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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

国の国家公務員に対する安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求と右義務違反の事実に関する主張・立証責任

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/昭和54年(オ)第903号

【判決日付】      昭和56年2月16日

【判示事項】      国の国家公務員に対する安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求と右義務違反の事実に関する主張・立証責任

【判決要旨】      国の国家公務員に対する安全配慮義務違反を理由として国に対し損害賠償を請求する訴訟においては、原告が、右義務の内容を特定し、かつ、義務違反に該当する事実を主張・立証する責任を負う。

【参照条文】      民法1の3

             民法415

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集35巻1号56頁

 

民法

(基本原則)

第一条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。

3 権利の濫用は、これを許さない。

 

(債務不履行による損害賠償)

第四百十五条 債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

2 前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一 債務の履行が不能であるとき。

二 債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三 債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 

 第3章 特許法改正の概要

今回の特許法改正により、「査証制度」が導入されました。 特許権侵害の被害者(特許権者)は、侵害訴訟において、 新たな証拠の収集手続きである「査証制度」を利用して、侵害を証明することができるようになりました。

概要は、大きく2つのポイントとなります。

 

改正ポイント(2つ)

ポイント1

特許権者は、証拠収集手続きとして、「査証制度」を利用することができる(105条の2~105条の2の10の新設)

 

ポイント2

特許権者は、一定の要件を満たせば、「査証制度」を利用することができる(新設された105条の2)

*4つの要件

① 必要性

② 蓋然性

③ 補充性

④ 相当性

 

東京都下の市内を貫く幅36メートルの幹線道路(府中所沢線)を新設する都市計画事業の認可について,事業地内等に居住する住民が,道路の必要性や公共性の不存在,大気汚染の激化,騒音・振動被害の発生,住民に対する説明義務違反等を主張して,その取消を求めた事案

 

東京地方裁判所判決/平成19年(行ウ)第770号

平成23年3月29日

都市計画道路事業認可取消請求事件

【判示事項】    都下の市内を貫く幅36メートルの幹線道路(府中所沢線)を新設する都市計画事業の認可について,事業地内等に居住する住民が,道路の必要性や公共性の不存在,大気汚染の激化,騒音・振動被害の発生,住民に対する説明義務違反等を主張して,その取消を求めた事案。

裁判所は,関係地外に居住する原告らは,本件事業の実施により大気汚染,騒音等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受ける恐れがあるとは言えないとして,原告適格を否定して訴えを却下し,本件事業認可について,その必要性や各種被害等の主張に対し,いずれも裁量権の範囲を逸脱し,又は濫用に当たらないとして,その余の原告に対し,請求を棄却した事例

【掲載誌】     LLI/DB 判例秘書登載

 

 

       主   文

 1 本件訴えのうち別紙1「当事者目録」の[原告]記載3の原告らの請求に係る部分をいずれも却下する。

 2 別紙1「当事者目録」の[原告]記載3及び4の原告らを除くその余の原告らの請求をいずれも棄却する。

 3 1項及び前項に関する訴訟費用のうち補助参加によって生じたもの以外のものは,別紙1「当事者目録」の[原告]記載1ないし3の原告らの,そのうち補助参加によって生じたものは別紙1「当事者目録」の[原告ら補助参加人]記載の補助参加人らの各負担とする。

 4 本件訴えのうち別紙1「当事者目録」の[原告]記載4の原告らの請求に係る部分は,別紙2「死亡者目録」記載の日に,同原告らの死亡により,いずれも終了した。

       事実及び理由

第1 請求

   関東地方整備局長が平成19年11月26日付けで参加人に対してした国分寺都市計画道路事業3・2・8号府中所沢線の都市計画事業の認可(国関整計管認東第11号)を取り消す。

第2 事案の概要

   本件は,国土交通大臣から権限の委任を受けた関東地方整備局長が,国分寺都市計画道路(以下「本件都市計画」という。)中の3・2・8号府中所沢線(以下「本件都市計画道路」という。)のうち,施行者である参加人が申請した東京都府中市(以下「府中市」という。)武蔵台3丁目を起点とし東京都国分寺市(以下「国分寺市」という。)東戸倉2丁目を終点とする区間(以下「本件事業区間」という。)に幅員36.0m(標準)とし延長2530mとする道路(以下「本件道路」という。)を新設することを内容とする都市計画事業(国分寺都市計画道路事業3・2・8号府中所沢線。以下「本件事業」という。)の認可(以下「本件事業認可」という。)をしたことについて,本件事業の事業地内又はその付近の住民である原告らが,本件事業認可やその前提となる本件都市計画に関して,本件道路の必要性や公共性が存在しないこと,本件道路が大気の汚染を激化させ,騒音被害を発生させるものであること,住民に対する説明義務を怠ったことなどの違法があると主張し,本件事業認可の取消しを求めた事案である。

 1 関係法令の定め

   別紙3「関係法令の定め」に記載したとおりである(同別紙で定める略称等は,以下においても用いることとする。)。

 2 前提事実(争いのない事実及び文中記載の証拠等により認定した事実)

  (1) 原告等

   ア 別紙1「当事者目録」の[原告]記載1の原告ら(以下「第1原告ら」という。)は,いずれも,本件事業の事業地内の不動産について所有権等の権利を有して上記の事業地内に居住している者である。

   イ 別紙1「当事者目録」の[原告]記載2の原告ら(以下「第2原告ら」という。)は,いずれも,後記(3)ケのとおり本件事業に係る本件条例の事業段階関係地域とみなされた別紙4の地域(以下「本件関係地域」という。)内に居住する者である。

   ウ 別紙1「当事者目録」の[原告]記載3の原告ら(以下「第3原告ら」といい,原告X1を「原告X1」といい,原告X2を「原告X2」といいい,原告X3を「原告X3」という。)は,いずれも,本件関係地域外に居住する者である。

   エ 別紙1「当事者目録」の[原告]記載4の原告ら(以下「第4原告ら」という。)は,いずれも,本件訴えの提起の当時,本件関係地域内に居住していた者であるが,それぞれ,別紙2「死亡者目録」の死亡日記載の日に死亡した。

  (2) 本件都市計画道路に係る都市計画の経緯

   ア 昭和18年(乙3)

     内務大臣は,旧都市計画法(大正8年法律第36号。以下「旧都市計画法」という。)3条に基づき,立川都市計画街路の決定(以下「昭和18年決定」という。)をし,昭和18年8月4日付けで,これの告示(内務省告示第530号)をし,縦覧に供した。昭和18年決定のうち本件都市計画道路に係る部分(街路番号は2等大路第2類第3号である。)については,国分寺町大字内藤新田を起点とし,同町大字戸倉新田を終点として,幅員を15mとするものである。

   イ 昭和36年(乙4,5)

     建設大臣は,旧都市計画法3条に基づき,立川都市計画街路の決定及び廃止(以下「昭和36年決定」という。)をし,昭和36年10月5日付けで,これの告示(建設省告示第2295号)をし,縦覧に供した。昭和36年決定のうち本件都市計画道路に係る部分については,街路番号の変更(変更後の街路番号は2等大路第2類第22号である。)をした上で,昭和18年決定はなお効力を有するとするものである。

   ウ 昭和37年(乙6,7)

     建設大臣は,旧都市計画法3条に基づき,立川都市計画街路の追加,変更及び廃止(以下「昭和37年決定」という。)をし,昭和37年6月19日付けで,これの告示(建設省告示第1422号)をし,縦覧に供した。昭和37年決定のうち本件都市計画道路に係る部分は,街路番号の変更(変更後の街路番号は1等大路第3類第3号である。)をし,街路名称を府中所沢線とし,府中市武蔵台を起点とし,国分寺町大字戸倉新田を終点とし,府中市武蔵台を主要経過地とし,幅員を28mとし,延長を約2570mとするものである。

   エ 昭和40年(乙8,9)

     建設大臣は,旧都市計画法3条に基づき,本件都市計画道路を含む国分寺都市計画街路の決定(以下「昭和40年決定」という。なお,昭和40年決定は,都市計画法施行法2条に基づき,都市計画法(昭和43年法律第100号。昭和44年6月14日施行)の規定による相当の都市計画とみなすものとされた。)をし,昭和40年4月13日付けで,これの告示(建設省告示第1273号)をし,縦覧に供した。昭和40年決定のうち本件都市計画道路に係る部分は,街路番号の変更(変更後の街路番号は1等大路第3類第1号である。)をし,街路名称を府中所沢線とし,府中市武蔵台2丁目13番地を起点とし,国分寺町大字戸倉新田字窪東128番地を終点とし,同町大字内藤新田字久保192番地を主な経過地とし,幅員を36~28mとし,延長を約2570mとするものである。

   オ 平成元年(乙10,11)

     参加人は,都市計画法21条2項(平成2年法律第61号による改正前のもの)において準用する同法18条1項(平成11年法律第87号による改正前のもの)の規定に基づき,国分寺都市計画道路の名称の変更(以下「平成元年決定」という。)をし,平成元年6月16日付けで,これの告示(東京都告示第672号)をし,公衆の縦覧に供した。平成元年決定により,本件都市計画道路の名称については3・3・8号府中所沢線に変更された。

   カ 平成18年(乙12,13)

     参加人は,以下の手続を経て,都市計画法21条2項(平成18年法律第46号による改正前のもの。以下同じ。)において準用する同法18条1項に基づき,国分寺都市計画道路の変更(以下「平成18年決定」という。)をし,平成18年8月22日付けで,同法21条2項において準用する同法20条1項及び2項の規定に基づき,これの告示(東京都告示第1221号)をし,公衆の縦覧に供した。平成18年決定の概要は,①国分寺都市計画道路のうち本件都市計画道路の名称を「3・2・8号府中所沢線」に変更し,②幅員を一部の41m又は43mとする部分を除き36mに変更し,③府中市武蔵台3丁目から国分寺市東戸倉2丁目までの区間(延長約2570m)に幅員10mの環境施設帯を設置し,④車線の数を4車線に決定するというものである。

    (平成18年決定の手続)

    (ア) 参加人は,平成18年4月17日,都市計画法21条2項において準用する同法18条1項の規定に基づき,関係市である国分寺市及び府中市に対し,平成18年決定の案について意見を照会し,同年7月5日,府中市長から意見はない旨の回答を,同月11日,国分寺市長から案のとおり了承する旨の回答を,それぞれ得た。(乙15の1,16の1~4)

    (イ) 参加人は,平成18年5月24日,都市計画法23条6項の規定に基づき,本件都市計画道路を管理することとなる東京都知事(以下「都知事」という。)に平成18年決定の案について協議し,同年7月7日,都知事から本件都市計画道路を都道として管理する旨の回答を得た。

     (乙15の1,18の1及び2)

    (ウ) 参加人は,平成18年6月2日,都市計画法21条2項において準用する同法17条1項の規定に基づき,平成18年決定をしようとする旨を公告し,その案を,当該決定をしようとする理由を記載した書面を添えて,同日から同月16日までの2週間,東京都庁,府中市役所及び国分寺市役所において公衆の縦覧に供した。(乙14の1~5,15の1,弁論の全趣旨)

    (エ) 参加人は,前記(ウ)の縦覧期間満了の日までに,関係市の住民及び利害関係人から都市計画法21条2項において準用する同法17条2項の規定に基づく意見書(反対意見)1通の提出を受けた。(乙15の1,弁論の全趣旨)

    (オ) 参加人は,平成18年7月18日付けで,都市計画法21条2項において準用する同法18条1項の規定に基づき,平成18年決定の案を東京都都市計画審議会に付議し,同審議会は,同月28日付けで,上記の案のとおり議決した。(乙17の1及び2)

    (カ) 参加人は,平成18年8月2日付けで,都市計画法21条2項において準用する同法18条3項の規定に基づき,平成18年決定の案について,国土交通大臣から権限の委任を受けた関東地方整備局長に協議し,同月7日付けで同局長の同意を得た。(乙15の1~3)

    (キ) なお,平成16年11月17日から19日までの間並びに平成18年2月15日から17日までの間,各日1回,関係市の住民に対し,平成18年決定の素案について説明会が開催された。(乙15の1,20の1~3,21)

   キ 本件都市計画道路の概要

     平成18年決定後の本件都市計画道路(国分寺都市計画道路3・2・8号府中所沢線)の概要は,以下のとおりであり,その位置関係は,別紙5のとおりである。

    (ア) 種別       幹線街路

    (イ) 名称 番号    3・2・8

           路線名   府中所沢線

    (ウ) 位置 起点    府中市武蔵台3丁目

           終点    国分寺市東戸倉2丁目

           主な経過地 国分寺市日吉町4丁目

    (エ) 区域 延長    約2570m

    (オ) 構造 構造形式  地表式

           車線の数  4車線

           幅員    36mないし43m

           地表式の区間における鉄道等との交差の構造

                 JR中央線と立体交差1か所

                 西武鉄道国分寺線と立体交差1か所

                 幹線街路3・4・10号線と立体交差1か所

                 幹線街路と平面交差3か所

不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲

 

 

              配当異議事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成6年(オ)第2037号

【判決日付】      平成9年11月13日

【判示事項】      不動産競売手続において交付要求書の延滞税の欄に法律による金額の交付を求める旨のみを記載してした交付要求の効力の及ぶ範囲

【判決要旨】      滞納に係る国税の本税の金額が法定納期限後における一部納付等により減少した場合において、税務署長が、不動産競売の執行裁判所に対し、交付要求書の本税の欄に交付要求時に存在する本税の金額を記載し、延滞税の欄には具体的金額を記載せず法律による金額の交付を求める旨のみを記載して交付要求をしたときは、その効力は、交付要求時以前に消滅した本税部分の金額に対応して計算される延滞税の金額には及ばない。

【参照条文】      民事執行法49-2

             民事執行法51-1

             民事執行法87-1

             国税徴収法82

             国税徴収法施行令36-1

             国税徴収法施行規則3-1

             国税通則法60

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集51巻10号4107頁

 

民事執行法

(開始決定及び配当要求の終期の公告等)

第四十九条 強制競売の開始決定に係る差押えの効力が生じた場合(その開始決定前に強制競売又は競売の開始決定がある場合を除く。)においては、裁判所書記官は、物件明細書の作成までの手続に要する期間を考慮して、配当要求の終期を定めなければならない。

2 裁判所書記官は、配当要求の終期を定めたときは、開始決定がされた旨及び配当要求の終期を公告し、かつ、次に掲げるものに対し、債権(利息その他の附帯の債権を含む。)の存否並びにその原因及び額を配当要求の終期までに執行裁判所に届け出るべき旨を催告しなければならない。

一 第八十七条第一項第三号に掲げる債権者

二 第八十七条第一項第四号に掲げる債権者(抵当証券の所持人にあつては、知れている所持人に限る。)

三 租税その他の公課を所管する官庁又は公署

3 裁判所書記官は、特に必要があると認めるときは、配当要求の終期を延期することができる。

4 裁判所書記官は、前項の規定により配当要求の終期を延期したときは、延期後の終期を公告しなければならない。

5 第一項又は第三項の規定による裁判所書記官の処分に対しては、執行裁判所に異議を申し立てることができる。

6 第十条第六項前段及び第九項の規定は、前項の規定による異議の申立てがあつた場合について準用する。

 

(配当要求)

第五十一条 第二十五条の規定により強制執行を実施することができる債務名義の正本(以下「執行力のある債務名義の正本」という。)を有する債権者、強制競売の開始決定に係る差押えの登記後に登記された仮差押債権者及び第百八十一条第一項各号に掲げる文書により一般の先取特権を有することを証明した債権者は、配当要求をすることができる。

2 配当要求を却下する裁判に対しては、執行抗告をすることができる。

 

(配当等を受けるべき債権者の範囲)

第八十七条 売却代金の配当等を受けるべき債権者は、次に掲げる者とする。

一 差押債権者(配当要求の終期までに強制競売又は一般の先取特権の実行としての競売の申立てをした差押債権者に限る。)

二 配当要求の終期までに配当要求をした債権者

三 差押え(最初の強制競売の開始決定に係る差押えをいう。次号において同じ。)の登記前に登記された仮差押えの債権者

四 差押えの登記前に登記(民事保全法第五十三条第二項に規定する仮処分による仮登記を含む。)がされた先取特権(第一号又は第二号に掲げる債権者が有する一般の先取特権を除く。)、質権又は抵当権で売却により消滅するものを有する債権者(その抵当権に係る抵当証券の所持人を含む。)

2 前項第四号に掲げる債権者の権利が仮差押えの登記後に登記されたものである場合には、その債権者は、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失つたときに限り、配当等を受けることができる。

3 差押えに係る強制競売の手続が停止され、第四十七条第六項の規定による手続を続行する旨の裁判がある場合において、執行を停止された差押債権者がその停止に係る訴訟等において敗訴したときは、差押えの登記後続行の裁判に係る差押えの登記前に登記された第一項第四号に規定する権利を有する債権者は、配当等を受けることができる。

 

国税徴収法

(交付要求の手続)

第八十二条 滞納者の財産につき強制換価手続が行われた場合には、税務署長は、執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号(租税等の請求権の届出)に掲げる請求権に係る国税の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所。第八十四条第二項(交付要求の解除)において同じ。)に対し、滞納に係る国税につき、交付要求書により交付要求をしなければならない。

2 税務署長は、交付要求をしたときは、その旨を滞納者に通知しなければならない。

3 第五十五条(質権者等に対する差押の通知)の規定は、交付要求をした場合について準用する。

 

 

国税徴収法施行令

(交付要求書の記載事項等)

第三十六条 交付要求書には、次の事項を記載しなければならない。

一 滞納者の氏名及び住所又は居所

二 交付要求に係る国税の年度、税目、納期限及び金額

三 交付要求に係る強制換価手続の開始されている財産の名称、数量、性質及び所在(その手続が滞納処分以外の手続である場合には、その手続に係る事件の表示並びに当該財産がその手続に係る財産の一部であるときは、その名称、数量、性質及び所在)

2 法第八十二条第二項(交付要求)の規定による通知は、次の事項を記載した書面でしなければならない。

一 執行機関(破産法(平成十六年法律第七十五号)第百十四条第一号(租税等の請求権の届出)に掲げる請求権に係る国税の交付要求を行う場合には、その交付要求に係る破産事件を取り扱う裁判所。次条第二号において同じ。)の名称

二 前項第二号及び第三号に掲げる事項

三 交付要求の年月日

3 法第八十二条第三項において準用する法第五十五条(質権者等に対する差押の通知)の通知は、前項各号に掲げる事項並びに滞納者の氏名及び住所又は居所を記載した書面でしなければならない。

4 前項に規定する通知及び法第八十四条第三項(交付要求の解除の通知)において準用する法第五十五条の規定による通知は、交付要求に係る強制換価手続が企業担保権の実行手続又は破産手続であるときは、することを要しない。

 

国税通則法

(延滞税)

第六十条 納税者は、次の各号のいずれかに該当するときは、延滞税を納付しなければならない。

一 期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。

二 期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第二十五条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第三十五条第二項(申告納税方式による国税等の納付)の規定により納付すべき国税があるとき。

三 納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第五号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く。)をその法定納期限後に納付するとき。

四 予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。

五 源泉徴収等による国税をその法定納期限までに完納しないとき。

2 延滞税の額は、前項各号に規定する国税の法定納期限(純損失の繰戻し等による還付金額が過大であつたことにより納付すべきこととなつた国税、輸入の許可を受けて保税地域から引き取られる物品に対する消費税等(石油石炭税法第十七条第三項(引取りに係る原油等についての石油石炭税の納付等)の規定により納付すべき石油石炭税を除く。)その他政令で定める国税については、政令で定める日。次条第二項第一号において同じ。)の翌日からその国税を完納する日までの期間の日数に応じ、その未納の税額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額とする。ただし、納期限(延納又は物納の許可の取消しがあつた場合には、その取消しに係る書面が発せられた日。以下この項並びに第六十三条第一項、第四項及び第五項(納税の猶予等の場合の延滞税の免除)において同じ。)までの期間又は納期限の翌日から二月を経過する日までの期間については、その未納の税額に年七・三パーセントの割合を乗じて計算した額とする。

3 第一項の納税者は、延滞税をその額の計算の基礎となる国税にあわせて納付しなければならない。

4 延滞税は、その額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税とする。

 

 

所得税の確定申告において租税特別措置法(昭和六三年改正前)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に修正申告においていわゆる実額経費に変更することが許されるとした事例

 

 

更正処分等取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和63年(行ツ)第152号

【判決日付】      平成2年6月5日

【判示事項】      所得税の確定申告において租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事業所得金額を計算していた場合に修正申告においていわゆる実額経費に変更することが許されるとした事例

【判決要旨】      歯科医師が、所得税の確定申告において、租税特別措置法(昭和六三年法律第一〇九号による改正前のもの)二六条一項に基づくいわゆる概算経費により事案所得金額を計算していた場合に、診療経費総額を自由診療収入分と社会保険診療報酬分に振り分ける計算を誤り、自由診療収入分の必要経費を正しく計算した場合よりも多額に、社会保険診療報酬分の実額経費を正しく計算した場合よりも小額に算出したため、右実額経費よりも概算経費の方が有利であると判断してこれにより事業所得金額を計算したものであり、診療総収入から控除されるべき必要経費の計算には誤りがあるなど判示の事実関係の下においては、修正申告をするに当たり、確定申告における必要経費の計算の誤りを是正する一環として、概算経費選択の意思表示を撤回し、実額経費を社会保険診療報酬の必要経費として計上することが許される。

【参照条文】      国税通則法19-1

             所得税法27

             所得税法(昭和62年法律第96号による改正前のもの)37-1

             租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26-1

             租税特別措置法(昭和63年法律第109号による改正前のもの)26-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集44巻4号612頁

 

国税通則法

(修正申告)

第十九条1項 納税申告書を提出した者(その相続人その他当該提出した者の財産に属する権利義務を包括して承継した者(法人が分割をした場合にあつては、第七条の二第四項(信託に係る国税の納付義務の承継)の規定により当該分割をした法人の国税を納める義務を承継した法人に限る。)を含む。以下第二十三条第一項及び第二項(更正の請求)において同じ。)は、次の各号のいずれかに該当する場合には、その申告について第二十四条(更正)の規定による更正があるまでは、その申告に係る課税標準等(第二条第六号イからハまで(定義)に掲げる事項をいう。以下同じ。)又は税額等(同号ニからヘまでに掲げる事項をいう。以下同じ。)を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。

一 先の納税申告書の提出により納付すべきものとしてこれに記載した税額に不足額があるとき。

二 先の納税申告書に記載した純損失等の金額が過大であるとき。

三 先の納税申告書に記載した還付金の額に相当する税額が過大であるとき。

四 先の納税申告書に当該申告書の提出により納付すべき税額を記載しなかつた場合において、その納付すべき税額があるとき。

 

所得税法

(事業所得)

第二十七条 事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業で政令で定めるものから生ずる所得(山林所得又は譲渡所得に該当するものを除く。)をいう。

2 事業所得の金額は、その年中の事業所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とする。

 

租税特別措置法

(社会保険診療報酬の所得計算の特例)

第二十六条 医業又は歯科医業を営む個人が、各年において社会保険診療につき支払を受けるべき金額を有する場合において、当該支払を受けるべき金額が五千万円以下であり、かつ、当該個人が営む医業又は歯科医業から生ずる事業所得に係る総収入金額に算入すべき金額の合計額が七千万円以下であるときは、その年分の事業所得の金額の計算上、当該社会保険診療に係る費用として必要経費に算入する金額は、所得税法第三十七条第一項及び第二編第二章第二節第四款の規定にかかわらず、当該支払を受けるべき金額を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる率を乗じて計算した金額の合計額とする。

二千五百万円以下の金額

百分の七十二

二千五百万円を超え三千万円以下の金額

百分の七十

三千万円を超え四千万円以下の金額

百分の六十二

四千万円を超え五千万円以下の金額

百分の五十七

 前項に規定する社会保険診療とは、次の各号に掲げる給付又は医療、介護、助産若しくはサービスをいう。

 健康保険法(大正十一年法律第七十号)、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)(防衛省の職員の給与等に関する法律(昭和二十七年法律第二百六十六号)第二十二条第一項においてその例によるものとされる場合を含む。以下この号において同じ。)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)、私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)、母子保健法(昭和四十年法律第百四十一号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)又は原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(平成六年法律第百十七号)の規定に基づく療養の給付(健康保険法、国民健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法若しくは私立学校教職員共済法の規定によつて入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費(国民健康保険法第五十四条の三第一項又は高齢者の医療の確保に関する法律第八十二条第一項に規定する特別療養費をいう。以下この号において同じ。)を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る療養のうち当該入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、家族療養費若しくは特別療養費の額の算定に係る当該療養に要する費用の額としてこれらの法律の規定により定める金額に相当する部分(特別療養費に係る当該部分にあつては、当該部分であることにつき財務省令で定めるところにより証明がされたものに限る。)又はこれらの法律の規定によつて訪問看護療養費若しくは家族訪問看護療養費を支給することとされる被保険者、組合員若しくは加入者若しくは被扶養者に係る指定訪問看護を含む。)、更生医療の給付、養育医療の給付、療育の給付又は医療の給付

 生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)の規定に基づく医療扶助のための医療、介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第一号に掲げる居宅介護のうち同条第二項に規定する訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション若しくは短期入所療養介護、同条第一項第五号に掲げる介護予防のうち同条第五項に規定する介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション若しくは介護予防短期入所療養介護又は同条第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに限る。)若しくは出産扶助のための助産若しくは健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法附則第九十一条の規定による改正前の生活保護法の規定に基づく介護扶助のための介護(同法第十五条の二第一項第四号に掲げる施設介護のうち同条第四項に規定する介護療養施設サービスに限る。)又は中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成六年法律第三十号)の規定(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成十九年法律第百二十七号)附則第四条第二項において準用する場合を含む。)に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス若しくは中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の一部を改正する法律(平成二十五年法律第百六号)附則第二条第一項若しくは第二項の規定によりなお従前の例によることとされる同法による改正前の中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律の規定に基づく医療支援給付のための医療その他の支援給付に係る政令で定める給付若しくは医療、介護、助産若しくはサービス

 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)又は心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成十五年法律第百十号)の規定に基づく医療

 介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定によつて居宅介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定居宅サービス(訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所リハビリテーション又は短期入所療養介護に限る。)のうち当該居宅介護サービス費の額の算定に係る当該指定居宅サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分、同法の規定によつて介護予防サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護予防サービス(介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防居宅療養管理指導、介護予防通所リハビリテーション又は介護予防短期入所療養介護に限る。)のうち当該介護予防サービス費の額の算定に係る当該指定介護予防サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該介護保健施設サービス若しくは介護医療院サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は健康保険法等の一部を改正する法律(平成十八年法律第八十三号)附則第百三十条の二第一項の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第二十六条の規定による改正前の介護保険法の規定によつて施設介護サービス費を支給することとされる被保険者に係る指定介護療養施設サービスのうち当該施設介護サービス費の額の算定に係る当該指定介護療養施設サービスに要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分

 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)の規定によつて自立支援医療費を支給することとされる支給認定に係る障害者等に係る指定自立支援医療のうち当該自立支援医療費の額の算定に係る当該指定自立支援医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて療養介護医療費を支給することとされる支給決定に係る障害者に係る指定療養介護医療(療養介護に係る指定障害福祉サービス事業者等から提供を受ける療養介護医療をいう。)のうち当該療養介護医療費の額の算定に係る当該指定療養介護医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定によつて肢体不自由児通所医療費を支給することとされる通所給付決定に係る障害児に係る肢体不自由児通所医療のうち当該肢体不自由児通所医療費の額の算定に係る当該肢体不自由児通所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分若しくは同法の規定によつて障害児入所医療費を支給することとされる入所給付決定に係る障害児に係る障害児入所医療のうち当該障害児入所医療費の額の算定に係る当該障害児入所医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分

 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成二十六年法律第五十号)の規定によつて特定医療費を支給することとされる支給認定を受けた指定難病の患者に係る指定特定医療のうち当該特定医療費の額の算定に係る当該指定特定医療に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分又は児童福祉法の規定によつて小児慢性特定疾病医療費を支給することとされる医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童等に係る指定小児慢性特定疾病医療支援のうち当該小児慢性特定疾病医療費の額の算定に係る当該指定小児慢性特定疾病医療支援に要する費用の額として同法の規定により定める金額に相当する部分

 第一項の規定は、確定申告書に同項の規定により事業所得の金額を計算した旨の記載がない場合には、適用しない。

不動産強制競売手続において抵当権者がする債権の届出と時効の中断

 

 

土地抵当権設定登記抹消登記手続請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成元年(オ)第653号

【判決日付】      平成元年10月13日

【判示事項】      不動産強制競売手続において抵当権者がする債権の届出と時効の中断

【判決要旨】      不動産強制競売手続において催告を受けた抵当権者がする債権の届出は、その届出に係る債権に関する裁判上の請求、破産手続参加又はこれらに準ずる時効中断事由に該当しない。

【参照条文】      民法147

             民法149

             民法152

             民事執行法50

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集43巻9号985頁

 

民法

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一 裁判上の請求

二 支払督促

三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停

四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

 

(仮差押え等による時効の完成猶予)

第百四十九条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了した時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

一 仮差押え

二 仮処分

 

(承認による時効の更新)

第百五十二条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

2 前項の承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力の制限を受けていないこと又は権限があることを要しない。

 

民事執行法

(催告を受けた者の債権の届出義務)

第五十条 前条第二項の規定による催告を受けた同項第一号又は第二号に掲げる者は、配当要求の終期までに、その催告に係る事項について届出をしなければならない。

2 前項の届出をした者は、その届出に係る債権の元本の額に変更があつたときは、その旨の届出をしなければならない。

3 前二項の規定により届出をすべき者は、故意又は過失により、その届出をしなかつたとき、又は不実の届出をしたときは、これによつて生じた損害を賠償する責めに任ずる。

 

第2章 改正の目的

今回の法改正の目的について、特許庁の立法担当者は次のように述べています。

 

デジタル革命により業種の垣根が崩れ、オープンイノベーションが進む中、中小・ベンチャー企業が優れた技術を生かして飛躍するチャンスが拡大している。せっかく取得した特許で大切な技術を守れるよう、訴訟制度を改善する。

 

特許庁「令和元年度特許法等改正説明会テキスト」(URL)

 

昨今、大企業に限らず、中小企業やスタートアップ企業も、独自の技術を活かし、イノベーションの担い手として活躍しています。 特許法は、このようなイノベーションを支えるため、優れた技術を保護し、特許権として権利を行使しやすいものである必要があります。

 

しかしながら、従来の特許法には、次のような課題がありました。

 

改正前の課題

・証拠収集の困難性

製造方法、BtoBなど市場で手に入らないもの、ソフトウェア製品の特許権侵害については、証拠を収集することが難しく、相手方の特許権侵害を立証するのが困難でした。

 

公布日・施行日

改正の根拠となる法令名は、「特許法等の一部を改正する法律」(令和元年5月17日法律第3号)です。 この法令によって、特許法だけでなく、実用新案法・意匠法・商標法も改正がなされました。 施行日は、改正点によって、異なりますので注意しなければなりません。

 

特許法の「損害賠償額の算定方法の見直し」の公布日と施行日は、次のとおりです。

 

公布日・施行日

・公布日|2019年5月17日

・施行日|2020年4月1日

 

 

次の表に、改正点と施行日をまとめました。

 

その他の改正点の施行日は、それぞれ次のとおりです。

 

改正される法令

改正点

施行日

 

商標法

公益著名商標に係る通常使用権の許諾制限の撤廃     

2019年5月27日

 

特許法

損害賠償算定方法の見直し

2020年4月1日

実用新案法

 

 

・国際商標登録出願手続きに係る手続き補正書の提出期間の見直し

 

意匠法

 

・保護対象の拡充

・組物の意匠の拡充

・関連意匠制度の見直し

・意匠権の存続期間の延長

・間接侵害の拡充

 

 

特許法  

・査証制度の創設

2020年10月1日

 

意匠法  

・意匠登録出願手続の簡素化

・手続救済規定の整備

2021年1月1日

 

 

 

 1、普通財産たる国有財産の管理処分行為の性質

2、国有林野整備臨時措置法1条による国有林野の売払は行政処分か

 

東京高判昭和30年11月25日高等裁判所民事判例集8巻9号657頁 行政事件裁判例集6巻12号2938頁  訟務月報2巻1号104頁

【判決要旨】 1、現行国有財産法上普通財産の管理処分行為については、国有財産たる特異性に鑑み特別な制限規定を設けているが、この行為の性質は対外的には原則として私法行為に属するものと解すべきである。

2、国有林野整備臨時措置法1条1項は、単に形式上企業用財産(要存置林野、行政財産)になっているものであっても、実質上は「国が経営することを必要としないもの」を処分することを定めているのであって、実質的には普通財産に該当する林野を処分しようとするものであり、なおその処分の相手方、処分の対象たる国有林野、売払または交換の優先順位等につきその要件を法定しているのも、一般普通財産の管理処分に関する特別の制限規定とその趣旨において別異に解すべき根拠なく、その他同法並びにその附属法令中にも右売払、交換を以て行政処分としていると解すべき規定がないのみならず、かえって国有林野の管理処分庁が右売払、交換の相手方と対等の立場に立って双方の意思の合致により成立する私法上の契約によって行わるべきことを前提としていることは明らかである。

【参照条文】 国有財産法20-1(処分等)

       国有林野法2、8

       国有林野整備臨時措置法1、5

       国有林野整備臨時措置法施行規則2、3、4

 

国有財産法

(処分等)

第二十条 普通財産は、第二十一条から第三十一条までの規定により貸し付け、管理を委託し、交換し、売り払い、譲与し、信託し、又は私権を設定することができる。

2 普通財産は、法律で特別の定めをした場合に限り、出資の目的とすることができる。

 

国有林野の管理経営に関する法律

(定義)

第二条 この法律において「国有林野」とは、次に掲げるものをいう。

一 国の所有に属する森林原野であつて、国において森林経営の用に供し、又は供するものと決定したもの

二 国の所有に属する森林原野であつて、国民の福祉のための考慮に基づき森林経営の用に供されなくなり、国有財産法第三条第三項の普通財産となつているもの(同法第四条第二項の所管換又は同条第三項の所属替をされたものを除く。)

2 この法律において「国有林野事業」とは、国有林野の管理経営(国有林野と一体として整備及び保全を行うことが相当と認められる民有林野の整備及び保全であつて、国が行うものを含む。以下同じ。)の事業をいう。

 

第八条 第二条第一項第二号の国有林野を売り払い、貸し付け、又は使用させようとする場合において、次に掲げる者からその買受け、借受け又は使用の申請があつたときは、これを他に優先させなければならない。

一 当該林野を公用、公共用又は公益事業の用に供する者

二 当該林野を基本財産に充てる地方公共団体

三 当該林野に特別の縁故がある者で農林水産省令で定めるもの

四 当該林野をその所在する地方の農山漁村の産業の用に供する者

 

国が当事者となり売買等の契約を競争入札の方法によつて締結する場合における契約の成立時期

 

 

保証金返還請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和28年(オ)第515号

【判決日付】      昭和35年5月24日

【判示事項】      国が当事者となり売買等の契約を競争入札の方法によつて締結する場合における契約の成立時期

【判決要旨】      国が当事者となり、売買等の契約を競争入札の方法によつて締結する場合に、落札者があつたときは、国および落札者は、互に相手方に対し契約を結ぶ義務を負うにいたるが、この段階では予約が成立するにとどまり、本契約は、契約書の作成によつてはじめて成立すると解すべきである。

【参照条文】      民法555

             民法521

             民法526

             会計法29

             予算決算会計令68

             予算決算会計令83

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集14巻7号1154頁

 

民法

売買)

第五百五十五条 売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

 

(契約の締結及び内容の自由)

第五百二十一条 何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。

2 契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる。

 

(申込者の死亡等)

第五百二十六条 申込者が申込みの通知を発した後に死亡し、意思能力を有しない常況にある者となり、又は行為能力の制限を受けた場合において、申込者がその事実が生じたとすればその申込みは効力を有しない旨の意思を表示していたとき、又はその相手方が承諾の通知を発するまでにその事実が生じたことを知ったときは、その申込みは、その効力を有しない。

 

会計法

第四章 契約

第二十九条 各省各庁の長は、第十条の規定によるほか、その所掌に係る売買、貸借、請負その他の契約に関する事務を管理する。

 

予算決算及び会計令

(契約事務の委任)

第六十八条 各省各庁の長は、会計法第二十九条の二第一項又は第三項の規定により、当該各省各庁所属の職員に契約に関する事務を委任し、又は分掌させる場合において、必要があるときは、同条第一項又は第三項の権限を、内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第五十条の委員長若しくは長官、同法第四十三条若しくは第五十七条(宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十八条第一項において準用する場合を含む。)の地方支分部局の長、宮内庁長官、宮内庁法第十七条第一項の地方支分部局の長、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第六条の委員長若しくは長官、同法第九条の地方支分部局の長又はこれらに準ずる職員(第百三十九条の三第三項において「外局の長等」という。)に委任することができる。

2 第二十六条第三項の規定は、各省各庁の長が会計法第二十九条の二第二項又は第三項の規定により他の各省各庁所属の職員に契約に関する事務を委任し、又は分掌させる場合に、第二十六条第四項の規定は、同法第二十九条の二第四項において準用する同法第四条の二第四項の規定により当該契約に関する事務の委任又は分掌が他の各省各庁所属の職員について官職の指定により行なわれる場合に、それぞれ準用する。

 

(落札者の決定)

第八十三条 落札となるべき同価の入札をした者が二人以上あるときは、契約担当官等は、直ちに、当該入札者にくじを引かせて落札者を定めなければならない。

2 前項の場合において、当該入札者のうちくじを引かない者があるときは、これに代わつて入札事務に関係のない職員にくじを引かせることができる。

 

自ら保有する住宅ローン債権を対象とする信託契約を締結し,その信託受益権を優先的に償還される優先受益権と優先受益権の元本が全額償還された後に元本が償還される劣後受益権の2種類の信託受益権に分割し,優先受益権を第三者に売却するとともに劣後受益権を自らが保有するという仕組みの取引につき,劣後受益権による収益配当金をすべて法人税に係る益金及び消費税に係る資産の譲渡等の対価の額に含まれるとしてした法人税の更正処分及び課税期間の消費税の更正処分が,いずれも違法とされた事例

 

 

              法人税更正処分取消等請求控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/平成24年(行コ)第466号

【判決日付】      平成26年8月29日

【判示事項】      自ら保有する住宅ローン債権を対象とする信託契約を締結し,その信託受益権を優先的に償還される優先受益権と優先受益権の元本が全額償還された後に元本が償還される劣後受益権の2種類の信託受益権に分割し,優先受益権を第三者に売却するとともに劣後受益権を自らが保有するという仕組みの取引につき,劣後受益権による収益配当金をすべて法人税に係る益金及び消費税に係る資産の譲渡等の対価の額に含まれるとしてした法人税の更正処分及び課税期間の消費税の更正処分が,いずれも違法とされた事例

【判決要旨】      自ら保有する住宅ローン債権を対象とする信託契約を締結し,その信託受益権を優先的に償還される優先受益権と優先受益権の元本が全額償還された後に元本が償還される劣後受益権の2種類の信託受益権に分割し,優先受益権を第三者に売却するとともに劣後受益権を自らが保有するという仕組みの取引につき,その保有する劣後受益権は,新たな金融資産の取得としてではなく,信託した金融資産である住宅ローン債権の残存部分として評価する必要があるが,信託契約によって保有するに至った劣後受益権は,金融商品会計に関する実務指針105項にいう「債権を取得した」という利益状況に類似しているということができるとして,同項の実質的な類推適用を認め,前記劣後受益権につき,同項と同様の会計処理を選択し,それによって収益を計上したことは,取引の経済的実態からみて合理的なものであり,法人税法上もその会計処理は正当なものとして是認されるべきであるから,これを一般に公正妥当として認められる会計基準に適合しないものとした前記法人税の更正処分及び課税期間の消費税の更正処分を違法とした事例

【掲載誌】        税務訴訟資料264号順号12523

 

法人税法

第二款 各事業年度の所得の金額の計算の通則

第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。

一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額

二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。

5 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

 

金融商品会計に関する実務指針105項

債 権

債務者の信用リスクを反映した債権の取得価額と償却原価法

105.債権の支払日までの金利を反映して債権金額と異なる価額で債権を取得した場合に

は、取得時に取得価額で貸借対照表に計上し、取得価額と債権金額との差額(以下「取

得差額」という。)について償却原価法に基づき処理を行う。この場合、将来キャッシュ・

フローの現在価値が取得価額に一致するような割引率(実効利子率)に基づいて、債務

者からの入金額を元本の回収と受取利息とに区分する。償却原価法の適用については利

息法によることを原則とするが、契約上、元利の支払が弁済期限に一括して行われる場

合又は規則的に行われることとなっている場合には、定額法によることができる。

なお、債権の取得価額が、債務者の信用リスクを反映して債権金額より低くなってい

る場合には、信用リスクによる価値の低下を加味して将来キャッシュ・フローを合理的

に見積もった上で償却原価法を適用する[設例11]。