イタリア旅行記 36:バニョレージョへ | 旅中毒

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2019/1/2
 

バニョレージョに行く道中もなかなか楽しかった。これはヴィテルボから20分くらい走ったところにあるチェッレーノ。素敵な建物が見えて大慌てで写真を撮りましたが、窓に手やカメラが写りこんじゃった。

 

上の写真とこれは元修道院。地図上ではカルチャーセンターと出てきますが、オリーブオイル工場がスーパーマーケットと表示されているくらいだから、あまり信じない方がいいかも。

 

行き止まりのところには城壁があったよ。

 

 

野本さんのブログにも書いてあるのだった。

さくらんぼの町チェッレーノでさくらんぼジェラート♡

地下通路が交錯する廃墟の町チェッレーノ

 

ウィキペディアの写真。小さなお城があるんだね。地図をアップにしたら、オルシーニって出てきたから、ここもオルシーニ家の領地だったのか。

By Vitmalinovsky - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, Link

 

本当に感心してしまうのは、イタリアにはこういう小さなお城、小さな旧市街がそこら中にあること。ここ、こんなに素敵な廃墟があるのに、別に有名でも何でもない。あんな素晴らしい旧市街が残るブラッチャーノだって日本では知っている人がほとんどいない。そこらにいくらでもあるから、わざわざ取り上げるほどでもないと思われているのかな。色んな国を見て見るのが好きだからこれからも行ったことのない国を優先的に訪れると思うけど、自分好みのお城や旧市街を見るってだけなら、イタリアに集中する方が効率はいいのかもしれないね。

 

とかやってるうちに、バスがバニョレージョに到着。バニョレージョも素敵な旧市街なんですけど、一刻も早くチヴィタ・ディ・バニョレージョに行きたくて、速足で通り過ぎてしまった。

 

これがカナーレ・モンテラーノの中世祭りと並ぶ今回の旅行の目的、チヴィタ・ディ・バニョレージョだ!

 

上の写真は展望台からの眺め。バニョレージョの町はずれからここまで10分くらい。ここからチケット売り場までまた10分くらいかかる。下の写真の真ん中辺、左に見えている屋根の向こうにチケット売り場がある。

 

 

環境保護のため、チヴィタへの入場にはお金を払うことになっているのです。でも、チヴィタの中に宿泊する人は無料。特に証拠を提示しなくても、橋の入り口で「今夜は町の中に泊まります」とだけ言えば通してもらえます。

 

 

橋を渡るのにまた10分。ここで息切れして休憩しました。最後の部分の上りがきつくってさ…。

 

元は橋のこっち側にあるバニョレージョが、チヴィタの郊外という関係だったみたい。昔は普通に地続きだったようですが、地盤が凝灰岩(掘る時は柔らかくて風雨に晒すと固くなるアレ)なので、少しずつ削れていって島のようになってしまったようです。13世紀のトマス・アクィナスと並び称される神学者であり、フランシスコ会総長でもあった聖ボナヴェントゥラはバニョレージョ出身ですが、彼が少年時代を過ごした家は何百年も前に崖と一緒に崩れ落ちてしまったとか。

 

そんな事情で却って近代化されないまま年月が過ぎ、近年になってその古い町並みと谷に浮かぶ孤島の佇まいが人気を呼び、イタリアの作家が呼んだ「死にゆく町」と言う名のロマンチックな響きも相まって、観光客が急増しているそうな。

 

 

サンタ・マリア門の堅牢な門楼を見れば、この町がこの地方で重要な政治経済の中心だったことも理解できる。今ある町の規模にそぐわないほどだと感じられるのはつまり、町が崩れて小さくなってしまったからなんだろうな。

 

野本さんは何度もブログ記事にチヴィタ・ディ・バニョレージョを取り上げています。町の歴史や名前の由来も書いてくれているので、ぜひ読んでください。いくつかリンクを貼っときますね。

イタリア的「将軍の湯」が名前の由来☆チヴィタ・ディ・バニョレージョ

天空の町で中世レシピのランチ