お酒で日本列島をめぐる旅。12回目は千葉県。


千葉は、古くから日本酒作りが盛んで、現在、千葉県内にある蔵元の半数が、江戸時代に創業したといわれます。そんな千葉で作られる日本酒は、作られるエリアによって味わいが様々で、多様な日本酒を楽しめるのが特徴です。


埼玉県の代表的なお酒をいくつかご紹介


【不動(ふどう)】

「不動」の造り手である鍋店(なべだな)は、「由緒正しい」という言葉がぴったりと合う、長い歴史を持つ蔵元です。「不動」は、鍋店が専門店向けの銘柄として開発しただけあって、長きにわたり培ってきた酒造りの技術とノウハウが余すところなく注ぎ込まれています。やさしい甘味と、キレのよさが同居する繊細な味わいが特徴で、造り手のこだわりを感じる日本酒に仕上がっています。「不動」はまさに、造り手のこだわりが色濃くでた、鍋店ならではの個性があふれる日本酒です。



【甲子(きのえまさむね)】

「甲子」は、千葉県でも指折りの老舗蔵、飯沼本家が醸す日本酒。300年を超える伝統を重んじながらも、未来を見据えた革新的な酒造りをめざす蔵元が、一歩先を行く日本酒として生み出した銘柄が「甲子」。「甲子」の真価は、食事とともに飲むことで発揮されます。

良質な日本酒は、食事と合わせることで魅力が際立ち、同時に料理の味わいも引き立てるもの。「甲子」はまさに、そんな日本酒であり、おいしい食中酒として、多くの地酒ファンから評価される銘柄です。


【木戸泉(きどいずみ)】

「木戸泉」は、房総半島東南部のいすみ市に蔵を構える、木戸泉酒造の代表銘柄です。天然の細菌のはたらきを重視した「高温山廃酛(もと)仕込み」という独自の醸造法を導入し、以来、半世紀以上にわたりこだわり続けています。木戸泉酒造がこだわる「高温山廃 酛(もと)仕込み」とは、酒母(しゅぼ=酛)を造る際に、天然の乳酸菌を用いて仕込む「生酛(きもと)造り」の一種。高温環境下で、乳酸菌、麹菌、酵母菌という3つの菌を、自然のままにのびのびと発酵させる酒母造りによって、豊かで深みのある味わいを引き出します。木戸泉酒造が醸す日本酒は「木戸泉」をはじめ、いずれも蔵元の“先見の明”によって誕生した革新的な日本酒です。



【福祝(ふくいわい)】

「福祝」は、千葉県上総の老舗、藤平酒造が、地元・久留里の名水をふんだんに使って醸される日本酒。ていねいな仕込みが生み出すその味わいに、多くの人が魅了されています。藤平酒造は現在、年間総生産量が約300石(一升瓶で3万本)という小さな蔵元。「福祝」は少量生産だからこそできる、手作業でのていねいな酒造りを徹底することで、全国の地酒ファンから注目を集めています。

なかでも大切にしているのが洗米。「洗いに始まり、洗いに終わる」と謳っているように、選び抜き、磨き上げた米を手作業でていねいに洗うことで、「福祝」の魅力である「キレ」を生み出しています。