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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

業務担当取締役として、自らが担当する子会社による違法行為等を防止すべき善管注意義務ないし忠実義務に違反したとされた事例

 

 

損害賠償請求事件、共同訴訟参加事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成29年(ワ)第40038号、平成30年(ワ)第24496号

【判決日付】      令和2年2月13日

【判示事項】      1 業務担当取締役として、自らが担当する子会社による違法行為等を防止すべき善管注意義務ないし忠実義務に違反したとされた事例

             2 取締役の任務懈怠とその調査のための調査委員会の設置費用の支払との間に相当因果関係があるとして、その費用相当額が損害として認められた事例

【判決要旨】      1 本件において、被告は、原告の業務担当取締役として、自己が担当する業務執行一般について監視し、担当業務である原告の子会社による違法行為を防止し、原告グループの損害の拡大を防止すべき義務を原告に対する善管注意義務ないし忠実義務の内容として負っていると解することができるところ、原告の取締役としての善管注意義務ないし忠実義務違反があったといえる。

             2 本件の調査委員会設置当時における社会的要請、被告の原告における地位、被告による任務懈怠の内容(自らが不正行為を行った事案)等に照らせば、同調査委員会を設置したことにより原告が支払った調査費用は、原告にとって、被告の不正行為の内容を明らかにし、関係者からの信頼を回復するために必要なことであったといえ、同費用の支払は被告の前記任務懈怠から通常生ずる損害ということができる。

【参照条文】      会社法423-1

             民法(平成29年法律第44号による改正前)416-1

【掲載誌】        金融・商事判例1600号48頁

【評釈論文】      ジュリスト1548号2頁

             銀行法務21 856号67頁

             銀行法務21 868号77頁

             法律時報別冊私法判例リマークス63号86頁

 

 

会社法

(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)

第四百二十三条1項 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 

 

民法

(損害賠償の範囲)

第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。

2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見すべきであったときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

 

 

       主   文

 

 1 被告は、原告に対し、2129万3712円及びこれに対する平成29年12月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 訴訟費用は被告の負担とする。

 3 この判決は、第1項に限り、仮に執行することができる。

 

 

              損害賠償請求,共同訴訟参加控訴事件

【事件番号】      東京高等裁判所判決/令和2年(ネ)第1081号

【判決日付】      令和2年9月16日

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

 

       主   文

 

 1 本件控訴を棄却する。

 2 控訴費用は控訴人の負担とする。

 

       事実及び理由

 

第1 請求

 主文第1項に同旨

第2 事案の概要

 本件は、パチスロ機及びパチンコ機並びにその周辺機器の開発、製造、販売等を行い、東京証券取引所ジャスダック市場に上場している原告が、海外事業統括の業務を委嘱された取締役であり、かつ、海外子会社の代表者であった被告に対し、これらの役職に在任していた当時、被告が、①被告及び被告の親族の資産管理会社であり、原告の親会社でもある香港法人の第三者に対する貸金債権を回収する目的等で、原告の海外子会社の代表者として、当該第三者が関与する会社に対して1億3500万香港ドルを貸し付け(以下「本件行為①」という。)、②自己の個人的な利益を図る目的で、原告の海外子会社の代表者として、受取人白地の1600万香港ドルの小切手を振り出し(以下「本件行為②」という。)、③上記資産管理会社が金融機関から借入れを行う際に、原告の海外孫会社の取締役に指示をし、当該会社の預金を担保に供させた上で、同資産管理会社が負担すべき利息相当額等を当該会社に支払わせた(以下「本件行為③」という。)とし、被告の上記各行為は、原告の取締役としての善管注意義務、忠実義務に反するものであり、原告はその調査のために調査委員会を設置してその費用を支払ったところ、被告の任務懈怠と原告の同費用の支払との間には相当因果関係が認められるとして、会社法423条1項に基づき、同費用相当額の損害金及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成29年12月29日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

1 前提事実(当事者間に争いがないか、各掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実である。なお、証拠については、特に言及しない限り、枝番全てを含む。)

 (1) 原告は、昭和54年12月10日に設立された遊戯機器及び遊技機器に関連する原材料、部品、半製品、電子応用機器等の製造、売買、斡旋、賃貸借及び管理等を目的とする株式会社であり、東京証券取引所ジャスダック市場に上場している。原告は、完全子会社であり、海外事業の統括会社である香港法人A(以下「A」という。)及びその子会社であるフィリピン法人A1(以下「A1」という。)を通じて、フィリピンにおいて、カジノ施設及びホテルの運営事業(以下「カジノリゾート事業」という。)を行っている。

 また、原告は、Aの完全子会社である韓国法人A2(以下「A2」という。)を通じて、韓国においてカジノリゾート事業のプロジェクトに参加していた。

          (甲1~3、37、43)

 (2) B(以下「B」という。)は、被告及びその親族の資産管理を主な目的とする香港法人であり、原告の発行済株式総数の67.9パーセントを保有している。Bは、平成23年10月14日、唯一の取締役であった被告が書面決議を行い、完全子会社である韓国法人B1(以下「B1」という。)を設立した。(甲4、5、64)

 (3) 被告は、原告の創業以来、代表取締役社長や取締役会長を歴任し、平成29年6月29日に、任期満了により原告の取締役を退任した。

 また、被告は、平成26年3月から平成29年5月まで、Aの唯一の取締役であり、同月12日までBの唯一の取締役であった。

 (4) (本件行為①関係)

 Bは、平成26年11月24日、C(以下「C」という。)に対して、契約期間を3年として、無利息、無担保で、約20億円に相当する1億3500万香港ドルを貸し付けた。Aは、平成27年3月3日、Cが関与する英国領ヴァージン諸島法人であるD(以下「D」という。)に対して、貸付期間を3年として、無利息、無担保で、1743万2851.24米国ドル(1億3500万香港ドル相当)を貸し付けた。Dは、同月4日から同月13日までの間に、Bに対して、7回に分けて、合計1億3000万香港ドルを送金した。(甲8、9、14~16)

 (5) (本件行為②関係)

 Aの経理担当者は、平成27年5月11日、受取人白地の1600万香港ドルの小切手(以下「本件小切手」という。)を1通作成し、被告はこれに署名して振り出した。同月14日、本件小切手は交換決済が行われ、「E」を受取人として、1600万香港ドルが支払われた。(甲21、24、25)

 (6) (本件行為①及び②に先立つ本件行為③関係)

 A2は、韓国におけるカジノリゾート事業のプロジェクトのために、土地の購入を検討していたところ、購入主体がA2からB1へ変更されたため、購入資金の頭金を捻出するために、B1の親会社であるBが金融機関から借入れを行うこととなった。

 Bは、平成26年2月24日、F銀行シンガポール支店(以下、単に「シンガポール支店」という。)から8000万米国ドルを借り入れ(以下「本件韓国事業借入れ」という。)、A2は、同借入れのために、F銀行仁川国際空港支店(以下、単に「仁川国際空港支店」という。)の8000万米国ドルの外貨定期預金に質権を設定した(以下「本件担保提供」という。)。その後、B1は土地の購入を断念し、A2は、同年3月31日、Bに対し、経営コンサルタント料等の名下で17万3562.23米国ドルを支払った(上記本件担保提供と合わせて、本件行為③)。Bは、同日、シンガポール支店に対し、本件韓国事業借入れを返済し、仁川国際空港支店は、同日、本件担保提供を解除した。

          (甲26、29~31、96~98)

 (7) 原告は、平成29年6月8日、弁護士3名を委員とする特別調査委員会(以下「本件調査委員会」という。)を設置し、調査費用(委員への報酬、実費、消費税)合計2129万3712円を支払った(甲6、33~36)。

 (8) 原告は、平成29年11月27日、東京地方裁判所に本件訴訟を提起した。原告共同訴訟参加人は原告の株主であり、平成30年7月30日、会社法849条1項、847条1項に基づき、本件訴訟に参加することを申し出た。

2 争点及びこれに関する当事者の主張

 本件の争点は、被告に、本件行為①ないし③に関して、原告の取締役としての善管注意義務ないし忠実義務の違反が認められるか(争点1)と、被告の任務懈怠と原告主張の損害との間の相当因果関係の有無(争点2)である。

原告が,被告との間のアメリカ合衆国ニュージャージー州上位裁判所事件(離婚訴訟)につき,同裁判所が言い渡した判決のうち,被告が原告に対して扶養料や被告が減少させた共有財産に対する原告の持分相当額等の金員を支払うよう命じる部分につき,民事執行法24条の執行判決を求めた事案。

 

 

執行判決請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/令和元年(ワ)第18933号

【判決日付】      令和2年6月19日

【判示事項】      原告が,被告との間のアメリカ合衆国ニュージャージー州上位裁判所事件(離婚訴訟)につき,同裁判所が言い渡した判決のうち,被告が原告に対して扶養料や被告が減少させた共有財産に対する原告の持分相当額等の金員を支払うよう命じる部分につき,民事執行法24条の執行判決を求めた事案。

裁判所は,当該外国判決が確定したと認め,原告と被告はいずれも米国籍を有するから,当該外国裁判所は当該外国判決についての裁判権を有し,当該外国判決の手続や内容が公序良俗に違反するとはいえず,その他承認執行の要件を充足するというべきとし,一部弁済の被告主張を退け,執行判決に対しても仮執行宣言を付すことができるとし,本件においてもそれが相当と認められるなどとして請求を認容した事例

【掲載誌】        LLI/DB 判例秘書登載

【評釈論文】      ジュリスト1568号138頁

             戸籍時報823号24頁

 

 

民事執行法

(外国裁判所の判決の執行判決)

第二十四条 外国裁判所の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(家事事件における裁判に係るものにあつては、家庭裁判所。以下この項において同じ。)が管轄し、この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

2 前項に規定する地方裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が家庭裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。

3 第一項に規定する家庭裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が地方裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。

4 執行判決は、裁判の当否を調査しないでしなければならない。

5 第一項の訴えは、外国裁判所の判決が、確定したことが証明されないとき、又は民事訴訟法第百十八条各号(家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第七十九条の二において準用する場合を含む。)に掲げる要件を具備しないときは、却下しなければならない。

6 執行判決においては、外国裁判所の判決による強制執行を許す旨を宣言しなければならない。

 

 

父母または子の一方の死亡後における検察官を相手方とする親子関係存否確認の訴の許否

 

 

母子関係存在確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/昭和43年(オ)第179号

【判決日付】      昭和45年7月15日

【判示事項】      父母または子の一方の死亡後における検察官を相手方とする親子関係存否確認の訴の許否

【判決要旨】     父母の両者または子のいずれか一方が死亡した後でも、生存する一方は、検察官を相手方として、死亡した一方との間の親子関係の存否確認の訴を提起することができる。

             (補足意見および反対意見がある。)

【参照条文】      民事訴訟法225

             人事訴訟手続法2-3

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集24巻7号861頁

 

 

民事訴訟法

(共同訴訟参加)

第五十二条 訴訟の目的が当事者の一方及び第三者について合一にのみ確定すべき場合には、その第三者は、共同訴訟人としてその訴訟に参加することができる。

2 第四十三条並びに第四十七条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による参加の申出について準用する。

 

(訴訟手続の中断及び受継)

第百二十四条 次の各号に掲げる事由があるときは、訴訟手続は、中断する。この場合においては、それぞれ当該各号に定める者は、訴訟手続を受け継がなければならない。

一 当事者の死亡 相続人、相続財産の管理人、相続財産の清算人その他法令により訴訟を続行すべき者

二 当事者である法人の合併による消滅 合併によって設立された法人又は合併後存続する法人

三 当事者の訴訟能力の喪失又は法定代理人の死亡若しくは代理権の消滅 法定代理人又は訴訟能力を有するに至った当事者

四 次のイからハまでに掲げる者の信託に関する任務の終了 当該イからハまでに定める者

イ 当事者である受託者 新たな受託者又は信託財産管理者若しくは信託財産法人管理人

ロ 当事者である信託財産管理者又は信託財産法人管理人 新たな受託者又は新たな信託財産管理者若しくは新たな信託財産法人管理人

ハ 当事者である信託管理人 受益者又は新たな信託管理人

五 一定の資格を有する者で自己の名で他人のために訴訟の当事者となるものの死亡その他の事由による資格の喪失 同一の資格を有する者

六 選定当事者の全員の死亡その他の事由による資格の喪失 選定者の全員又は新たな選定当事者

2 前項の規定は、訴訟代理人がある間は、適用しない。

3 第一項第一号に掲げる事由がある場合においても、相続人は、相続の放棄をすることができる間は、訴訟手続を受け継ぐことができない。

4 第一項第二号の規定は、合併をもって相手方に対抗することができない場合には、適用しない。

5 第一項第三号の法定代理人が保佐人又は補助人である場合にあっては、同号の規定は、次に掲げるときには、適用しない。

一 被保佐人又は被補助人が訴訟行為をすることについて保佐人又は補助人の同意を得ることを要しないとき。

二 被保佐人又は被補助人が前号に規定する同意を得ることを要する場合において、その同意を得ているとき。

 

 

人事訴訟法

(被告適格)

第十二条 人事に関する訴えであって当該訴えに係る身分関係の当事者の一方が提起するものにおいては、特別の定めがある場合を除き、他の一方を被告とする。

2 人事に関する訴えであって当該訴えに係る身分関係の当事者以外の者が提起するものにおいては、特別の定めがある場合を除き、当該身分関係の当事者の双方を被告とし、その一方が死亡した後は、他の一方を被告とする。

3 前二項の規定により当該訴えの被告とすべき者が死亡し、被告とすべき者がないときは、検察官を被告とする。

 

 

 

国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることの可否


裁決取消請求事件
【事件番号】    最高裁判所第1小法廷判決/平成16年(行ヒ)第275号
【判決日付】    平成18年1月19日
【判示事項】    1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることの可否
          2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合の不服申立期間の起算日
【判決要旨】    1 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は,本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをすることができる。
          2 国税徴収法39条所定の第二次納税義務者が本来の納税義務者に対する課税処分につき国税通則法75条に基づく不服申立てをする場合における同法77条1項所定の不服申立期間の起算日は,当該第二次納税義務者に対する納付告知がされた日の翌日である。
          (1,2につき,意見がある。)
【参照条文】    国税徴収法39
          国税通則法75
          国税通則法77-1
          国税徴収法32-1
【掲載誌】     最高裁判所民事判例集60巻1号65頁



国税徴収法
(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)
第三十九条 滞納者の国税につき滞納処分の執行(租税条約等(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号)第二条第二号(定義)に規定する租税条約等をいう。)の規定に基づく当該租税条約等の相手国等(同条第三号に規定する相手国等をいう。)に対する共助対象国税(同法第十一条の二第一項(国税の徴収の共助)に規定する共助対象国税をいう。)の徴収の共助(第百五十三条第一項第一号(滞納処分の停止の要件等)並びに第百八十七条第一項及び第二項(罰則)において「租税条約等の相手国等に対する共助対象国税の徴収の共助」という。)の要請をした場合には、当該要請による徴収を含む。)をしてもなおその徴収すべき額に不足すると認められる場合において、その不足すると認められることが、当該国税の法定納期限の一年前の日以後に、滞納者がその財産につき行つた政令で定める無償又は著しく低い額の対価による譲渡(担保の目的でする譲渡を除く。)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分に基因すると認められるときは、これらの処分により権利を取得し、又は義務を免れた者は、これらの処分により受けた利益が現に存する限度(これらの者がその処分の時にその滞納者の親族その他滞納者と特殊な関係のある個人又は同族会社(これに類する法人を含む。)で政令で定めるもの(第五十八条第一項(第三者が占有する動産等の差押手続)及び第百四十二条第二項第二号(捜索の権限及び方法)において「親族その他の特殊関係者」という。)であるときは、これらの処分により受けた利益の限度)において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。


国税通則法
(国税に関する処分についての不服申立て)
第七十五条 国税に関する法律に基づく処分で次の各号に掲げるものに不服がある者は、当該各号に定める不服申立てをすることができる。
一 税務署長、国税局長又は税関長がした処分(次項に規定する処分を除く。) 次に掲げる不服申立てのうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立て
イ その処分をした税務署長、国税局長又は税関長に対する再調査の請求
ロ 国税不服審判所長に対する審査請求
二 国税庁長官がした処分 国税庁長官に対する審査請求
三 国税庁、国税局、税務署及び税関以外の行政機関の長又はその職員がした処分 国税不服審判所長に対する審査請求
2 国税に関する法律に基づき税務署長がした処分で、その処分に係る事項に関する調査が次の各号に掲げる職員によつてされた旨の記載がある書面により通知されたものに不服がある者は、当該各号に定める国税局長又は国税庁長官がその処分をしたものとそれぞれみなして、国税局長がしたものとみなされた処分については当該国税局長に対する再調査の請求又は国税不服審判所長に対する審査請求のうちその処分に不服がある者の選択するいずれかの不服申立てをし、国税庁長官がしたものとみなされた処分については国税庁長官に対する審査請求をすることができる。
一 国税局の当該職員 その処分をした税務署長の管轄区域を所轄する国税局長
二 国税庁の当該職員 国税庁長官
3 第一項第一号イ又は前項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求(法定の再調査の請求期間経過後にされたものその他その請求が適法にされていないものを除く。次項において同じ。)についての決定があつた場合において、当該再調査の請求をした者が当該決定を経た後の処分になお不服があるときは、その者は、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
4 第一項第一号イ又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定による再調査の請求をしている者は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該再調査の請求に係る処分について、決定を経ないで、国税不服審判所長に対して審査請求をすることができる。
一 再調査の請求をした日(第八十一条第三項(再調査の請求書の記載事項等)の規定により不備を補正すべきことを求められた場合にあつては、当該不備を補正した日)の翌日から起算して三月を経過しても当該再調査の請求についての決定がない場合
二 その他再調査の請求についての決定を経ないことにつき正当な理由がある場合
5 国税に関する法律に基づく処分で国税庁、国税局、税務署又は税関の職員がしたものに不服がある場合には、それぞれその職員の所属する国税庁、国税局、税務署又は税関の長がその処分をしたものとみなして、第一項の規定を適用する。

(不服申立期間)
第七十七条1項 不服申立て(第七十五条第三項及び第四項(再調査の請求後にする審査請求)の規定による審査請求を除く。第三項において同じ。)は、処分があつたことを知つた日(処分に係る通知を受けた場合には、その受けた日)の翌日から起算して三月を経過したときは、することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。


本判決は,(1)第二次納税義務者は,主たる課税処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあり,その取消しによってこれを回復すべき法律上の利益を有するし,特に国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は,常に本来の納税義務者と一体性又は親近性のある関係にあるということはできず,本来の納税義務者によって第二次納税義務者の訴権が十分に代理されているとみることは困難であるなどとして,同条所定の第二次納税義務者が主たる課税処分について不服申立て適格を有することを肯定した。また,(2)不服申立期間の起算日については,国税徴収法39条所定の第二次納税義務者は,第二次納税義務を確定させる納付告知があるまでは,不服申立ての適格があることを確実に認識することはできない反面,納付告知があれば,主たる課税処分の存在及び第二次納税義務が成立していることを確実に認識することになるのであって,少なくともその時点では明確に「処分があったことを知った」ということができることから,国税通則法77条1項所定の「処分があったことを知った日」とは,納付告知(納付通知書の送達)がされた日をいい,不服申立期間の起算日は納付告知がされた日の翌日であると解するのが相当であるとした。

 

遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

 

 

土地建物共有物分割等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成5年(オ)第1946号

【判決日付】      平成8年12月17日

【判示事項】      遺産である建物の相続開始後の使用について被相続人と相続人との間に使用貸借契約の成立が推認される場合

【判決要旨】      共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認する。

【参照条文】      民法593

             民法898

             民法249

             民法703

             民事訴訟法185

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集50巻10号2778頁

 

 

民法

(借用物受取り前の貸主による使用貸借の解除)

第五百九十三条の二 貸主は、借主が借用物を受け取るまで、契約の解除をすることができる。ただし、書面による使用貸借については、この限りでない。

 

(共同相続の効力)

第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。

2 相続財産について共有に関する規定を適用するときは、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分をもって各相続人の共有持分とする。

第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。

 

(共有物の使用)

第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。

 

(不当利得の返還義務)

第七百三条 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(以下この章において「受益者」という。)は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。

 

 

民事訴訟法

(自由心証主義)

第二百四十七条 裁判所は、判決をするに当たり、口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果をしん酌して、自由な心証により、事実についての主張を真実と認めるべきか否かを判断する。

 

 

共有物の持分の価格が過半数をこえる者が共有物を単独で占有する他の共有者に対して共有物の明渡請求をすることができるか

 

 

土地所有権確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和38年(オ)第1021号

【判決日付】      昭和41年5月19日

【判示事項】      共有物の持分の価格が過半数をこえる者が共有物を単独で占有する他の共有者に対して共有物の明渡請求をすることができるか

【判決要旨】      共有物の持分の価格が過半数をこえる者は、共有物を単独で占有する他の共有者に対し、当然には、その占有する共有物の明渡を請求することができない。

【参照条文】      民法249

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集20巻5号947頁

 

 

 

平成29年改正民法249、252

(共有物の使用)

第二百四十九条 各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。

2 共有物を使用する共有者は、別段の合意がある場合を除き、他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を償還する義務を負う。

3 共有者は、善良な管理者の注意をもって、共有物の使用をしなければならない。

 

(共有物の管理)

第二百五十二条 共有物の管理に関する事項(次条第一項に規定する共有物の管理者の選任及び解任を含み、共有物に前条第一項に規定する変更を加えるものを除く。次項において同じ。)は、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。共有物を使用する共有者があるときも、同様とする。

2 裁判所は、次の各号に掲げるときは、当該各号に規定する他の共有者以外の共有者の請求により、当該他の共有者以外の共有者の持分の価格に従い、その過半数で共有物の管理に関する事項を決することができる旨の裁判をすることができる。

一 共有者が他の共有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。

二 共有者が他の共有者に対し相当の期間を定めて共有物の管理に関する事項を決することについて賛否を明らかにすべき旨を催告した場合において、当該他の共有者がその期間内に賛否を明らかにしないとき。

3 前二項の規定による決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

4 共有者は、前三項の規定により、共有物に、次の各号に掲げる賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利(以下この項において「賃借権等」という。)であって、当該各号に定める期間を超えないものを設定することができる。

一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃借権等 十年

二 前号に掲げる賃借権等以外の土地の賃借権等 五年

三 建物の賃借権等 三年

四 動産の賃借権等 六箇月

5 各共有者は、前各項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。

 

過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年改正前)31条2項所定の請求の手続によらないで過誤納金の還付を請求することの可否

 

 

処分取消請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/平成13年(行ヒ)第25号

【判決日付】      平成17年4月14日

【判示事項】      1 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項所定の請求の手続によらないで過誤納金の還付を請求することの可否

             2 登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項に基づいてした請求に対する登記機関の拒否通知と抗告訴訟の対象

【判決要旨】      1 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた者は,登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項所定の請求の手続によらなくても,国税通則法56条に基づき,過誤納金の還付を請求することができる。

             2 登記等を受けた者が登録免許税法(平成14年法律第152号による改正前のもの)31条2項に基づいてした登記機関から税務署長に還付通知をすべき旨の請求に対し,登記機関のする拒否通知は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たる。

             (1につき反対意見がある。)

【参照条文】      登録免許税法31-1

             登録免許税法(平成14法152号改正前)31-2

             国税通則法56-1

             国税通則法(平11法10号改正前)15-2

             国税通則法(平11法10号改正前)15-3

             行政事件訴訟法3-1

             行政事件訴訟法3-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集59巻3号491頁

             訟務月報52巻4号1256頁

 

 

登録免許税法

(過誤納金の還付等)

第三十一条 登記機関は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、遅滞なく、当該各号に定める登録免許税の額その他政令で定める事項を登記等の申請をした者又は登記等を受けた者(これらの者が二人以上ある場合には、そのうち登記機関の選定した者)の当該登録免許税に係る第八条第二項の規定による納税地の所轄税務署長に通知しなければならない。

一 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請が却下された場合(第四項において準用する第三項の証明をする場合を除く。) 当該納付された登録免許税の額

二 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請の取下げがあつた場合(第三項の証明をする場合を除く。) 当該納付された登録免許税の額

三 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた場合 当該過大に納付した登録免許税の額

2 登記等を受けた者は、当該登記等の申請書(当該登記等が官庁又は公署の嘱託による場合にあつては当該登記等の嘱託書とし、当該登記等が免許等である場合にあつては財務省令で定める書類とする。)に記載した登録免許税の課税標準又は税額の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより、登録免許税の過誤納があるときは、当該登記等を受けた日(当該登記等が免許等である場合において、当該免許等に係る第二十四条第一項又は第二十四条の二第二項(第二十四条の三第二項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する期限が当該免許等をした日後であるときは、当該期限)から五年を経過する日までに、政令で定めるところにより、その旨を登記機関に申し出て、前項の通知をすべき旨の請求をすることができる。

3 登記機関は、登記等を受ける者から登記等の申請の取下げにあわせて、当該登記等の申請書(当該登記等が第二十三条の官庁又は公署の嘱託による場合にあつては当該登記等の嘱託書とし、当該登記等が免許等である場合にあつては当該登記等に係る登記機関の定める書類とする。次項において同じ。)に貼り付けられた登録免許税の領収証書又は印紙で使用済みの旨の記載又は消印がされたものを当該登記官署等における登記等について当該取下げの日から一年以内に再使用したい旨の申出があつたときは、政令で定めるところにより、当該領収証書又は印紙につき再使用することができる証明をすることができる。この場合には、第五項の申出があつたときを除き、当該証明を受けた領収証書又は印紙に係る登録免許税は、還付しない。

4 前項の規定は、登記機関が、登記等の却下に伴い当該登記等の申請書を当該申請者に返付する場合において、当該申請書に貼り付けられた登録免許税の領収証書又は印紙で使用済みの旨の記載又は消印がされたものを当該登記官署等における登記等について当該却下の日から一年以内に再使用させることを適当と認めるときについて準用する。

5 第三項(前項において準用する場合を含む。)の証明を受けた者は、当該証明に係る領収証書又は印紙を再使用しないこととなつたときは、当該証明をした登記機関に対し、当該証明のあつた日から一年を経過した日までに、政令で定めるところにより、当該証明を無効とするとともに、当該領収証書で納付した登録免許税又は当該印紙の額に相当する登録免許税の還付を受けたい旨の申出をすることができる。この場合において、当該申出があつたときは、当該申出を新たな登記等の申請の却下又は取下げとみなして第一項の規定を適用する。

6 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該登録免許税の納付に係る登記等を受けることをやめる場合には、当該登録免許税を納付した者は、当該納付した日(第二十四条の三第一項の規定により当該登録免許税の納付の委託をした者にあつては、当該納付の委託をした日。次項において同じ。)から六月を経過する日までに、政令で定めるところによりその旨を登記機関に申し出て、当該登録免許税の額その他政令で定める事項を当該登録免許税を納付した者の当該登録免許税に係る第八条第二項の規定による納税地の所轄税務署長に対し通知をすべき旨の請求をすることができる。

7 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該納付した日から六月を経過する日までに当該登録免許税の納付に係る登記等の申請をしなかつた場合には、前項の請求があつたものとみなす。

8 登録免許税の過誤納金に対する国税通則法第五十六条から第五十八条まで(還付・充当・還付加算金)の規定の適用については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日に納付があつたものとみなす。ただし、当該各号(第二号を除く。)に掲げる場合のいずれかに該当する場合の登録免許税に係る過誤納金のうち当該各号に定める日後に納付された登録免許税の額に相当する部分については、この限りでない。

一 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請を却下した場合(第四項において準用する第三項の証明をした場合を除く。) 当該却下した日

二 第五項の申出があつた場合 当該申出があつた日

三 登録免許税を納付して登記等の申請をした者につき当該申請の取下げがあつた場合(第三項の証明をした場合を除く。) 当該取下げがあつた日

四 過大に登録免許税を納付して登記等を受けた場合 当該登記等を受けた日(当該登記等が免許等である場合において、当該免許等を受けた日が当該免許等に係る第二十七条第二号に定める期限前であるときは、当該期限)

五 第二十四条の二第一項に規定する財務省令で定める方法により登録免許税を納付した者が当該登録免許税の納付の基因となる登記等の申請をしなかつた場合 第六項の申出があつた日(同項の申出がなかつた場合には、前項に規定する六月を経過する日)

 

 

国税通則法

(還付)

第五十六条 国税局長、税務署長又は税関長は、還付金又は国税に係る過誤納金(以下「還付金等」という。)があるときは、遅滞なく、金銭で還付しなければならない。

2 国税局長は、必要があると認めるときは、その管轄区域内の地域を所轄する税務署長からその還付すべき還付金等について還付の引継ぎを受けることができる。

 

 

(納税義務の成立及びその納付すべき税額の確定)

第十五条1項 国税を納付する義務(源泉徴収等による国税については、これを徴収して国に納付する義務。以下「納税義務」という。)が成立する場合には、その成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税を除き、国税に関する法律の定める手続により、その国税についての納付すべき税額が確定されるものとする。

2 納税義務は、次の各号に掲げる国税(第一号から第十三号までにおいて、附帯税を除く。)については、当該各号に定める時(当該国税のうち政令で定めるものについては、政令で定める時)に成立する。

一 所得税(次号に掲げるものを除く。) 暦年の終了の時

二 源泉徴収による所得税 利子、配当、給与、報酬、料金その他源泉徴収をすべきものとされている所得の支払の時

三 法人税及び地方法人税 事業年度の終了の時

四 相続税 相続又は遺贈(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を含む。)による財産の取得の時

五 贈与税 贈与(贈与者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。)による財産の取得の時

六 地価税 課税時期(地価税法(平成三年法律第六十九号)第二条第四号(定義)に規定する課税時期をいう。)

七 消費税等 課税資産の譲渡等若しくは特定課税仕入れをした時又は課税物件の製造場(石油ガス税については石油ガスの充塡場とし、石油石炭税については原油、ガス状炭化水素又は石炭の採取場とする。)からの移出若しくは保税地域からの引取りの時

八 航空機燃料税 航空機燃料の航空機への積込みの時

九 電源開発促進税 販売電気の料金の支払を受ける権利の確定の時

十 自動車重量税 自動車検査証の交付若しくは返付の時又は届出軽自動車についての車両番号の指定の時

十一 国際観光旅客税 本邦からの出国の時

十二 印紙税 課税文書の作成の時

十三 登録免許税 登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定又は技能証明の時

十四 過少申告加算税、無申告加算税又は第六十八条第一項、第二項若しくは第四項(同条第一項又は第二項の重加算税に係る部分に限る。)(重加算税)の重加算税 法定申告期限の経過の時

十五 不納付加算税又は第六十八条第三項若しくは第四項(同条第三項の重加算税に係る部分に限る。)の重加算税 法定納期限の経過の時

3 納税義務の成立と同時に特別の手続を要しないで納付すべき税額が確定する国税は、次に掲げる国税とする。

一 所得税法第二編第五章第一節(予定納税)(同法第百六十六条(申告、納付及び還付)において準用する場合を含む。)の規定により納付すべき所得税(以下「予定納税に係る所得税」という。)

二 源泉徴収等による国税

三 自動車重量税

四 国際観光旅客税法第十八条第一項(国際観光旅客等による納付)の規定により納付すべき国際観光旅客税

五 印紙税(印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)第十一条(書式表示による申告及び納付の特例)及び第十二条(預貯金通帳等に係る申告及び納付等の特例)の規定の適用を受ける印紙税及び過怠税を除く。)

六 登録免許税

七 延滞税及び利子税

 

 

行政事件訴訟法

(抗告訴訟)

第三条 この法律において「抗告訴訟」とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟をいう。

2 この法律において「処分の取消しの訴え」とは、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為(次項に規定する裁決、決定その他の行為を除く。以下単に「処分」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

3 この法律において「裁決の取消しの訴え」とは、審査請求その他の不服申立て(以下単に「審査請求」という。)に対する行政庁の裁決、決定その他の行為(以下単に「裁決」という。)の取消しを求める訴訟をいう。

4 この法律において「無効等確認の訴え」とは、処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無の確認を求める訴訟をいう。

5 この法律において「不作為の違法確認の訴え」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内に何らかの処分又は裁決をすべきであるにかかわらず、これをしないことについての違法の確認を求める訴訟をいう。

6 この法律において「義務付けの訴え」とは、次に掲げる場合において、行政庁がその処分又は裁決をすべき旨を命ずることを求める訴訟をいう。

一 行政庁が一定の処分をすべきであるにかかわらずこれがされないとき(次号に掲げる場合を除く。)。

二 行政庁に対し一定の処分又は裁決を求める旨の法令に基づく申請又は審査請求がされた場合において、当該行政庁がその処分又は裁決をすべきであるにかかわらずこれがされないとき。

7 この法律において「差止めの訴え」とは、行政庁が一定の処分又は裁決をすべきでないにかかわらずこれがされようとしている場合において、行政庁がその処分又は裁決をしてはならない旨を命ずることを求める訴訟をいう。

 

銀行法二条二項二号にいう為替取引を行うことの意義

 

 

薬事法違反、銀行法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷決定/平成12年(あ)第873号

【判決日付】      平成13年3月12日

【判示事項】      一 銀行法二条二項二号にいう「為替取引を行うこと」の意義

             二 銀行法二条二項二号にいう「為替取引を行うこと」に当たるとされた事例

【参照条文】      銀行法2

             銀行法

             銀行法61

             銀行法64

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集55巻2号97頁

 

 

銀行法

(定義等)

第二条 この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。

2 この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。

一 預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。

二 為替取引を行うこと。

3 この法律において「定期積金」とは、期限を定めて一定金額の給付を行うことを約して、定期に又は一定の期間内において数回にわたり受け入れる金銭をいう。

4 この法律において「定期積金等」とは、定期積金のほか、一定の期間を定め、その中途又は満了の時において一定の金額の給付を行うことを約して、当該期間内において受け入れる掛金をいう。

5 この法律において「預金者等」とは、預金者及び定期積金の積金者(前項に規定する掛金の掛金者を含む。)をいう。

6 この法律において「総株主等の議決権」とは、総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項(特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)をいう。

7 この法律において「株式等」とは、株式又は持分をいう。

8 この法律において「子会社」とは、会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。

9 この法律において「主要株主基準値」とは、総株主の議決権の百分の二十(会社の財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在するものとして内閣府令で定める要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあつては、百分の十五)をいう。

10 この法律において「銀行主要株主」とは、銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者(他人(仮設人を含む。)の名義をもつて保有する者を含む。以下同じ。)であつて、第五十二条の九第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第二項ただし書の認可を受けているものをいう。

11 第八項又は前項の場合において、会社又は議決権の保有者が保有する議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として所有する株式等に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について当該会社若しくは当該議決権の保有者に指図を行うことができるものに限る。)その他内閣府令で定める議決権を含まないものとし、信託財産である株式等に係る議決権で、当該会社又は当該議決権の保有者が委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(内閣府令で定める議決権を除く。)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。

12 この法律において「持株会社」とは、子会社(国内の会社に限る。)の株式等の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の総資産の額(内閣府令で定める方法による資産の合計金額をいう。)から内閣府令で定める資産の額(内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。)を除いた額に対する割合が百分の五十を超える会社をいう。

13 この法律において「銀行持株会社」とは、銀行を子会社とする持株会社であつて、第五十二条の十七第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第三項ただし書の認可を受けているものをいう。

14 この法律において「銀行代理業」とは、銀行のために次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。

一 預金又は定期積金等の受入れを内容とする契約の締結の代理又は媒介

二 資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介

三 為替取引を内容とする契約の締結の代理又は媒介

15 この法律において「銀行代理業者」とは、第五十二条の三十六第一項の内閣総理大臣の許可を受けて銀行代理業を営む者をいう。

16 この法律において「所属銀行」とは、銀行代理業者が行う第十四項各号に掲げる行為により、同項各号に規定する契約において同項各号の預金若しくは定期積金等の受入れ、資金の貸付け若しくは手形の割引又は為替取引を行う銀行をいう。

17 この法律において「電子決済等代行業」とは、次に掲げる行為(第一号に規定する預金者による特定の者に対する定期的な支払を目的として行う同号に掲げる行為その他の利用者の保護に欠けるおそれが少ないと認められるものとして内閣府令で定める行為を除く。)のいずれかを行う営業をいう。

一 銀行に預金の口座を開設している預金者の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達(当該指図の内容のみの伝達にあつては、内閣府令で定める方法によるものに限る。)を受け、これを当該銀行に対して伝達すること。

二 銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること(他の者を介する方法により提供すること及び当該情報を加工した情報を提供することを含む。)。

18 この法律において「電子決済等代行業者」とは、第五十二条の六十一の二の登録を受けて電子決済等代行業を営む者をいう。

19 この法律において「認定電子決済等代行事業者協会」とは、第五十二条の六十一の十九の規定による認定を受けた一般社団法人をいう。

20 この法律において「指定紛争解決機関」とは、第五十二条の六十二第一項の規定による指定を受けた者をいう。

21 この法律において「銀行業務」とは、銀行が第十条及び第十一条の規定により営む業務並びに担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)その他の法律により営む業務並びに当該銀行のために銀行代理業を営む者が営む銀行代理業をいう。

22 この法律において「苦情処理手続」とは、銀行業務関連苦情(銀行業務に関する苦情をいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十二において同じ。)を処理する手続をいう。

23 この法律において「紛争解決手続」とは、銀行業務関連紛争(銀行業務に関する紛争で当事者が和解をすることができるものをいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十三から第五十二条の七十五までにおいて同じ。)について訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。

24 この法律において「紛争解決等業務」とは、苦情処理手続及び紛争解決手続に係る業務並びにこれに付随する業務をいう。

25 この法律において「手続実施基本契約」とは、紛争解決等業務の実施に関し指定紛争解決機関と銀行との間で締結される契約をいう。

 

(営業の免許)

第四条 銀行業は、内閣総理大臣の免許を受けた者でなければ、営むことができない。

2 内閣総理大臣は、銀行業の免許の申請があつたときは、次に掲げる基準に適合するかどうかを審査しなければならない。

一 銀行業の免許を申請した者(以下この項において「申請者」という。)が銀行の業務を健全かつ効率的に遂行するに足りる財産的基礎を有し、かつ、申請者の当該業務に係る収支の見込みが良好であること。

二 申請者が、その人的構成等に照らして、銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であること。

3 外国の法令に準拠して外国において銀行業を営む者(その者と政令で定める特殊の関係のある者を含むものとし、銀行等を除く。以下この項において「外国銀行等」という。)をその株主の全部又は一部とする者が銀行業の免許を申請した場合において、当該外国銀行等が当該免許を申請した者の総株主の議決権に内閣府令で定める率を乗じて得た数を超える議決権を適法に保有しているときは、内閣総理大臣は、前項各号に掲げる基準のほか、当該外国銀行等の主たる営業所が所在する国において、銀行に対し、この法律による取扱いと実質的に同等な取扱いが行われると認められるかどうかの審査をしなければならない。ただし、当該審査が国際約束の誠実な履行を妨げることとなる場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。

4 内閣総理大臣は、前二項の規定による審査の基準に照らし公益上必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の免許に条件を付し、及びこれを変更することができる。

5 第三項の「銀行等」とは、銀行、長期信用銀行(長期信用銀行法(昭和二十七年法律第百八十七号)第二条(定義)に規定する長期信用銀行をいう。以下同じ。)その他内閣府令で定める金融機関をいう。

 

 

 

       主   文

 本件各上告を棄却する。

       理   由

 弁護人湯坐一衛,同湯坐博子の上告趣意のうち,憲法違反をいう点は,実質は単なる法令違反の主張であり,判例違反をいう点は,原判決の認定に沿わない事実関係を前提とするものであって,適切でなく,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
 なお,所論にかんがみ,職権により,銀行法の定める無免許銀行業の罪の成否について判断する。
 原判決の認定によれば,被告人株式会社A(以下「被告会社」という。)の代表取締役である被告人Bは,被告会社の業務に関し,本邦内にある送金依頼人らから,大韓民国内にある受取人らへの送金の依頼を受け,送金資金として本邦通貨を受領した上,直接現金を大韓民国内に輸送せずに,同国在住の共犯者Cに対し,ファクシミリで送金依頼人の氏名,送金受任額,送金先銀行口座等を連絡して支払方を指図し,同国内の被告会社に帰属する銀行口座の資金を用いて送金依頼人の指定する受取人名義の銀行口座等に送金受任額相当額を同国通貨で入金させたというのである。【要旨】銀行法2条2項2号は,それを行う営業が銀行業に当たる行為の一つとして「為替取引を行うこと」を掲げているところ,同号にいう「為替取引を行うこと」とは,顧客から,隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて,これを引き受けること,又はこれを引き受けて遂行することをいうと解するのが相当である。したがって,被告人Bの上記各行為が同号にいう「為替取引を行うこと」に当たるとして被告人両名に無免許銀行業の罪の成立を認めた原判決の判断は,正当である。

 よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
 

不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間

 

 

損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成5年(オ)第708号

【判決日付】      平成10年6月12日

【判示事項】      不法行為を原因として心神喪失の常況にある被害者の損害賠償請求権と民法724条後段の除斥期間

【判決要旨】      不法行為の被害者が不法行為の時から20年を経過する前6箇月内において右不法行為を原因として心神喪失の常況にあるのに法定代理人を有しなかった場合において、その後当該被害者が禁治産宣告を受け、後見人に就職した者がその時から6箇月内に右不法行為による損害賠償請求権を行使したなど特段の事情があるときは、民法158条の法意に照らし、同法724条後段の効果は生じない。(意見がある。)

【参照条文】      民法158

             民法724

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集52巻4号1087頁

 

 

民法

(未成年者又は成年被後見人と時効の完成猶予)

第百五十八条 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。

2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

 

(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条 不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)

第七百二十四条の二 人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

 

 

国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号,13号により禁止された政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布に当たらないとされた事例

 

 

国家公務員法違反被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷判決/平成22年(あ)第762号

【判決日付】      平成24年12月7日

【判示事項】      1 国家公務員法102条1項にいう「政治的行為」の意義

             2 人事院規則14-7第6項7号,13号に掲げる政治的行為の意義

             3 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号,13号による政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布の禁止と憲法21条1項,31条

             4 国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号,13号により禁止された政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布に当たらないとされた事例

【判決要旨】      1 国家公務員法102条1項の「政治的行為」とは,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが,観念的なものにとどまらず,現実的に起こり得るものとして実質的に認められる政治的行為をいう。

             2 人事院規則14-7第6項7号,13号に掲げる政治的行為は,それぞれが定める行為類型に文言上該当する行為であって,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものをいう。

             3 国家公務員法(平成19年法律第108号による改正前のもの)110条1項19号,国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号,13号による政党の機関紙の配布及び政治的目的を有する文書の配布の禁止は,憲法21条1項,31条に違反しない。

             4 管理職的地位になく,その職務の内容や権限に裁量の余地のない一般職国家公務員が,職務と全く無関係に,公務員により組織される団体の活動としての性格を有さず,公務員による行為と認識し得る態様によることなく行った本件の政党の機関紙及び政治的目的を有する文書の配布は,公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるものとはいえず,国家公務員法102条1項,人事院規則14-7第6項7号,13号により禁止された行為に当たらない。

             (1~4につき補足意見,1,2,4につき意見がある。)

【参照条文】      国家公務員法102-1

             人事院規則14-7-5

             人事院規則14-7-6

             国家公務員法(平19法108号改正前)110-1

             憲法21-1

             憲法31

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集66巻12号1337頁

             裁判所時報1569号2頁

             判例タイムズ1385号94頁

             判例時報2174号21頁

 

 

 

国家公務員法

(政治的行為の制限)

第百二条1項 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。

 

第百十一条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の禁錮又は百万円以下の罰金に処する。

一 何人たるを問わず第九十八条第二項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、唆し、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者

二 第百二条第一項に規定する政治的行為の制限に違反した者

 

 

人事院規則

(政治的目的の定義)

5 法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。

一 規則一四―五に定める公選による公職の選挙において、特定の候補者を支持し又はこれに反対すること。

二 最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査に際し、特定の裁判官を支持し又はこれに反対すること。

三 特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。

四 特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。

五 政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。

六 国の機関又は公の機関において決定した政策(法令、規則又は条例に包含されたものを含む。)の実施を妨害すること。

七 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ又は成立させないこと。

八 地方自治法に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ若しくは成立させず又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し若しくは反対すること。

(政治的行為の定義)

6 法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。

一 政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。

二 政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。

三 政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。

四 政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと。

五 政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。

六 特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。

七 政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。

八 政治的目的をもつて、第五項第一号に定める選挙、同項第二号に定める国民審査の投票又は同項第八号に定める解散若しくは解職の投票において、投票するように又はしないように勧誘運動をすること。

九 政治的目的のために署名運動を企画し、主宰し又は指導しその他これに積極的に参与すること。

十 政治的目的をもつて、多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織し若しくは指導し又はこれらの行為を援助すること。

十一 集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を利用して、公に政治的目的を有する意見を述べること。

十二 政治的目的を有する文書又は図画を国又は行政執行法人の庁舎(行政執行法人にあつては、事務所。以下同じ。)、施設等に掲示し又は掲示させその他政治的目的のために国又は行政執行法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し又は利用させること。

十三 政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。

十四 政治的目的を有する演劇を演出し若しくは主宰し又はこれらの行為を援助すること。

十五 政治的目的をもつて、政治上の主義主張又は政党その他の政治的団体の表示に用いられる旗、腕章、記章、えり章、服飾その他これらに類するものを製作し又は配布すること。

十六 政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること。

十七 なんらの名義又は形式をもつてするを問わず、前各号の禁止又は制限を免れる行為をすること。

 

 

憲法

第二十一条1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

 

第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。