コエンザイムQ10が加齢臭抑える | アクティブエイジング アンチエイジング

[コエンザイムQ10が加齢臭抑える?]

(家庭の医学  2017年9月15日)


<体の内側から加齢臭を抑制>
美容や健康のため、コエンザイムQ10のサプリメントを愛用している人も
多いのでは?
2017年4月、大手化粧品メーカーは、コエンザイムQ10に加齢臭を2~3割
減少させる効果があると発表しました。
体の内側から加齢臭を抑制できるかもしれません。


加齢臭とは、男性では40歳以上、女性ではおもに閉経前後にみられる体臭の
こと。
体臭は若くてもありますが、加齢臭のにおいは特徴的で、脂やカビ、青臭い
チーズなどと例えられます。

加齢臭の原因は、ノネナールという物質であることがわかっています。
ノネナールは、皮脂腺から分泌されるオメガ7脂肪酸(パルミトレイン酸
など)が酸化することで発生します。
オメガ7脂肪酸の濃度は、加齢によって増加することがわかっており、耳の
後ろ、頭、首回り、背中など上半身に多く発生するといわれています。

加齢臭を抑えるには、皮脂や汗をこまめに洗い流したり、制汗剤を使って汗を
かきにくくしたりすることがすすめられてきました。
専用のエチケットソープも発売されているほどです。

また、抗酸化物質を含む食材を積極的にとることも推奨されています。


加齢臭の抑制効果が注目されるコエンザイムQ10は、大豆・アーモンド・
イワシなどの青魚などに多く含まれ、ヒトの体内でも合成される脂溶性の
物質です。
抗酸化作用があり、細胞内にあるミトコンドリアがエネルギーを作る際に
不可欠な成分です。

医療の分野では、うっ血性心不全の治療薬として認可を受けています。


コエンザイムQ10の体内での合成は、加齢とともに減少するため、疲労回復や
老化防止、血行改善、美肌効果などを目的に、サプリメントとして摂取する
人が増えています。

そのほか、化粧水やクリームなど、さまざまな化粧品に配合されています。



今回の研究は、高い抗酸化作用を持つコエンザイムQ10が、ノネナールの
抑制につながるのではないかという点に着目。
コエンザイムQ10を毎日100mg摂取するグループと、摂取しないグループに
分け、加齢臭の濃度を測定しました。
コエンザイムQ10を4週間摂取したグループは、摂取前と比べノネナール
濃度が2~3割ほど減少したということです。

しかも、コエンザイムQ10の2つのタイプ、酸化型と還元型のどちらにも
同じ効果がみられました。
還元型は吸収率が高いものの価格も高価。
酸化型は広く普及している安価なタイプですが、体内で吸収されるまでに
時間がかかり効率が下がることがわかっています。
酸化型にも還元型と同じ効果がみとめられたのは朗報といえるでしょう。


これまでの加齢臭対策は、外側からのケアが中心でした。
コエンザイムQ10に加齢臭抑制効果があるならば、体の内側からケアできる
ようになります。
石けんや制汗剤の効果がいまひとつ実感できなかった人は、内服という
選択肢が広がったといえるかもしれません。




(監修:目黒西口クリニック院長 南雲久美子)




http://sp.kateinoigaku.ne.jp/kiji/124687/