この記事では、1970年代以降の治療モデルについてまとめます。
自身の勉強も兼ねてですので不足があるかもしれませんがご容赦ください。
<カタルシス>
1970-80年代の治療モデルとしては、カタルシス(抑圧された感情の解放・浄化)の重要性が強調されてきた。
トラウマ記憶を連想させる全ての感情と記憶を、浄化し解放する療法である。
※トラウマとそれにまつわる感情の回避が、心的外傷後ストレス症状の原因であるという仮定に基づいたものである。
<認知行動療法>
曝露療法や認知処理療法といった認知行動療法が、現代のPTSDの治療効果の研究では優位を占めており、1980-90年代にはトラウマ治療として曝露療法が一般的となった。
回避のために恐怖をベースとする連想を拭い去る機会がないことで、トラウマに関する不安を強めてしまう傾向にあるという考え方に基づく。
治療は(リソースを構築しながら少しずつであるとはいえ)患者をトラウマ想起させるものに晒すこととなる。
<その他>
集団療法、精神力動療法、催眠、心理社会的リハビリテーション、EMDR、家族療法など広範囲なアプローチが支持されてきた。
<複雑性トラウマ>
慢性的に繰り返される、長期にわたる人間関係のトラウマを(特に発達初期に)生き延びた人々は、通常のPTSDより深い影響を受けることがある。
無価値、恥などの感覚を抱きやすく、猜疑心と自責の念を抱え込む傾向にある。
これらの人々が持ちやすい否定的自己評価は、「自身が経験したトラウマが起こったことは、自分に責任がある」と思い込む傾向からくる。
感情の調整が難しかったり、解離、肉体的錯乱、歪んだ自己イメージ、人間関係のつながりを持つことや維持する能力の障害などの症状が見られ、曝露療法に耐えるのが困難な場合がある。
トラウマ記憶に晒されると、生理的・感情的な苦痛が増すが、その後、慣れによって徐々に減退するとされている。
しかし複雑性トラウマを持つ人々は、その生理的・感情的経験に耐えうる土台となるリソース(内的・外的資源)が育っていないために、治療からの脱落が起こりやすくなる。
トラウマ治療効果研究のほとんどが、複雑性トラウマに苦しむ人々が必要とするものを反映しておらず、治療から脱落してしまう人も多いと言う現状がある。
続く…