※この記事は、過去の記事「世界のフリンジティアラpart2」の補足です。

マリナ王女のウェディングギフトとしてイギリス王室のジュエリーに加わったThe Kent City of London Fringe Tiara、マリナ王女からの伝統で娘のアレクサンドラ王女、義理の娘マリー=クリスティーヌ妃、孫のレディ・ガブリエラ・ウィンザーとウェディングティアラの伝統が続いていると言われる事が多いです。
しかし、マリナ王女は自身の結婚式では別のフリンジティアラ、つまりロシア大公家出身の母親が所有するティアラを着用したとも言われています。
この記事では第2の説、ウラディミール・フリンジ・ティアラについてご紹介します。
●The Vladimir Fringe Tiara
/Grand Duchess Maria Pavlovna of Russia's Vladimir Fringe Tiara
このフリンジティアラの元々の所有者は、ロシアの大公妃マリア・パヴロヴナでした。 夫のウラジーミル・アレクサンドロヴィチ大公はロシアの帝位に上ることはありませんでしたが、皇帝アレクサンドル2世の息子、皇帝アレクサンドル3世の弟、皇帝ニコラス2世の叔父であり、皇帝に近い存在でした。
Grand Duchess Elena Vladimirovna of Russia
1902年、マリア・パヴロヴナ大公妃はフリンジティアラをギリシャのニコラオス王子と結婚する娘のエレナ・ウラジミーロヴナ大公女に譲りました。
ニコラオス王子とエレナ大公女は3人の王女(オルガ王女、エリザヴェト王女、マリナ王女)を授かりました。
この三姉妹は現在のイギリス王室のエディンバラ公爵フィリップ殿下(エリザベス女王の夫)の従姉妹にあたります。
8人のブライズメイドの一人はエリザベス王女(後の女王エリザベス2世)でした。
マリナ王女はロンドン市から別のフリンジティアラ(The Kent City of London Fringe Tiara)を贈られましたが、結婚式では姉と同じく母エレナ大公女が所有する
Vladimir Fringe Tiaraを着用したと言われています。
※結婚式はロンドンのウェストミンスター寺院で行われましたが、バッキンガム宮殿のプライベートチャペルでギリシャ式のセレモニーも続けて行われました。ウェストミンスター寺院の盛大な結婚式ではThe Kent City of London Fringe Tiara、プライベートチャペルでは母のティアラVladimir Fringe Tiaraと使い分けた可能性もあります。
マリナ王女の結婚式の後もVladimir Fringe Tiaraは1957年の死までギリシャ王室のエレナ大公女が所有し続けました。
ヘレーネはエレナ大公女の次女エリザヴェト王女の娘で、最後のオーストリア皇帝カール1世の甥にあたるフェルディナント・カールマックス公子と結婚しました。
1990年2月11日、ヘレーヌの娘、ハブスブルグ-ロレーヌのソフィー公女は、ザルツブルグのマリアーノ・ヒューゴ・フォン・ヴィンディッシュ=グレーツ王子との結婚式にウラジミールフリンジティアラを着用しました。
2005年7月2日、ソフィー・ハブスブルグの弟のマクシミリアン(Archduke Maximilian Heinrich Ferdinand of Austria)と結婚したMaya al-Askari が着用しました。
The Kent City of London Fringe Tiaraとの最も判別しやすい違いは、短いフリンジの長さです。(2つのフリンジティアラは長いフリンジと短いフリンジが交互に配置されています)
The Vladimir Fringe Tiara(上)の短いフリンジは高いフリンジと比較すると約1/2ですが、
The Kent City of London Fringe Tiara(下)の短いフリンジは背の高いフリンジの長さの3/4。
また、長い方のフリンジについてThe Vladimir Fringe Tiara(上)は鋭く尖っており、The Kent City of London Fringe tiara(下)は角張っています。
見比べると違いがわかりますが、マリナ王女の結婚式の写真については鮮明な画像が無いので、断言できず残念です。
しかし、この2つのティアラの違いを踏まえてもう一
度マリナ王女のウェディングティアラを見ると、短いフリンジは長いフリンジの1/2程度、つまり母親エレナ大公女のティアラを身に付けていたと思われます。
(個人の見解です)

王族、貴族の女性は実家のティアラで結婚式を挙げる習慣がありますね。
イギリス王室のダイアナ妃はスペンサー伯爵家のティアラ、ルクセンブルク公室のステファニー妃はベルギーのラノワ伯爵家のティアラを結婚式で身に付けました。
イギリス王室のマリナ王女と同じウェディングティアラで結婚式を挙げたソフィー公女について特集しました。
関連記事
以上です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。