私達職人にはそれぞれの職種によって資格があります。
私も22歳から親の手伝いから始まり、46年間建築板金の仕事をしております。
建築板金にも検定試験があり、平成4年に1級技能士となりました。
技能試験は実技試験と学科試験があります。
私は前年に職業訓練指導員の免許を取得しておりましたので、技能検定試験を受験するときは学科試験免除になり実技試験だけで技能士となりました。
技能検定試験の内容は板金作業における技術を使い課題作品を作成するものです。
課題の内容は、鉄板の材料をハサミで切断し、拍子木などの手道具で折り曲げて加工し、銅の鋲をカシメてハンダ付けをして作品を作成します。
昔、私達が受験した30年以上前ならこのような作業は日常茶飯事に行っていた技術で有り、少し練習をすれば出来る内容でした。
しかし現代は仕事の内容もがらりと変わってしまい、先ほど述べた作業内容は全くなくなってしまったと言っても過言では無い状況です。
つまり現在受験している受験生達にとっては全く経験の無い作業ばかりで、作業に必要な道具でさえ会社に無い状況です。
それぞれの受験には受験するだけの実務経験年数が必要です。
しかし今の時代は経験しようにもその様な仕事が全くありません。
だから正味の所、実務経験ゼロと言う状況で職人さん方は受験しているわけです。
当然経験の無い作業に取り組んで俄にプロと同等の技術が直ぐに身に付くとは到底思えません。
従って今受験している人たちにおいては非常に困難で難しい試験となっています。
相当練習をしなければ合格は無理です。
しかしこの課題は建築板金の技術としては良く出来た課題だと思います。
建築板金の全ての基本となる技術が詰め込んで有る課題だと思います。
近年では外人さんも受験していますが、かなり難しそうです。
でもこの課題を完全にマスターすると凄い技術が身に付きます。
現代の名工や人間国宝と言われる方が作られている作品も作ることが出来る技術が入っているわけです。
只その技術が何処に入っているのか知らないだけです。その技術を伸ばしていこうという人が居ないだけです。
技能検定に合格すればもうこんな作業をすることはない。普段の仕事に戻って、屋根を葺いたり外壁工事に樋工事に従事するだけで、試験を受けるときの技術なんてものは要らない、只この資格が欲しいがために受けるといった雰囲気の事業所もあります。
これでは合格したときが技術の頂点で後はどんどん技術が落ちていくばかりです。
終いには技能士になったけれど何も物作りが出来ないと言ったことになっている職人さんも実際に居ます。
本当に情けないことだと思います。
兎に角今年の実技検定試験は終わりました。
試験の様子を見ていると、昨年よりは若干良いかなぁ・・とは思いますが、はてさて採点結果はどう出るか、楽しみです。
兎に角、実技試験は終わったので、実技のことは忘れて学科試験のある人は学科試験に全力で臨んでください。
責めて学科試験だけでも合格していたら来年は少しは楽ですからね!(^^)!
あぁ、実技が落ちてるって言って無いですよ(笑´∀`)○