前回受診日からの経過を整理すると・・・
2016年春に自覚した脱力・筋萎縮は、脊柱菅狭窄症(後遺症含む)によるものか、重症筋無力症(MG)によるものか、あるいは他の神経疾患によるものか、今だに原因が特定されておらず、
自覚した時から、若干の変動がありながらも体幹と下肢を中心に、ゆっくりと進行し続けました。
一向に止まる兆しが見えまないなか、ご多分に漏れずにこの6ヵ月間も脱力が進行して、QOLも下がるばかり。
そのためMGと緑内障のブログ記事でもご報告したように、ちょっとした段差で躓いたり、駅のホームなどの人混みでは急に止まったり方向転換が出来ないため人とぶつかることが増えて、
時には歩くのが遅いため後ろから来る人に踵を踏まれて転びそうになるなど、毎日の通勤はヒヤッとすることの連続でした。
そのような状況を眼科医に報告すれば、『視野欠損などで視覚障害者に準じるため出来れば白杖、白杖に抵抗感があるのであれば普通の杖は携行してください』と指摘されるのは当然のこと。
まだ練習中のため、状況を見ながら折りたたみ式の杖を鞄から出したり仕舞ったりしながら使用していますが、
歩行時の安定感は格段に向上するとともに、杖を突いている私を避けられている方が多いことに気付き、今更ながらその効果を実感している次第です。
⬇携行しやすいよう、手が疲れないよう新たにカーボン製の軽い杖を購入しました。
⬇病院待合室での一枚。太腿が筋萎縮によりすっかり細くなり、内腿と内腿の間には隙間が出来ています。ズボンを脱げば更に細いのが判るのですが、汚い画像となるため、それだけはご容赦ください。
新たな発見としては、2年前の脊柱菅狭窄症手術後に出来るようになった両足でのつま先立ちが出来なくなったことと、MGの易疲労性に混じって間欠性跛行らしき症状が目に付くようになったこと。
MGによる脱力との明らかな違いが自分でも良く判らないため、脊柱菅狭窄症が再発したか否か、今回の受診で確認したいと考えていました。
介護保険の要支援2に認定
症状悪化により、脊柱菅狭窄症(16種ある特定疾病の一つ)が原因で要支援状態にあるとして、今年の2月に【要支援2】に認定されました。
介護保険の住宅改修制度を利用して階段に手摺を付けるべく業者さんと打ち合わせを行っているところですが、4月中には手摺が付きそうです。
受診結果
受診結果を要約してお伝えすれば、検査の結果、幸いにして2022年4月に受けた腰部脊柱菅狭窄症の手術(開放術)の経過は良好で、
手術予備軍として経過観察中の胸部と、胸部と腰部の境界にある脊柱管狭窄症にも進行が無いとのこと。(椎間板ヘルニアにも変化無し)
冒頭の間欠性跛行など脊柱菅狭窄症らしき症状は、脊柱菅狭窄症手術を受けた腰部に、術前に神経が圧迫されていたことにより既にあった障害が後遺症として残った可能性は否めないものの、
主治医としては、現時点で脊髄に強い圧迫を受けていない状況から重症筋無力症や他の神経疾患によるものでは、との見解で、脊柱菅狭窄症と椎間板ヘルニアは無罪放免となりました。
介護保険の申請時に、意見書を書いていただいたことに対するお礼を伝え、無事【要支援2】に認定されたことを主治医に報告すると、
嬉しそうに👨⚕『必要なサービスを受けて生活を維持してください。症状が安定しているため次回の受診は1年後にします。』と、主治医。
有り難いことに、主治医としては認定されるか心配していたようです。
その後、玄関で派手に転倒したこと、緑内障の症状などを主治医に報告した後、しばらく主治医に会えない寂しさを感じつつも経過観察のサイクルが半年毎から1年毎に伸びたのは喜ばしいことと捉えて、診察室を後にしました。
従来から脊柱菅狭窄症の積極的な治療を行うには重症筋無力症(MG)との鑑別が必要なため、以下の2点(①②)を満たしていることが条件だと主治医から伝えられていました。
①明らかな脊髄の圧迫があること
②明らかな脊柱菅狭窄症特有の症状があること
一方で、MG主治医からは脊柱菅狭窄症との鑑別の困難性や緑内障、虚血性心筋症などへの影響を考慮して、
明らかなMG症状とそれに伴う著しいQOL低下が無ければ積極的な治療は行わないと伝えられており、
やむを得ないとは言え、双方の主治医で見合っている構図は今でも変わりません。
焦る気持ちが無いと言えば嘘になります。
より積極的な治療を受けたいのは山々ですが、医師としては見切り発進の治療など出来るはずもなく、鑑別の困難性などを考慮すれば、この構図、関係性が今のところベターなのかもしれません。
以前のように鑑別不能として精神科に回されないだけでも良しと考え、これからも戒めとして付けたブログタイトル通り、あせらず・のんびり行きたいと思います。
今でこそ、胸椎骨折とその前後の私の仕振りの悪さが脊柱管狭窄症や脳脊髄液減少症などの疾患を誘発したと、複数の医師から指摘されているのですが、
備忘録を兼ねて過去からの経緯を以下の通り要約して載せています。ご興味のある方はご覧ください。
・全体的な流れ
・胸椎骨折(脊柱菅狭窄症原因①)
・受傷翌日から出勤(脊柱菅狭窄症原因②)
・今になって思うこと(反省点)
・脊柱管狭窄症の診断
今回も最後までお読みいただきまして有難うございます。では、皆様もどうぞご自愛ください。
全体的な流れ
先ずは全体の流れをざっくり整理すれば、2015年5月のとある日の早朝、自宅階段の転落により5番〜7番胸椎を亀裂骨折したのがことの始まりです。
過去にも何度か記載したかと思いますが、同時期に脳脊髄液減少症と重症筋無力症も発症していたことから、
病院を転々としながらの脱力や歩行障害などの鑑別診断には本当に難儀しました。
すったもんだの末、現在治療を受けている脊柱脊髄専門の整形外科において脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの診断を受けた時は、胸椎骨折(階段転落)から既に5年が経過していました。
ちなみに脳脊髄液減少症の診断は胸椎骨折から3年後と比較的順調でしたが、
重症筋無力症の【全身型】の確定診断は、ダブルセロネガティブ(抗体陰性)であるがため決定打に欠け、
更に脊柱管狭窄症や脳脊髄液減少症などの症状がオーバーラップしていたことが災いして、【眼筋型】の確定診断から3年もの鑑別診断を兼ねた経過観察期間が必要でした。
その結果、重症筋無力症の診断が【全身型】として最終確定した時は、複視などの症状を自覚してから5年(胸椎骨折からも5年)が経過していました。
胸椎骨折(脊柱菅狭窄症原因①)
そもそもの階段転落の原因はというと(ここからが悪事例です)、救急外来や整形外科で失神原因を探る検査を受けていないものの(未検査は今でも謎ですが・・・)、
『前日のバーベキュー時に、酔った勢いで食べたツブ貝の唾液腺とホタテ貝の中腸線(黒い部分)による貝毒だろう』という整形外科医の見立てになっています。
『貝毒だろう』の根拠は、以下の私の説明(①②③)から整形外科医が判断したと思われます(たぶん)。
①ツブ貝などを食べた2時間後に、天井がグルグル回り吐き気を催しているにもかかわらず、一晩寝れば治ると安易に考えて就寝。
②明け方に布団に寝ていられないほどの気持ち悪さで目を覚まし、這うようにしてやっとの思いでトイレに行くものの、吐こうとしても何も出ず。
③それではと1階に降りて血圧を測り(前月から降圧剤を服用していたため)、水でも飲もうと階段の前に立った瞬間に失神して階段を転落。
たったこれだけの情報です。
⬇️転落時に開けた壁の穴。最上段から壁に激突して、階段を左に曲がった所で頭を階下に向け、仰向けで気絶しているところを家内に起こされました。
後頭部、背中、尾骶骨に痛みを感じましたが、受傷直後は不思議とさほどではありませんでした。
意識が朦朧とするなか救急隊とレスキュー隊が来て、救急外来に搬送されてストレッチャーから下ろされるところまでは断片的な記憶がありますが、
病院での検査中の記憶はほとんど無く、病院搬送から3時間後にベッドに座っているところで正気を取り戻しました。
受傷翌日から出勤(脊柱菅狭窄症原因②)
👨⚕『レントゲンとCT検査で、5番〜7番胸椎の椎体にヒビ(亀裂骨折)があるのが判りました。ただ胸椎は肋骨で鎧のように守られているためギプスもコルセットも不要です。』
👨⚕『適度に動いたほうが治りが早いため、デスクワーク程度なら翌日から出勤しても大丈夫です。10日後のMRI検査で再確認します。』との整形外科医の説明を受けて、
そんなものかと深く考えることも無く、次第に痛みが増すなか、顔をしかめながらタクシーにて帰宅したのを昨日のように覚えています。
帰宅して増々痛みが強くなり、受傷当日の夜には痛みで寝返りをまともに打てず、また、翌朝になっても自力で靴下も履けないにもかかわらず、
『適度に動いた方が治りが早い』との整形外科医からのお墨付きを得ていたことから(真に受けて)、
今になって思えばアレですが、鎮痛剤を飲みながら受傷の翌日から会社に出勤して仕事をするという暴挙に出てしまいました。
当然ながら結果は最悪で、10日後のMRI検査では、5番〜7番錐体の前方が半分ほどに潰れているのが判り、
単なる錐体のヒビから圧迫骨折に進化するという、てんこ盛りの内容になってしまいました。
受傷時に潰れたのか、受傷翌日から仕事をしたため潰れたのか判らないとのことでしたが、整形外科医もただ『潰れましたね』と言うだけ。
10日前の初診時同様、『胸椎は肋骨で鎧のように守られている』理論を持ち出して、『コルセットは付けませんが、調子が悪くなったら来てください』と、早々の治療終了の宣言となりました。
後に、『コルセットを付けずにそれも受傷翌日から出勤を許すなど考えられない』と『最低2週間の自宅安静は必須』との指摘を複数の別の医師から受けましたが、後の祭りとはこの事を言うのでしょう。
このやんちゃな行為が脳脊髄液減少症と、複数箇所の脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを併発した原因と考えられています。
今になって思うこと(反省点)
①今でこそ、なぜツブ貝の唾液腺とホタテ貝の中腸線(黒い部分)を食べてしまったのか、
②なぜツブ貝などを食べた2時間後に酷い目眩がありながら家族に報告せず、病院にも行かなかったのか、
③なぜ翌朝になって気分が悪くて気絶しそうな時や、階段を降りて水を飲みに行こうとした時に家内を起こさなかったのか、
④なぜ『当院の整形外科はお薦めできないので、他の病院の整形外科で治療を受けた方か良いです』との救急救命医の助言を素直に聞けなかったのか(これ本当の話です)、
⑤なぜ5番〜7番胸椎の椎体にヒビ(亀裂骨折)があるにもかかわらず受傷翌日から会社に出勤したのか、
などと思うことがありますが、あれもこれも無知が為せる技。今ではしっかり教訓となっています。
脊柱管狭窄症の診断