マンション駐車場の専用使用権分譲の対価が分譲業者に帰属すべきものとされた事例
駐車場専用使用権分譲代金返還等請求、同当事者参加事件
【事件番号】 最高裁判所第2小法廷判決/平成8年(オ)第1881号
【判決日付】 平成10年10月30日
【判示事項】 マンション駐車場の専用使用権分譲の対価が分譲業者に帰属すべきものとされた事例
【判決要旨】 マンション分譲業者が、マンションの分譲に伴い、区分所有者の共有となるべき建物1階部分及び敷地の各一部に駐車場を設け、マンション購入者のうち駐車場の使用を希望する者に対して右駐車場の専有使用権を分譲し、その対価を受領した場合において、分譲業者が営利の目的に基づき自己の利益のために専用使用権を分譲したものであり、専用使用権の分譲を受けた区分所有者もこれと同様の認識を有していたなど判示の事情の下においては、分譲業者が区分所有者全員の委任に基づきその受任者として専用使用権の分譲を行った等と解することはできず、右対価は、専用使用権分譲契約における合意の内容に従って分譲業者に帰属するべきものである。
【参照条文】 建物の区分所有等に関する法律第1章2節
【掲載誌】 最高裁判所裁判集民事190号89頁
判例タイムズ991号125頁
判例時報1663号90頁
【評釈論文】 北九州大学法政論集27巻2~3号103頁
建物の区分所有等に関する法律
第二節 共用部分等
(共用部分の共有関係)
第十一条 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第二十七条第一項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。
3 民法第百七十七条の規定は、共用部分には適用しない。
第十二条 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第十九条までに定めるところによる。
(共用部分の使用)
第十三条 各共有者は、共用部分をその用方に従つて使用することができる。
(共用部分の持分の割合)
第十四条 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。
2 前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有するものがあるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれその区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。
3 前二項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。
4 前三項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
(共用部分の持分の処分)
第十五条 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離して持分を処分することができない。
(一部共用部分の管理)
第十六条 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は第三十一条第二項の規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。
(共用部分の変更)
第十七条 共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議で決する。ただし、この区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができる。
2 前項の場合において、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の所有者の承諾を得なければならない。
(共用部分の管理)
第十八条 共用部分の管理に関する事項は、前条の場合を除いて、集会の決議で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。
2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。
3 前条第二項の規定は、第一項本文の場合に準用する。
4 共用部分につき損害保険契約をすることは、共用部分の管理に関する事項とみなす。
(共用部分の負担及び利益収取)
第十九条 各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。
(管理所有者の権限)
第二十条 第十一条第二項の規定により規約で共用部分の所有者と定められた区分所有者は、区分所有者全員(一部共用部分については、これを共用すべき区分所有者)のためにその共用部分を管理する義務を負う。この場合には、それらの区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができる。
2 前項の共用部分の所有者は、第十七条第一項に規定する共用部分の変更をすることができない。
(共用部分に関する規定の準用)
第二十一条 建物の敷地又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第十七条から第十九条までの規定は、その敷地又は附属施設に準用する。