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法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

役に立つ裁判例の紹介、法律の本の書評です。弁護士経験32年。第二東京弁護士会所属21770

生活保護法による保護を受けている者がした貯蓄等の同法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」該当性

 

 

保護変更決定処分取消,損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成11年(行ツ)第38号

【判決日付】      平成16年3月16日

【判示事項】      1 生活保護法による保護を受けている者がした貯蓄等の同法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」該当性

             2 生活保護法による保護を受けている者が子の高等学校修学費用に充てる目的で加入した学資保険の満期保険金について収入の認定をして保護の額を減じた保護変更決定処分が違法であるとされた事例

【判決要旨】      1 生活保護法による保護を受けている者が同法の趣旨目的にかなった目的と態様で保護金品又はその者の金銭若しくは物品を原資としてした貯蓄等は,同法4条1項にいう「資産」又は同法(平成11年法律第160号による改正前のもの)8条1項にいう「金銭又は物品」に当たらない。

             2 生活保護法による保護を受けている者が,同一世帯の構成員である子の高等学校修学の費用に充てることを目的として満期保険金50万円,保険料月額3000円の学資保険に加入し,保護金品及び収入の認定を受けた収入を原資として保険料を支払い,受領した満期保険金が同法の趣旨目的に反する使われ方をしたことなどがうかがわれないという事情の下においては,上記満期保険金について収入の認定をし,保護の額を減じた保護変更決定処分は,違法である。

【参照条文】      生活保護法

             生活保護法4-1

             生活保護法(平11法160号による改正前のもの)8

             生活保護法(平9法124号による改正前のもの)11-1

             生活保護法10

             生活保護法13

             生活保護法25-2

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集58巻3号647頁

 

 

生活保護法

(この法律の目的)

第一条 この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

 

(保護の補足性)

第四条 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

2 民法(明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。

3 前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

 

(基準及び程度の原則)

第八条 保護は、厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。

2 前項の基準は、要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであつて、且つ、これをこえないものでなければならない。

 

(世帯単位の原則)

第十条 保護は、世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し、これによりがたいときは、個人を単位として定めることができる。

 

(種類)

第十一条 保護の種類は、次のとおりとする。

一 生活扶助

二 教育扶助

三 住宅扶助

四 医療扶助

五 介護扶助

六 出産扶助

七 生業扶助

八 葬祭扶助

2 前項各号の扶助は、要保護者の必要に応じ、単給又は併給として行われる。

 

(教育扶助)

第十三条 教育扶助は、困窮のため最低限度の生活を維持することのできない者に対して、左に掲げる事項の範囲内において行われる。

一 義務教育に伴つて必要な教科書その他の学用品

二 義務教育に伴つて必要な通学用品

三 学校給食その他義務教育に伴つて必要なもの

 

(職権による保護の開始及び変更)

第二十五条 保護の実施機関は、要保護者が急迫した状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて保護の種類、程度及び方法を決定し、保護を開始しなければならない。

2 保護の実施機関は、常に、被保護者の生活状態を調査し、保護の変更を必要とすると認めるときは、速やかに、職権をもつてその決定を行い、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない。前条第四項の規定は、この場合に準用する。

3 町村長は、要保護者が特に急迫した事由により放置することができない状況にあるときは、すみやかに、職権をもつて第十九条第六項に規定する保護を行わなければならない。

 

将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時における目的債権の発生の可能性の程度と右契約の効力

 

 

供託金還付請求権確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成9年(オ)第219号

【判決日付】      平成11年1月29日

【判示事項】      一 将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時における目的債権の発生の可能性の程度と右契約の効力

             二 医師が社会保険診療報酬支払基金から将来支払を受けるべき診療報酬債権を目的とする債権譲渡契約の効力を否定した原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】      一 将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡契約の締結時において目的債権の発生の可能性が低かったことは、右契約の効力を当然には左右しない。

             二 医師が社会保険診療報酬支払基金から将来8年3箇月の間に支払を受けるべき各月の診療報酬債権の一部を目的として債権譲渡契約を締結した場合において、右医師が債務の弁済のために右契約を締結したとの一事をもって、契約締結後6年8箇月目から1年の間に発生すべき目的債権につき契約締結時においてこれが安定して発生することが確実に期待されたとはいえないとし、他の事情を考慮することなく、右契約のうち右期間に関する部分の効力を否定した原審の判断には、違法がある。

【参照条文】      民法466

             健康保険法43の9-5

             社会保険診療報酬支払基金法13-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集53巻1号151頁

 

 

民法

(債権の譲渡性)

第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

3 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。

4 前項の規定は、債務者が債務を履行しない場合において、同項に規定する第三者が相当の期間を定めて譲渡人への履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、その債務者については、適用しない。

 

 

 

砂川市・空知太神社事件・市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法89条,20条1項後段に違反するとされた事例

 

 

              財産管理を怠る事実の違法確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/平成19年(行ツ)第260号

【判決日付】      平成22年1月20日

【判示事項】      1 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法89条,20条1項後段に違反するとされた事例

             2 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に違反し,市長において同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,市の住民が怠る事実の違法確認を求めている住民訴訟において,上記行為が違憲と判断される場合に,その違憲性を解消するための他の合理的で現実的な手段が存在するか否かについて審理判断せず,当事者に対し釈明権を行使しないまま,上記怠る事実を違法とした原審の判断に違法があるとされた事例

【判決要旨】      1 市が連合町内会に対し市有地を無償で建物(地域の集会場等であるが,その内部に祠が設置され,外壁に神社の表示が設けられている。),鳥居及び地神宮の敷地としての利用に供している行為は,次の(1),(2)など判示の事情の下では,上記行為がもともとは小学校敷地の拡張に協力した地元住民に報いるという世俗的,公共的な目的から始まったものであるとしても,一般人の目から見て,市が特定の宗教に対して特別の便益を提供し,これを援助していると評価されてもやむを得ないものであって,憲法89条,20条1項後段に違反する。

             (1)鳥居,地神宮,神社と表示された建物入口から祠に至る上記各物件は,一体として神道の神社施設に当たるもので,そこで行われている諸行事も,このような施設の性格に沿って宗教的行事として行われている。

             (2)上記各物件を管理し,祭事を行っている氏子集団は,祭事に伴う建物使用の対価を連合町内会に支払うほかは,上記各物件の設置に通常必要とされる対価を支払うことなく,その設置に伴う便益を長期間にわたり継続的に享受しており,前記行為は,その直接の効果として,宗教団体である氏子集団が神社を利用した宗教的活動を行うことを容易にするものである。

             2 市が連合町内会に対し市有地を無償で神社施設の敷地としての利用に供している行為が憲法の定める政教分離原則に違反し,市長において同施設の撤去及び土地明渡しを請求しないことが違法に財産の管理を怠るものであるとして,市の住民が怠る事実の違法確認を求めている住民訴訟において,上記行為が違憲と判断される場合に,次の(1)~(3)など判示の事情の下では,その違憲性を解消するための他の合理的で現実的な手段が存在するか否かについて審理判断せず,当事者に対し釈明権を行使しないまま,上記怠る事実を違法とした原審の判断には,違法がある。

             (1)上記神社施設を直ちに撤去させるべきものとすることは,氏子集団の同施設を利用した宗教的活動を著しく困難なものにし,その構成員の信教の自由に重大な不利益を及ぼすものとなる。

             (2)神社施設の撤去及び土地明渡請求以外に,例えば土地の譲与,有償譲渡又は適正な対価による貸付け等,上記行為の違憲性を解消するための他の手段があり得ることは,当事者の主張の有無にかかわらず明らかである。

             (3)原審は,当事者がほぼ共通する他の住民訴訟の審理を通じて,上記行為の違憲性を解消するための他の手段が存在する可能性があり,市長がこうした手段を講ずる場合があることを職務上知っていた。

             (1,2につき補足意見,意見及び反対意見がある。)

【参照条文】      憲法20-1

             憲法89

             民事訴訟法149-1

             地方自治法242の2-1

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集64巻1号1頁

 

 

憲法

第二十条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 

第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。

 

 

民事訴訟法

(釈明権等)

第百四十九条 裁判長は、口頭弁論の期日又は期日外において、訴訟関係を明瞭にするため、事実上及び法律上の事項に関し、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる。

2 陪席裁判官は、裁判長に告げて、前項に規定する処置をすることができる。

3 当事者は、口頭弁論の期日又は期日外において、裁判長に対して必要な発問を求めることができる。

4 裁判長又は陪席裁判官が、口頭弁論の期日外において、攻撃又は防御の方法に重要な変更を生じ得る事項について第一項又は第二項の規定による処置をしたときは、その内容を相手方に通知しなければならない。

 

 

地方自治法

(住民訴訟)

第二百四十二条の二 普通地方公共団体の住民は、前条第一項の規定による請求をした場合において、同条第五項の規定による監査委員の監査の結果若しくは勧告若しくは同条第九項の規定による普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関若しくは職員の措置に不服があるとき、又は監査委員が同条第五項の規定による監査若しくは勧告を同条第六項の期間内に行わないとき、若しくは議会、長その他の執行機関若しくは職員が同条第九項の規定による措置を講じないときは、裁判所に対し、同条第一項の請求に係る違法な行為又は怠る事実につき、訴えをもつて次に掲げる請求をすることができる。

一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求

二 行政処分たる当該行為の取消し又は無効確認の請求

三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求

四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを当該普通地方公共団体の執行機関又は職員に対して求める請求。ただし、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方が第二百四十三条の二の二第三項の規定による賠償の命令の対象となる者である場合には、当該賠償の命令をすることを求める請求

2 前項の規定による訴訟は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める期間内に提起しなければならない。

一 監査委員の監査の結果又は勧告に不服がある場合 当該監査の結果又は当該勧告の内容の通知があつた日から三十日以内

二 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員の措置に不服がある場合 当該措置に係る監査委員の通知があつた日から三十日以内

三 監査委員が請求をした日から六十日を経過しても監査又は勧告を行わない場合 当該六十日を経過した日から三十日以内

四 監査委員の勧告を受けた議会、長その他の執行機関又は職員が措置を講じない場合 当該勧告に示された期間を経過した日から三十日以内

3 前項の期間は、不変期間とする。

4 第一項の規定による訴訟が係属しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもつて同一の請求をすることができない。

5 第一項の規定による訴訟は、当該普通地方公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に専属する。

6 第一項第一号の規定による請求に基づく差止めは、当該行為を差し止めることによつて人の生命又は身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときは、することができない。

7 第一項第四号の規定による訴訟が提起された場合には、当該職員又は当該行為若しくは怠る事実の相手方に対して、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員は、遅滞なく、その訴訟の告知をしなければならない。

8 前項の訴訟告知があつたときは、第一項第四号の規定による訴訟が終了した日から六月を経過するまでの間は、当該訴訟に係る損害賠償又は不当利得返還の請求権の時効は、完成しない。

9 民法第百五十三条第二項の規定は、前項の規定による時効の完成猶予について準用する。

10 第一項に規定する違法な行為又は怠る事実については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。

11 第二項から前項までに定めるもののほか、第一項の規定による訴訟については、行政事件訴訟法第四十三条の規定の適用があるものとする。

12 第一項の規定による訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、弁護士、弁護士法人又は弁護士・外国法事務弁護士共同法人に報酬を支払うべきときは、当該普通地方公共団体に対し、その報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払を請求することができる。

 

 

原判決は,窃盗罪の領得の意思に関する従前の判例に反しており,経済的用法に従わない以上,領得の意思はなく窃盗罪は成立しないとの上告趣意について,引用判例は,事案を異にし,上告理由にならないとし,領得の意思を有していたとの原判決は,結論において正当として上告を棄却した事例

 

 

              窃盗

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷/昭和37年(あ)第260号

【判決日付】      昭和37年6月26日

【判示事項】      原判決は,窃盗罪の領得の意思に関する従前の判例に反しており,経済的用法に従わない以上,領得の意思はなく窃盗罪は成立しないとの上告趣意について,引用判例は,事案を異にし,上告理由にならないとし,領得の意思を有していたとの原判決は,結論において正当として上告を棄却した事例

【判決要旨】      一 原判決の維持する第一審判決が、弁護人の主張に対する判断において認定判示した事実関係の下においては、被告人は、権利者を排除して本件物品に対する完全なる支配を取得し所有者と同様の実を挙げる意思即ち不正領得の意思を有していたこと明らかである。原判決は、右と、やや、理由を異にするが、その結論においては正当である。

             二 註。第一審判決の認定した事実の要旨

             三 被告人は被害者物干場より衣類女物腰巻等を盗取し、これを自宅に持ち帰りこれ等異性に属する物件を一時的にせよ身に纒い又はこれを翫ひ性的感情を衝動せしめ倒錯的性行為をすることに利用し、且つこれ等物件を被害者に全く返還の意思なく日常他人の出入稀疏なる自宅二階西隅の古箪笥及木箱等に隠匿し自己の所有物として所持していた。

【参照条文】      刑法235

【掲載誌】        最高裁判所裁判集刑事143号201頁

 

 

刑法

(窃盗)

第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合に注文者が請負人に対し建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することの可否

 

 

              損害賠償請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/平成14年(受)第605号

【判決日付】      平成14年9月24日

【判示事項】      建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合に注文者が請負人に対し建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することの可否

【判決要旨】      建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。

【参照条文】      民法634-2

             民法635

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事207号289頁

             裁判所時報1324号320頁

             判例タイムズ1106号85頁

             判例時報1801号77頁

             LLI/DB 判例秘書登載

 

 

民法

(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)

第六百三十四条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。

一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。

二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

 

 

政党が党員にした処分に対する裁判所の審判権の有無

 

 

              家屋明渡等請求事件

【事件番号】      最高裁判所第3小法廷判決/昭和60年(オ)第4号

【判決日付】      昭和63年12月20日

【判示事項】      一、政党が党員にした処分に対する裁判所の審判権の有無

             二、政党が党員にした処分の当否についての審理の基準

【判決要旨】      一、政党が党員に対してした処分は、一般市民法秩序と直接の関係を有しない内部的な問題にとどまる限り、裁判所の審判権が及ばない。

             二、政党が党員に対してした処分の当否は、政党の自律的に定めた規範が公序良俗に反するなどの特段の事情のない限り右規範に照らし、右規範を有しないときは条理に基づき、適正な手続に則ってされたか否かによって決すべきである。

【参照条文】      裁判所法3-1

             民法1編4章1節

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事155号405頁

             判例タイムズ694号92頁

             金融・商事判例817号36頁

             判例時報1307号113頁

 

 

第三条(裁判所の権限) 裁判所は、日本国憲法に特別の定のある場合を除いて一切の法律上の争訟を裁判し、その他法律において特に定める権限を有する。

② 前項の規定は、行政機関が前審として審判することを妨げない。

③ この法律の規定は、刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない。

 

重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が入院中の患者を病院から運び出させた上必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させた場合につき未必的殺意に基づく不作為による殺人罪が成立するとされた事例

 

 

殺人被告事件

【事件番号】      最高裁判所第2小法廷決定/平成15年(あ)第1468号

【判決日付】      平成17年7月4日

【判示事項】      重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が入院中の患者を病院から運び出させた上必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させた場合につき未必的殺意に基づく不作為による殺人罪が成立するとされた事例

【判決要旨】      重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が,入院中の患者を病院から運び出させた上,未必的な殺意をもって,患者の生命を維持するために必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させたなど判示の事実関係の下では,不作為による殺人罪が成立する。

【参照条文】      刑法(平16法156号改正前)199

【掲載誌】        最高裁判所刑事判例集59巻6号403頁

             裁判所時報1391号344頁

 

 

刑法

(殺人)

第百九十九条 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

 

 

在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件

 

 

              在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件

【事件番号】      最高裁判所大法廷判決/平成13年(行ツ)第82号、平成13年(行ツ)第83号、平成13年(行ヒ)第76号、平成13年(行ヒ)第77号

【判決日付】      平成17年9月14日

【判示事項】      1 公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)が在外国民の国政選挙における投票を平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時全く認めていなかったことと憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書

             2 公職選挙法附則8項の規定のうち在外国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分と憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書

             3 在外国民が次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えの適否

             4 在外国民と次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができる地位

             5 国会議員の立法行為又は立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける場合

             6 平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙までに国会が在外国民の国政選挙における投票を可能にするための立法措置を執らなかったことについて国家賠償請求が認容された事例

【判決要旨】      1 平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時,公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)が,国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民が国政選挙において投票をするのを全く認めていなかったことは,憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書に違反する。

             2 公職選挙法附則8項の規定のうち,国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分は,遅くとも,本判決言渡し後に初めて行われる衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の時点においては,憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書に違反する。

             3 国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民が,次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において,在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えは,公法上の法律関係に関する確認の訴えとして適法である。

             4 国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民は,次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において,在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にある。

             5 国会議員の立法行為又は立法不作為は,その立法の内容又は立法不作為が国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な場合や,国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置を執ることが必要不可欠であり,それが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合などには,例外的に,国家賠償法1条1項の適用上,違法の評価を受ける。

             6 国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民に国政選挙における選挙権行使の機会を確保するためには,上記国民に上記選挙権の行使を認める制度を設けるなどの立法措置を執ることが必要不可欠であったにもかかわらず,上記国民の国政選挙における投票を可能にするための法律案が廃案となった後,平成8年10月20日の衆議院議員総選挙の施行に至るまで10年以上の長きにわたって国会が上記投票を可能にするための立法措置を執らなかったことは,国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるものというべきであり,国は,上記選挙において投票をすることができなかったことにより精神的苦痛を被った上記国民に対し,慰謝料各5000円の支払義務を負う。

             (1,2,4~6につき,補足意見及び反対意見がある。)

【参照条文】      憲法15-1

             憲法15-3

             憲法43-1

             憲法44

             公職選挙法(平12法62号改正前)21-1

             公職選挙法(平10法47号改正前)42

             住民基本台帳法15-1

             公職選挙法第4章の2在外選挙人名簿

             公職選挙法42

             公職選挙法49の2

             公職選挙法附則8

             行政事件訴訟法4

             国家賠償法1-1

             憲法41

【掲載誌】        最高裁判所民事判例集59巻7号2087頁

 

 

憲法

第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

② すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

③ 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

④ すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

 

第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

 

第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 

第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

② 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

 

 

公職選挙法

(被登録資格等)

第二十一条1項 選挙人名簿の登録は、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満十八年以上の日本国民(第十一条第一項若しくは第二百五十二条又は政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第二十八条の規定により選挙権を有しない者を除く。次項において同じ。)で、その者に係る登録市町村等(当該市町村及び消滅市町村(その区域の全部又は一部が廃置分合により当該市町村の区域の全部又は一部となつた市町村であつて、当該廃置分合により消滅した市町村をいう。第三項において同じ。)をいう。以下この項及び次項において同じ。)の住民票が作成された日(他の市町村から登録市町村等の区域内に住所を移した者で住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第二十二条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日。次項において同じ。)から引き続き三箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う。

 

(選挙人名簿又は在外選挙人名簿の登録と投票)

第四十二条 選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。ただし、選挙人名簿に登録されるべき旨の決定書又は確定判決書を所持し、選挙の当日投票所に至る者があるときは、投票管理者は、その者に投票をさせなければならない。

2 選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録された者であつても選挙人名簿又は在外選挙人名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。

 

(不在者投票)

第四十九条 前条第一項の選挙人の投票については、同項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十二条第一項ただし書、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び第五十条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。

2 選挙人で身体に重度の障害があるもの(身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)第四条に規定する身体障害者、戦傷病者特別援護法(昭和三十八年法律第百六十八号)第二条第一項に規定する戦傷病者又は介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第三項に規定する要介護者であるもので、政令で定めるものをいう。)の投票については、前条第一項及び前項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十二条第一項ただし書、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び第五十条の規定にかかわらず、その現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者、同条第九項に規定する特定信書便事業者若しくは同法第三条第四号に規定する外国信書便事業者による同法第二条第二項に規定する信書便(以下「郵便等」という。)により送付する方法により行わせることができる。

3 前項の選挙人で同項に規定する方法により投票をしようとするもののうち自ら投票の記載をすることができないものとして政令で定めるものは、第六十八条の規定にかかわらず、政令で定めるところにより、あらかじめ市町村の選挙管理委員会の委員長に届け出た者(選挙権を有する者に限る。)をして投票に関する記載をさせることができる。

4 特定国外派遣組織に属する選挙人で国外に滞在するもののうち選挙の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの投票については、同項及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十二条第一項ただし書、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び第五十条の規定にかかわらず、国外にある不在者投票管理者の管理する投票を記載する場所において、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて不在者投票管理者に提出する方法により行わせることができる。

5 前項の特定国外派遣組織とは、法律の規定に基づき国外に派遣される組織のうち次の各号のいずれにも該当する組織であつて、当該組織において同項に規定する方法による投票が適正に実施されると認められるものとして政令で定めるものをいう。

一 当該組織の長が当該組織の運営について管理又は調整を行うための法令に基づく権限を有すること。

二 当該組織が国外の特定の施設又は区域に滞在していること。

6 特定国外派遣組織となる組織を国外に派遣することを定める法律の規定に基づき国外に派遣される選挙人(特定国外派遣組織に属するものを除く。)で、現に特定国外派遣組織が滞在する施設又は区域に滞在しているものは、この法律の規定の適用については、当該特定国外派遣組織に属する選挙人とみなす。

7 選挙人で船舶安全法(昭和八年法律第十一号)にいう遠洋区域を航行区域とする船舶その他これに準ずるものとして総務省令で定める船舶(以下この項において「指定船舶」という。)に乗つて本邦以外の区域を航海する船員(船員法(昭和二十二年法律第百号)第一条に規定する船員をいい、実習を行うため航海する学生、生徒その他の者であつて船員手帳に準ずる文書の交付を受けているもの(以下この項において「実習生」という。)を含む。)であるもの又は選挙人で指定船舶以外の船舶であつて指定船舶に準ずるものとして総務省令で定めるものに乗つて本邦以外の区域を航海する船員(船員法第一条に規定する船員をいい、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第九十二条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者及び船員の雇用の促進に関する特別措置法(昭和五十二年法律第九十六号)第十四条第一項の規定により船員法第二条第二項に規定する予備船員とみなされる者並びに実習生を含む。)であるもののうち選挙の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙における投票については、同項及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十二条第一項ただし書、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び第五十条の規定にかかわらず、不在者投票管理者の管理する場所において、総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。

8 前項の規定は、同項の選挙人で同項の不在者投票管理者の管理する場所において投票をすることができないものとして政令で定めるものであるもののうち選挙の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙における投票について準用する。この場合において、前項中「不在者投票管理者の管理する場所」とあるのは、「その現在する場所」と読み替えるものとする。

9 国が行う南極地域における科学的調査の業務を行う組織(以下この項において「南極地域調査組織」という。)に属する選挙人(南極地域調査組織に同行する選挙人で当該南極地域調査組織の長の管理の下に南極地域における活動を行うものを含む。)で次の各号に掲げる施設又は船舶に滞在するもののうち選挙の当日前条第一項第一号に掲げる事由に該当すると見込まれるものの衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙における投票については、同項及び第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十二条第一項ただし書、第四十四条、第四十五条、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び第五十条の規定にかかわらず、その滞在する次の各号に掲げる施設又は船舶の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所において、総務省令で定める投票送信用紙に投票の記載をし、これを総務省令で指定する市町村の選挙管理委員会の委員長にファクシミリ装置を用いて送信する方法により、行わせることができる。

一 南極地域にある当該科学的調査の業務の用に供される施設で国が設置するもの 不在者投票管理者の管理する場所

二 本邦と前号に掲げる施設との間において南極地域調査組織を輸送する船舶で前項の総務省令で定めるもの この項に規定する方法による投票を行うことについて不在者投票管理者が当該船舶の船長の許可を得た場所

10 不在者投票管理者は、市町村の選挙管理委員会が選定した者を投票に立ち会わせることその他の方法により、不在者投票の公正な実施の確保に努めなければならない。

(在外投票等)

第四十九条の二第1項 在外選挙人名簿に登録されている選挙人(当該選挙人のうち選挙人名簿に登録されているもので政令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)で、衆議院議員又は参議院議員の選挙において投票をしようとするものの投票については、第四十八条の二第一項及び前条第一項の規定によるほか、政令で定めるところにより、第四十四条、第四十五条第一項、第四十六条第一項から第三項まで、第四十八条及び次条の規定にかかわらず、次の各号に掲げるいずれかの方法により行わせることができる。

一 衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙にあつてはイに掲げる期間、衆議院議員又は参議院議員の再選挙又は補欠選挙にあつてはロに掲げる日に、自ら在外公館の長(各選挙ごとに総務大臣が外務大臣と協議して指定する在外公館の長を除く。以下この号において同じ。)の管理する投票を記載する場所に行き、在外選挙人証及び旅券その他の政令で定める文書を提示して、投票用紙に投票の記載をし、これを封筒に入れて在外公館の長に提出する方法

イ 当該選挙の期日の公示の日の翌日から選挙の期日前六日(投票の送致に日数を要する地の在外公館であることその他特別の事情があると認められる場合には、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日)までの間(あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日を除く。)

ロ 当該選挙の期日の告示の日の翌日から選挙の期日前六日までの間で、あらかじめ総務大臣が外務大臣と協議して指定する日

二 当該選挙人の現在する場所において投票用紙に投票の記載をし、これを郵便等により送付する方法

 

 

住民基本台帳法

(選挙人名簿との関係)

第十五条1項 選挙人名簿の登録は、住民基本台帳に記録されている者又は公職選挙法第二十一条第二項に規定する住民基本台帳に記録されていた者で選挙権を有するものについて行うものとする。

 

 

行政事件訴訟法

(当事者訴訟)

第四条 この法律において「当事者訴訟」とは、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするもの及び公法上の法律関係に関する確認の訴えその他の公法上の法律関係に関する訴訟をいう。

 

 

国家賠償法

第一条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

 

 

       主   文

 

 1 原判決を次のとおり変更する。

 第1審判決を次のとおり変更する。

  (1) 本件各確認請求に係る訴えのうち,違法確認請求に係る各訴えをいずれも却下する。

  (2) 別紙当事者目録1記載の上告人らが,次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において,在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることを確認する。

  (3) 被上告人は,上告人らに対し,各金5000円及びこれに対する平成8年10月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

  (4) 上告人らのその余の請求をいずれも棄却する。

 2 訴訟の総費用は,これを5分し,その1を上告人らの,その余を被上告人の各負担とする。

 

原告名義の普通預金口座が「犯罪利用預金口座」(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律2条4項2号)に該当しないなどとされた事例

 

 

              預金返還請求事件

【事件番号】      東京地方裁判所判決/平成31年(ワ)第3572号

【判決日付】      令和2年6月30日

【判示事項】      原告名義の普通預金口座が「犯罪利用預金口座」(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律2条4項2号)に該当しないなどとされた事例

【判決要旨】      原告名義の預金口座から金融商品取引法違反行為が認定された者に送金がされるなどしていても、その者との間で契約関係があるなどの事実があることからすれば、上記送金が、その振込の振込先となった法2条4項1号の犯罪利用預金口座等に係る資金を移転する目的でされ、その振込に係る資金と実質的に同じであるとは認められない。

             その上、仮に被告が上記口座について取引停止措置を取った時点で上記措置を取ることに相当な理由があったとしても、その後、原告が預金債権消滅手続の解除を求めるなどしたことや、被告が預金口座の取引停止措置を講じてから既に2年以上経過しているが、この間、上記の金融商品取引法違反行為を認定された者らの行為を理由とした請求や差押え手続等がされたことは認められないことからすれば、上記措置を継続する必要性があるとは認め難い。

【参照条文】      犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律2-4

             犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律3-1

             犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律4-1

             商法(平成29年法律45号による改正前のもの)514

【掲載誌】        判例時報2491号47頁

             金融法務事情2163号77頁

 

 

犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律

(定義)

第二条 この法律において「金融機関」とは、次に掲げるものをいう。

一 銀行

二 信用金庫

三 信用金庫連合会

四 労働金庫

五 労働金庫連合会

六 信用協同組合

七 信用協同組合連合会

八 農業協同組合

九 農業協同組合連合会

十 漁業協同組合

十一 漁業協同組合連合会

十二 水産加工業協同組合

十三 水産加工業協同組合連合会

十四 農林中央金庫

十五 株式会社商工組合中央金庫

2 この法律において「預金口座等」とは、預金口座又は貯金口座(金融機関により、預金口座又は貯金口座が犯罪行為に利用されたこと等を理由として、これらの口座に係る契約を解約しその資金を別段預金等により管理する措置がとられている場合におけるこれらの口座であったものを含む。)をいう。

3 この法律において「振込利用犯罪行為」とは、詐欺その他の人の財産を害する罪の犯罪行為であって、財産を得る方法としてその被害を受けた者からの預金口座等への振込みが利用されたものをいう。

4 この法律において「犯罪利用預金口座等」とは、次に掲げる預金口座等をいう。

一 振込利用犯罪行為において、前項に規定する振込みの振込先となった預金口座等

二 専ら前号に掲げる預金口座等に係る資金を移転する目的で利用された預金口座等であって、当該預金口座等に係る資金が同号の振込みに係る資金と実質的に同じであると認められるもの

5 この法律において「被害回復分配金」とは、第七条の規定により消滅した預金又は貯金(以下「預金等」という。)に係る債権の額に相当する額の金銭を原資として金融機関により支払われる金銭であって、振込利用犯罪行為により失われた財産の価額を基礎として第四章の規定によりその金額が算出されるものをいう。

第二章 預金口座等に係る取引の停止等の措置

第三条 金融機関は、当該金融機関の預金口座等について、捜査機関等から当該預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があることその他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等である疑いがあると認めるときは、当該預金口座等に係る取引の停止等の措置を適切に講ずるものとする。

2 金融機関は、前項の場合において、同項の預金口座等に係る取引の状況その他の事情を勘案して当該預金口座等に係る資金を移転する目的で利用された疑いがある他の金融機関の預金口座等があると認めるときは、当該他の金融機関に対して必要な情報を提供するものとする。

第三章 預金等に係る債権の消滅手続

(公告の求め)

第四条 金融機関は、当該金融機関の預金口座等について、次に掲げる事由その他の事情を勘案して犯罪利用預金口座等であると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、速やかに、当該預金口座等について現に取引の停止等の措置が講じられていない場合においては当該措置を講ずるとともに、主務省令で定めるところにより、預金保険機構に対し、当該預金口座等に係る預金等に係る債権について、主務省令で定める書類を添えて、当該債権の消滅手続の開始に係る公告をすることを求めなければならない。

一 捜査機関等から当該預金口座等の不正な利用に関する情報の提供があったこと。

二 前号の情報その他の情報に基づいて当該預金口座等に係る振込利用犯罪行為による被害の状況について行った調査の結果

三 金融機関が有する資料により知ることができる当該預金口座等の名義人の住所への連絡その他の方法による当該名義人の所在その他の状況について行った調査の結果

四 当該預金口座等に係る取引の状況

2 前項の規定は、次の各号のいずれかに該当するときは、適用しない。

一 前項に規定する預金口座等についてこれに係る預金等の払戻しを求める訴え(以下この章において「払戻しの訴え」という。)が提起されているとき又は当該預金等に係る債権について強制執行、仮差押え若しくは仮処分の手続その他主務省令で定める手続(以下この章において「強制執行等」という。)が行われているとき。

二 振込利用犯罪行為により被害を受けたと認められる者の状況その他の事情を勘案して、この法律に規定する手続を実施することが適当でないと認められる場合として、主務省令で定める場合に該当するとき。

3 金融機関は、第一項の預金口座等に係る取引の状況その他の事情を勘案して当該預金口座等に係る資金を移転する目的で利用されたと疑うに足りる相当な理由がある他の金融機関の預金口座等があると認めるときは、当該他の金融機関に対し、同項の預金口座等に係る主務省令で定める事項を通知しなければならない。

 

 

契約締結の費用と認められた事例

 

 

債務不存在確認請求事件

【事件番号】      最高裁判所第1小法廷判決/昭和40年(オ)第98号

【判決日付】      昭和42年9月7日

【判示事項】      契約締結の費用と認められた事例

【判決要旨】      貸金について抵当権を設定する約束がされた場合には、該抵当権の設定登記手続をするについて借主の負担すべき旅費、日当、登記抄本代は、利息制限法三条但書にいう契約締結の費用にあたる。

【参照条文】      利息制限法3

【掲載誌】        最高裁判所裁判集民事88号339頁

             判例タイムズ213号95頁

             金融・商事判例78号13頁

             判例時報500号25頁

             金融法務事情490号29頁

 

 

利息制限法

(みなし利息)

第三条 前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす。ただし、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。