障害につながると分かった。

デンマークのオーフス大学病院を含む研究グループが、栄養学の国際誌
ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌
オンライン版で2015年6月17日に報告した。



<ショ糖と代謝障害>
ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した糖であるショ糖
(スクロース)を添加したソフトドリンク。

ショ糖の大半を占める果糖は、尿酸の生成を誘導し、カロリー摂取量とは
無関係に脂肪の蓄積を促すと判明している。

尿酸は血糖値の下がりにくさ「インスリン抵抗性」と低レベルの「炎症」を
招くので、ショ糖による代謝異常の原因になっている可能性があるという。



<6カ月間毎日1Lの影響とは>
研究グループは、既に発表されている研究から、研究前後の尿酸値に注目して
調べた。

研究は、糖尿病ではないものの、BMIが25を超える47人にショ糖添加ソフト
ドリンク(普通のコーラ)、同カロリーのセミスキムミルク(半脱脂乳)、
ダイエットコーラ、水のいずれかを1日1L6カ月間飲んでもらうという
ものだった。



<ショ糖添加のみ増加>
その結果、ショ糖添加ソフトドリンクのグループでは6カ月後に尿酸値が
最大15%増えていたが、他のグループでは増加しなかった。

ショ糖添加ソフトドリンクのグループでは、尿酸の絶対値と相対値が両方とも
増加し、それに伴って肝脂肪、中性脂肪、インスリン値も増加した。



<1日1Lには注意>
尿酸の値が増加し、さらに脂肪や血糖値にも影響が確認できた。
1日1Lというのはやめた方がよいのだろう。




http://www.mededge.jp/b/heal/15116



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[頭痛、動悸、めまい…化学物質過敏症かも]

(家庭の医学  2016年9月20日)


<原因物質はどこにでもある!>
農薬やPM2.5など、生活環境のなかの化学物質によって発症する疾患が増えて
おり、その原因は多様化しています。
代表的な例は、特定の家に入ると体調が悪くなる「シックハウス症候群」。
化学物質による過敏症は、強い症状が出て生活に支障をきたすケースも珍しく
ありません。
どのように対処したらいいのでしょうか?

私たちの身の回りには多種多様な化学物質が使用されていますが、呼吸したり
飲食したりすることで、化学物質を体内に取り込んでいます。
こうした化学物質を大量に、あるいは微量でも長期間に渡って体に取り込んだ
場合、それが体の適応能力を超えると頭痛、動悸、めまい等の症状が現れる
ようになります。
このようにいったん発症して過敏性を獲得すると、その後は極めて微量な
化学物質によっても反応してしまいます。
このような状態を化学物質過敏症と呼びます。

花粉やダニの死がいなど自然界の物質ではなく、近年増加しているのがこの
化学物質による過敏症。
多種類の構造の異なる化学物質、特に強い香料や塗装臭などに不定の症状が
誘発される原因不明の非アレルギー性疾患です。
その種類も増え続けています。

たとえば「シックハウス症候群」と呼ばれるアレルギー様反応は、家屋の
新建材、改修・改装で使われる建材や塗料、接着剤、家具などから放散される
ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物などで引き起こされます。
同様の物質が原因で、児童や生徒、教職員にアレルギー反応を起こさせる
「シックスクール症候群」も問題になっています。

農業地帯で多く使われている有機リン系農薬・殺虫剤は、神経作用や
アレルギー悪化など、さまざまな毒性が指摘されています。
とくに、ヘリコプターで空中散布すると農薬が広範囲に長期間とどまることに
なり、過敏症発症に大きくかかわっています。
中国の大気汚染が原因の微粒子状物質PM2.5や、車の排気ガスも原因物質に
なります。

意外なところでは、化粧品や香水、芳香剤、タバコの煙、インクを使う
筆記具や印刷物なども過敏症状を引き起こすことがあります。
そのほか、肌に直接触れるパーマ液やシャンプー、消毒液なども原因になり、
美容師や医療従事者、化学関係の会社や印刷工場で働く人は発症のリスクが
高くなります。


過敏反応による症状はさまざまです。
目がチカチカする、鼻水やくしゃみが出る、耳鳴り、めまい、口内のただれや
乾燥、下痢や便秘、吐き気、胸やけ、膀胱炎、せき、くしゃみ、不整脈、
血圧の変動、吹き出物、しみ、かゆみ、じんましん、肩こり、関節痛、
のぼせ、生理不順、頭痛、不眠、気持ちが不安定になるなど、全身に及び、
多くの場合は複数の症状が現れます。

そして、個人差が大きいのが特徴です。

かつてシックハウス症候群は疾患と気づかれず、また理解もされず、患者は
二重の苦しみを味わうことになりました。
原因が特定された現在では症例が増えたこともあり、適切な治療を受ける
ことが可能になっています。

昨今、大学病院や国立病院機構の病院では、化学物質が原因の過敏症について
専門的な治療を行う「化学物質過敏症・環境アレルギー外来」「環境医学
外来」といった名称の科を設けるようになってきました。

化学物質過敏症に関しては、まだ全容が解明されているわけではありません。
症状が出てしまったらまずは原因と思われる物質を特定してシャットアウト
し、対症療法で症状を軽減します。
加えて生活改善や適切な運動、食事療法などで過敏症を起こしにくい体づくり
も大切です。


「今まで過敏症を起こしたことはないから」という人も多いでしょう。
しかしこの疾患は、だれにでもある日突然起こり得ます。
そして極端に言えば、身の回りのほとんどすべての物質が原因になる可能性を
もっています。

いたずらに恐れる必要はありませんが、発症のきっかけとなりやすい環境に
長時間身を置く際は予防策を講じましょう。
具体的には、大気汚染の強い地域に行くときはマスクをする、紫外線の強い
場所では日焼け止めを塗る、一度でも触れてかゆみが出た物質には近寄ら
ない、化学物質に触れる機会を減らす、肌にやさしい自然素材のシャンプーや
洗剤を使う、香水は避ける、禁煙するなどが挙げられます。




(監修:はくらく耳鼻咽喉科・アレルギー科クリニック院長 生井明浩)





http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/123909/



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[脳が誘惑されている! ジャンクフードをやめられないわけが研究で判明]

(ライフハッカー  2013年12月5日)


<唾液分泌反応>
唾液の分泌は、物を食べる体験の一部です。
唾液を多く分泌させる食べ物ほど、口の中に広がって味蕾を刺激します。

例えば、バター、チョコレート、サラダドレッシング、アイスクリーム、
マヨネーズといった乳化食品は、唾液分泌反応を促し、味蕾を心地よく刺激
してくれます。
多くの人がソースやシロップのかかった食べ物を美味しく感じる理由の1つが
これなのです。

唾液の分泌を促す食べ物は脳を喜ばせ、こうした作用を起こさない食べ物
よりも美味しく感じられるわけです。



<口の中で「とろける」食べ物と、「消えるカロリー密度」>
素早く溶ける、もしくは「口の中でとろける」食べ物は、「実際よりも食べて
いる量が少ない」と脳に伝えます。
言い換えると、こうした食べ物は、相当のカロリーを摂ったとしても、脳に
対して「まだ満腹ではない」と伝えるのです。
結果として、あなたは食べ過ぎてしまうわけです。

ベストセラー『Salt Sugar Fat』の著者Michael Moss氏は、Witherly氏と対談
したときについて次のように紹介しています。
カロリー密度が消えてしまうことをわかりやすく説明する文章です。

私は彼(Witherly氏)のところに、美味しそうな各種のチップスを目一杯
詰め込んだショッピングバックを2袋持って行きました。
彼は、チーズ味スナックの「チートス」に目を向けました。
そして、「純粋な喜びという観点からして、これは地上でもっとも見事に
作り上げられた食べ物です」と言ったのです。

Witherly氏は、脳がもっと欲しがるように仕向けるチートスの特性を10個
以上もスラスラと言ってのけました。

ですが、同氏が特に強調したのは、口の中で溶けるチートスの不思議な特性
でした。
「それは、消えるカロリー密度と呼ばれています」と、Witherly氏は説明
しました。
「もし何かがさっと溶けると、あなたの脳はその中にカロリーが含まれて
いないと錯覚してしまい・・・あなたは、いつまでも食べ続けられるのです」



<感覚特有の反応>
脳は変化を好みます。
食べ物に関して言うと、同じ味を繰り返し体験していると、その食べ物から
得られる喜びが徐々に失われていきます。
つまり、感覚器の感度は時間経過と共に鈍ってくるのです。
この現象は、わずか1分で起きることもあります。

ですがジャンクフードは、この感覚特有の反応を防ぐようにできています。
ジャンクフードは、(脳が食べ飽きないよう)興味を引き続けるに十分な
味付けがされていますが、感覚反応が鈍くなるほど刺激的ではないのです。
これが、ポテトチップスを1袋食べてしまっても、まだ食べられると感じる
カラクリです。
脳にとっては、トウモロコシ粉のチップス「ドリトス」を食べる時の噛み砕く
音と感覚が、常に新しく興味深いものなのです。



<カロリー密度>
ジャンクフードは、「栄養は得られているけれどもお腹は膨れていない」と
脳を言いくるめるように作られています。
口や胃の受容体は、食べ物に含まれるタンパク質、脂肪、炭水化物の割合や、
その食べ物で、どれだけ満腹感を得られるかを脳に伝えます。
ジャンクフードは、脳が「よし、これでエネルギーがいくらか摂れる」と判断
できるだけのカロリーを与えてくれますが、そのカロリーは、あなたが
「もう十分。満腹だ」と思えるほど多くありません。
その結果、あなたはまずそ食べ物が無性に欲しくなりますが、満腹感を得る
までにはかなりの時間がかかることになります。



<過去の食事体験の記憶>
ジャンクフードは、この記憶を通じてあなたの体までも操ってしまいます。
何か美味しいもの(例えばポテトチップス1袋)を食べた時、脳はその感覚を
記録します。
次にその食べ物を見た時、匂いを嗅いだ時、さらにはその名前を目にした
だけでも、食べた時の記憶と反応が脳裏によみがり始めます。
こうした記憶は、好物の食べ物を考えると唾液が分泌するような身体的反応を
実際に引き起こし、「よだれの出そうな」渇望をもたらします。

さて、こうしたことを知ると、何よりも重要な疑問が頭をもたげます。
食品会社は、依存性と興奮を引き起こす食べ物を作ろうと何億ドルも費やして
いるのです。
私たちはこのことに対して何ができるでしょう?
ジャンクフード業界を支える資金、科学、そして広告に対抗できる手段は
果たしてあるのでしょうか?



<ジャンクフードへの依存を断ち切るには>
幸いなことに、Witherly氏の研究報告から、ジャンクフードを食べる量が
少なければ、依存度も低くなることがわかっています。
筆者の個人的経験も、この結果を裏付けるものでした。
徐々に健康的な食事を摂るようにしてからは、ピザやキャンディー、そして
アイスクリームがだんだん欲しくなくなってきたのです。

この移行期間を「遺伝子の再プログラミング」と呼ぶ人もいます。

何と呼ぼうが、言っていることは同じです。
つまり、より健康的な食事を摂る方法さえ見つけることができれば、ジャンク
フードが食べたくて我慢できないという気持ちは次第に弱まってくるのです。

筆者は、問題をすべて(もしくは、一部だけでも)解決できる答えがある
などとは言いませんが、依存からの脱却に役立つと思われる3つの妙案があり
ます。



<大型スーパーでは「外周作戦」>
最善策は、加工食品やパッケージ入りの食べ物を買わないことです。
手元になければ食べられないのですから。
さらに、そういう食べ物のことを考えなければ、誘惑されることもありま
せん。
ジャンクフードのことを一切考えないようにするのは確かに不可能ですが、
食べたくてたまらない気持ちを抑える方法ならあります。

まずは、筆者の編み出した「外周」作戦を使います。
お店で、加工食品やパッケージ入りの食べ物を買わないようにする方法です。
大型スーパーなどの店舗内では、外周部分だけで食品を買うようにすれば、
おのずと(フルーツ、野菜、肉、卵などの)自然食品を買うことになります。
外周部分に健康的な食品だけが並んでいるというわけではありませんが、
健康的でない食品の多くを避けることはできます。


また2つ目の方法として、お店で食品を購入する際には「5つの原材料
ルール」に従うという手もあります。
5つ以上の原材料が含まれている食品は買わない、という決まりです。
なぜなら、そういう食品には、もっと食べたくなるような仕掛けが施されて
いる可能性が高いからです。
そうした製品を避けて、もっと自然な食品にこだわるようにしましょう。



<多様な食品を食べる>
前述したように、脳は目新しいものを欲しがります。
オレオの持つ歯ごたえ感とクリーミー感のコントラストを再現するのはまず
無理でしょうが、食生活に変化を持たせて目先を変えていくことは可能です。
例えば、歯ごたえのある人参に、クリーミーなフムス(ヒヨコ豆のディップ)
を付ければ、新鮮な食感が得られます。
また、料理に新しいスパイスや風味を加える方法が見つかれば、健康的な
食事をもっと望ましい体験にすることができるでしょう。


教訓:健康的な食生活が味気ないものである必要はありません。
種類の異なる感覚を得られるように食べ物を組み合わせることで、同じ
食べ物を繰り返し食べ続けるよりもずっと楽なことがわかってくるはずです。
(でもいつかは、飽きと上手に付き合う必要が出てくるかもしれませんね)



<ストレスにもっとうまく対処する方法を見つける>
ストレスに対処する手段として多くの人が食に走るのには理由があります。
ストレスは、脳のある領域から化学物質(具体的に言うと、モルヒネ様物質と
神経ペプチドY)を分泌させます。
これらの化学物質は、脂肪や砂糖に向かう食物渇望と似たメカニズムを引き
起こします。
言い換えると、ストレスを受けると、脳は砂糖や脂肪に対するどうしようも
ない欲求を感じ、ジャンクフードに連れ戻されてしまうのです。

私たちは毎日の生活の中で、誰もがストレスに満ちた状況に置かれています。
ストレスとうまく付き合う別の方法を学ぶことで、ジャンクフードの中毒的な
誘惑に打ち勝つことができます。

そのような方法としては、シンプルな呼吸法(動画)や、解説付きの短時間の
瞑想(動画)などがあります。
あるいは、もっと体を使うエクササイズや芸術に取り組むのも良いでしょう。




http://www.lifehacker.jp/2013/12/131205junkfood.html





 

 

 

 

 

 

 

 

 

[そのむし歯、更年期のせいかも]

(家庭の医学  2015年8月4日)


<女性ホルモンだけでなく唾液も減少>
更年期になると女性ホルモンの分泌が急激に減少することで、ホット
フラッシュやめまいなどの症状が現われます。

しかし、同じく女性ホルモンが減少することで、むし歯や歯周病のリスクも
上昇することはあまり知られていないのではないでしょうか。
更年期を迎える女性にとっては、口腔ケアも大切です。

更年期障害にはさまざまな症状がありますが、その1つに唾液の分泌量が
減って口の中が乾くドライマウスがあります。
クラッカーなどの乾いた食べ物がうまく食べられない、口の中に違和感があり
会話がしづらい、食べ物の味が感じられない、舌がヒリヒリ痛む、口臭が
きつくなる、むし歯や歯周病になりやすい、などといったことが起こります。

十分な唾液が分泌されている場合、口腔内に常在する細菌の環境が善玉菌に
優位になることで、むし歯や歯周病の予防に働いています。
しかし、唾液の分泌量が減ると悪玉菌が増殖。
きちんと歯磨きをしていても、むし歯や歯周病になりやすくなってしまうの
です。

歯周病は無自覚で進行する場合もあり、定期的に歯科でチェックを受ける
ことが不可欠です。
歯科では口臭の原因ともなる歯石を除去してくれるほか、ブラッシングの指導
なども受けられます。
むし歯や歯周病はなってから治療するのではなく、日ごろの予防が大切です。


ドライマウスがある場合は、背景にシェーグレン症候群などの病気がないか
どうか、また、薬の副作用で起こっていないかどうかなども確認します。

症状の改善には、舌や口の中の粘膜を保護するジェルや刺激の少ない歯磨き剤
などを使用。

また、ホルモン補充療法(HRT)を受けることで、改善される場合もあり
ます。

唾液の分泌を促すためには、生活面でも工夫できることがあります。
ガムを噛んだり、食事の早食いを改める、よくかんで食べる習慣を身につける
などといった対策です。

また、昆布茶などに含まれるうま味成分であるグルタミン酸が、唾液の分泌を
増やすという報告もあります。


女性にとって更年期は避けては通れないものですが、不快な症状はできるだけ
回避したいもの。
むし歯や歯周病のリスクを軽減するためには、予防の意識を持ってセルフ
ケアを行いましょう。

定期的な歯科検診に加え、適切なタイミングで婦人科での治療を受けることも
大切です。



(監修:よしの女性診療所所長 吉野一枝)






http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/122895/


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[レム睡眠行動障害 『寝ぼけ』と誤解]

(東京新聞  2010年8月24日)


夜中にぐっすり眠っていると思いきや、突然、大声で怒鳴ったり、暴れたり
・・・。
寝ぼけていると誤解されがちだが、レム睡眠行動障害(RBD)というれっきと
した病気だ。
暴れた拍子に骨折したり、家族にけがをさせたりすることもある。

最近はパーキンソン病などへの移行も指摘されており、早めの治療が
望まれる。
(野村由美子)


東京都内の男性(69)は、60歳のころから、月に数回の寝言を妻に指摘
されるようになった。
やがては、寝言とともに手足を動かすようになり、「助けてくれー」
「あっち行け」などと大声を上げて起き上がる。
妻から「どうしたの?」と声を掛けられて、ハッとわれに返り、悪夢を見て
いたことに気付くようになった。
さらに、立ち上がった際にたんすに足をぶつけて骨折したり、「やめて
くれー」と怒鳴りながら妻の頭を殴ってしまったり・・・。
症状は、ほぼ毎日、夜中から明け方に出るようになり、受診した医療機関で
RBDと診断された。

「寝ぼけているだけだからそのうち治る、と思いがちですが、治療せずに治る
ことはありません。兆しがある人は早めに治療して」と井上雄一・代々木睡眠
クリニック(東京都渋谷区)院長は指摘する。


眠りの浅いレム睡眠時は、脳の働きは起きているときに近く、夢を見るが、
全身の筋肉の活動は休んでいるのが通常だ。

しかし、RBDの患者は、筋肉の活動を止める“安全装置”が何らかの原因で
外れてしまい、夢に伴って体の筋肉が動くようになる。
多くの場合、恐怖感を伴う悪夢に合わせて声を上げて暴れたり、何かと闘って
いるつもりで、暴力的な行為をしてしまう。


患者は50代以降の中高年の男性に集中している。
60代半ばごろが多いが、80代でも発症する。
中国や欧州などの疫学調査では、患者は高齢者の125〜200に1人と
いわれる。
普段は温厚でまじめな人が多いという。


原因は「脳のある部分の神経が障害を受けることは分かっているが、
ほとんどの場合、そうなる理由は分かっていない」と井上院長。
病気の認知度はまだ低く、「寝ぼけ」と思い込んでいる患者も多い。
受診しようにも、専門医が少ないのも課題だ。



最近、注目され始めたのはパーキンソン病やレビー小体型認知症など脳変性
疾患との関連だ。

もともとパーキンソン病の人にRBDの人が多いことは分かっていたが、RBDの
人の一部が、その後パーキンソン病やレビー小体病などに移行するリスクが
あるという。
RBDを見つけることによって、これら脳変性疾患を予見し、早期治療に
つなげるための研究も進んできた。


RBDの治療の主役は飲み薬。
抗てんかん薬の「クロナゼパム」が使われる。
症状の頻度が少ないほど薬も少量で済む。
夜1回飲むと数日で症状が軽減してくる。
完全に治ることは少ないが、暴れるなどの行動は抑えられ、月に数回の寝言
くらいにとどまるようになる。

効かない場合は、ホルモン剤のメラトニンやドーパミン神経の促進薬などを
組み合わせる。

ストレスやお酒が症状を悪化させるため、深酒などは控える。
薬は飲み続ける必要があり、良くなったからといってやめると、また悪く
なる。


診断は、睡眠ポリグラフ検査でレム睡眠中の筋肉の動きを確認し、夢の内容と
行動が一致するかどうかも調べる。

気になる人は睡眠科や精神科、神経内科などで受診を。
検査ができる認定施設は日本睡眠学会のホームページに記載されている。

井上院長は「自分では症状の推移が分からないので、治療には家族の協力も
必要。早めに相談してほしい」と話している。
 




http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/health/CK2010082402000072.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[なぜ飲み会で酔ったときの記憶は思い出せないのか]

(PRESIDENT  2014年2月3日号)(ジャーナリスト 村上 敬)


パソコンを前にグズグズ、ダラダラ。
ついつい寝坊、深酒……。
そんなグズの思考回路を、脳科学者が解明。
積年の悪弊を取り除くヒントは、自分の頭の中にあった!


接待を兼ねた会食で盛り上がったものの、翌日に思い返そうとすると、
ところどころ記憶が飛んでいる。
仕事の話をしたことはうっすら覚えているが、細かい内容は覚えていない。
どうしてお酒を飲むと、記憶がまだらになってしまうのか。
東京医科歯科大学脳統合機能研究センターの泰羅雅登先生は、記憶の
メカニズムから説明してくれた。

「記憶はためておく期間によって2つに分類されます。ちょっとの間だけ記憶
する短期記憶と、永続的にためておく長期記憶です。私たちが普段体験する
ことはまず短期記憶として覚え、それから重要なものだけで選び出して、
海馬という器官が働いて長期記憶に送ります」

お酒を飲むと、記憶を定着させるこのシステムがやられてしまう。

「まず働かなくなるのが、短期記憶をためておく前頭前野です。お酒に酔って
何度も同じ話を繰り返す人がいますが、あれは前頭前野の働きが鈍くなって
短期記憶の量が減り、少し前に自分で話したことを忘れてしまうからです。
さらにお酒によって海馬の働きも悪くなります。海馬が働かなくなると、
いったんは短期記憶として覚えたものが長期記憶に送られません。そのため
翌日になると、前夜に起きたことをきれいさっぱり忘れてしまうのです」

酔っ払うと記憶のシステムに一時的な障害が起きる。

ただ、不思議なのは、記憶がなくなるほど飲んでも家にはたいていたどり
着いているという点だ。

「酔うと新しい記憶をつくりにくくなりますが、過去の記憶が使えなくなる
わけではありません。脳には、ナビゲーションニューロンという神経細胞が
あります。これは、通い慣れた道の風景、つまり視覚情報に対して、
『この信号は右に曲がる』といった指示を出す神経細胞です。ナビゲーション
ニューロンは頭頂葉にあって、頭頂葉はお酒に強い。そのため前頭葉や海馬が
やられて記憶が曖昧になっても、家にはきちんとたどり着けるのです」

もちろん家に帰れたとしても、大事な会話を忘れるようではビジネスパーソン
として失格だ。
やはりお酒は飲まないほうがいいのだろうか。
泰羅先生は、「ほろ酔い程度なら、メリットのほうが大きい」とアドバイスを
する。

「人間は根本的に、うれしい・楽しい・好きなことをはやりたいが、嫌な
ことはやりたくないという行動規範を持っています。ただ、それでは社会
生活が送れないため、理性によって折り合いをつけています。脳でいえば、
前頭前野で理性を働かせて、情動を司る辺縁系を抑制している状態です。
2つのバランスがうまく取れていればいいのですが、なかには理性で情動を
抑え込みすぎて強いストレスを抱えている人もいます。バランスを取るには
前頭葉の働きを少し緩めるといいのですが、自分の意思で前頭葉の働きを
コントロールするのは困難。そこでアルコールの力を借りて前頭葉の働きを
弱め、バランスを取ってあげるのです。飲みすぎないことが原則ですが、
万が一、飲みすぎてもトラブルにならないように、気の合った仲間と楽しむ
飲むことを心がけてください」




http://president.jp/articles/-/15383




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故・泰羅雅登先生
元・東京医科歯科大学認知神経生物学分野 教授
東京医科歯科大学大学院歯学研究科博士課程修了。
日本大学大学院教授を経て、2010年より東京医科歯科大学教授。
認知神経科学の研究に取り組む。
脳科学をテーマにした人気ドラマも監修。

2017年7月8日に逝去(享年63歳)

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[若年認知症「ピック病」で万引き 厚労省が調査]

(朝日新聞  2007年2月25日)


「ピック病」と呼ばれる認知症になった公務員らが、症状の1つである
万引きをして社会的地位を失うケースが相次いでいる。
脳の前頭葉の萎縮で感情の抑制を失って事件を起こしてしまうためで、
犯行時の記憶がないのが特徴だ。

しかし、正確に病気を診断できる医療機関は少なく、厚生労働省の若年
認知症の研究班も、初めてピック病の実態調査に乗り出した。

専門医は「まじめに仕事をしていた働き盛りの人が万引きをして『なぜ』と
いうことがあれば、ぜひ専門の医療機関を受診してほしい」と話している。


脳の前頭葉と側頭葉の血流低下と萎縮で起きる認知症は
「前頭側頭型」といわれ、うち8割が「ピック病」とされる。

アルツハイマー病のような記憶障害が、初期はあまりみられないものの、
時に、周囲の状況を気遣わない行動や万引きが症状として出る人もいる。
ただ、本人は善悪の判断がつかず、厚労省の若年認知症の研究班メンバーの
宮永和夫・群馬県こころの健康センター所長によると、欧米でも万引きなどの
軽犯罪がピック病の症状の1つとして報告されているという。


宮永医師が診断したケースでは、万引きの疑いで逮捕され、懲戒免職となった
神奈川県茅ケ崎市の元文化推進課長、中村成信さん(57)がいる。
中村さんは、昨年2月、自宅近くのスーパーマーケットでチョコレートと
カップめんなど計7点(計3,300円相当)を盗んだとして逮捕された。
しかし、釈放後、話のつじつまが合わないなど家族が「おかしい」と気づき、
大学病院を受診。
「認知症の疑い」の診断が出た。
このため、4月末、市の公平委員会に処分取り消しを求める不服申し立てを
した。
昨年末には、別の病院で脳の血流検査を受け、前頭葉と両側の側頭葉に
明らかな血流低下がみられたため、「ピック病」の可能性が高いとされた。
前頭葉の機能を調べる心理検査の結果なども合わせ、宮永医師がピック病の
「軽度と中等度の間」で、発症は「2004年1月以前と考えられる」と診断
した。

このほかに、会計事務所に勤める東京都内の50歳代の男性も、近所の文具店で
ボールペンや消しゴムなどを万引きする症状が出た。
ひと月もしないうちに、同じものを盗んだ。
しかし、本人に盗んだ意識はなく、外出時に家族が付き添ってトラブルを
防いでいる。

また、奈良県内の50歳代の放射線技師の男性は「仕事が難しい」と勤務先の
病院を休職した。
散歩帰りに近所の家の畑から、野菜を毎日のように持ち帰るようになり、
苦情が来た。
入院先でピック病と分かり、職場を辞めている。

宮永医師は「万引き後に、ピック病と診断される人は少なくない」と指摘。
「病気が原因でやった行為なのに、社会的な名誉を失い、その後の人生が
大きく変わってしまうのは非常に残念だ」と話している。



<若年認知症>
若年期(18〜39歳)と初老期(40〜64歳)に発症した認知症の総称で、
アルツハイマー型のほか、脳血管性、前頭側頭型などがある。

「ピック病」は、1898年、精神医学者アーノルド・ピックが初めて症例を
報告したことから名づけられた。
ただ、画像診断技術の向上などで、正しく診断できるようになってきたのは
この10年。
うつ病や統合失調症と誤診されているケースも多い。


若年認知症の患者数の調査は、旧厚生省の研究班が1996年に推計した
2万5千〜3万7千人があるだけで、現在、ピック病を含め、10年ぶりの
実態調査が進められている。




http://www.asahi.com/health/news/TKY200702250273.html

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[高齢者の長引く鼻水では老人性鼻漏も鑑別に]

(日経メディカル  2016年10月11日)(小板橋律子)


高齢者では、粘膜機能の低下に伴う生理現象として、鼻汁が出やすくなる。
これは、old man’s drip(老人性鼻漏)と呼ばれるもので、呼気中の水分が
鼻腔内で水滴となること(いわゆる結露)が原因だ。
安易な薬物療法でなく生活指導で改善を図りたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[重症の多汗症、80万人 有病率、米国の2倍]

(共同通信  2010年05月11日)(医療新世紀)


<厚労省研究班が初調査>
原因となる病気がないのに手のひらや足の裏、脇の下などに多量の汗をかき、
生活や仕事に支障をきたす「原発性(特発性)局所多汗症」に関する初の疫学
調査結果を、厚生労働省研究班(代表、横関博雄・東京医科歯科大 皮膚科
教授)がまとめた。
日本人の有病率は米国人の約2倍、重症者は約80万人と推定される。

研究班はこれまで国内にはなかった診断や治療の指針を策定。
医療の向上につなげたいとしている。
 


<難治性4万5千人>
原発性局所多汗症は、薬の影響や甲状腺の病気、感染症などの合併症として
起きる二次性の多汗症とは区別される。

米国人の有病率は大規模な調査で2.8%との結果が出ているが、日本人の
データはなく、研究班は今回、全国の約5800人を対象に初めて行った
アンケートから推定した。

二次性と考えられるケースを含め、多汗を自覚しているのは7人に1人。

原発性だけで見ると、有病率は手の多汗症で5.3%、足で2.7%、脇の下で
5.7%。
発症年齢の平均は13~19歳だった。

生活上の苦痛が最も多いという手足の多汗症の人のうち「常に耐え難い苦痛を
感じる」という重症者は0.64%で約80万人。
手術以外の治療法では効果がない難治性の人も、約4万5千人いるとの結果が
出た。



<認知度低い>
「重症者は思った以上に多い。握手ができない、パソコンなどの電気機器が
故障したり、紙の文書が破れたりするといった経験がある人もおり、仕事や
勉強、対人関係に悪影響が出やすい」と横関教授。

この病気は単なる汗かきと扱われがちで認知度が非常に低いが、患者の労働
生産性はアトピー性皮膚炎や、じんましんの患者以上に低下しているとの解析
結果も示された。


研究班は欧米のものを参考に原発性局所多汗症の診断基準をつくった。
明らかな原因がないまま局所的に過剰な発汗が6カ月以上認められ、さらに
 (1)最初の症状は25歳以下
 (2)汗は身体の左右対称に見られる
 (3)睡眠中は止まる
 (4)週に1度以上の症状(エピソード)がある
 (5)家族歴が見られる
 (6)日常生活に支障をきたす
のうち2つ以上に当てはまる場合をこの病気とした。

重症度は自覚症状により4段階に分類。
  「ほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある」
  「我慢ができず常に支障がある」
の2つを重症とした。



<治療体系化へ>
横関教授によると、多汗症の治療には制汗作用のある塩化アルミニウムの
水溶液を塗ったり、これを手袋に染み込ませて密封、効果を高めたりする
外用療法のほか、患部を水につけて弱い電流を流す「イオントフォレーシス」
という手法もある。
塩化アルミニウムの治療法に保険は使えないが、薬の価格は比較的安い。

海外では、神経から汗腺への伝達物質を遮断する効果があるとされるA型
ボツリヌス毒素を患部に注射する治療も、脇の下の汗の場合を中心に普及して
いるが、国内では多汗症には未承認で、保険も使えない。

重症者に対しては、発汗に関係する交感神経を胸部で切断する手術がある。
根治性がある半面、別の部位が多汗になる「代償性発汗」が最近、問題視
されており、手術をめぐりトラブルも起きている。
「患者の重症度や合併症の問題を考慮せずに、多汗症だからといって、
いきなり実施するようなことがあってはならない」と、横関教授。


研究班はこうした治療の体系化や有効性、安全性の検証に取り組む一方、
脳の働きや遺伝子との関係を調べ、新たな治療法の開発を目指したいと
している。



(共同通信 江頭建彦)



http://www.47news.jp/feature/medical/2010/05/post-322.html




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[多汗症原因遺伝子の推測]

(Wikipedia)


以前より、家系調査により常染色体優性遺伝の可能性が報告されていたが、
原因遺伝子は同定されていなかった。

2006年、佐賀大学の研究チームが原発性手掌多汗症の患者からDNAを抽出
して全ゲノム解析を行い、14番目の染色体のD14S1003~D14S283の間に
疾患遺伝子があると予測する解析結果を世界で初めて発表した。

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