原判決は,窃盗罪の領得の意思に関する従前の判例に反しており,経済的用法に従わない以上,領得の意思はなく窃盗罪は成立しないとの上告趣意について,引用判例は,事案を異にし,上告理由にならないとし,領得の意思を有していたとの原判決は,結論において正当として上告を棄却した事例
窃盗
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷/昭和37年(あ)第260号
【判決日付】 昭和37年6月26日
【判示事項】 原判決は,窃盗罪の領得の意思に関する従前の判例に反しており,経済的用法に従わない以上,領得の意思はなく窃盗罪は成立しないとの上告趣意について,引用判例は,事案を異にし,上告理由にならないとし,領得の意思を有していたとの原判決は,結論において正当として上告を棄却した事例
【判決要旨】 一 原判決の維持する第一審判決が、弁護人の主張に対する判断において認定判示した事実関係の下においては、被告人は、権利者を排除して本件物品に対する完全なる支配を取得し所有者と同様の実を挙げる意思即ち不正領得の意思を有していたこと明らかである。原判決は、右と、やや、理由を異にするが、その結論においては正当である。
二 註。第一審判決の認定した事実の要旨
三 被告人は被害者物干場より衣類女物腰巻等を盗取し、これを自宅に持ち帰りこれ等異性に属する物件を一時的にせよ身に纒い又はこれを翫ひ性的感情を衝動せしめ倒錯的性行為をすることに利用し、且つこれ等物件を被害者に全く返還の意思なく日常他人の出入稀疏なる自宅二階西隅の古箪笥及木箱等に隠匿し自己の所有物として所持していた。
【参照条文】 刑法235
【掲載誌】 最高裁判所裁判集刑事143号201頁
刑法
(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。