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3-2-⑧ 堀之内1式土器
- 称名寺式を特徴づけるJ字状磨消縄文は、垂れ下がる沈線の束に変化。
- 縦沈線の間はジグザグ文様や渦巻で埋められる。
- 東北地方南部の綱取式に似た土器も共存。
- 貝の花 IV群 中の 堀之内1式
- 堀之内1式鉢(段平賀遺跡)
- 堀之内1式(貝の花遺跡). 綱取式の影響。
- 堀之内1式深鉢(柿の木台遺跡)
3-2-⑨ 堀之内2式土器
- 縦幅広く文様が伸びていた堀之内1式から、堀之内2式では、縦幅が狭まる。
- 文様帯中の文様も縦に押しつぶされ、横方向に広がる文様に変わる。
- ジグザク文様が押しつぶされてできる菱形や三角形の文様が特徴的。
- 貝の花 IV群 中の 堀之内2式
- 堀之内2式深鉢(貝の花遺跡)
- 注口土器; No.17・36~39は、注口土器の連続変化をよく表す。扁平なそろばん玉形から、やや縦長のそろばん玉形を経て、球に近い形に変化する。 続く加曽利B2式~曽谷式期には関東地方では注口土器がほとんど作られなくなる。
17・36~37 貝の花遺跡, 38 後田遺跡( 松戸市)
3-2-⑩ 加曽利 B1 式
- 堀之内2式の縦幅が狭くなった文様帯は、加曽利B1式でさらに佐波真理、数条の平行な横線(横帯文)に変わる。
- 横帯文はところどころ縦方向に区切られる。「の」字文で区切られる土器もある。
- 加曽利B1式(貝の花遺跡). 口縁部に施文された3条の斜線横帯文はの字文によって区切られている。
- 加曽利B1(貝の花遺跡). 横帯文中の区切り(↑解説図左)。
- 加曽利B1式注口土器(後田遺跡) 胴部に沈線によるの字文。
3-2-⑪ 加曽利 B2式
- 加曽利B2式は、古段階と新段階に区分可能。
(i) 加曽利B2式古段階
- 特徴づけるのは、小さな弧線を2つ並べた、カッコのような文様(対弧文)。
- 対弧文は加曽利B1式の『の』字文が変化した文様。『の』字文の線が途切れる「分かち書き」の段階を経て、対弧文に変わる。
- 加曽利B2式古段階(貝の花遺跡). 対弧文。
(ii) 加曽利B2式新段階
- 古段階と全く異なる土器(連続性がない?)。
- 斜線文;文様帯を斜めの線で埋め尽くす。
- 曲線的な磨消縄文。
- 加曽利B2式新段階(後田遺跡@松戸市). 沈線による粗雑な斜線文。口縁は無文。
- 加曽利B2式新段階(後田遺跡@松戸市). 5単位の花びら状口縁。口縁部は無文。胴部に粗雑な沈線による斜線文。
- 加曽利B2式新段階(貝の花遺跡). 曲線的な磨消縄文。
(iii) 加曽利B2式新段階の土器にみる東北地方の影響
- 斜線文は、↓No.50のような互いちがいの三角形を斜め線で埋めた文様が元になっていると考えられる。これは東北地方(十腰内式)に多い文様で、三角形の区画が消え、中にある方向がバラバラの斜め線が残って斜線文に変化した。
- 曲線的な磨消縄文も十腰内式土器でよく使われる文様。
- 加曽利B2新段階(後田遺跡). 十腰内式土器に見られる横帯文区画が使用されている。
- 西村広経 『十腰内2式土器の再検討』 東大考古学研究室研究紀要31号
3-2-⑫ 加曽利 B3式
- 曲線的な磨消縄文が受け継がれる。
- 加曽利2式新段階との区別が難しいが、深鉢形土器では文様のつけられる位置に違いがある;加曽利2式新段階では文様は胴部に集中し、口縁は無文。一方の加曽利B3式では縁に刻み目、さらにその下に縄文がつけられる。
- 加曽利B3式(貝の花遺跡). 口縁に刻み目、その下に縄文。