2022.5 臨時号 NO.172 ほうが VS ようが(1/2)
私はファイザー製ワクチンの3回接種を終えている。日本人の端くれとして、外出中でのマスクの着用、手洗い、アルコール消毒等最低限のマナーは心得ている。卒職した今睡眠と栄養は十分。ストレスは妻の小言ぐらい。聞き流せば怒るので、聞いているフリして遣り過ごす。
その毎日の中で、新型コロナ禍でありながら週課としての「一人カラオケ」、「映画鑑賞」を続けてきた。カラオケ店も新型コロナ禍以前は換気が不十分でインフルエンザに罹る人もいたが、今は未使用の部屋は開けっ放しで部屋の消毒も行き届いており、却って安全である。映画館も、銀座や日本橋など人出の多い所は避け、平日で込み合わない日に行くので、これまた他の施設に行くより安全である。
それ以外の日は普通家に居るのだが、映画や韓流ドラマを観ることが多くなった。本ブログ2022年4月号NO.169(「オミクロンVSゴミクロン」)で、いまだに毎日感染者数だけをもって増えたから警戒をと報道し続けているのかと疑問を呈した。が、その前から朝の習慣として地上波の朝の情報番組を観ないことが続いている。観るとしたら時事問題を扱わず芸人とアイドル等でのバラエティ一色のTBS『ラビット!』。観ていて腹が立たないし、役に立たないどころか、プロ料理人によるランキングで、丸美屋食品の『ソフトふりかけ ちりめん山椒』を知り常備している。桃のジャムがあることにも気づき今ではアヲハタの『まるごと果実 白桃』を毎朝トーストに塗っている。
昼前後の情報番組も観なくなった。低予算の中でレギュラーコメンテーターが専門外の事でMCからコメントを求められ苦し紛れにゲスト解説者に質問するのを観て、観ているこちらも辛くなる。時事問題については、夜のBSの報道番組においてTBS『報道1930』、フジ『プライムニュース』のどちらかをその日のテーマ、登壇者を見て。さらに時々日テレ『深層NEWS』も観ている。
ここ1年で観た映画や韓流ドラマについて感じたことを書いてみたい。
邦画は、JKが対象のような青春恋愛映画はガキがそのまま爺になった私でも観ない。今年の日本アカデミー賞で有村架純さんが最優秀主演女優賞に輝いた『花束みたいな恋をした』は予告編しか観ていない。
私自身はWOWOWで観た『茜色に焼かれる』での迫真の演技と型どおり表現では失礼なような尾野真千子さんが最優秀主演女優賞に相応しいと思った。候補にも挙がらずネット上では❛尾野真千子事件❜として日本アカデミー賞は大手映画製作配給会社中心、商業性偏重かとの声が挙がる。
昨年米アカデミー賞の作品賞に輝いた『ノマドランド』は日本なら候補にも挙がらないか。こんな姿勢で日本の映画界がレベルアップするのか、観客の目が肥えるのか。
映画館で観た中で記憶に残る2作品は、昨年観た、3.11を舞台とした『護られなかった者たちへ』と有村さんが主演の今年初公開された『前科者』。とくに『前科者』が強く印象に残った。有村さんはアイドル系の女優ではなく役者根性のある本格的な女優と初めて理解した。有村さんが扮する新米保護司の最初の対象者で友人ともなる女性前科者を石橋静河さんが演じていたが、私が抱いていたイメージとギャップがありすぎて石橋さんと気が付かなかった(映画鑑賞後WOWOWのドラマ版の再放送を観た)。主演男優の森田剛さんはジャニーズ出身の役者とは思えないほど演技達者な根っからの役者と感じた。清原果耶さんが日本アカデミー賞最優秀助演女優賞に選ばれた『護られなかった者たちへ』で主演佐藤健さん (『ドライブ・マイ・カー』と一緒の年でなければ最優秀主演男優賞でもおかしくない) が熱演した「利根勝久」役も森田さんも適していると思った。
来年の日本アカデミー賞では、有村さんはすでに受賞したので(2年連続もありうるが)、石橋さんは最優秀助演女優賞を、森田さんは最優秀主演男優賞を、ぜひ受賞してもらいたい。ただ、日本アカデミー賞のこれまでの傾向からすれば、どうなのか。
保護司は、罪を犯した少年等の更生を手助けすることで生きがいを感じることができるが、再犯されて大きな失望感も味わう。難しく神経をすり減らし私生活もままならないが無報酬。そんな頭が下がる保護司の仕事を女優故小暮美智代がしていたことをウイキペディアで知った。映画(小津作品・1952年公開『お茶漬けの味』の主人公の妻役等)でのキャラと違い良妻賢母の鑑だと書かれている。小暮にすごく興味が湧いた。ぜひ小暮の半生をドラマ化してほしいと思う。
米アカデミー賞の作品賞には届かなかった(国際長編映画賞受賞)が、日本アカデミー賞をほぼ総ナメした『ドライブ・マイ・カー』は、最初封切されたとき、TOHOの公開作品の紹介欄を見た限り、運転手役の三浦透子さんが小池栄子さんに似ている。主役の西島秀俊さんは韓国女優キム・テヒさんと共演したドラマ『僕とスターの99日』(2011年秋)の頃からのファンであるが、ほぼ3時間もあり内容的にもだるそうと思い映画を観ようとしなかった。本家のアカデミー賞にノミネートされたとあっては敬意を表すべきと映画館に足を運んだ。前半は韓国官能映画を観ているような気になったが、後半西島さん扮する主人公と運転手とのぎくしゃくした関係からともに正直な思いを吐露し理解しあい信頼を寄せていく過程での描写が良いと思った。トイレが近い私だが途中で行くことはなかった。
家では、邦画はWOWOWで観た。とくに小津安二郎監督の名作を。映画全盛期の頃の日本を代表する名監督は「動」と「静」の作品が対極的な黒澤明監督と小津監督か。黒澤作品はハリウッドが好むスペクタクルかつダイナミックで、私は中学生・高校生の頃から神戸新開地の東宝の向かい側にあった新劇?(違うかも)で3本立ての上映にて『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『椿三十郎』等を既に観ていた。小津作品は、欧州映画に似ていて人情の機微に疎い私は古希を超えた今までじっくりと観たことがなかった。今回最初から最後まで観ようと思ったのは、作品を理解するということよりも私自身が物心ついていない頃の生活風景を垣間見たかったからである。
小津作品で(故原節子扮する)紀子三部作と呼ばれる、私が母のお腹にいた頃の『晩春』(公開1949年)、生まれた翌年の『麦秋』(同1951年)、名作『東京物語』(同1953年)を観た。が、70年前なので出演者のほとんどが亡くなっている。作家故半藤一利が銀座にあった文藝春秋社に入社する前後であるが銀座等東京の中心地はビルが立ち並び既に復興しているのが映画から窺えた。『晩春』では江の島に灯台(旧灯台でも1951年設置)がなく、不思議な感じがした。街には市電が通りその為の電線が張り巡らされていた。家では裸電球にうちわパタパタ。また、当時昼間は家の玄関の鍵は掛けなかったことを思い出した。4~5歳の頃か家に突然若者が乱入してきた。「刑事に追われているので少しだけ隠れさせてくれ」と脅すのではなく、震えて哀願していた。母親も私もただ唖然として固まっていただけで数分後若者が立ち去ったことを思い出した。それだけははっきりと覚えている。
男が集まれば戦争の話(今は戦争体験を語れる人が稀に)。当時の娯楽は麻雀とパチンコ(他の小津作品では花札の場面も登場するが、私が中学生の頃までは正月伯父の家に集まるのが恒例にて、その時花札も興じたが、どんなゲームだったか忘れてしまった)。
当時の女性は中流以上の家庭のお嬢さんもタバコを吸っており、家族以外の男性の呑んだおちょこで酒を注がれたのをそのまま主人公の紀子が口にしていた(新型コロナ禍でなくとも今では考えられない)。
一家の主人が家に戻れば服を無造作に脱ぎ捨てる。それを当然のごとくの体で妻や娘が片付ける。今それをすればカミさんから怒鳴られる。私だけではないだろう。
寡の父を独り残して結婚できないと思う娘。娘がいなくなると淋しいが嫁に行き幸せになってもらいたいと願う父。この関係性は今も変わらない。と思いたい。
故原節子は、好みの問題かもしれないが、私はとくに美人だと思わない。当時の日本女性の平均身長は153㎝。そして皆貧しかった。原は165㎝で目が大きく鼻も高くやや日本人離れしており、しかも中流家庭のお嬢さんのような上品で愛らしい喋り口と気品ある身のこなしに男も女も憧れを抱いたのではないか。
当時がデビューの頃にあたる、私が美人と思う女優(以下「美人女優」)で1930年(昭和5年)代生まれの女優を見ると、(敬称略で)八千草薫(154㎝)、若尾文子(155㎝)、富士眞奈美(154㎝)等は平均身長と変わらない。が、山本富士子(159㎝)、岸恵子(161㎝)、司葉子(160㎝)、岡田茉莉子(158㎝)、小山明子(160㎝)、三ツ矢歌子(未公開;160㎝?)、佐久間良子(158㎝)は比較的背が高い。皆オーラを放つ美人だと思う。今は30代の美人女優が少ないように私には思える。韓国女優に注目が集まるからか(YAHOO! ニュースも日本女優より韓国女優の記事が多いかも)。
ただ、(敬称略にて)新垣結衣(169㎝)、比嘉愛未(169㎝) 、佐々木希(168㎝)、長澤まさみ(168㎝)、橋本マナミ(168㎝)、 木村文乃(164㎝)、桐谷美玲(163.5㎝) 、瀧本美織 (162㎝)など一般女性 (日本女性の平均身長158㎝。ただ、最近伸び悩み韓国女性の平均より4㎝低い)より高い美人女優が、それなりにいる。オーラは感じないのは映画全盛期と比べて女優の神秘性が薄くなっているためか。それとも、若尾文子さんたちには子供として仰ぎ見、爺になった今は女優さんたちを子や孫のように私が見ているからかもしれない。
洋画では、記憶に残る新作が少なかった。2003年のマトリックスの3作目から18年も経過して公開された4作目『マトリックス レザレクションズ』は初めて観た時のスローモーションで飛んでくる銃弾を荒川静香さんばりのイナバウアーで避けるような新機軸が何もなくがっかりした。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は観るつもりはなかったが、人気ランキングで上位に挙がっていたので、思い直して映画館に足を運んだ。途中で居眠りしてしまった。どちらも柳の下の二匹目だけではなく何匹ものドジョウを狙うハリウッドの商魂に踊らされたとの不快感を覚えた。
昨年公開の『Mr.ノーバディ』は、期待していなかったが、私の好きなキャラで面白かった。家族に正体を隠したダメンズの中年男がいざとなると(スーパーマンではなく同じ人間なのに)超人的な活躍を見せる。さながらハリウッド版必殺仕置人中村主水と言ったところか(小さい頃私は仇討ちをカモフラージュした大石内蔵助が好きだった)。
ダメンズぶりは見せないがローンウルフで同じ人並みはずれた身体能力により悪を倒す「ジャック・リーチャー」シリーズの『アウトロー』『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』(主演のトム・クルーズさんはこの2作のみ)、『イコライザー』シリーズ(主演デンゼル・ワシントンさんはシリーズ化を潔しとしないが、これは例外)のようにシリーズ化を期待するが、中村主水と違い家族に正体がばれてしまっているので、どうか。
妻役は、キアヌ・リーヴスさん主演の『ディアボロス/悪魔の扉』(公開1997年)でシャーリーズ・セロンさんとともにヌードを披露したコニー・ニールセンさん。20年後(後述する)ガル・ガドットさん主演の『ワンダーウーマン』シリーズでワンダーウーマンの母で女王の役に扮し、本作ではセクシーさを残しつつしっかりとした中に気品さも漂わす母親役を好演していた。エンディングロールの前の映画の最後で発する妻の一言がシャレている。
アガサ・クリスティの小説『ナイルに死す』を映画化した『ナイル殺人事件』も満足した。ヒロインのガル・ガドットさんの美貌に目を見張る。そしてエジプトを訪れているかのような錯覚に陥る。ナイル川(ワニがいたので驚いたが、ナイルワニと呼ばれ、単に私が不勉強なだけ)、ピラミッド、スフィンクス、世界遺産アブシンベル神殿(大王ラムセス2世建造)等エジプトに未訪で今後も行く予定がない私にとってそれだけでも本映画を観る価値があった。
今年のアカデミー賞の最高の栄誉である作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』は封切された時妻と観に行く予定であったが、余計なことを言って妻の機嫌を損ねる。妻は私を見損ない、私は映画を見損なう。機会があれば観てみたいと思う。
その後妻とは、異色のロックオペラ『アネット』を観た。妻は、二人で観た映画の中で、マリオン・コティヤールさんがエディット・ピアフ役を演じ第80回アカデミー賞主演女優賞を受賞した『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』が一番と言っていた。コティヤールさんが出演するよと持ち掛けたら案の上妻は話に乗ってきた。それで一緒に観たのだが、妻は、コティヤールさんが裸になっていたので、驚いた。私は、事前に知っていたら妻を誘わず、一人で観たのだが。妻の映画の評価は高くなかった。
共演の歌も歌えるアダム・ドライバーさんは今や「カメレオン俳優」として引っ張りだこ。レデイー・ガガさん主演の『ハウス・オブ・グッチ』を映画館で、マット・デイモンさん主演で、決闘で勝った方を正義とする『最後の決闘裁判』をWOWOWで、観たその映画にもドライバーさんが出演していた。
2022.5 臨時号 NO.172 ほうが VS ようが(2/2)
家では、洋画ならBSやWOWOWでとくに韓国映画・ドラマをよく観ていた。戦争を題材にした映画では、私が生まれた2か月後の朝鮮戦争への中国軍(人民義勇軍)参戦を背景にした『国際市場で逢いましょう』(公開2014年)、金日成暗殺計画の為編成された韓国684部隊を計画中止により抹殺し闇に葬ろうとした事件に基づく『シルミド』(同2003年)、民主化を求める学生ら光州の市民に対する全斗煥政権の軍による弾圧を描いた『光州5・18』(同2007年)に心動かされた。
中でも、『国際市場で逢いましょう』は名作と思った。主人公がまだ子供の頃中国軍が攻めてくると現北朝鮮の興南から釜山への避難船に妹を負ぶってロープの梯子をよじ登るのだが、妹を落としてしまう。先に船に上がっていた父親が娘を探しに降りる時父親から主人公に「お前が家長なのだから家族を守れ」と言われる。それが父から聞いた最後の言葉となる。長じて父との誓いと妹を守れなかった心の傷を抱えながら家族の為に懸命に働く。ドイツの鉱山で生き埋めになり、ベトナム戦争に従軍し足に大けが負い、行方不明の妹を探す為TV番組に出る(里子で米国にいた妹と再会を果たす)。
歳をとり、子や孫らとの団らんの場から独り離れ、この世にいないハズの父に(家族は知らない苦汁をなめ一家を支えた)「俺はよくやった」とつぶやく場面はじ~んと来た。
主人公を演じたファン・ジョンミンさんは、韓国版アカデミー賞の一つ大鐘賞の主演男優賞に輝く。ファンさんが端役で出演した『シュリ』(公開1999年)でヒロイン役を演じ、本作で妻役のキム・ユンジンさんも、賞には選ばれなかったが、評価されてよいと思う。生き埋めになった彼氏の主人公の救出を哀願した場面。先に帰国した主人公を追って帰国し主人公に子供ができたと告げた時主人公が他人事と勘違いし「おめでとう」と言った彼の頬を平手打ちした場面。結婚後主人公がベトナムから帰った時ベトナム行きを反対していた妻が足の大けがを見て涙を流し夫を叩きながら怒り嘆いた場面が印象的であった。
韓流ドラマでは、『夫婦の世界』(主人公のキム・ヒエさん、韓国の典型的な美女ハン・ソヒさんを知る)と『暗行御史:朝鮮秘密捜査団』(未観の『梨泰院クラス』で人気した、長身172㎝のクオン・ナラさんがヒロイン。子役出身で佐々木希さん似と思うチョ・スミンさんを知る。未観の『ペントハウス2』にて家庭教師役で転落死するシーンが話題になっていた)との2ドラマが印象に残る。
キム・ヒエさんは女医の役どころで、浮気した夫と離婚し、子に去られ、病院も辞め絶望感から海の中に入っていく。波に飲み込まれ見えなくなるところはスタントでないと危ないと思った。人気女優の仲間入りしたクオン・ナラさんも主人公と一緒にさらしを巻いて池に入っていた。日本では、映画ではあってもTVドラマでは新型コロナ禍がなくてもそこまでやらないのでは。
日本の名脇役國村隼さんは、2016年韓国映画『哭声/コクソン』(未観)に出演し第37回青龍映画賞 (2016年)男優助演賞を受賞したが、2020.5東京新聞WEBのインタビュー記事でこう述べている。ドラマにもあてはまるのではないか。
「映画を取り巻く環境、システムが日本より一歩先を行っていると実感させられたんです。もう一つうらやましく思ったのは観客ですね。韓国の人たちは驚くほど映画好きで、常に新作を待っている。皆がとにかくよく映画を見に行く。必然的に目が肥えたお客さんが増えて現場は下手なものは作れない。当然、作品のクオリティーは上がっていきますよね。」
妻が珍しく毎日16時から韓流ドラマを観ていた。何かと思えば、『SKYキャッスル』。韓国在住の伊東順子女史の著書『韓国カルチャー 隣人の素顔と現在』(集英社)によれば、SKYとは韓国最難関大学のことで、Sはソウル大学、Kは高麗大学、Yは延世大学で皆ソウル市内にある。その最難関大学への受験競争における「財閥」の下の一般富裕層が狂奔する有様を描いている。韓国上流社会の現実を知る最高のテキストと本ドラマは位置付けられるらしい。
このドラマの後に始まった『ホテルデルーナ』も妻は観ている。主演はIUさんで伊東女史が言う「色白、もち肌」の韓国美人を象徴するような美人でしかも歌手。「国民の妹」と称される国民的歌姫とのこと。役どころは1,300年生きるホテルの女社長。
韓流ドラマでは人気を博した『トッケビ』(2016年)でも主演コン・ユさんの役どころは900年以上生きる武官。死神役で共演したイ・ドンウクさん(184㎝)も『九尾狐伝』にて主役の伝説の霊獣に扮するなど、現実離れした設定のドラマも多く見られる。
ここに名を挙げた韓流ドラマの内『夫婦の世界』『ペントハウス(1~3)』(あまりにも女同士ドロドロかと尻込みし未観)『SKYキャッスル』『ホテルデルーナ』は女性たちが主人公である。
韓流ドラマには、女性が主人公のドラマが多い。儒教の国韓国では日本より男尊女卑が酷く、それに戦い、伊東女史は、女史が韓国のテレビ界で仕事を始めた1990年後半頃から「ソウル大 ディレクター志望」の女性が増えた。韓流ドラマは、一貫して「女性の味方」だったと言う。
伊東女史によれば、あるサイトによると台湾のテレビ部門のベスト10の内9作までが韓流ドラマ。残りの1作が『鬼滅の刃』だったという。お笑い芸人の塚地武雅さんが日本一のARMY(ファンの呼び名)を自認する『BTS』を擁するK-POP界を含めエンタメ業界は日本が韓国に完敗している。それだけではなく、近い将来一人当たりのGDPにおいて韓国や台湾に抜かれるという。
過去の栄光にしがみつき隣国人を見下げている者がいるとすれば、その姿ほど見苦しいものはない。韓国人や台湾人は、まだ日本を「腐っても鯛」と思ってくれているのだろうか。
「魚は頭から腐る」と言われる。国のトップは❛敵基地攻撃の能力の保有❜、❛憲法改正❜と「手段」しか言わない。
銀座のクラブに喩えると、チーママには二種類のタイプがある。一つのタイプは、将来オーナーママになる志を持ち経営面等も勉強するチーママであり、もう一つは、そんな志はなくチーママの地位が続き楽しく日々が送ればよいというタイプ。
日本のトップは後者のチーママタイプか。国の「目的」はオーナーママの米国に従うこと。それは口にする必要はない。オーナーママの信頼を得、友好な関係を保ちながら店から独立することなど考えない。問題は、本当に独立できるか、ではなく、その志があるか、なのだ。
米国との同盟関係の解消を求めている訳ではない。一国で生きられないなら同盟の相手は米国しかない(ただ、バイデン政権に対しては、中間選挙で大敗し、レームダック化するのを望む。元々リベラルな米民主党政権は、「自由」を標榜するが、自身の価値観を他に押し付け、それを拒む「自由」を認めない。共和党政権より争いが起きやすい)。
期待した宏池会の岸田首相とて同じなのか。ウクライナ侵攻においても、国益よりも米国への追随か。同盟国の米国が戦争している訳ではない。日本はNATOの一員でもない。北方領土の問題を抱える隣国ロシアに対して国交断絶の一歩手前のような対応までなぜとるのか(プーチン大統領が失脚しても、恨みを引き継ぐロシアは残る)。4月下旬に独首相が来日する予定だが、第二次世界大戦敗戦の教訓を「米と大ケンカするな、露は信用するな、独とは組むな」とする私は対ロシア強硬へと極端から極端に突っ走りがちな独に影響を受けることを懸念する(タカ派は軍事費増枠に利用するかもしれないが)。
長年宿願としてきた四島返還が刹那的に絶望の淵に葬られる。敵対国にされ、それに伴うリスクや経済的損失は議論されたのか。
岸田首相は4/8の記者会見で、「我が国周辺においてもロシア軍の活動が活発化している」と述べ、「懸念すべきことだ」と発言した。その事態を招いたのは首相自身ではないのか。遠い戦争のハズなのに自国民の生命と財産を危険に晒す。
岸田政権による、ウクライナ難民に対する積極的な支援は支持する。が、欧州の安全保障と東アジアのそれと切り離しできない時代とはいえ、NATOに前のめりになるようなことは評価しない。そもそもNATOの東方拡大がプーチン大統領を騙されたと思わせ、恐れさせ、狂わせた。直接NATOとロシアが戦闘状態になり第三次世界大戦突入することがないように働きかける(ロシアと1,300㎞国境を接するフィンランドがスェーデンと一緒にNATOへの加盟申請へ。今手負いの獅子ならぬ熊を挑発する必要はあるのか。プーチン大統領は、NATOと直接国境を接するの嫌い、ゼレンスキー大統領への説得を諦め侵攻した。フィンランドの後ろに位置するスェーデンは良いが、NATO加盟が批准される前にフィンランドにロシアが侵攻するリスクに対してフィンランドはどう考えているのか。侵攻が起きれば、それはもう第三次世界大戦への突入と言えるのではないか)のが憲法第9条を擁する平和国日本の取るべき態度であろう。
親中派と米国からも見られていた林外相もNATOの会合で「中国は、ウクライナ侵略について、いまなおロシアを非難していない」と中国の対応を名指しで批判したという(これで米側の覚えもめでたくなるかもしれないが)。
西側の体制と対立する中国なら、(意図的か)予め軍事介入しないと公言したバイデン大統領がプーチン大統領をその気にさせウクライナを犠牲にしてウクライナとの戦争による疲弊と孤立化でプーチン大統領とロシアを打倒しようとしていると見るであろうし、西側に呼応しないのは是非は別にして理解できる。それを隣国日本があえて声高に非難する必要がどこにあるのか。
居宅と違い国は引っ越せない。中国、北朝鮮、韓国、ロシアの向こう隣の国すべてを敵対国にしてどうするのか。日本を東アジアの「ウクライナ」にしてしまえば、悲惨な末路が待ちうけよう。
(憲法で日本はできないが)ウクライナに防御用に留まらず攻撃用兵器を提供することは戦争の長期化・深刻化(核保有国と非保有国との戦いの最終形は広島・長崎への原爆投下と同じく核兵器の使用となる。ロシアが追い詰められたらそれは絶対ないとは言い切れない)を招く。
戦場であるウクライナは焦土化し、勝敗に関係なく欧州最貧国ウクライナの経済は壊滅に帰する。軍人のようなゼレンスキー大統領はそれをどう考えているのか(特例加盟後のEUに復興を期待するのか。それをプーチン大統領が黙って許すと思うのか)。
ロシア側の蛮行は戦争する前から予想されていたハズ。バイデン大統領は、ジェノサイドと非難するが(マクロン仏大統領は戦争をさらに拡大させるとその呼び方に賛同しないのは賢明)、プーチン大統領をもっと怒らせ何をさせたいのか。「広島・長崎での原爆投下で民間人が大半の15万~20万人の死者を出した米国がどの口で言う」と言い返され藪蛇になるのに。
国際人道法の観点からことさらにロシアを非難しても、ウクライナの無辜な住民は助からない。西側が真にウクライナの住民のことを考えるなら、兄弟民族間の不毛な戦争を長引かせる武器供与等ではなく、早期停戦しかない。ゼレンスキー大統領と違いバイデン大統領は、自らは安全な所に身を置き、戦火に油を注いでいるだけと言えば、言い過ぎか。
参院選を意識してるのか、新米首相としてか、岸田首相は(林外相も)熱くなりすぎていないか。日本は、離れた所から冷静になり、バイデン大統領にも働きかけてもらいたい。早期停戦や最悪事態の回避の為に(安定飛行前の岸田政権には酷すぎるか。ただ、追随はやむを得ないとしても、濃淡があってよいハズ。今回米国が正義だとは思えない)。
こういう時こそNATO非加盟・永世中立国オーストリアのように、過去27回も会談した安倍元首相が、特使としてプーチン大統領に会いに行き、早期停戦や日本側の立場も説明すべきなのに、メディアから変わり身が早いと揶揄されるばかり。
そんな安倍元首相と岸田首相は会食して、ウクライナ侵攻については「欧米の動向を注視していくことが重要」(しか二人は言わない)と報じられる。
国のトップが国の将来を考えないなら企業のトップもそうなる。団塊の世代がリタイアし、さらに正規雇用を非正規雇用に変えて後ろ向きの利益を内部留保として溜めこむ。自身が社長の間株価を維持できれば、それでよいとなってしまう。
腐っていく鯛の頭を替えられるものなら、知性と教養に裏付けされた「国家観」と「公共性」と「志と気概」のある官僚出身の首相にした方がと最近とくにそう思うのである。