続きです。
八大竜王は綿津見神。
神奈川の茅ケ崎の八大龍王には、浦島太郎と似た伝承があった。
*
この回では。
☆3 安曇磯良神の「浦島太郎伝説」。
☆4 伝承は神の由来をとくもの。
< ☆3 安曇磯良神の「浦島太郎伝説」 >
志賀海神社の安曇磯良神に、それに似た伝承がある。
「亀石の伝承」と「磯良舞」。
それは神功皇后へと繋がる。
神功皇后に千珠万珠を授け、船の航路と舵取りをした。
☆摂社「今宮神社」
神功皇后三韓出兵の際に出現された阿曇磯良丸命は、当地竜宮より干珠満珠を借り賜って海上指揮に仕えたと伝えられる。
☆「志賀海神社のHP」
神功皇后は三韓出兵の際、志賀島の安曇磯良神を召された。
龍神より干珠満珠を授かり、三韓を平定。
(詳細、以下の記事)
出現した神、玉を授けた神の違い。
それが、京都の祇園祭と高良の伝承(高良玉垂宮神秘書)で繋がった。*1
記された神は同神。
核心は、
<神功皇后の三韓征伐の際、龍神・安曇磯良神が金色の亀に乗って海から現れ、彼女に干珠満珠を授けた>
となる。
☆磯良舞。
福岡の北部にあるいくつかの神社で奉舞されている。
下記のリンクは那珂川市の伏見神社。*2
神功皇后の三韓征伐の際の物語。(彼女は神楽には出ない)
登場するのは
*武内宿禰
*磯羅神。
*豊玉姫。
*海神。
神功皇后が武内宿禰らと共に三韓征伐へ。
武内宿禰は干珠満珠を、海神から授かりたい。
勝馬の海(玄界灘)で磯羅神が、海神からもらい受けようとするができない。
豊玉姫が登場し、珠を授かりに海神の元へ行くことになった。
海神から、干珠満珠を授かった豊玉姫は、武内宿禰に干珠満珠を渡した。
元となる話は、志賀海神社の伝承と同じ。
では、登場人物は二柱。
*武内宿禰、(安曇)磯良神、海神は同神。
*「彼から珠を受け取った豊玉姫」と神功皇后は同神。
この話の核心(伝えたいこと)はこうだ。
*神功皇后の三韓征伐の際の話。
*海神は、勝馬の海(玄界灘)にいる=竜宮である志賀海神社の神(竜神・綿津見神・安曇磯良神)
*干珠満珠は、安曇磯良神から神功皇后へ。
志賀海神社の伝承の
神功皇后の三韓征伐の際、龍神・安曇磯良神が亀に乗って海から現れ、彼女に干珠満珠を授けた。
と同じ話。
そこに「神功皇后」は不可欠な存在である。
安曇磯良神が神功皇后へを珠を授ける=垂れる。
別名の高良玉垂神と息長垂姫の名は、これを示す。
前回の茅ケ崎(前記事の*1)でも、八大竜王神から乙姫様へと珠が渡されていた。
この過程は大事なのかもしれない。
(玉手箱と玉は同じものを示すもの)
八大竜王である安曇磯良神(高良神・住吉神)の伝承。
これが「浦島太郎伝説」の元。
茅ケ崎の八大竜王神の伝承は、神の由緒を示唆していた。
< ☆4 神の由緒をとく >
核心が同じであれば、元の話は同じ。
「似た話」を繋いでいくと「神の姿」が浮かびあがる。
祀られている神の正体を、伝承で示唆しているということ。
「伝承で繋がる神」も同神。
志賀海神社の摂社「今宮社」。
同じ「今宮神社」も彼を祀る。
(秩父今宮神社HP参考)
秩父の今宮神社の御祭神は、イザナギ神イザナミ神ですが、後に「八大竜王」を合祀して、「八大竜王社」と呼ばれている。
その後に「京都の今宮神社」からスサノオ命を勧請。
☆社の呼び名は、主祭神を示唆するもの。
別の神ならそう呼べないだろう。
八大竜王である安曇磯良神は、高良神である饒速日命。
彼は祇園の神・スサノオ命でもあった。
「同じ神」であるから、勧請しているのだ。
神の由緒を明らかにする。
それは、神への敬愛の情に他ならない。
奈良の「登弥神社」の案内板には数多の御祭神の神々が記されていた。
秩父今宮神社。
そこには弁財天、稲荷神も祀られている。
脊振山に、八大竜王と共に祀られる「弁財天」。
彼女が市杵島姫命であり、宗像神である御炊屋姫。
それが、安曇磯良神(高良神)と共にあった、神功皇后。
磯良舞では、豊玉姫として登場している。
浦島太郎の乙姫さまにあたる。
彼女は背振の弁財天。
では、八大竜王が乙護法善神とされたことから、「乙姫」になったのだ。
彼ら饒速日命と御炊屋姫は、大和でも豊玉彦と豊玉姫に繋がる。
( つづく )
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*1 高良玉垂宮神秘書と京都の祇園祭
神秘書は、高良神は住吉神、安曇磯良神。鹿島神と春日神と勝馬(志賀島)の神と同神。
祇園祭では、神功皇后の三韓出征の船にいる神が、住吉神、鹿島神、龍神・安曇磯良神。
*2
那珂川には住吉の元宮「現人神社」があり、イザナギの禊の地の名称(岩戸やたちばな等)が全部そろっている。
住吉神=饒速日命は、天照、月神、スサノオ神、猿田彦神など、神話の全ての神。
彼が生まれたこの地の姿から、神話が作られたのだ。