奈良盆地には古代、巨大な湖があった。

明日香の亀石は、その水を引いたのは三輪の神だと告げていたのだ。

 

★前回の記事

 

★目次

☆1 当麻のへびと川原のなまず
☆2 三社の神
☆3 まとめ
 
 

明日香の川原の「亀石」。

「大和川川床開削」の場所にあった「亀瀬岩」から繋がった。

もしかすると同じ伝承では?
 

明日香の亀石の伝承には、「当麻のへび」と「川原のなまず」が登場する。

 

へびが湖の水を引いていた。

 

(出典「古代であそぼ」奈良湖推定図より)

http://www.ne.jp/asahi/woodsorrel/kodai/edo/index.html

 

  当麻のへびと川原のなまず

 

奈良で「へび」と言えば大神神社の御祭神。*1
彼は大物主神であり、饒速日命。

 



大神神社

 

でも「当麻」のへび?
当麻と言うと、二上山の東の麓(奈良盆地の西側)
三輪の反対。(三輪は奈良盆地の東側)


でも、ここにあった。

同じ伝承が。

 

今の當麻地区の近くに長尾神社がある。

長尾神社」。

奈良県歴史資源データベース「いかすなら」のサイトを参照した。
 

「ヘビとなまずの争い」
もう書かなくていいくらい、明日香の亀石とまったく同じ伝承。


なので、明日香の亀石にあった「当麻のヘビ」は、「当麻の長尾神社のヘビ」。

「川原のなまず」とは亀石を示し、二つの場所の伝承が同じだと示唆している。



また「ヘビと竜」の伝承がある。
要約しますが、詳細は下記サイトでお願いします。
(「奈良県歴史資源データベース「いかすなら」より要約)


「蛇の尾っぽ」

三輪明神が蛇の頭で、当社がその蛇の尾っぽ。
その長い蛇の先がここまで来ていたので、「長尾神社」になった。

「竜の尾っぽ」
また別の伝承。
大和に竜が住んでた。
竜王宮(大和高田)が竜の頭で、長尾神社がその尾という伝説。
また、竜王宮が大蛇の胴体で、大神神社ー竜王宮ー長尾神社が大蛇の化身であるという伝説。

 

これらから分かる事。

☆「当麻のへび」は、この長尾神社の御祭神。
☆三輪明神(大神神社の大物主神)は「蛇神であり竜神」。

☆大神神社ー竜王宮ー長尾神社の御祭神は同じ。

 

同じ竜(蛇)の体なのだから、三社の神は同じなのだ。

 

 

  三社の神

 

「長尾神社」の御祭神は、天照大神、豊受大神。
水光姫命、白雲別命。
摂社に厳島神社(市杵島姫命)天児屋根命)

 


「竜王宮」は(石園座多久虫玉神社・いそのにますたくむしたま)。
御祭神は、建玉依比古命、建玉依比売命。
豊玉比古命、豊玉比賣命。


建玉依比古命とは、鴨玉比古命のこと。

  


「大神神社」の御祭神は、大物主神(饒速日命)。

摂社に市杵島姫命神社の市杵島姫命(御炊屋姫)。
御炊社の御膳津神(豊受大神、宇迦之御魂神)など

★御炊屋姫の名は豊受を意味してる=彼は饒速日命の后=大物主神=饒速日命


上記の神社は、一匹の長い竜(蛇)の同体。
つまり、同じ神。(摂社の神も同じ二柱の神)

 

この伝承は、三社の御祭神が同じであることを示唆している。

(石(いそ)は、石上の石)

 

 

 

 

 

上の記事に書いた通り。
また、豊玉比古命、豊比賣命も彼ら。
 

八大龍王に繋がる。

 

 

「山幸彦海幸彦」の伝承に登場する神。
また、そこから、彼らは「饒速日命と御炊屋姫」だとたどり着いている。

 

皆、同神なのだ。

 

何故、当麻なのか。

大神神社の神は饒速日命。

 

彼と共に天降った二十五部族の名の中に「当麻物部」がある。

奈良で、彼らが居ついた土地であった。

 

彼は高良神であり、武内宿禰。

ゆえにこの地には「竹内」の名の峠や地名があったのだ。

 

 

  まとめ

 

☆伝承の神

亀石の「当麻のへび」と「川原のなまず」の伝承。

 

二つの場所の伝承は同じ」ことを示唆。

(川原の明日香の亀石と、当麻の長尾神社の話は同じ)
                   ↓
「当麻の長尾神社」と「明日香の川原の亀石」の伝承は同じ。

(これが二つの場所)
                   ↓
長尾神社の伝承から「三社の神は同神」
*「長尾神社の御祭神」と「竜王宮」と「三輪」の御祭神は同じ

                    ↓

「当麻のへび」は、三輪の大物主神。

 

 

☆伝承の中身


<当麻のへびが勝った>


「当麻のヘビ」が勝ち、水を吸い取られた結果、干上がってしまい、湖のカメはみんな死んでしまった。

 

「当麻のへび」が、奈良湖の水を干上がらせた。

       ↓
当麻のへびは、三輪山の大物主神。

       ↓    
三輪の神(大物主神)が、奈良湖の水を干上がらせた。

       ↓

奈良湖は、「亀の瀬」の「大和川床開削」により、水位が減る。
       ↓

つまり「亀の瀬」の大和川川床開削をしたのは、三輪の神、大物主神である饒速日命。

 

 

ここに繋がった。

 

やはり、奈良湖の水を引くという治水工事からも、「潮の満ち引きを操る」という「潮干珠、潮満珠」の伝承の元になったのだ。

 

また、「龍王宮」の、豊玉比古命と豊比賣命も、彼ら自身。

 

浦島太郎に酷似の伝承は神の由緒を示していた。

 

豊玉彦と豊玉姫、八大龍王、浦島太郎、高良神と神功皇后、山幸彦、大国主神、住吉神。

 

全て同じ神なのだ。

 

 

 

 

「明日香の亀石」から、柏原市の「亀の瀬」の「亀瀬岩」へと繋がった。

 

では、やはり、饒速日命が奈良湖の水を引いたのだ。

 

 
まさにこんな感じ。
 

そこから饒速日命の「十種神宝」の二つの玉の伝承になり、彼から派生した神が「同じ玉」を持つ伝承になった。


おそらく、彼らは「水を引く」こと以外にも、様々なことをしている。
だから「十種神宝」なのだろう。(様々な力がある)


では、明日香の「亀石」は、柏原市の「亀瀬岩」のオマージュ。

三輪の神が奈良湖の水を引いた。
そこへ「繋げる」ためのもの。

 

だから、あんなに大きく、誰がみても「亀」であるように造られていたのか。

おそらくだが、明日香の亀石は「三つの社」が創建されて以降に造られたのだろう。

 

まだ、彼が何者か知られている時に。



神話や伝承は、全てが事実ではないが、核心に触れるところには事実を告げていたのだ。


「大和川開削」
もう一つ繋がった。

 

(つづく)

 

 

*1 蛇は「ナーガ」に繋がる。
(「ナガスネヒコ ~宿禰の初め~」の記事)

ナガスネヒコは、彼自身の事。
「ナーガ」は、長いの語源。