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[ビタミンDの値が高いがん患者ほど生存率が高い:調査結果]

(IRORIO  2014年05月01日)


これからの季節、日の光が強くなり日焼けが気になる!という方も多いかも
しれないが、やはり太陽は私たちにとって心強い味方であるようだ。



<ビタミンD値が高い人ほど乳がん、大腸がん、リンパ腫の予後が良好!>
上海にある中国科学院のホイ・ワン教授が、これまでに発表された25の
研究結果から、17,332人のがん患者のビタミンDの値を調べたところ、
特に乳がん、大腸がん、リンパ腫においては、ビタミンDの値が高い人ほど
予後が良いことがわかった。

がん患者のビタミンD値は治療前のもので、他に診断の時期やその後の
生存率を併せて分析した。
その結果ビタミンDの値が高い人の方が生存率が高く、寛解(病気の症状が
落ち着き安定している状態)の時期も長かったという。



<肺がんや胃がん、前立腺がん、皮膚がんでもわずかながらプラスの効果が>
ビタミンD値と予後の良さの関係性が特に顕著なのは、前述の3つのがん
だが、肺がんや胃がん、前立腺がん、メラノーマ、メルケル細胞がんに
ついても、多少のプラス効果があるようだ。

「ビタミンD欠乏症が世界的に広がる中、改めてビタミンDは人間に欠かせ
ない存在であることがわかった」とワン教授。
「医師もがん患者のビタミンDのレベルに注目すべき」と述べている。



ビタミンD は日の光を浴びると私たちの体内で生成される他、サケやイワシ、
サバ、卵、シリアル、粉ミルクなどに含まれている。





http://irorio.jp/sousuke/20140501/131832/





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[あなどれない! 歯周病が全身疾患の原因に。そのメカニズムが解明]

(IRORIO  2014年05月14日)


成人の8割がかかっているとも言われている歯周病。
実は歯だけではなく全身の健康を脅かす病気でもある。

今まではっきりとはしていなかった歯周病が全身の健康に影響を与える
メカニズムが、このたび新潟大学の研究により科学的に明らかになった
ようだ。



<歯周病とは?>
歯周病とは、口の中の悪い菌(歯周病原細菌)が歯ぐきや歯を支える骨に影響を
与える病気。
症状が進むと歯を支える組織に炎症が起こり、放置すると歯を失うことに
なる。

「歯ぐきが腫れる」「歯ぐきから血が出る」といった自覚症状が出て
しまうと、かなり症状が進んでいる状態。定期的に検診を受けて、初期の
うちに対策することが重要だ。



<歯周病がリスクを高める全身疾患>
動脈硬化症、糖尿病、非アルコール性脂肪肝疾患、関節リウマチ、早産などの
リスクが、歯周病により高まると言われている。


歯周病と全身疾患との関係は以前から知られていたのだが、どのように
歯周病がこれらの疾患を引き起こすのか、詳しいメカニズムは明らかには
されていなかった。



<全身疾患を引き起こすメカニズムが解明>
今回、新潟大学大学院医歯学研究科の山崎和久教授らによる研究グループが
発表した内容によると、歯周病の有力な原因菌であるPorphyromonas
gingivalisが、腸内細菌のバランスを崩すことがわかった。

その結果、腸がもろくなり、毒素が血流を介して体内に運ばれ、全身に影響を
与えるそうだ。

今回の研究成果が、新たな治療法の開発に役立つのではないかと期待されて
いる。





http://irorio.jp/jpn_manatee/20140514/134656/


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[日本酒が睡眠の質を高めると判明! ぐっすり安眠、成長ホルモン分泌も]

(IRORIO  2014年05月19日)


ライオンはこのほど、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の裏出良博教授と
行った共同研究で、日本酒や酒粕の製造に使われる「清酒酵母」に”睡眠の
質”を高める効果があることを世界で初めて発見したと発表した。



<「清酒酵母」が深い眠りへ誘う脳内物質を活性化>
「睡眠の質」とは、睡眠の長さだけではなく、その深さも重要だが、
同研究では「清酒酵母」が、深い睡眠を誘発する脳内物質「アデノシンA2A
受容体」を活性化することがわかった。


研究チームはまず、約80種類の食品素材について、細胞を用いてアデノシン
A2A受容体の活性化能を評価。
その中で、「清酒酵母」には非常に高いアデノシンA2A受容体の活性化能が
あると判明した。

次に行ったヒト臨床試験では、「清酒酵母」を摂取すると、深い眠りの指標で
あるデルタ波パワー値が増大したことを確認。

結果、「清酒酵母」には睡眠の質を改善する効果のあることが認められた。

脳波計を使って測定し数値に表した“客観的効果”が認められたのは世界で
初めて。



<グッスリ眠れて、成長ホルモンの分泌も増加!>
ヒト臨床試験の実感調査では、「清酒酵母」を摂取すると、起床時に
「疲れがとれる」、「眠気がとれる」などの実感が得られたと言い、被験者が
グッスリと深い眠りを体験したこともわかった。


また、被験者の尿中濃度を測定したところ、深い睡眠時に集中的に分泌される
という「成長ホルモン」が増加したことも判明。

「成長ホルモン」は代謝アップや細胞の活性化を行うなど、身体機能に重要な
役割を果たすことから、健康・美容など様々な効果が期待できるかも。





http://irorio.jp/canal/20140519/135858/



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[コエンザイムQ10が加齢臭抑える?]

(家庭の医学  2017年9月15日)


<体の内側から加齢臭を抑制>
美容や健康のため、コエンザイムQ10のサプリメントを愛用している人も
多いのでは?
2017年4月、大手化粧品メーカーは、コエンザイムQ10に加齢臭を2~3割
減少させる効果があると発表しました。
体の内側から加齢臭を抑制できるかもしれません。


加齢臭とは、男性では40歳以上、女性ではおもに閉経前後にみられる体臭の
こと。
体臭は若くてもありますが、加齢臭のにおいは特徴的で、脂やカビ、青臭い
チーズなどと例えられます。

加齢臭の原因は、ノネナールという物質であることがわかっています。
ノネナールは、皮脂腺から分泌されるオメガ7脂肪酸(パルミトレイン酸
など)が酸化することで発生します。
オメガ7脂肪酸の濃度は、加齢によって増加することがわかっており、耳の
後ろ、頭、首回り、背中など上半身に多く発生するといわれています。

加齢臭を抑えるには、皮脂や汗をこまめに洗い流したり、制汗剤を使って汗を
かきにくくしたりすることがすすめられてきました。
専用のエチケットソープも発売されているほどです。

また、抗酸化物質を含む食材を積極的にとることも推奨されています。


加齢臭の抑制効果が注目されるコエンザイムQ10は、大豆・アーモンド・
イワシなどの青魚などに多く含まれ、ヒトの体内でも合成される脂溶性の
物質です。
抗酸化作用があり、細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを作る際に
不可欠な成分です。

医療の分野では、うっ血性心不全の治療薬として認可を受けています。


コエンザイムQ10の体内での合成は、加齢とともに減少するため、疲労回復や
老化防止、血行改善、美肌効果などを目的に、サプリメントとして摂取する
人が増えています。

そのほか、化粧水やクリームなど、さまざまな化粧品に配合されています。



今回の研究は、高い抗酸化作用を持つコエンザイムQ10が、ノネナールの
抑制につながるのではないかという点に着目。
コエンザイムQ10を毎日100mg摂取するグループと、摂取しないグループに
分け、加齢臭の濃度を測定しました。
コエンザイムQ10を4週間摂取したグループは、摂取前と比べノネナール
濃度が2~3割ほど減少したということです。

しかも、コエンザイムQ10の2つのタイプ、酸化型と還元型のどちらにも
同じ効果がみられました。
還元型は吸収率が高いものの価格も高価。
酸化型は広く普及している安価なタイプですが、体内で吸収されるまでに
時間がかかり効率が下がることがわかっています。
酸化型にも還元型と同じ効果がみとめられたのは朗報といえるでしょう。


これまでの加齢臭対策は、外側からのケアが中心でした。
コエンザイムQ10に加齢臭抑制効果があるならば、体の内側からケアできる
ようになります。
石けんや制汗剤の効果がいまひとつ実感できなかった人は、内服という
選択肢が広がったといえるかもしれません。




(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子)




http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124687/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ウシの病気:ビタミンA欠乏に伴う失明]

(Wikipedia)


霜降り肉を作るためには、筋肉繊維の中へに脂肪を交雑させる、という通常
ではない状態を作り出さなければならない。

そのため、肥育中期から高カロリーの濃厚飼料が与えられる一方で、脂肪
細胞の増殖を抑える働きのあるビタミンAの給与制限が行われる。

ビタミンAが欠乏すると、牛に様々な病気を引き起こす。

肥育農家がこのビタミンAコントロールに失敗し、ビタミンA欠乏が慢性的に
続くと、光の情報を視神経に伝えるロドプシンという物質が機能しなくなり、
重度になると、瞳孔が開いていき、失明に至る。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ウシの病気:舌遊び]

(Wikipedia)


舌を口の外へ長く出したり左右に動かしたり、丸めたり、さらには柵や空の
飼槽などを舐める動作を持続的に行うこと。

舌遊び行動中は心拍数が低下することが認められている。


粗飼料の不足、繋留、単飼(1頭のみで飼育する)などの行動抑制、また
生まれてすぐに母牛から離されることが舌遊びの原因となっている。

子牛は自然哺乳の場合1時間に6,000回母牛の乳頭を吸うといわれている。
その半分は単なるおしゃぶりにすぎないが、子牛の精神の安定に大きな意味を
もつ。

子牛は母牛の乳頭に吸い付きたいという強い欲求を持っているが、それが
満たされないため、子牛は乳頭に似たものに向かっていく。

成牛になっても満たされなかった欲求が葛藤行動として「舌遊び」に
あらわれる。


実態調査では、種付け用黒毛和牛の雄牛の100%、同ホルスタイン種の雄牛の
6%、食肉用に肥育されている去勢黒毛和牛の雄牛の76%、黒毛和牛の雌牛の
89%、ホルスタイン種の17%で舌遊び行動が認められた。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[脳発達過程における「臨界期」開始の新理論を提唱
     -神経細胞の自発的活動の抑制で臨界期に至る脳の発達を説明-]

(理化学研究所  2013年10月3日)


<ポイント>
・脳形成の神経活動が内部から外部由来に切り替わって臨界期が開始
・従来の理論では解決できなかった臨界期開始前の現象も説明可能に
・いまだ明らかになっていない脳の発達過程を説明できる基本原理の可能性



<背景>
私たちの脳は、数百億個以上の神経細胞同士がつながり合って複雑な脳神経
回路を構成しています。

この複雑な脳神経回路は、遺伝情報を基にある程度作られた後、脳の自発的な
神経活動や環境からの刺激によってより精巧な回路へと発達します。

特に、ヒトを含む高等生物の発達段階において、脳の働きが環境や経験、
学習によって変わりやすい時期があり、それを「臨界期」と呼びます。

臨界期は、環境からの刺激に応じて神経回路の再編、組み替えが最も強く
見られる時期です。
例えば、臨界期中の動物において片方の目を継続的に閉じておくと、それに
対応する神経細胞の反応が減衰するため、閉じていた目は見えづらくなり
ます。
しかし、臨界期後に同様な実験をすると、閉じていた目でも物を見ることが
できます。

感覚や言語、運動など、さまざまな脳の働きに対応して複数の臨界期が存在
し、関連した機能の臨界期は連鎖して起こることが知られています。

特に臨界期を開始するメカニズムを解明することは、さまざまな脳機能と
その発達を理解する上で重要な手掛かりとなります。


神経細胞に刺激が入ってきたとき、刺激を電気信号に変えて他の神経細胞へ
伝えることで情報伝達が行われ、これが多数の神経細胞間で繰り返し起こる
ことで脳が機能しています。
神経細胞は興奮性と抑制性の2種類に大別され、お互いがバランスよく制御
し合うことで適切に機能を維持しています。

過去のさまざまな研究から、臨界期の開始には抑制性神経細胞が成熟し、
抑制性神経細胞からの入力が増強することが重要と考えられています。

例えば、視覚に関する臨界期が始まる前の幼弱なマウスに特殊な薬剤を投与
して抑制性神経細胞からの入力を増強すると、臨界期の開始が早まることが
報告されています。

また、抑制性神経細胞からの入力の弱い遺伝子欠損マウスや暗室飼育によって
抑制性神経細胞が未成熟のマウスでは、臨界期が始まりませんが、薬剤で
抑制性神経細胞からの入力を増強すると臨界期が始まるという実験報告が
あります。


では、抑制性神経細胞からの入力の増強がどのように臨界期を開始させるの
でしょうか。
その疑問に対していくつかの仮説がありました。
しかし、近年の実験報告から臨界期開始前でも経験に応じた脳神経回路の
組み替えが起こることが発見され、既存の仮説ではこの現象を十分に説明
できませんでした。
そこで、研究チームは、過去の知見を参考に抑制性神経細胞からの入力の
増強が視覚野の臨界期を開始させるメカニズムについて新たな理論を提唱し、
動物実験によってその理論を裏付けることに挑みました。



<研究成果>
(1)自発的活動低下による臨界期開始
  網膜から1次視覚野への経路にある神経細胞は、視覚刺激が無くても
  常に活動し、1次視覚野へ自発的な入力を送っている。
  1次視覚野において、視覚刺激に対する応答に比べて自発的な入力に
  対する応答が十分に大きければ片目を継続的に閉じても左右の目の
  バランスは保たれる。
  しかし、視覚刺激に対する応答が自発的な入力に対する応答に比べて
  十分大きくなると左右の目のバランスが崩れ、閉じていた目に対する
  視覚応答が減衰する。

(2)抑制性神経細胞からの入力の増強による自発的活動低下
  1次視覚野への自発的な入力は低強度・高頻度であり、視覚刺激に依存
  した入力は高強度・低頻度である。
  臨界期開始時に抑制性神経細胞からの入力が増強すると、視覚刺激に
  対する強い神経応答は影響を受けないが、自発的入力に対する弱い
  神経応答は抑制されて、脳神経回路の組み替えに寄与しなくなる。

(3)臨界期開始前の実験事実の再現
  片方の目を継続的に閉じた場合、閉じた目のまぶたを通して入る光刺激は
  解像度が低く、正常な視覚系の発達を阻害する。
  臨界期開始前には1次視覚野への自発的な入力の効果で、片方の目を
  継続的に閉じた場合でも左右の目のバランスは維持される。
  しかし、閉じた目のまぶたを通して入る低解像度の光刺激のため、
  両目とも解像度の発達が遅れる。





http://www.riken.jp/pr/press/2013/20131003_1/


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[見えているのに分からない、
          再生医療で視力を回復しても見たものを理解できない]

(Medエッジ  2015年4月22日)


<視力と認識は別物>
医学や生物学の実験では言うまでもなく再現可能かが問われるが、1回きりの
経験を重視する伝統も持っている。

特に精神医学や神経学では症例報告のウエートが高い。

脳のような複雑で個別の要素が高いシステムでは、統計的手法を当てはめる
ことが難しい1回きりの現象が存在し、その追求から限界はあっても普遍的な
原理や法則に迫ることが可能だからだ。

例えば精神的な病気なら、この伝統はフロイトの膨大な症例報告に残って
いるし、神経学でも例えばダマシオの「デカルトの間違い」などには、
脳障害で性格が一変した症例などが一般の方にもわかるよう紹介されている。



<50歳近くに再生医療で視力回復>
今回紹介するワシントン大学からの論文も同じようにそう繰り返して経験する
ことのできない症例報告で、精神分野の国際誌、サイコロジカル・サイエンス
誌4月号に掲載された。

タイトルは「視覚回復後10年以上経っても経験による可塑性は欠損している」
だ。
(A lack of experience-dependent plasticity after more than a decade of
recovered sight.)


この症例は3歳半に事故で化学薬品を浴び、左目は完全に失われ、右目は
角膜障害を受け失明状態に陥る。
46歳まで光は感じるがほぼ完全な視覚障害として生活してきた後、右目の
角膜を幹細胞移植で再生する治療を受け、視覚を回復する。

視覚が急に回復した時、経験による脳内での統合が必要な複雑な視覚認識は
どこまで回復するのかが問われた。

手術後2年目の検査で、光や色の感覚、また単純な形態の認識はほぼ完全に
回復しているが、表情を始め3次元画像など経験を必要とする視覚認識は
全く回復していなかった。
視覚が回復しても触覚や聴覚に頼らざるを得ないことが明らかになっていた。

さらに10年経過して、この状態が改善したかどうかを調べたのが今回の研究
だ。



<認識する能力は回復せず>
結論を先に言うと、全く回復しないという結果だ。

実際行われたテストで言うと、いすの写真を見せていすと認識することが
できない。
男か女か、あるいは怒っているのか喜んでいるのか、感情を理解するのも
画面だけだとうまく判断できない。

2次元画像の形であればある程度認識できるが、3次元画像になると単純な
形の認識も難しい。

全くランダムに答えるよりは正解率は高く、ある程度の認識が可能なことも
確かではある。

しかし、50歳近くで視覚が回復して10年たっても、それまでの50年の経験を
通して積み重ねた脳内ネットワークを再構築することはできていないという
結果だ。



<脳のネットワークは発達し直さない>
このことをより客観的に確かめる意味で、MRIで脳活動を調べている。
詳細は省くが、顔の認識、人間の体の認識、景色の認識などの課題に対して
反応は強く低下している。


結局、見えるということと認識するということが全く別物。
3歳半までに獲得した脳内ネットワークはそのまま発達することなく止まって
しまっていると分かる。


何歳まで経過すれば完全になるのか?
同じような症例で、事故が起こった年齢が異なる症例が集まれば、統計学的
処理ができなくとも多くのことが分かるだろう。
その意味で眼科領域の再生医学が神経科学にも大きな貢献を果たすのでは
期待できる。





http://www.mededge.jp/a/psyc/11980




 

 

 

 

 

 

 

 

[深刻な出来事を幼児期に経験すると、1型糖尿病のリスクは5倍にも]

(Medエッジ  2015年4月21日)


<1万人の子どもとの親を調査>
深刻な出来事を幼児期に経験すると、1型糖尿病になりやすくなるようだ。

スウェーデンのリンショーピング大学の研究グループが、糖尿病の専門誌で
あるダイアベトロジアに2015年4月14日に報告した。



<子どもと親を調査>
スウェーデンの南東地域の全ての赤ちゃんを対象とした「ABIS研究」の
データを基に検証している。
この研究は1997年10月1日から1999年9月30日の間に生まれた全ての
赤ちゃんを持った家族で健康などのデータを集めるものだ。

このうち1万495人の参加者から、2~3歳、5~6歳、8歳、10~13歳の
1型糖尿病と診断されていない子どもを選んだ。
その後、58人が後から1型糖尿病と診断された。

診断された年齢は2012年の国内記録から調べている。

家族の精神的ストレスは両親へのアンケートから調べた。
深刻な出来事、育児ストレス、育児不安、親の社会支援の程度を評価した。



<高い危険性を持つ>
深刻な出来事を幼児期に経験すると、遺伝や年齢といった条件で調節した結果
として、将来1型糖尿病の診断を受ける危険度が3倍になると分かった。

さらに複数の条件で調整し、2型糖尿病の遺伝、妊娠期間、両親の教育
レベル、母親が子どもの誕生前にフルタイムの半分の時間働いていたかの
条件で調整すると、危険度は2.8倍になった。

子どものBMIの条件を加えると、危険度は5.0倍と分かった。



やせた人、太った人といった子どものいくつかの特徴にかかわらず、深刻な
出来事を幼児期に経験すると1型糖尿病が増えると言えるわけだ。
注意したいところだ。




http://www.mededge.jp/a/hcgo/11985



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[家庭で1日に1時間以上の受動喫煙にさらされると、
                   子どもの精神異常のリスク2.7倍]

(Medエッジ  2015年4月21日)


<注意欠如・多動症(ADHD)は3倍超に>
子どもが家庭で1日に1時間以上の受動喫煙にさらされると、精神異常の
リスクにつながるようだ。
注意欠如・多動症(ADHD)にも影響すると分かった。



<2千人以上の子どもを調査>
米国とスペインの研究グループが喫煙問題の専門誌であるタバコ・
コントロール誌に2015年3月25日に報告したもの。

2011年から2012年に、4歳から12歳のスペイン人の集団2357人の子どもの
データについてあらためて分析している。
子どもの受動喫煙の期間は、親が報告。
可能性のある精神異常はアンケート(SDQ)によって問題を特定した。

その上で、「ロジスティック回帰」と呼ばれる方法で統計的解析を実施。
社会学的、人口学的な条件、ライフスタイル、近隣環境、親の精神的な状態と
いった関連しそうな条件で調整して、受動喫煙と子どもの精神異常のリスク
との関連を調べた。



<精神異常を起こしやすい>
対象者の中で、家庭で1日に1時間までの受動喫煙にさらされていたのは
6.9%。
1日に1時間以上さらされていたのは4.5%だった。

習慣的に受動喫煙にさらされていない子どもと比べると、精神異常のリスクは
1時間までの子どもは1.49倍。
1日に1時間以上の子どもは2.73倍とリスクの上昇を確認できた。

注意欠如・多動症(ADHD)の対応する危険度は、1日に1時間まででは
2.18倍。
1日に1時間以上であれば3.14倍だった。



受動喫煙が子どもの精神異常につながるとは知っておきたい。




http://www.mededge.jp/a/resp/11961