学校モニタリング(サンタリータ地区)
こんにちは、フィリピン事務局やすえです
さてさて、今回は10月に入って3校目のモニタリングの紹介です。
このモニタリングは、今井記念海外協力基金を頂いて実施している、ストリートチルドレンへの奨学金プロジェクトの奨学生の状況を把握するために行っています。
奨学生が通うオロンガポ周辺地域は10月末に2週間ほどの中休みがあるため、その前にということでモニタリングが続きました
今回訪れたのは、2007年春ニニョス・タタッグキャンプワーク場所であり、2007年夏キャンプの地域訪問でも訪れたサンタリータ地区です
奨学生が通うサンタリータ高校
この学校では21名の奨学生が勉強しています。
ちなみに、07春キャンパーにおなじみのインソットとマルビンとジョデル(ジョイスのお兄ちゃん)は、今年3月にこの学校を卒業しました
ジャスパーやトントン、メルビン等もここの出身です。
モニタリングの様子①
今回のモニタリングは地域のお母さん2人とその息子と行いました
07春キャンパーにはお馴染みのアテシャーリーとインソットです。
モニタリングを開始する前に、みんなで奨学生と担任の先生を確認しています。
さすが卒業生のインソット。先生の名前や担当学年をしっかり把握していて大活躍でした
この日はいくつかのクラスでテストを行っていました
そのため、先生と奨学生との直接の面談は行いませんでした。
ですが、先生達が奨学生の様子について詳しく話してくださいました。
奨学生の一人に、前期の後半から毎日きちんと出席しなくなってしまった子がいました。
彼女は7人兄妹の長女で、現在2回目の高校1年生をしています。
去年、彼女のお母さんが7人目を妊娠しました。
長女である彼女は、色々と家のことを手伝わなければならず、やむを得ず休学をしました。
無事7人目が生まれたため、彼女は今年度再び高校1年生に復帰しました。
ずっと勉強をしたい、学校に戻りたいと言っていた彼女は、
まじめに学校に通い、授業態度もよかったそうです。
ところが、前期も後半にさしかかったところ、家庭内でまた問題が起こりました。
再び彼女が洗濯等の家事を請け負わなければならなくなりました。
7人兄妹の洗濯物を手洗い、ましてや雨季の洗濯物の乾かない季節です。
洗濯を終わらせるだけでも、14歳の女の子にとっては、決して簡単な仕事ではありません。
そうして彼女はまた学校を休むようになってしまったそうです。
しかし、時々登校してくる彼女に、先生が勉強を続ける意思があるのかを確認したそうです。
すると、「続けたい」と強く答えるそうです。
その彼女の強い意志を感じた先生は、彼女を応援し、勉強を続けられるようなんとか励まし続けていきたいと話していました。
その日登校していた彼女はテスト中だったために、直接話しをすることはできませんでした。
今後、モニタリング担当であり、地域のリーダーでもあるシャーリーさんが本人とお母さんと話をし、詳しい事情を把握していくとのことです。
サンタリータ高校に通う奨学生
ストリートエドゥケーションに参加するジュビリンも、サンタリータ高校の生徒です
大学生になったらストリートエドゥケーターになりたい!とTATAGの活動に積極的に参加しています
サンタリータ地区で暮らすこども達
いつも相変わらず元気なこども達
07春キャンパーにはお馴染みのこの2人。
ちょっとずつ身長も中身も成長してきている…ような気がします。
オロンガポ地区の学校は11月初旬まで中休みに入るため、次回のモニタリングは11月以降になります。
次回のモニタリングの様子も、またこちらで紹介したいと思います
学校モニタリング(フォレストリー地区)
こんにちは、フィリピン事務局インターンやすえです
今回も、今井記念海外協力基金を頂いて実施している、ストリートチルドレンへの奨学金プロジェクトの奨学生のモニタリングの様子を紹介したいと思います。
今回モニタリングに訪れたのは、フォレストリー地区、オールドカバラン小学校(通称OCABESオカベス)です。
こちらの学校では23名の奨学生が勉強しています。
モニタリングの様子
左からモニタリング担当のお母さん2名、先生、奨学生、TATAGコミュニティオーガナイザーです。
この日は全校清掃のため、学校中がばたばたしていました。
親切な先生が時間をとり、奨学生や学校の様子を詳しく話してくださいました。
こちらは「算数教室」という名前の教室です。本校舎のすぐ向かえ側に位置しています。
とてもかわいらしいデザインの教室です
教室内、小さな机が付属された横長のいすがぎっしりと並んでいました。
40人近くのこども達が一緒に勉強をしていました。
担任の先生と奨学生
元キャンパー、ツアー参加者のみなさん、この2人に見覚えはありませんか?
そう、ストリートエドゥケーションでお馴染みのジェイドとジャスパーです
エドゥケーションでも、みんなのまとめ役を積極的にこなすジェイド。
彼女は学校でもとても優しい子で、まじめに勉強をしているそうです。
エドゥケーションでは踊ったり、ラップをしたり、ジョークを言ったりとお調子者のジャスパー。
ですが、彼も学校にはまじめに通いきちんと勉強しているそうです。
ある平日の午前中、TATAGのスタッフマルーさんとオロンガポ市内の市場を通りかかりました。
すると、路上でビニール袋を売っているこども達や遊んでいるこども達を何人か見かけました。
「働いてお金を稼ぐことを覚えたこども達は、学校に行かなくなりやすいのよ。
だって働かなければお金はないし、学校に行けば働けないでしょ?」とマルーさん。
それでも、やっぱり勉強が好きだ、勉強を続けたいと一生懸命にがんばっているこどもたちもたくさんいます。
彼らが勉強を続けていける環境ができるよう、これからも支援していきたいと思います。
休憩時間にダンスをして遊ぶこども達
フィリピンのこども達は、とにかくダンスが上手
こうやって毎日遊びながら腕を磨いているんですね
この学校が位置するフォレストリー地区は、名前の通りたくさんの森に囲まれたとてもきれいな場所です。
ところが、モニタリング後にお母さん達と話していると、他の地域と比べて比較的貧しい家庭が多く暮らしているそうです。
TATAGがストリートチルドレンのために行っている教育活動、ストリートエドゥケーションにも、多くのこども達がこの地域から通っています。
そういった家庭にとっては、こどもを学校に通わせるということは、経済的にはとても大きな負担になるそうです。
例えば、フィリピンの学校では、よくプロジェクト費というものがかかります。
理科の授業で実験をしたり、社会の授業で模型のようなものを作ったり、
こども達がよりよく勉強するためにかかる様々な材料費等です。
また、電気代や水道代といった光熱費も、政府から一部の支援があるものの、
ほとんどの代金はそれぞれ生徒が負担しています。
毎月ひとり約80ペソ(=220円)ほどだそうですが、それを継続して毎月支払うこと、ましてや兄弟がたくさんいたりすると、貧しい家庭には大きな負担になります。
そのため、プロジェクト費や光熱費を支払うことのできない生徒がたくさんいるそうです。
「教育は無料だって言われているけど、
実際は色々なところでお金がかかって、そのせいで勉強できないこども達がでてきてしまっているのよ。」とTATAGスタッフのマルーさんは話していました。
こども達が勉強を続けていけるよう、これからもモニタリングを通して、こども達が置かれている状況を把握していきたいと思います。
学校モニタリング(タピナック地区)
こんにちは、フィリピン事務局インターンやすえです
こちらは久しぶりに青空が広がるお天気が続いています
先日、地域のお母さんとTATAGのスタッフと一緒にタピナック小学校に行ってきました!
今井記念海外協力基金を頂いて実施している、ストリートチルドレンへの奨学金プロジェクトの奨学生のモニタリングのためです。
学校内の様子①
こちらタピナック小学校では16名の奨学生が勉強しています。
とってもきれいな校舎。教室の外の壁にたくさんの絵が描かれていました!
モニタリング担当のお母さん達が、担任の先生のところへ行き、奨学生一人ひとりの出席状況や授業態度等を聞いてまわります。
モニタリングの様子②
左より学校の先生、奨学生2名、モニタリング担当のお母さん
先生に奨学生の様子を聞いていると、小学5年生の男の子の話をしてくれました。
彼は、他の同級生のように上手く読み書きができないそうです。
他の子よりも体も小さく、どんな勉強も遅れてしまうそうです。
「きっと、家庭の事情でごはんをきちんと食べられなかったり、家族の人が勉強や色々な面で面倒を見切れてないのよ。」と先生。
しかし、彼は決して授業を休まず、どんなことにたいしても一生懸命まじめに取り組んでいるそうです。
現在は、先生から読み書きなどの特別な指導を受けながら、がんばっているそうです。
当日はテスト中だったため、本人と話しをすることはできませんでしたが、ぜひこれからも諦めずに勉強を続けてほしいと思います。
また、モニタリングでは、
担当のお母さん達と、TATAGのスタッフのマルーさんと一緒に、1年生から6年生まで奨学生のいるクラスをまわりました。
すると、3~4年生の階がとにかく元気!
先生が少し席を離れると、こどもたちも席を離れ、話したりふざけたり、、
こどもたちの騒ぎ声が階中に響いていました
「私達がこどもの頃はみんなまじめだったのよ。
先生の言うことは絶対。
宿題を忘れたり、授業中にふざけていたら、すぐにお尻や手のひらを叩かれたのよ。
こんな風に騒いだらどんな目にあうかわからなかったわよ
でも今は時代が変わったのね。
最近のこどもたちも親も、昔と違いすぎて理解できないわ…」
と話しをするベテランの先生とマルーさん
どうやら学校が抱える悩みはフィリピンも日本も変わらないようです。
今年度の授業が6月に開始してから4ヶ月がたちました。
現在は多くの学校で試験が行われ、二度目の成績が発表され始めています。
今後も学校や地域内のミーティング等で奨学生の様子をモニタリングしていきたいと思います。