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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

第1章 はじめに

民法の令和3年一部改正(令和3年4月28日法律第24号〔第1条〕 公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行 ※令和3年12月17日(政令第332号)において令和5年4月1日からの施行となりました)

 なお,施行期日は,原則として公布後2年以内の政令で定める日(相続登記の申請の義務化関係の改正については公布後3年,住所等変更登記の申請の義務化関係の改正については公布後5年以内の政令で定める日)とされています。

 

第2章 改正の概要

所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)

 令和3年4月21日,「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)および「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25号)が成立しました(同月28日公布)。

 両法律は,所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み,所有者不明土地の「発生の予防」と「利用の円滑化」の両面から,総合的に民事基本法制の見直しを行うものです。

 まず,「発生の予防」の観点から,不動産登記法を改正し,これまで任意とされていた相続登記や住所等変更登記の申請を義務化しつつ,それらの手続の簡素化・合理化策をパッケージで盛り込むこととしています。

 また,同じく「発生の予防」の観点から,新法を制定し,相続等によって土地の所有権を取得した者が,法務大臣の承認を受けてその土地の所有権を国庫に帰属させる制度を創設することとしています。

 次に,「利用の円滑化」を図る観点から,民法等を改正し,所有者不明土地の管理に特化した所有者不明土地管理制度を創設するなどの措置を講じることとしています。

「民法等の一部を改正する法律」および「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」の概要

 両法律の概要については,以下の資料を御覧ください。

 

 

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律

令和3年4月21日,「民法等の一部を改正する法律」(令和3年法律第24号)および「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25号)が成立しました(同月28日公布)。 両法律は,所有者不明土地の増加等の社会経済情勢の変化に鑑み,所有者不明土地の「発生の予防」と「利用の円滑化」の両面から,総合的に民事基本法制の見直しを行うものです。 まず,「発生の予防」の観点から,不動産登記法を改正し,これまで任意とされていた相続登記や住所等変更登記の申請を義務化しつつ,それらの手続の簡素化・合理化策をパッケージで盛り込むこととしています。

 

 

 

 

相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」(令和3年法律第25号)これらの理由により、民法および不動産登記法の改正によって、被相続人の死亡後3年以内の相続登記が義務化され、また、相続により取得した土地の所有権を国庫に帰属させる(いわゆる所有権放棄。以下「所有権放棄」といいます。)手続きの制度が、法改正により新設されることとなりました。

 

国会議員の期限付逮捕許諾

東京地方裁判所決定

昭和29年3月6日

勾留裁判に対する準抗告申立事件

【判示事項】  国会議員の期限付逮捕許諾

【参照条文】  憲法50

        国会法33

        刑事訴訟法208

        刑事訴訟法429

【掲載誌】   判例時報22号3頁

 

憲法

第五十条 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

 

国会法

第三十三条 各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。

 

刑事訴訟法

第二百八条 前条の規定により被疑者を勾留した事件につき、勾留の請求をした日から十日以内に公訴を提起しないときは、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

② 裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、前項の期間を延長することができる。この期間の延長は、通じて十日を超えることができない。

 

第四百二十八条 高等裁判所の決定に対しては、抗告をすることはできない。

② 即時抗告をすることができる旨の規定がある決定並びに第四百十九条及び第四百二十条の規定により抗告をすることができる決定で高等裁判所がしたものに対しては、その高等裁判所に異議の申立をすることができる。

③ 前項の異議の申立に関しては、抗告に関する規定を準用する。即時抗告をすることができる旨の規定がある決定に対する異議の申立に関しては、即時抗告に関する規定をも準用する。

 

 

 

 

       主   文

 本件申立はこれを棄却する。

       理   由

 本件準抗告申立の要旨は

1、東京地方検察庁検察官河井信太郎は昭和29年2月16日衆議院議員Aに対し贈賄の被疑事実ありとして東京簡易裁判所に逮捕状を請求し、同裁判所裁判官向井周吉は同日内閣に逮捕許諾の要求書を提出したので、内閣はこれを衆議院に対し附議したところ、衆議院は昭和29年2月23日の本会議において議員Aを同年3月3日まで逮捕することを許諾するとの議決をし、内閣は右期限附許諾の通知を発した。よって向井裁判官は同年2月24日Aに対し逮捕状を発し該逮捕状は即日執行され、その後同月26日常井検察官の請求により東京地方裁判所裁判官井上文夫は同日Aに対して勾留状を発しこれが即日執行されAは引続き東京拘置所に拘束されている。

2、しかしながら憲法第50条国会法第33条は両議院に対し無条件に許諾権を与えているのであって許諾することも又これを拒否することも一に議院の裁量によるのであるから、議院は逮捕の請求をそのまま許諾することができると同時に期限をつけて許諾することもできる筈である。従て本件の如く期限附許諾があつた以上憲法は国家の最高法規として刑事訴訟法の規定に優越する効力を有するのであるから、検察官は昭和29年3月3日までの期限を附して勾留の請求をすべく、裁判官も亦同日までの期限を附した勾留状を発すべきであるにかかわらず何等期限を附さずになした本件勾留の裁判は不法であるからその取消を求めると謂ふのである。

 叙上要旨1に記載した事実は検察庁から取寄せた本件勾留に関する書類及び弁護人から疏明書類として提出された昭和29年2月23日附官報号外の記載によって明白である。

 よって衆議院の逮捕期間を制限してなした逮捕許諾が法律上有効なりや否やについて検討する。

 憲法第50条が両議院の議員は法律の定める場合を除いて国会の会期中逮捕されないことを規定し、国会法第33条が各議院の議員は院外における現行犯の場合を除いては会期中その院の許諾がなければ逮捕されないことを保障している所以のものは、国の立法機関である国会の使命の重大である点を考慮して、現に国会の審議に当っている議院の職務を尊重し、議員に犯罪の嫌疑がある場合においても苟も犯罪捜査権或は司法権の行使を誤り又はこれを濫用して国会議員の職務の遂行を不当に阻止妨害することのないよう、院外における現行犯罪等逮捕の適法性及び必要性の明確な場合を除いて各議院自らに所属議員に対する逮捕の適法性及び必要性を判断する権能を与えたものと解しなければならない。逮捕が適法にしてその必要性の明白な場合においても尚国会議員なるの故をもって適正なる犯罪捜査権或は司法権行使を制限し得るものではない。このことは院外における現行犯罪の場合には議院の許諾なくして逮捕し得るものとしていることによって明瞭である。

 かくの如く議院の逮捕許諾権は議員に対する逮捕の適法性及び必要性を判断して不当不必要な逮捕を拒否し得る権能であるから、議員に対しては一般の犯罪被疑者を逮捕する場合よりも特に国政審議の重要性の考慮からより高度の必要性を要求することもあり得るから、このような場合には尚これを不必要な逮捕として許諾を拒否することも肯認し得るけれども、苟も右の観点において適法にして且必要な逮捕と認める限り無条件にこれを許諾しなければならない。随って議員の逮捕を許諾する限り右逮捕の正当性を承認するものであって逮捕を許諾しながらその期間を制限するが如きは逮捕許諾権の本質を無視した不法な措置と謂はなければならない。正当な逮捕であることを承認する場合においても尚国会審議の重要性に鑑みて逮捕期間の制限を容認し得るならば、院外における現行犯罪の場合においても尚同様の理由によってその逮捕を拒否し又はこれに制限を加へてもよい訳であるが法律はこれを認めないのである。以上の理由により逮捕を許諾しながらその逮捕の期間を制限することは違法である。

 申立人は議院は議員の逮捕を許諾するも将又これを拒否するもその裁量に基く専権であるから、これを許諾する場合に逮捕の期間を制限することは部分的許諾として当然なし得られ有効であると主張するのであるが、逮捕許権はそのように恣意的に行使し得るものではない。

 憲法第50条及び国会法第33条等にいわゆる逮捕は刑事訴訟法所定の被疑者乃至被告人の逮捕勾引勾留等を汎称するものであるがこれらの逮捕、勾引、勾留がすべて憲法及び法律の規定に基いて執行されなければならないことは多言を要しない。法定の期間を超えてこれを勾留することは固より恣に法定期間を短縮して拘禁を解くことも許されないのである。固より立法機関である国会が法律をもって勾留の期間を変更することは可能であるけれども、特定の議員を勾留する場合に法律の規定を無視してその勾留期間を変更制限することはできない。即ち逮捕許諾権は逮捕を許諾するか或はこれを拒否するかそのいずれかを決定すべき権能であって、逮捕勾引勾留等に関する憲法及び法律の諸規定を無視してこれを執行すべきことを要求する権能ではないのである。

 申立人主張の如く憲法が刑事訴訟法に優位するものであることは云うまでもないが、そのことから直ちに憲法所定の議院の逮捕許諾権が刑事訴訟法の規定を無視した法的措置を要求し得る権能であると速断することはできない。議院の逮捕許諾があってはじめて刑事訴訟法所定の逮捕が可能となるのであるから逮捕許諾権は刑事訴訟法に優位する権能であると考へることも誤りである。議院の逮捕許諾権は憲法及び法律に定める手続によって逮捕することを許諾するか否かを決定する権能であって憲法及び法律に定める逮捕以外の方法により逮捕を許諾し又はこれを要求する権能ではない。本件Aの逮捕許諾においてその逮捕期間を制限した点は逮捕許諾権の本質を誤り刑事訴訟法を無視した法的措置を要求するものであって無効である。従って何等制限を附せず刑事訴訟法の規定に準拠してなした本件勾留の裁判は正当であり、これと反対の見解に立ち右裁判の取消を求める本件申立は理由がないから刑事訴訟法第432条第426条第1項によって主文のとおり決定する。

 昭和29年3月6日

   東京地方裁判所刑事第7部

 

 

旧所得税法における時価の意義

 

 

              所得税更正決定処分取消請求控訴事件

【事件番号】      名古屋高等裁判所判決/昭和45年(行コ)第23号

【判決日付】      昭和50年11月17日

【判示事項】      (1) 旧所得税法における時価の意義

             (2) 譲渡土地の時価の認定について、買主の転売価額を基礎として時点修正したものによることが合理的であるとされた事例

             (3) 譲渡土地には賃借権の負担が付着していた旨の納税者の主張が排斥された事例

             (4) 譲渡土地の時価の認定につき、同土地の転売価額を基礎とせず、いわゆる路線価方式によるべき旨の納税者の主張が排斥された事例

             (5) 土地の時価評価につき根抵当権が設定されていることを考慮すべきか

             (6) 譲渡土地の取得価額が分明でない場合、財産税調査時期における財産税評価額を時点修正したものをもって取得価額と認定するのが、相当であるとされた事例

             (7) 譲渡土地の取得価額に関する鑑定評価は、仮換地指定後の状況を所与として評価時点の価額を時点修正したものであり、物件的同一性ないし類似性及び時間的同一性ないし類似性に乏しい取引事例に比準したものであって、採用できないとされた事例

             (8) 譲渡土地につき従前支払った立退料は、譲渡経費にあたらないとされた事例

             (9) 資産の譲渡代金が保証債務の履行に充てられた場合、その求償権の行使不能と譲渡所得の成否

             (10) 旧所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)五条の二第二項の低額譲渡と買主の資力との関係

             (11) 昭和三七年法律第四四号による改正後の旧所得税法一〇条の六第二項(保証債務を履行するため資産の譲渡があり、その履行に伴う求償権の行使不能の場合の所得計算の特例)の規定は、昭和三七年一月一日前の事実に遡及適用することはできないとされた事例

             (12) 所得税法(昭和四八年法律第八号による改正前のもの)五九条二項(みなし譲渡の適用除外)の規定は、同法施行日(昭和四〇年四月一日)前の譲渡に遡及適用することはできないとされた事例

             (13) 課税処分が信義則に反する旨の納税者の主張が排斥された事例

【判決要旨】      (1) 旧所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)五条の二第二項にいう「その譲渡の時における価額」とは、当該譲渡の時における客観的交換価値(市場価値・時価)、いいかえれば、自由市場において、市場の事情に十分通じ、かつ、特別の動機をもたない多数の売り手と買い手が存在する場合に成立すると認められる価格をいうものと解するのが相当である。

             (2)~(4) 省略

             (5) 譲渡土地に根抵当権が設定されていても、当該根抵当権の被担保債権の債務者が右土地の譲受人以外の第三者である場合には、右抵当権の存在によっても右土地の客観的交換価値を減少するものではない。このことは、売買契約における売主の担保責任(民法五六七条)および買主の代金支払拒絶権(同法五七七条)等の規定に照らし明らかである。もっとも、一般の売買取引において、抵当債務の額、買主が所有権を失う危険の程度等をも考慮に入れて売買価額が決定されていることは否定しえないが、これらの事情は極めて不確定な要素を含むものであるのみならず、買主において後日抵当債務の弁済をしたときは債務者等に対し求償権を行使しうるのであるから、右土地の時価算定にあたり根抵当権の存在を斟酌する必要はないものというべきである。また、根抵当権の被担保債権の債務者が右土地の譲受人である場合には、買主において自らの債務を弁済して根抵当権を消滅させれば、買主は何ら負担の存しない土地を取得したことになり、根抵当権が実行されたとしても、右土地の競落代金をもって買主の債務が弁済され、残額は買主に交付されるから、右土地の交換価値のすべてを享受しえたことになるから、右土地の時価算定上根抵当権消滅のための費用を控除すべき理由はない。

             (6)~(8) 省略

             (9) 土地の譲渡代金が保証債務の弁済に充てられ、これによる求償権の行使が事実上不能であるとしても、右保証債務は、本件土地の売却により、その代金を取得すると否とに無関係に納税者がこれを弁済すべきものであるから、右代金を右債務の弁済に充てたからといって、本件土地の譲渡による所得がなかったとはいえず、また、求償権が事実上行使できないとの事情は、譲渡所得の成否に何らの消長をきたすものではない。

             (10) 旧所得税法(昭和四〇年法律第三三号による改正前のもの)五条の二第二項の規定は、著しく低い価額の対価で資産の譲渡があった場合に、譲渡の時における価額により当該資産の譲渡があったものとみなして課税するのであって、当該譲渡契約の私法上の効力に何ら影響を及ぼすものではないから、譲渡価額を超える部分について売主に代金請求権が発生するものではなく、右部分を買主から回収することが事実上可能であるか否かは、同条の適用にかかわりがないというべきである。

             (11)~(13) 省略

【掲載誌】        税務訴訟資料83号502頁

 

昭和四十年法律第三十三号

所得税法

(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)

第五十九条 次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。

一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)

二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。

(贈与等により取得した資産の取得費等)

第六十条 居住者が次に掲げる事由により取得した前条第一項に規定する資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が引き続きこれを所有していたものとみなす。

一 贈与、相続(限定承認に係るものを除く。)又は遺贈(包括遺贈のうち限定承認に係るものを除く。)

二 前条第二項の規定に該当する譲渡

2 前項の場合において、同項第一号に掲げる相続又は遺贈により取得した次の各号に掲げる資産を譲渡したときにおける当該資産の取得費については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。

一 配偶者居住権の目的となつている建物 当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該建物を譲渡した時において前項の規定により当該建物の取得費の額として計算される金額から当該建物を譲渡した時において当該配偶者居住権が消滅したとしたならば次項の規定により配偶者居住権の取得費とされる金額を控除する。

二 配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地(土地の上に存する権利を含む。以下この号及び次項第二号において同じ。) 当該建物に配偶者居住権が設定されていないとしたならば当該土地を譲渡した時において前項の規定により当該土地の取得費の額として計算される金額から当該土地を譲渡した時において当該土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利が消滅したとしたならば次項の規定により当該権利の取得費とされる金額を控除する。

3 第一項の場合において、同項第一号に掲げる相続又は遺贈により取得した次の各号に掲げる権利が消滅したときにおける譲渡所得の金額の計算については、同項の規定にかかわらず、当該各号に定めるところによる。この場合において、第三十八条第二項(譲渡所得の金額の計算上控除する取得費)の規定は、適用しない。

一 配偶者居住権 当該相続又は遺贈により当該配偶者居住権を取得した時において、その時に当該配偶者居住権の目的となつている建物を譲渡したとしたならば当該建物の取得費の額として計算される金額のうちその時における配偶者居住権の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該配偶者居住権を取得したものとし、当該金額から当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該配偶者居住権の第三十八条第一項に規定する取得費とする。

二 配偶者居住権の目的となつている建物の敷地の用に供される土地を当該配偶者居住権に基づき使用する権利 当該相続又は遺贈により当該権利を取得した時において、その時に当該土地を譲渡したとしたならば当該土地の取得費の額として計算される金額のうちその時における当該権利の価額に相当する金額に対応する部分の金額として政令で定めるところにより計算した金額により当該権利を取得したものとし、当該金額から当該配偶者居住権の存続する期間を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を控除した金額をもつて当該権利の第三十八条第一項に規定する取得費とする。

4 居住者が前条第一項第一号に掲げる相続又は遺贈により取得した資産を譲渡した場合における事業所得の金額、山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その者が当該資産をその取得の時における価額に相当する金額により取得したものとみなす。

 

所得税法施行令

(時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲)

第百六十九条 法第五十九条第一項第二号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する政令で定める額は、同項に規定する山林又は譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の二分の一に満たない金額とする。

法学教室 2024年2月号(No.521) ◆特集2 エネルギー環境法入門

 

 

有斐閣

2024年01月26日 発売

定価  1,650円(本体 1,500円)

 

 

特集2はエネルギー環境法入門。エネルギー問題は地球の存亡に関わるほどの大問題ですが、エネルギー制度そのものの大転換とともに、小石を積むような地道で息の長い取組も必要です。カーボンニュートラル宣言の期限は2050年。地球全体の未来のため、あと四半世紀のうちに、私たちは何をすべきで、何ができるでしょうか。本特集で正確な知識を備え、未来を見据えてください。

 

寒く厳しい季節ですが、そのような中にあっても花のつぼみは確実にふくらんでゆきます。春はもうすぐそこです。

 

 

◆特集2 エネルギー環境法入門

1 気候変動法とエネルギー法の交錯…高村ゆかり……39

 

2 電力市場のグリーン化のための法制度…島村 健……43

 

3 再生可能エネルギーと地域の土地利用…内藤 悟……49

 

4 エネルギー転換を促進する電力システム改革…高橋 洋……53

 

コメント

エネルギー環境法の制度の概要が分かりやすい。

 

 

相続税法22条の定める「当該財産の取得の時における時価」を相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17国税庁長官通達、平成3年12月18日付け課評2-4課資1-6により「財産評価基本通達」と題名改正、平成2年8月3日付け直評12、直資2-203による改正前)の定める評価方法以外の方法で評価することの可否

 

 

贈与税更正処分取消請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成7年(行コ)第99号

【判決日付】      平成7年12月13日

【判示事項】      1、相続税法22条の定める「当該財産の取得の時における時価」を相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17国税庁長官通達、平成3年12月18日付け課評2-4課資1-6により「財産評価基本通達」と題名改正、平成2年8月3日付け直評12、直資2-203による改正前)の定める評価方法以外の方法で評価することの可否

             2、負担付贈与に係る上場株式の時価を証券取引所の公表する課税時期の最終価格と評価してした贈与税の更正処分等の取消請求が、棄却された事例

【判決要旨】      1、相続税法22条の定める「当該財産の取得の時における時価」とは、課税時期においてそれぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われた場合に通常成立する価格をいうところ、課税実務上は、これを相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17国税庁長官通達、平成3年12月18日付け課評2-4課資1-6により「財産評価基本通達」と題名改正、平成2年8月3日付け直評12、直資2-203による改正前)によってあらかじめ定められた評価方法により画一的に評価する取扱いをしており、このような取扱いは、納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみて合理的であり、租税平等主義にかなうというべきであるが、同通達による評価方法を形式的、画一的に適用することによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害し、また、相続税法や同通達の趣旨に反するような結果を招来するような場合には、他の合理的な方法によることが許される。

             2、負担付贈与に係る上場株式の時価を証券取引所の公表する課税時期の最終価格と評価してした贈与税の更正処分等の取消請求につき、当該負担付贈与を含む一連の取引は、前記株式の、贈与時点における市場価格と相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17国税庁長官通達、平成3年12月18日付け課評2-4課資1-6により「財産評価基本通達」と題名改正、平成2年8月3日付け直評12、直資2-203による改正前)による評価額とのかい離を利用して、専ら贈与税の負担を回避する目的で計画的に行われたものであり、このような取引について同通達を適用することは、株式の市場価格の偶発性を排除し評価の安全を図ろうとする同通達の趣旨に反する上、租税負担の公平を著しく害し相続税法の立法趣旨に反する著しく不相当な結果をもたらすこととなるというべきであるから、同通達の定める評価方法を形式的に適用することなく、上場株式の客観的な市場価格である前記最終価格をもって評価することに合理性があるとして、前記請求を棄却した事例

【参照条文】      相続税法22

           相続税財産評価に関する基本通達(昭和39年4月25日付け直資56、直審(資)17国税庁長官通達、平成3年12月18日付け課評2-4課資1-6により「財産評価基本通達」と題名改正、平成2年8月3日付け直評12、直資2-203による改正前)169

【掲載誌】        行政事件裁判例集46巻12号1143頁

             税務訴訟資料214号757頁

【評釈論文】      税務事例28巻11号17頁

 

相続税法

(評価の原則)

第二十二条 この章で特別の定めのあるものを除くほか、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価額から控除すべき債務の金額は、その時の現況による。

 

一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず建物全部について賃借権設定登記がされている場合に右登記の抹消登記手続請求を認容すべき範囲

 

 

賃借権設定登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成4年(オ)第2188号

【判決日付】      平成7年1月19日

【判示事項】      一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず建物全部について賃借権設定登記がされている場合に右登記の抹消登記手続請求を認容すべき範囲

【判決要旨】      一棟の建物のうち構造上及び利用上の独立性のある建物部分に賃借権が設定されたにもかかわらず、建物全部について賃借権設定登記がされている場合、右登記の抹消登記手続請求は、右建物部分を除く残余の部分に関する限度において認容すべきである。

【参照条文】      民法177

             建物の区分所有等に関する法律1

             不動産登記法94の2

             不動産登記法96の2

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事174号1頁

             裁判所時報1139号27頁

             判例タイムズ871号300頁

             金融・商事判例965号3頁

             判例時報1520号84頁

             金融法務事情1417号55頁

 

民法

(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

 

建物の区分所有等に関する法律

(建物の区分所有)

第一条 一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とすることができる。

 

不動産登記法

(賃借権の登記等の登記事項)

第八十一条 賃借権の登記又は賃借物の転貸の登記の登記事項は、第五十九条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。

一 賃料

二 存続期間又は賃料の支払時期の定めがあるときは、その定め

三 賃借権の譲渡又は賃借物の転貸を許す旨の定めがあるときは、その定め

四 敷金があるときは、その旨

五 賃貸人が財産の処分につき行為能力の制限を受けた者又は財産の処分の権限を有しない者であるときは、その旨

六 土地の賃借権設定の目的が建物の所有であるときは、その旨

七 前号に規定する場合において建物が借地借家法第二十三条第一項又は第二項に規定する建物であるときは、その旨

八 借地借家法第二十二条第一項前段、第二十三条第一項、第三十八条第一項前段若しくは第三十九条第一項、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十二条第一項又は大規模な災害の被災地における借地借家に関する特別措置法第七条第一項の定めがあるときは、その定め

 

建設業違反の行為の効力

 

最判昭和39年9月8日裁判集民事75号177頁 

建設業法19条は、書面によらない建設契約を無効とする趣旨ではないと解すべきである。

 

建設業法

(建設工事の請負契約の内容)

第十九条 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

一 工事内容

二 請負代金の額

三 工事着手の時期及び工事完成の時期

四 工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容

五 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法

六 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め

七 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め

八 価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)第二条に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更

九 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め

十 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め

十一 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期

十二 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法

十三 工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容

十四 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

十五 契約に関する紛争の解決方法

十六 その他国土交通省令で定める事項

2 請負契約の当事者は、請負契約の内容で前項に掲げる事項に該当するものを変更するときは、その変更の内容を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

3 建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。この場合において、当該国土交通省令で定める措置を講じた者は、当該各項の規定による措置を講じたものとみなす。

 

民法等の一部を改正する法律について

令和5年1月13日

民法等の一部を改正する法律について

 令和4年12月10日、民法の嫡出推定制度の見直し等を内容とする民法等の一部を改正する法律(令和4年法律第102号。以下「本法律」といいます。)が成立し、同月16日に公布されました。本法律は、令和6年4月1日から施行されます(懲戒権に関する規定等の見直しに関する規定は、令和4年12月16日から施行されました。)。

 

1 嫡出推定制度の見直しのポイント

 ○ 婚姻の解消等の日から300日以内に子が生まれた場合であっても、母が前夫以外の男性と再婚した後に生まれた子は、再婚後の夫の子と推定することとしました。

 ○ 女性の再婚禁止期間を廃止しました。

 ○ これまでは夫のみに認められていた嫡出否認権を、子及び母にも認めました。

 ○ 嫡出否認の訴えの出訴期間を1年から3年に伸長しました。

 

旧民法

(再婚禁止期間)

第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。

一 女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合

二 女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

 

(嫡出の推定)

第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

 

 

 

 

※【重要なお知らせ】無戸籍でお困りの方へ

 嫡出推定制度に関する改正後の規定は、原則として、本法律の施行日(令和6年4月1日)以後に生まれる子に適用されますが、本法律の施行日前に生まれた方やその母も、本法律の施行の日(令和6年4月1日)から1年間に限り、嫡出否認の訴えを提起して、血縁上の父ではない者が子の父と推定されている状態を解消することが可能です。対象となる方は、訴えを提起できる期間が限定されていますので御注意ください。御不明の点があれば、全国の法務局・地方法務局又はお住まいの市区町村の戸籍窓口に御連絡ください。

 なお、法務局・地方法務局の連絡先は、次のリンクを御覧ください。

https://www.moj.go.jp/MINJI/consultation.html

 

2 懲戒権に関する規定等の見直しのポイント

 ○ 懲戒権に関する規定を削除しました。

 ○ 子の監護及び教育における親権者の行為規範として、子の人格の尊重等の義務及び体罰などの子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の禁止を明記しました。

 

3 その他の改正内容

  このほか、本法律では、子の地位の安定を図る観点から、事実に反する認知についてその効力を争うことができる期間に関する規定を設けるなどしています。

  今回の改正に関するその他の内容等については、以下の資料を御覧ください。

 

 

法学教室 2024年2月号(No.521) ◆特集1 研究者という選択肢

 

有斐閣

2024年01月26日 発売

定価  1,650円(本体 1,500円)

 

節目の春を目前に、進路選択などで迷うこともあるかもしれません。とくに大学生のみなさまは、就職という人生最大の岐路がもう目の前にあることでしょう。世の中にはたくさんの職業がありますが、この超情報社会にあってなお実態がよくわからない職種の一つが「研究者」ではないでしょうか。そんな「研究者」になるという選択肢を、みなさまの人生に加えていただきたいと思い、特集1を企画しました。「誰でもなれるわけじゃない。でも、すべての仕事は、たいていそういうものだ」というのは、本企画中のとある先生の言ですが、まさにそのとおりだと思います。8名の先生方に、編集室の思惑を超えて(?)研究者の実態/実像をざっくばらんに語っていただきました。この特集をきっかけに研究者を志してくださる方がいて、その方が、いつか法学教室にご寄稿くださるようなことがあったら、これほど嬉しいことはありません。

 

◆特集1 研究者という選択肢

Ⅰ 〔座談会〕

研究者の素顔――進路・仕事・生活…興津征雄(司会)/神吉知郁子/大島梨沙/品田智史……6

 

Ⅱ 〔インタビュー〕

私の選択…大島義則……26

 

私の選択…荻野奈緒……29

 

私の選択…舩津浩司……32

 

私の選択…吉開多一……35

 

コメント

法学者は、研究テーマ、外国語である英語、ドイツ語、フランス語ができれば、成り立つそうです。

 

 

所得税法36条1項、2項(収入金額)及び所得税法59条1項2号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する「価額」の意義

 

 

              所得税更正処分等取消請求事件

【事件番号】      大分地方裁判所判決/平成9年(行ウ)第6号

【判決日付】      平成13年9月25日

【判示事項】      (1) 所得税法36条1項、2項(収入金額)及び所得税法59条1項2号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する「価額」の意義

             (2) 納税者が代表者となっている訴外O社の株式(取引相場のない株式)を、同族会社である訴外A社に納税者が譲渡したことについて、低廉譲渡として、課税庁がみなし譲渡所得課税を行ったことについて、本件譲渡取引に先立つ1年ないし2年前に、O社の役員がO社株式を訴外A社に対して譲渡しており、その譲渡価額は、本件取引価額と同額であって、①甲社役員の取引と本件取引との時間的間隔をもって、時価算定の参考にならないということはできないこと、②訴外A社は、甲社の従業員持株会社的側面を有するが、O社役員と訴外A社との取引が適正と認められないことを推認させる証拠はないこと、等からして本件取引は低廉譲渡にあたらないとして、低廉譲渡であるとの課税庁の主張が排斥された事例

             (3) 納税者が取引相場のない株式を訴外A社に譲渡し、課税庁が当該取引を低廉譲渡として、純資産額方式及び類似業種批准方式により「時価」を算定し、みなし譲渡所得課税を行ったことについて、本件各取引は、同族会社の株式を少数株主が取得する場合と認められ、譲受人A社は配当期待権以上のものを有せず、本件各取引の事情や本件取引の前に売買実例が存することを考慮すると、売買実例価額ないし配当還元方式によった場合と著しい差異が生じるのに、純資産額方式及び類似業種批准方式に依拠して時価を算定することはおよそ合理的であるとは認められず、適法であるということはできないとされた事例

【判決要旨】      (1) 所得税法36条1項、2項及び所得税法59条1項2号に規定する「価額」とは、いずれも譲渡所得の基因となる資産の移転の事由が生じた時点における時価、すなわち、その時点における当該資産等の客観的交換価値を指すものと解するべきであり、右交換価値とは、それぞれの財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間において自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額であって、いわゆる市場価格をいうものと解するのが相当である。

             (2)・(3) 省略

【掲載誌】        税務訴訟資料251号順号8982

 

所得税法

(収入金額)

第三十六条 その年分の各種所得の金額の計算上収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。

2 前項の金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。

3 無記名の公社債の利子、無記名の株式(無記名の公募公社債等運用投資信託以外の公社債等運用投資信託の受益証券及び無記名の社債的受益権に係る受益証券を含む。第百六十九条第二号(分離課税に係る所得税の課税標準)、第二百二十四条第一項及び第二項(利子、配当等の受領者の告知)並びに第二百二十五条第一項及び第二項(支払調書及び支払通知書)において「無記名株式等」という。)の剰余金の配当(第二十四条第一項(配当所得)に規定する剰余金の配当をいう。)又は無記名の貸付信託、投資信託若しくは特定受益証券発行信託の受益証券に係る収益の分配については、その年分の利子所得の金額又は配当所得の金額の計算上収入金額とすべき金額は、第一項の規定にかかわらず、その年において支払を受けた金額とする。

 

(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)

第五十九条 次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。

一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)

二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)

2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。

 

所得税法施行令

(時価による譲渡とみなす低額譲渡の範囲)

第百六十九条 法第五十九条第一項第二号(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)に規定する政令で定める額は、同項に規定する山林又は譲渡所得の基因となる資産の譲渡の時における価額の二分の一に満たない金額とする。

 

 

 

       主   文

 

 1 被告が亡甲に対し、亡甲の平成4年分所得税につき、平成8年2月27日付けでした更正処分及び過少申告加算税の賦課決定をいずれも取り消す。

 2 被告が亡甲に対し、同日付けでした亡甲の平成5年分所得税の総所得金額を金1971万1098円と更正した処分のうち金502万5598円を超える部分及び過少申告加算税を金41万7000円とする賦課決定をいずれも取り消す。

 3 訴訟費用は被告の負担とする。