フュージョンやニューエイジを中心に生演奏特盛りでM3や配信サイトで頒布中です。
ときどきフリーで音声関係の音響エンジニアをやってます。
WEBラジオや公開録音・トークライブなどで活動させてもらっています。
今回は、本ブログ初のケーブル試聴感想です。
一番身近なLINEケーブルをお届け!
私のオーディオリスニングは、ほとんどが同軸デジタルケーブルを使ったデジタル伝送です。
プレイヤーからアンプまでの経路は、1本のケーブルのみで完結してるから楽ですし、配線もすっきりします。
ただ、ここで問題が……
近頃、改めてその存在が注目されているDSDはHDMIというごく一部のインターフェースでなければデジタル伝送出来ません。
ハイエンドにはLANケーブルで伝送っていうのもありますね…
昔はi.LINKでも伝送できましたが…
アンプがかなり昔の機種のためDSDはアナログで入力するしかなく、
以前から手頃でクオリティーの高いRCAケーブルがないか探していました。
そこで巡り会ったのが102SSCを使ったオヤイデの新ケーブル。
102SSCとはC1011という既存の導体をオヤイデ独自の技術でクオリティーアップを図ったもの。
先月の真空管オーディオフェアで非常に素直な音を実現していたのが印象的でした。
しかも、価格が今使用しているSL-1801(SAEC)と大差ないラインナップを揃えている。
滅多に使わないアナログRCAだからこそ、出費はなるべく抑えたかったわけです。
では、新たに購入したケーブルの情報をご紹介!
機種:ACROSS750 RR V2
導体:102SSC
絶縁体:高分子ポリオレフィン
介在:ポリエチレン
シールド:102SSC横巻き

絶縁体は聴き慣れない名前だったのですが、ポリエチレンを含むポリマー(高分子)の総称だそうです。
構造の若干違うポリエチレンをこう表記してるのかもしれないですね。
電材メーカーでもあるオヤイデならでは開発力と、
伝送スピードにおいて有利な素材=ポリエチレンやポリオレフィンを使ったこと、
そして撚り線密度を高める3E撚りによる特性の改善がどれほど音質に貢献しているか注目です。
これとSL-1801の聞き比べといこうとしましたが、
あまりにも発売時期が離れているのでちょっとフェアじゃないのが気になります。
どうせフェアじゃ無いなら、極端なことやろうと思ってこれを追加しました。

そうです。
何の変哲も無い付属品みたいなケーブルです。
メーカーのロゴが刻まれているので、おそらく単品購入したやつだと思います。
価格的には1000円以下でしょう。
真っ赤と真っ白のプラグは皆さまも見慣れているでしょうか。
これとSL-1801の聞き比べをしつつ、ACROSS750 RR V2へのグレードアップと綴っていこうと思います。
では、前置きはこのくらいにしてさっそく本題へ!
記事っぽく「である調」でいきましょう。
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【外観】
標準ケーブルの取り回しのし易さ、扱いやすさは群を抜いている。
自由にケーブルを配置できる感覚は、オーディオグレードに慣れすぎた自分にとって逆の意味でショックである。
ただ、プラグのチープさはどうしようもない。コネクトの具合もやわく振動対策は心許ない。
SL-1801は存在感こそあるものの、スーパーアニール処理のおかげでとても柔らかい。
プラグのコネクト具合は、標準ケーブルよりガッチリとはまるが取り外しは容易だ。

ACROSS750 RR V2は、十字に加工された絶縁体の影響もあるようでやや堅めだ。
ケーブルの曲げに癖があり、癖に逆らうように曲げると戻ろうとする。
そのため、接続にはケーブルにストレスを掛けないよう配置に気をつける必要がある。
プラグのコネクトは、ネジ式になっていて強固で安定した接続が期待できる。
【音質傾向:標準とSL-1801】
オーディオ用のケーブルはやはり音がいい。
当たり前の事実ではあるが、とことん思い知らされた試聴だった。
まず、標準ケーブルは平面的な音場で奥行きが浅く広がりに乏しい。
不自然な高域のガサガサ感が気になる。
打ち込みメインの楽曲はキンキンしてうるさいくらいだ。
躍動感も今ひとつで抑え込まれている。まるで圧縮音源のようになってしまった。
SL-1801へ変更することで音のディテ-ル表現が劇的に向上した。
低域が肉厚になってエネルギーが増し、躍動感も明からに改善している。
オーケストラの変貌ぶり、説得力の違いは尋常では無い。
フュージョンでは、透明感がアップしたが、S/Nの向上が効いているのが影響しているようだ。
S/Nの改善は全ジャンルに渡り大きな影響を与えてくれた。
劇伴における静寂の表現力、淀みが結果として晴れたようになるため打ち込み系でも音の形がよく見える。
かき鳴らすエレキギターや打ち込みのリズムトラックがスピード感を増してよりカッコ良く映える。
標準ケーブルの癖であった高域の耳障りなピークは改善されている。
音楽の完成度をより忠実に伝えるケーブルだと感じた。
【音質傾向:SL-1801とACROSS750 RR V2】
一聴してとても驚いた。
まず、音楽作品としての完成度が高まった。
音質が向上するというのはもちろんだが、音楽としての質が高まるのである。
オーディオケーブルは、オーディオマニア的満足度を高めるためのものではなく、
音楽をより感動的に受け取るためにあると改めて実感した。
SL-1801よりさらにS/Nが向上し、ここまでくると真に迫る音という感じだ。
響きも自然になって余韻をキレイに聴かせてくれる。
オーケストラの微弱音が繊細なまま埋もれずに聞こえてくるのは快感ですらあった。
フュージョンや劇伴では、自然な帯域バランスの効果を感じる。
SL-1801のある種個性でもあった中高域のまろやかさ・押し出し感が無くなって、全体的に自然なテイストでまとめられている。
一聴して地味に思うかもしれないが、これが本来の音に近いと筆者は受け止めた。
じっくり聞き込むと、ケーブルの味ではなく音楽に込められた本来の味を感じられるからだ。
奥行きや広がり感はもう一段階上にいった。
ディテール描写もレベルが上がり、打ち込みメインの楽曲などは定位の向上も相まって面白い。
音楽としての調和が良くなるというと何のことだかさっぱりだが、聴いていて楽しくなるというのは一つのステータスだと思う。
アクセサリーを使って音が本来の状態に近づくことは、音楽を聴く楽しさを高めてくれることと同義なのではないだろうか。
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以上です!
読者の方のケーブル選びの参考になれば幸いです。
聴く部屋の特性や組み合わせる機器によって結果が変わってしまうこともあります。
あくまで傾向として捉えてもらえたらと思います。
よいオーディオ(再生音楽)ライフを!