不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲
配当異議事件
【事件番号】 最高裁判所第1小法廷判決/平成6年(オ)第2037号
【判決日付】 平成9年11月13日
【判示事項】 不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲
【判決要旨】 滞納に係る国税の本税の金額が法定納期限後における一部納付等により減少した場合において、税務署長が、不動産競売の執行裁判所に対し、交付要求書の本税の欄に交付要求時に存在する本税の金額を記載し、延滞税の欄には具体的金額を記載せず法律による金額の交付を求める旨のみを記載して交付要求をしたときは、その効力は、交付要求時以前に消滅した本税部分の金額に対応して計算される延滞税の金額には及ばない。
【参照条文】 民事執行法49-2
民事執行法51-1
民事執行法87-1
国税徴収法82
国税徴収法施行令36-1
国税徴収法施行規則3-1
国税通則法60
【掲載誌】 最高裁判所民事判例集51巻10号4107頁
民事執行法
(開始決定及び配当要求の終期の公告等)
第四十九条 強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。
2 裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。
一 第八十七条第一項第三号に掲げる債権者
二 第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)
三 租税その他の公課を所管する官庁又は公署
3 裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。
4 裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。
5 第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。
6 第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。
(配当要求)
第五十一条 第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。
2 配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。
(配当等を受けるべき債権者の範囲)
第八十七条 売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。
一 差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)
二 配当要求の終期までに配当要求をした債権者
三 差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者
四 差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)
2 前項第四号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。
3 差押えに係る強制競売の手続が停止され、第四十七条第六項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第一項第四号に規定する権利を有する債権者は、配当等を受けることができる。
国税徴収法
(交付要求の手続)
第八十二条 滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、税務署長は、執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号(租税等の請求権の届出)に掲げる請求権に係る国税の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所。第八十四条第二項(交付要求の解除)において同じ。)に対し、滞納に係る国税につき、交付要求書により交付要求をしなければならない。
2 税務署長は、交付要求をしたときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。
3 第五十五条(質権者等に対する差押の通知)の規定は、交付要求をした場合について準用する。
国税徴収法施行令
(交付要求書の記載事項等)
第三十六条 交付要求書には、次の事項を記載しなければならない。
一 滞納者の氏名及び住所又は居所
二 交付要求に係る国税の年度、税目、納期限及び金額
三 交付要求に係る強制換価手続の開始されている財産の名称、数量、性質及び所在(その手続が滞納処分以外の手続である場合には、その手続に係る事件の表示並びに当該財産がその手続に係る財産の一部であるときは、その名称、数量、性質及び所在)
2 法第八十二条第二項(交付要求)の規定による通知は、次の事項を記載した書面でしなければならない。
一 執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号(租税等の請求権の届出)に掲げる請求権に係る国税の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所。次条第二号において同じ。)の名称
二 前項第二号及び第三号に掲げる事項
三 交付要求の年月日
3 法第八十二条第三項において準用する法第五十五条(質権者等に対する差押の通知)の通知は、前項各号に掲げる事項並びに滞納者の氏名及び住所又は居所を記載した書面でしなければならない。
4 前項に規定する通知及び法第八十四条第三項(交付要求の解除の通知)において準用する法第五十五条の規定による通知は、交付要求に係る強制換価手続が企業担保権の実行手続又は破産手続であるときは、することを要しない。
国税通則法
(延滞税)
第六十条 納税者は、次の各号のいずれかに該当するときは、延滞税を納付しなければならない。
一 期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。
二 期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第二十五条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税があるとき。
三 納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第五号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く。)をその法定納期限後に納付するとき。
四 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。
五 源泉徴収等による国税をその法定納期限までに完納しないとき。
2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であつたことにより納付すべきこととなつた国税、輸入の許可を受けて保税地域から引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第十七条第三項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税を除く。)その他政令で定める国税については、政令で定める日。次条第二項第一号において同じ。)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額とする。ただし、納期限(延納又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項並びに第六十三条第一項、第四項及び第五項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間又は納期限の翌日から二月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した額とする。
3 第一項の納税者は、延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。
4 延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。