胸椎の鈍痛が以前より強く感じるようになり、また、歩けば、カクカクとロボットのようになることや(特に夜間)、


先天性内反足の左足の甲が右足のふくらはぎにぶつかり転びそうになることが増えたため、整形外科を受診しました。


と主体的に受診したようなことを書いていますが、


カクカク歩きに加え、前屈みになったとき、側弯症の影響で背中の左側(助骨)が隆起していることに家内が気付き、


心配した家内に強く促されたため、重い腰を上げたというのが本当のところです。


8月13日に整形外科を受診。


検査の結果、肝心の側弯症は軽度で内心ホッとしたまでは良かったのですが、


椎間板ヘルニア(頚椎・胸椎・腰椎のあちこち)と胸部脊柱管狭窄症の診断が下り、意図しない、想定外の結果と相成りました。


余談ですが、当整形外科医院には重症筋無力症(MG)の治療中であることは伝えたものの、脳脊髄液減少症(脳脊)のことは伏せています。


脳脊に否定的な医師(特に脳神経外科医と整形外科医)が多いため、脳脊で通院していることは伏せるようにと脳脊主治医から言われているのが理由で、


脳脊治療を受けている脳神経外科医院は当然として、普段、MGと脳脊との鑑別・併発患者治療の臨床研究をしている大学病院と、


MG治療中の病院(大学病院系列)でしか脳脊のことを話題にしないよう気を付けています。


各都道府県によるホームページ上での脳脊の啓蒙活動と、相談・診察、治療が可能な(数少ない)医療機関の公表が、その状況を物語っているのではないかと考えます。


本線に戻ります。


胸部の脊柱管狭窄症は腰部に比べて少ないらしく、私の場合、骨折した胸椎のすぐ近くのため階段転落に関連があるのではとのことでした。


仮に、筋萎縮⇒筋力低下、歩行障害などの症状が椎間板ヘルニアと胸部脊柱管狭窄症由来とすれば、


整形外科医としては、進行を止めるためにも手術を検討したいとの説明がありましたが、


MGと症状が混在しているため、耐えられないほどの痛み、手足の痺れなどが出ない限り、現時点で手術に踏み込むのは難しいとのことでした。


複視(眼症状)には、①治療によりMG症状安定 ⇒ ②同じく治療により脳脊症状安定 ⇒ ③眼筋付け替え手術、とのB大学病院(眼科)が定めた治療方針がありますが、


体症状も、①治療によりMG症状安定 ⇒ ②同じく治療により脳脊症状安定 ⇒ ③椎間板ヘルニア・胸部脊柱管狭窄症の手術と、複視同様のプロセスとなることが素人の私にでも容易に想像出来ます。(今後の展開次第ではプロセスが入れ替わる可能性あり)


現在、MGと脳脊の鑑別に難儀している段階のため、それこそ長い道程になるのは間違いないと、改めて覚悟を決めました。


とりあえず、来月受診時にMG主治医へ今日の結果を報告しようと思います。




先天性内反足はというと、歩行時の安全を考え装具の装着(再デビュー)となりました。


⬇️今回処方の装具は、入門編の若干、稼働制限があるサポーターで、歩行時の内反・内転をある程度抑える効果があります。


今後、左足首の変形が進行するようであれば、更に稼働制限のあるプラスチック製の物などにバージョンアップしていくとのことでした。


(自宅にて証明書・説明書とともに撮影)


今回の整形外科の診断結果は想定外でしたが、今思えば5年前の階段転落時の診断・治療はあれでよかったのかと疑問が残ります。


受傷後も体からサインが出ていたにもかかわらず、根っからの病院嫌いに加え、我慢出来る程の痛みであったことも幸いし、整形外科を受診しなかった私もいけないのですが・・・


ここは観念して、ブログタイトル通り、あせらず・のんびり行くことにします。(開き直り)


では、いつも通りの受診記録を記します。


今回も悠長な内容なため、ご興味のある方のみご覧ください。




新型コロナで受診を控えている患者が多いなか、お盆期間で更に空いているのではと期待し、8月13日の午後、自宅近くの整形外科医院を受診。  


日本側彎(そくわん)症学会に所属し、同医院に複数の脊椎脊髄専門医がいることを事前に確認済み。


待合室には私を含め、患者は2名。(作戦成功!)


診察室に入ると初老の医師。


問診票を見ながら、5年前の胸椎骨折のことを聞かれ、失神して自宅の階段を転落したこと、


意識朦朧の状態で救急搬送されたこと、 


救急搬送された病院ではコルセットの処方は無く、鎮痛剤のみだったこと、


受傷後数日間は、激しい痛みで寝返りもままならなかったこと、


その状態にあっても、適度に動いたほうが治りが早いとの整形外科医の説明を信じ、受傷の翌日から痛みに堪えながら出勤したこと、


受傷後1年ほどはリリカ、ロキソニンなどの鎮痛剤のお世話になっていたことなどを説明する。


コルセットもせず鎮痛剤のみの治療に少々驚いており、翌日から仕事に行ったのは呆れてものが言えないといった様子。


先天性内反足の治療について聞かれるが、小学校に入る前のことのためよく覚えておらず、


母から聞かされていた、生まれて直ぐギプスで左足首を矯正したこと、


左足首の内反、内転が治りきらず、アキレス腱にうまく力が入らない状態で症状が固定したこと、


医師から障害者手帳の取得を勧められが、母が障害者の枠にはめたくないと取得を拒否したこと、


小学校3年生頃まで、内反した左足の甲が右足のふくらはぎに当たり、よく転んでいたこと、


小学校に入学してから今まで一度も通院治療していないことなどを説明。


『では、立って前屈みになってください。』


『次は反り返ってください。』


『次は診察室を歩いてください。』


医師の指示通りの姿勢を取っても痛みが増すことはないが、何をするにも筋力低下でフラフラの状態。


脊椎と左足首のレントゲンを取り、再度、診察室へ。


『先天性内反足ですが、内反、内転の進行を抑えるため左足首に装具を付けます。お風呂と寝るとき以外は付けてください。』との医師の説明があったかと思うと、待ってましたとばかり、あっという間に看護師さんが装具を装着する。


『脊椎も軽度の側弯が認められます。ところで、重症筋無力症の治療を受けている病院で、脊椎の検査は受けましたか?』と、医師。


MG主治医から『重症筋無力症と胸椎骨折の後遺症が混在しているようだ』と伝えられているだけで、整形外科連携の検査は受けたことがないと、正直に答える。


私の返答で、何やら整形外科医のスイッチが入った様子。


『頚椎、胸椎、腰椎の詳細なMRIを撮りたいのですが、時間はありますか?』と、医師。


たっぷりあると答えると、看護師さんに先導されてMRI室へ向かう。


技師さんから検査概要の説明。


『脊椎・脊髄の縦断面と、胸椎・腰椎の椎間板16個の横断面を撮ります。』


『椎間板1個あたり6枚の横断面を撮影するため、最終的には100枚ほどの撮影となります。長時間となることをご了承してください。』


『注意事項として、頸部、胸部、腰部に分けて撮影し、最後に連結するので、くれぐれも動かないでください。』


長時間といっても30分ほどと高をくくって同意書にサインし、装置に横たわる。


平静を装っていても、狭い所、特に筒状の空間は子供の頃、土管にはまってから大の苦手。


そこで、MRIが予定されているときは(and 想定されるときは)、睡眠作戦を決行するようにしている。


今日は3時間ほどの睡眠で、昼食は腹一杯の状態で臨んでおり、準備万端の状態。


案の定、装置に入って数分で寝入る。 


途中、装置のけたたましい音で何度か目が覚めるが、一向に終わる気配がない。


ただ、時間感覚が全く無い。


3度ほど目が覚めたところで終了。


時計を見ると16:30。MRI室に入ったのが14:45で、2時間近くも装置に入っていたことになる。  


いかに暇とはいえ、2時間(近く)もMRIを独占するとは・・・


懸念の頸部・胸部・腰部の連結が上手出来たことで達成感を味わっている技師さんをよそに、


ほぼ夢の中だったとはいえども2時間(近く)と知って、疲労感がどっと襲って来るのが分る。


閉院前の閑散とした廊下をトボトボ、フラフラ歩き診察室へ向かう。


診察室にて、MRI画像を見ながらの医師の説明。


『側彎ですが、軽度のため経過観察で良いと思います。』


MRI画像を見ると、5月の人間ドック時より緩やかなカーブになっており、自然と改善したのだろうか・・・


人間ドック時は立位で、今回は臥位の姿勢で撮影したため、その影響もあるのかもしれないが、軽度との整形外科医の説明に安心する。


『5年前の胸椎骨折は、縦断面のMRI画像で見る限り、5番と6番の椎骨の上部中心が陥没し、7番の前方が潰れた状態で固定しています。』


受傷時に7番胸椎の圧迫骨折と聞かされていたが、5番と6番も潰れたていたとは・・・


それにしてもMRI画像の解像度が高い。これも2時間近く装着に入っていた成果ということか。


『ここからが本題で、あちこち椎間板ヘルニアがあります。頚椎はここ、胸椎はこことここ、腰椎はこことこことここ。』


縦断面のMRI画像の遷移と医師の説明が早過ぎて、目で追うのがやっとだったが、


なんとなく、脊椎の下(腰の方)に行くほど椎間板ヘルニアが増えているのは判った。


こんなにもあちこちの椎間板が同時にヘルニアになるものだろうか?


『あと、8番から10番胸椎あたりが脊柱管狭窄症です。これは横断面のMRI画像ですが、黒っぽいところが髄液で、他の所より髄液が少ないのが判ると思います。硬膜が脊椎に押されて脊髄に迫っています。』


確かに狭くなっている。思わず「ここから髄液が漏れているのでは?」と口が滑りそうになるが、脳脊主治医の言いつけが浮かび、思い留まる。


『あくまで画像からの判断ですが、椎間板ヘルニアと胸部脊柱管狭窄症は中程度だと考えます。それぞれが作用して筋萎縮、筋力低下、歩行障害などの症状となっている可能性があります。』


『脊椎の広範囲に症状が出ており、階段転落の影響と考えるのが自然です。特に胸部脊柱管狭窄症は骨折した箇所の隣りであり、その可能性は高いと思います。』


『重症筋無力症が無いとして、椎間板ヘルニアと胸部脊柱管狭窄症で筋萎縮などが生じているのであれば、手術を検討するところですが・・・』


『ひとまず経過観察とします。定期的な通院は不要ですが、耐えられないほどの痛みになった場合、痺れなどの症状が出た場合は直ぐに受診してください。手術を検討します。では、お大事に。』




胸部脊柱管狭窄症とは初めて聞いた病名。


医師の説明では、脊髄が収まっている脊柱管が文字通り狭くなり、脊髄、血管を圧迫することで様々な症状が出る疾病だそうだ。


筋萎縮、筋力低下、歩行障害などの症状の進行を抑えるには手術が有効らしいが、


重症筋無力症(MG)との鑑別が難しいため、直ぐに手術とは行かないとのこと。


MG主治医も、MGと胸椎骨折の後遺症との鑑別には難儀している。


脳神経内科・眼科(MG)、脳神経外科(脳脊)、整形外科(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症)の連携をお願いしたいところだが、


これも複視同様、大学病院が中心となった臨床研究の対象とならなければ難しいのだろうか。


益々複雑になる構図に、少々嫌気が差してきた。(本音)