原告が,被告との間のアメリカ合衆国ニュージャージー州上位裁判所事件(離婚訴訟)につき,同裁判所が言い渡した判決のうち,被告が原告に対して扶養料や被告が減少させた共有財産に対する原告の持分相当額等の金員を支払うよう命じる部分につき,民事執行法24条の執行判決を求めた事案。
執行判決請求事件
【事件番号】 東京地方裁判所判決/令和元年(ワ)第18933号
【判決日付】 令和2年6月19日
【判示事項】 原告が,被告との間のアメリカ合衆国ニュージャージー州上位裁判所事件(離婚訴訟)につき,同裁判所が言い渡した判決のうち,被告が原告に対して扶養料や被告が減少させた共有財産に対する原告の持分相当額等の金員を支払うよう命じる部分につき,民事執行法24条の執行判決を求めた事案。
裁判所は,当該外国判決が確定したと認め,原告と被告はいずれも米国籍を有するから,当該外国裁判所は当該外国判決についての裁判権を有し,当該外国判決の手続や内容が公序良俗に違反するとはいえず,その他承認執行の要件を充足するというべきとし,一部弁済の被告主張を退け,執行判決に対しても仮執行宣言を付すことができるとし,本件においてもそれが相当と認められるなどとして請求を認容した事例
【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載
【評釈論文】 ジュリスト1568号138頁
戸籍時報823号24頁
民事執行法
(外国裁判所の判決の執行判決)
第二十四条 外国裁判所の判決についての執行判決を求める訴えは、債務者の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所(家事事件における裁判に係るものにあつては、家庭裁判所。以下この項において同じ。)が管轄し、この普通裁判籍がないときは、請求の目的又は差し押さえることができる債務者の財産の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。
2 前項に規定する地方裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が家庭裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。
3 第一項に規定する家庭裁判所は、同項の訴えの全部又は一部が地方裁判所の管轄に属する場合においても、相当と認めるときは、同項の規定にかかわらず、申立てにより又は職権で、当該訴えに係る訴訟の全部又は一部について自ら審理及び裁判をすることができる。
4 執行判決は、裁判の当否を調査しないでしなければならない。
5 第一項の訴えは、外国裁判所の判決が、確定したことが証明されないとき、又は民事訴訟法第百十八条各号(家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第七十九条の二において準用する場合を含む。)に掲げる要件を具備しないときは、却下しなければならない。
6 執行判決においては、外国裁判所の判決による強制執行を許す旨を宣言しなければならない。